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2014年11月 1日 (土)

セカンドシティ ジャパン デモンストレーションライブ in 大阪

10月28日(火)、大阪・Music Club JANUSにて、「セカンドシティ ジャパン デモンストレーションライブ in 大阪」が開催されました。

シカゴを拠点とするアメリカ最大のコメディ劇団「The Second City(セカンドシティ)」。同劇団では「IMPRO VISATION(インプロビゼーション)」=即興を核とした独創的な笑いのシステムを用い、さまざまなショートコメディを披露。マイク・マイヤーズ(マイク・マイヤーズ(『オースティン・パワーズ』『シュレック』)、マシ・オカ(『HEROES』)、ビル・マーレイ(『ゴーストバスターズ』『ロスト・イン・トランスレーション』)といったスターたちを輩出してきたことでも知られます。そんなアメリカ発の笑いに日本の芸人たちが挑戦するのが「セカンドシティ ジャパン」。6月に行われた東京公演は連日満員の大盛況となりましたが、満を持しての大阪では、果たしてどんなステージを見せてくれるのか!? 期待が高まります。

今回の大阪公演では、よしもと所属の大阪芸人14人と、東京公演に出演したメンバーからの選抜メンバーが集結。3つのチームに分かれ、それぞれが「台本なし。道具なし。そこにあるのは芸人の腕と覚悟のみ。」のキャッチフレーズそのままに、その場で観客からお題をもらっての即興ショートコメディを繰り広げます。客席は、お酒やフードを楽しみながら観劇するスタイル。MCを務めるギンナナ・金成公信のナビゲートで、いよいよまだ見ぬ笑いの世界が幕を開けました!

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トップバッターは、フレッシュキッズことTeam C(アキナ・秋山、尼神インター・誠子、バンビーノ・石山、モンスーン・T@TSU、ヒガシ逢ウサカ・今井、kento fukaya、馬と魚)。まずは小手調べに、指をさされた人がお題に合った言葉を即座に答えていくというゲームから。間違ったり言えなかったりすると脱落、最後まで残った者が勝者となります。「ポケットに入れるもの」「高級なもの」といったお題に必死で答えるメンバーたち。「壊れるもの」では誠子がとっさに「おばあちゃん!」と答え、その猟奇的な回答に客席は爆笑。「架空の野球チームの名前」「架空のアイスクリームの名前」ではとんでもないネーミングセンスが炸裂し、最後はT@TSUひとりが残り優勝をもぎとりました。

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続いては討論のシーン。客席から出た「ゴジラと仲良くする方法」をテーマにした討論を、秋山、誠子、T@TSU、今井、馬と魚が繰り広げることに。今井の仕切りで2人×2人の対決となり、それぞれが互いの目や口元をうかがいながら、声を合わせて主張を繰り出していきます。その内容が、これまた予測不能の面白さ! 「ご飯をいっぱい食べてゴジラぐらい大きくなること」など、次々と生まれる謎の名言で沸かせました。

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お次は石山とkentoが、「ニュージーランド」というお題を取り入れながら、こちらも観客から出た「腹いてえ」というフレーズを使い即興コントを。石山がニュージーランドとスウェーデンのハーフだという詩人に扮し、「腹いてえ」というタイトルの誌を朗読。これに合わせ、kentoが通訳を入れていきます。石山のダイナミックなアクションはもちろん、kentoのトンデモ翻訳ぶりもお見事!

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秋山、誠子、kento、今井が挑戦したのは「洗濯」というお題をもらってのシーン。4年に一度開かれるという洗濯オリンピックに出場したふたり(誠子、kento)のライバル心むき出しなプレーに加え、とっさに出たセリフに合わせ「実は女性」という設定を与えられてしまった元チャンピオン・今井の解説にも笑いが。最後はなぜか誠子がおぼれるという展開を見せ、スペクタクルなコントが仕上がりました。

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ヘッドホンをつけたT@TSUと馬と魚の前で他のメンバーがあるシーンを演じ、"音"の情報なしにふたりがそれを再現するという試みでは、見た目はほぼ同じながら全く違うストーリーが誕生し、金成は「こんなにも変化するんですね!」と驚きを隠せません。

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最後は即興コントの最中に、次々と人が入れ替わりながら芝居を続けていくというコントで締めくくり。ここでは入れ替わるだけでなく、さらに物語を過去へ過去へと進めるルールが加わり、憧れの「象印賞」を受賞したひとりの女性の数奇な人生が再現されることに...。いったいこの話はどこへ向かっているのか!? 観客、そしてメンバーたちは、笑いとともにそんなスリルも存分に楽しんでいるようでした。

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二番手のキングバスターズことTeam Bは、山本奈臣実、森田展義、藤崎マーケット・田崎、アキナ・山名、守谷日和、カバと爆ノ介・カバ、ゆりやんレトリィバァの7人。ここではチームを赤と青のふたつに分け、さまざまなシーンで対決していきます。まずは客席から出た「桃太郎」というお題に沿って、山本、森田、田崎、カバからなる青チームが「実は桃太郎に続きがあった」というテーマで即興コントを。桃太郎は既に死んでいるというサスペンスな設定でスタートした芝居は、やがて鬼と暴れん坊将軍が織りなす人間ドラマに!? ついにはカツラにまつわる教訓(?)まで飛び出し爆笑をさらいます。

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山名、守谷、ゆりやんの赤チームは、山名が作家に扮して描くストーリーを、ふたりが演じていくというシーンに挑戦。お題は「バナナ」。「三半規管を落とした男」というムチャぶりを受けた守谷の名演技に対し、ゆりやんもそれ以上の"変な性癖"を持つショップ店員を熱演。結局「バナナ」は全く出てこないまま、まさかの終了となりましたが、観客の圧倒的な評価を得て、この対決は赤チームの勝利となりました。

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次は攻守交代で、赤チームが先攻に。観客からもらったお題「家庭教師」をテーマにした即興コントを演じながら、途中で出されるさまざまな感情に関するお題とそれに合わせたBGMに乗せ、物語を変化させていきます。家庭教師・ゆりやんと生徒・守谷が演じる悲しみや喜び、そして父親・山名が乱入してからの怒濤の展開、ゆりやんが発した最後のひとことなどなど、次々と笑いを巻き起こていきました。

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一方の青チームが臨むのは、ふたりでシーンを演じ、途中で他のメンバーが「フリーズ!」と言ってストップ、そこで感情にまつわるお題をもらい、それに合わせてシーンを変化させていくというもの。ストーリーのベースとなるのは「宮大工」というお題。師匠の田崎と弟子のカバが演じるほのぼのとした仕事風景が、「悔しさ」「蔑み」といったお題を受けて、どんどん殺伐とした雰囲気に...。カバの容赦ない"蔑み"演技が大ウケで、今回は青の勝利となりました。

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最後は全員で一緒に楽しく演じるシーンを。ふたりによる即興コントの途中で次々と人が入れ替わり、同じポジションから全く違うシーンを演じていくというゲームで盛り上がります。お題は「柔道」。最初は手に汗握る柔道の試合風景だったはずが、気付けばふたりの関係は乗り物と人に変化!? 思いもよらぬアイデアの連続に、大きな歓声が上がっていました。

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休憩を挟んで登場したのは、東京でのステージも経験しているスリーキャッツ&ファイブドッグスことTeam A(水玉れっぷう隊・アキ、水玉れっぷう隊・ケン、かりすま〜ず・幹、2丁拳銃・修士、インポッシブル・井元、インポッシブル・蛭川、スパイク・小川、スパイク・松浦)。最初はお題を募っても照れからかあまり声が上がりませんでしたが、このあたりからお客さんもすっかり場の雰囲気に慣れ、ことあるごとに手拍子や掛け声があがるように。そんな客席に後押しされ、8人のテンションもしょっぱなからMAXです。

まずくじびきで4人を選び、ジェスチャーゲームに挑戦。幹、蛭川、小川がお題をそれぞれ演じて見せ、それをアキが当てていきます。ところがこちらも一筋縄ではいかない「セカンドシティ」スタイル。「のび太が」「京都で」「万引きした」という一文を、犬になりきって鳴き声とジェスチャーで表現することに。あまりのハードルの高さに金成も観客も最初から諦めムード(?)でしたが、なんとアキが次々と当てていき、場内騒然! 

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一方、残る4人は「エレベーターが止まった」というシチュエーションで即興コントを演じます。閉じこめられた松浦と井元、それを発見する窓拭きの修士、怪力男ケンが織りなすシュールなシーンが完成すると、今度は同じものを半分の30秒で、さらに15秒、7秒と時間を縮めながら再現! 最後は「1秒で」と指示されましたが、ケンの叫び声だけがむなしくこだまする結末となりました。

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第2ラウンドでは、またまたメンバー3人を選び、公演前のお客さんに書いてもらった言葉をランダムに使いながらコントを演じる「紙のセリフ」を。ケン、幹、小川が「不倫」というお題に沿って展開するのは愛憎ドラマ。しかし時折、ポケットからそれぞれが紙を出し読み上げると、どんどんストーリーがねじ曲がっていき、気付けば男同士の修羅場に!? まさかのセリフに客席は爆笑の連続です。

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続いては修士、蛭川、井元がお題に沿ったシーンを演じ、それを「リプレイ」しますが、その際、客席から「ディズニー」といった新たなキーワードがお題として加えられて大混乱。USJで遊ぶふたりの前に本物のハリー・ポッターが現れるというストーリーが、最後は「三船敏郎」「ピカチュー」「ジャッキー・チェン」の配役まで与えられ、カオス感たっぷりの夢の共演が実現していました。

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残るアキと松浦が演じるシーンでは、客席から4人のお客さんがステージへ! お客さんにはステージの四隅に立ってもらい、ふたりは中央でコントを演じながら時折彼らにタッチ。その際、心に浮かんだフレーズを言ってもらい、それを使ってさらにストーリーをつないでいく「話す人柱」に挑戦します。ふたりは親子に扮してシリアスなシーンを演じ始めたものの、お客さんから次々と飛び出す脱力フレーズに翻弄され、いつしか抱腹絶倒のコントが誕生!

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いよいよ最後のシーン、ここではくじびきで選ばれたケンが、一緒に演じたいメンバー3人を選びます。選ばれたのは、幹、修士、松浦。結果、チームはふたつに分かれました。先攻のアキチームは、ひとつのシーンを演じるたびに客席の判定をあおぎ、一番評価の低かったメンバーが脱落していく「サバイバー」に臨みます。どんどん人数は減っていくものの、演じるシーンも登場人物も同じ。ひとり何役もこなしながらのチームプレーが笑いを誘います。しかも出されたお題が「ひらかたパーク」。関西出身者以外にはイメージできない場所となり、井元、蛭川、小川は戸惑いを隠せません。最後に残ったのは蛭川。たったひとりで演じる4人のドラマは、もはや狂気の領域となっていました。

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後攻の4人は「歌ってみよう」を。即興コントを演じながら、途中でベルを鳴らされたメンバーは、その時口にしたセリフをタイトルに歌を歌わなければなりません。結婚式当日の父(幹)と娘(松浦)、そこへ乱入する昔の恋人(修士)、さらには新郎(ケン)が加わって、ミュージカル仕立てのコントが展開されます。「節子そろそろ行くね」「地主かあ」「酒屋の息子」「土地か酒か」といった名曲が次々と生まれ、中でもケンの圧倒的な歌唱力には拍手と爆笑が。いつしかお客さんも一緒になって歌い始め、まるでコンサートのような雰囲気に!

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エンディングでは、再び全チームが集結。それぞれが笑いの筋力をフル稼働させて繰り広げたステージは、まさにこの日この時しか見られないものとして、観客の心に鮮烈な印象を残したようでした。

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