タカアンドトシ20年目単独ライブ in EXシアター ~2020年東京五輪の正式種目に漫才を!~
11月2日(日)、3日(月・祝)、東京・EX THEATER ROPPONGIにて、『タカアンドトシ20年目単独ライブ in EXシアター ~2020年東京五輪の正式種目に漫才を!~』が開催されました。
結成20周年目を迎えた今なお新ネタを作り続けているタカトシですが、単独ライブは5年ぶりとあって、両日ともに超満員に。
ここでは初日の2日(日)の様子をレポートします。
タイトルどおり、2020年に開催される東京五輪で、漫才を正式種目にするべく、試行錯誤しながら様々なスタイルの漫才をタカトシの2人が披露する...という構成。
古代オリンピックを感じさせる神殿風のセットで、期待感を煽るなか、開演時間を迎えると『栄光の架橋』のBGMとともに、客席後方からタカトシの2人が現れ、ファンとスキンシップをはかりながらステージへと登壇します。
スタンドマイクを挟み漫才が始まると、さっそく五輪の話題へ。
漫才を2020年の東京五輪の正式種目にしたいとするタカは、「他の国は今から始めるわけですから、芸歴6年ですからね」「芸歴6年と言えば、あばれる君とかうしろシティとか、その辺ですからね。負けるわけないですよ」と熱弁し、「失礼だろ!」とのトシのツッコミを受けるも、「あばれる君に(オール)阪神巨人が負けるわけないだろ」と持論を続けるのでした。
また、結成20周年目とあり、この20年間に開催された5大会の五輪でのメダリストや名言、出来事を次々と漫才のネタに。
トシの「いいかげんにしろ!」で、壮大な五輪風の音楽が流れるオープニングへと移ると、影アナによって、改めてこのライブの趣旨が説明されます。
そして、左右のモニターには、海外の調査団と名乗る3名が映し出され、漫才が正式種目に相応しいか否かを協議するとのこと。
そのなかで「陸上競技のようなスピード感と興奮を見せてくれる」と紹介されたのが、次の『何個ボケられるか漫才』です。
ステージには、3ケタまで表示可能なカウンターが設置され、出てくるなり客席の方向を間違えるなど、タカがボケを連発し、そのたびにツッコむトシ。
後輩芸人のギャグを拝借したり、同じボケを繰り返すなど、怪しいボケもありましたが、最終的にカウンターは「117」個ものボケを計測しました。
続くVTRでは、インタビューに真剣に答えるタカの姿が。
そこでは、「漫才を東京五輪の正式種目にしたい」「漫才の半端無い可能性、見せるつもりなんで」と胸中を吐露し、一番のライバルと名指しした徳永英明さんのようにカバーがしたいそうです。
そして、「ツービートさんの漫才をツービートさんの漫才の台本でカバーする」「それが面白ければ、漫才師として、僕らがツービートさんに近づいたってことなんですよ!」と『カバー漫才』への思いを語るタカ。
1980年代初頭の漫才ブームを牽引したツービートの映像が流れたのち、タカトシの2人は、当時のツービート風の衣装で登場します。
ネタはツービートの代表的な標語で、タカが「寝る前にちゃんと締めよう親の首」「気をつけようブスが痴漢を待っている」といった毒ガスを噴射。
途中、トシの実の子供の泣き声が響き渡り、トシが動揺するハプニングもありましたが、最後までやりきりました。
ひょっとこのお面、木魚、こけしなど多数の小道具が用意された『小道具漫才』を挟み、『団体漫才』では、ボケに三瓶、大好物・須藤、ものいい・吉田サラダ、花火・竹内という4人が加わり、6人による漫才で、トシがツッコミで孤軍奮闘。
統一性のあるボケ軍団のルックスも、笑いを生む要素のひとつとなりました。
続いては、影アナとして進行を務めていたロバートの山本博が、晴れて舞台に姿を現します。
落語の三題噺よろしく、観客から募った3つのキーワードを即興で折り込む『キーワード漫才』のお題を集めるべく、客席へ降りる山本。
同郷の群馬県出身者や、タカアンドトシTシャツを着込んだ熱心なファンらからキーワードを聞き集め、山本は「エッグベネディクト」「東京特許許可局」「しょうた」の3つを選択します。
キーワードが決まったところで、タカトシが登場。
今年の出来事を振り返る漫才の中に、見事3つのキーワードを折り込むことに成功して、拍手を浴びました。
続くVTRでは、再びタカへのインタビュー。
演劇など他のエンタテインメントに比べ、漫才が「低俗だと思っている人が多い」と憤り、「漫才の可能性を広げるために、演劇も驚く漫才をやってやらなきゃダメだ」として、『演劇漫才』へ挑みます。
宝塚風の衣装で登場したタカトシの2人は、自転車を乗るというシチュエーションの漫才コントへ移ると、ミュージカルへと一転。大ヒットアニメ映画の劇中歌に乗せて「♪サイクリングに行こう~」と歌い出し、トシのツッコミもミュージカル調で爆笑を誘いました。
続く『意味不明漫才』では、その場で演じた意味不明のかけあいが逆再生すると漫才として成立しているという趣向で、次の『セルフカバー漫才』は、『M-1グランプリ2004』の決勝で披露したネタをボケツッコミ逆にするという試みに挑戦。
当時の映像も流れ、そのギャップも見どころとなったようです。
そしてラストの漫才は、調査団からの「最後にあなたたちの正統派漫才見せつけて 」の言葉を受けて、『正統派漫才』。
「コラボで景気回復して欲しい」として様々な企業名や商品名を組み合わせたかと思えば、子供自慢、もの忘れなど、タカトシの私生活を伺わせる話題もネタに盛り込みます。
怒涛のボケとツッコミを繰り出すも、調査団の出した答えとは......。
クライマックスが終わると、エンディングロールが流れ、拍手のなか再びステージへ現れたタカトシ。
ライブを振り返り、トシが「結構カミカミだったね。まさか身内にジャマされるとは。子供が泣き出したでしょ。そしたらトシさんもそっち心配になって、ネタ飛んで(笑)」と明かせば、トシが「そんなことはない(笑)」と否定し、「やさしくしろよ、うちの子供に」となぜか語気を強めます。
次回のライブについて、12月5日、ルミネtheよしもとで行われる『タカトシプレゼンツ 新ネタやろうぜ~第9話~』に向けてネタ作りをするというタカ。
「単独ライブはいつやりますか?」とトシが切りだすと、「そうですね、毎年やっていきたいですけどね...2020年にやりましょうか」とタカが答え、「6年空くじゃねえか!」とトシ。
結局、次回の開催は明確にしませんでしたが、「その時はまた遊びに来ていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました」とトシがしめて、2人で観客に礼をすると、大きな拍手とともに終演を迎えました。
なお、11月3日(月・祝)の模様は、WOWOWライブにて21時より放送されます。
【タカアンドトシ】