グランジ単独ライブ『人生ってこんなもんか』
11月21日(金)、22日(土)、東京・ルミネtheよしもとにて、グランジ単独ライブ『人生ってこんなもんか』が開催されました。
約2年ぶりとなる新作のみの単独ライブで、「半年でDVDを1万枚売らないとよしもと解雇」を免れてからは初、さらにルミネ2DAYSも初とあって注目が集まり、連日大盛況に。
2日間の2公演で、ネタ、映像ともに数本入れ替えましたが、ここでは21日(金)の模様をレポートします。
開演時刻を迎えると、まずは影ナレで、グランジとスタッフが、自らを鼓舞し、独特の空気に飲み込まれないためにと、ニュージーランドの伝統の舞"ハカ"を披露するとのアナウンス。
明転になると、グランジに加え、「作家」「舞台監督」「小道具」といった役職名を胸につけたスタッフが、ニュージーランドラグビー代表"オールブラックス"を彷彿とさせるお揃いのTシャツ、短パン姿で勢揃いします。
グランジは一人ずつ、今日の目標を発表することとなり、佐藤大は「最近、私事ですが、私を取り巻く環境が目まぐるしく変化して、僕自身ついていけてません」と、芸能ニュースを賑わせている件に触れつつ、「絶対に噛まない!」と公言。
続く遠山大輔は、グランジでエゴサーチして、客席が埋まってないとのツイートを発見したそうで、「よくないぞ!」と苦言を呈した上で、目標は「若手の単独にありがちな身内ネタは言わない」と掲げます。
残る五明拓弥は「むちゃくちゃがんばる!」とキッパリ。
また、「お前が2日やるって言ったんだぞ」(遠山)、「(客席の)両サイド空いてる!」(五明)と振られた石川プロデューサーは、「売れて来年3DAYSをやります」と宣言し、拍手を浴びます。
一方、肥後マネージャーへは「なぜ我々は、DVD1万枚売ったのに、売れてねえんだ。頼むよ」と佐藤が愚痴をこぼす一幕も。
そうした口上を挟みつつ、「人生ってこんなもんか」(佐藤)、「結局、こんなもんだ」(遠山)、「でもやるしかない!」(五明)、「がんばって、がんばって人生! 強く生きろ、人生、ワー!」(全員)と、グランジ流のハカを締めくくり、そのド迫力の声量で観客のハートを鷲掴みにしました。
浅草などをロケしたクールなオープニング映像の後は、コントと幕間のブリッジVTRとを交互に披露する構成で、見るものを飽きさせません。
電器会社にて「人の食べ物に水銀は入れない」といった極端な社員教育をされる『コンプライアンス』、秀吉(遠山)、家康(佐藤)、信長(五明)に扮した『ホトトギス』、遠山首相が米国大統領へ電話会談を申し込むも、音声ガイダンス対応される『電話会談』、バキバキさんがゲロリに独立国の作り方を伝授する『恐育番組
』......といった時事性、政治色の強いコントで、グランジの持ち味を惜しげも無く吐き出します。
また、砂かけばばあが砂のかけすぎで離断性骨軟骨炎を患う『水木記念病院』、ラーメン店の晴々しいのれん分けの日に起きるドタバタ劇『のれん分け』、警備員(佐藤)と窃盗とのかけあいをほぼ暗転で描いた『金庫破り』など、徹底したバカバカしさやアドリブ性も彼らの真骨頂です。
この日、唯一の漫才『息がぴったり』は、その名の通り、雷オヤジを題材にした気持ち悪いほどに息が合ったトリオ漫才でした。
ラストのコント『まつり』は、演歌歌手のショーをモチーフにしながらも、ライブタイトル『人生ってこんなもんか』へとつながる(とも受け取れなくもない)バイオレンスなクライマックスに。
幕間のブリッジも、実に練られたVTRがズラリ。
最初は、「最近いろいろあったのでグランジのご意見番に電話で意見を伺いました」として、遠山が遠山の母へ電話でのインタビューを行い、佐藤の熱愛報道について扱った『サンデージャポン』とおぼしき番組やよしもと側への不満を聞き出します。
『グランジイメージ似顔絵』は、上野の似顔絵描きに、プロフィールと後ろ姿の写真だけを見せ、想像で似顔絵を描いてもらおうという試み。
終演後にはロビーにも展示され、記念撮影する来場者が続出しました。
ランニングアプリを使って、地図上に『ダシダ』の3文字を描こうという企画では、泥酔者に絡まられるというミラクル(?)に遭遇すれば、「チームグランジ」と題された3人でのグループLINEで、普段の(?)やりとりを公開するG軍垂涎の一幕も。
ヨシモト∞ホールの楽屋で、後輩にどれだけ挨拶されるかを音量の測定で勝敗を決める『第一回おはようございます選手権』では、大敗を喫した遠山が後輩に説教する件で爆笑!
素揚げしたタガメを突然差し出して、遠山のリアクションを楽しもうという企画『拓ちゃん大ちゃんのいたずら大好き』では、女性ファンを装い、すごい論・ともはも仕掛け人として登場しました。
他にも、よしもとのコンプライアンス担当と偽って、ライス・関町、トレンディエンジェル・斉藤、ピクニック、しずる・池田にそれぞれ電話をかけるドッキリ企画も。
心当たりを訊かれ「写真を断りました」と自白した池田は、タネ明かしされた後、あまりのしょぼさにカットを申し出るなど、それぞれの反応に笑いが絶えませんでした。
コント『まつり』の後、『心像放映』(米津玄師)に乗せたエンディングVTRが終わると、Tシャツ姿でステージに立つ3人の姿が。
ほぼ満席という客席を見渡した佐藤は、「これダイ万歳ですよ」と口走った後に「万々歳(笑)」と言い直し、「こんなたくさんのG軍(グランジファンの総称)のみなさんが...」と感謝を口します。
片や五明は、「『金庫(破り)』、じゃんけんして警備員役決めましょうよ」と、一人だけ裸体を晒さない警備員役の佐藤に不満の様子。五明曰く「舞台の上だったらどうにかなるかと思ったけど、俺すげー恥ずかしい」とし、じゃんけんをしますが、五明の一人負けとなります。
遠山は「でも...」と役どころに不満はなかった様子です。
続けて、遠山が発売中のDVD『できる7人』、今回のポスター、さらには2ヶ月間で1万個の販売を目指している韓国の万能調味料"ダシダ"の告知を行い、「我々ね、売るものが常に多いんです(笑)」「もう少しで俺ら車売り出します」と自虐的なガヤを飛ばす佐藤。
そこに、日本で活動し、ダシダの販売をサポートしてくれているK-POPアーティスト"5tion"(オーション)が登壇し、一気に華やかなステージへと変貌します。
彼らからの差し入れとして、佐藤に豆腐、遠山にシャンプーのTSUBAKIが渡され、最後に"寝る時用"にと鬼のお面をもらった五明は「実家だから頭おかしくなったと思われる(笑)」とツッコむなど、大盛り上がり!
しかし実は、「TSUBAKI」と「鬼のお面」と「豆腐」(=冷奴)を一文字ずつつなげると......といった5tion側の粋なパスでしたが、当の佐藤だけでなくグランジ3人揃ってスルーという失態を犯した瞬間でもありました。
さらに遠山から、本日ダシダを20個まとめ買いしてくれた人にトークショーへ招待すると明かされ、さすがの佐藤も「俺、もうやだよ!」と腰から崩れ落ち、「むちゃくちゃ美味しいから」と五明がフォローする場面も。
最後に遠山が代表して、「お越しいただいて、本当にありがとうございました」と感謝を述べ、暖かな拍手に包まれながら2時間を超えたところで終演。
終演後のロビーでは、さっそく5tionとともにダシダやグッズの手売りに精を出すグランジに、大勢の来場者が群がっていました。
【グランジ】【五明拓弥】【遠山大輔】【佐藤大】