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2014年11月25日 (火)

坂田利夫50周年記念公演「アホに感謝でありがとさ〜ん!!」

11月23日(日・祝)、坂田利夫50周年記念公演「アホに感謝でありがとさ〜ん!!」が、なんばグランド花月にて開催されました。1964年の吉本新喜劇入団以来、コメディNo.1として上方漫才大賞など数多くの賞を受賞するとともに、「あ〜りが〜とさ〜ん」「アッホ!」など多彩なギャグを生み出してきた「アホの坂田」が、芸能生活・アホアホ生活50周年を記念して贈るスペシャルイベント。坂田と親交の深い芸人たちも大集合し、おめでたい一夜を華やかに盛り上げました。

開演時間、場内に流れてきたのは、西川きよしの妻であり、坂田の憧れの女性でもある西川ヘレンの声! 公演の案内係を務めるというヘレンが「坂田くんのために一生懸命頑張るつもりですので、何卒よろしくお願いいたします」と挨拶すると、大きな拍手が起こります。続いて酒井藍ら吉本新喜劇の若手女優が元気いっぱいのダンスで今夜の主役・坂田をお出迎え。『アホの坂田のテーマ』に乗って「よいとせのこらせ」と登場した坂田は、そのまま舞台を通過してハケてしまうというボケで、さっそく笑わせます。ようやく舞台中央に戻ると「今日は一生懸命アホをばらまきます! 皆さん、アホになって帰ってください」と呼びかけ、いよいよ本編へ...。

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ヘレンのナレーションに導かれ、まずは坂田の青春時代を描くコントからスタート。たこ焼き屋の大将(石田靖)のもとへやって来た吉本新喜劇の研究生、坂田ときよし(それぞれ本人)は、嫌味な先輩芸人に悩まされており、この日も長いお説教から逃げ出してきた様子です。きよしは登場するなり打点の高いジャンプを決め、若さをアピール! さらに坂田も加わり、懐かしのギャグ合戦を繰り広げるなど、やりたい放題。ところが追ってきた先輩たち(池乃めだか、島田一の介)に見つかってしまい...!? 

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ストーリーの流れを無視して自由奔放にボケまくるきよしのおかげで、坂田ら4人はてんやわんや。演技指導を受けるシーンでは、勢い余ったきよしがめだかに激突、座っていたベンチごとひっくり返してしまうという大ハプニングも! ラストは若き日のヘレンのマネジャー役で西川忠志も登場し、苦労が多いながらも笑いにあふれた日々を再現していました。

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コント終了後は、そのまま石田をナビゲーターに、坂田ときよしが思い出トークを展開。2年違いで吉本新喜劇に入団したふたりは、下積み時代の苦楽を共にした仲。坂田は一度就職しましたが、「お笑いが好きで、テレビに出たら給料いいかと思って」入団を決意したそうです。「ヘレンはなぜ坂田ではなくきよしと結婚したのか?」という石田の疑問には、「ヘレンが舞台で倒れた時、僕の家が近所だったので休みに来てもらって看病したのがきっかけだった」ときよし。ふたりは結婚後も坂田をまじえ3人でアパート暮らしをしていたといい、その頃のエピソードなども語られました。

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今夜は幕間も豪華絢爛。ここでは舞台転換の時間を利用して、オール阪神・巨人が坂田にまつわるおしゃべりを。巨人は「(50周年記念公演は開催できたが)60周年はないです! 以前、ある番組で身体検査をした時、『生きてるのがおかしい』と言われた人ですから」と坂田の虚弱ぶりを指摘。「楽屋で腹筋に挑戦したものの一度もできなかった」「タクシー乗り場までタクシーに乗って行った」などなど、次々と仰天エピソードが飛び出します。一方で、仲間が入院すると一番にお見舞いに駆けつける、とも。「やさしい人なんですよ」(巨人)と、温かな人柄についても明かしていました。

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お次は「坂田利夫のアホ大喜利」。司会は桂きん枝で、ザ・ぼんちのふたり、若井みどり、大木ひびき、そして坂田が「あいうえお作文」や「ベンベンコーナー」に挑戦します。「さ・か・た・と・し・お」の6文字での変則「あいうえお作文」では、きん枝も加わり「坂田利夫という男は」「彼女もいてないし」「態度もデカいし」「年は食うだけ食うとって」「しょんべんたれですが」と落とすだけ落としてからの「男の中の男です」で見事なフィニッシュ! 「ベンベンコーナー」でも坂田が衝撃の自画自賛ネタを繰り出し、会場を沸かせました。

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続く幕間は、めだかと一の介が担当。ふたりが先ほどの再現コントについて「稽古なし、セリフをちょっと合わせただけ」と明かすと、客席にはどよめきが...。そこから、めだかが若き日に経験した恐怖の「客席落下事件」など、面白エピソードがあれこれ披露されました。

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2本目のコントは、母親思いなことで知られる坂田と母の"愛"がテーマ。母(若井みどり)をレストランに招待した坂田でしたが、居合わせたガラの悪い客に「おもろいことやれ」とからまれてしまいます。しかし「怒ったらアカン」と息子を諭し、「アホ」とはやしたてる客たちに「うちの息子はアホやない!」と語りかける母の深い愛情...笑いはたっぷり盛り込みつつも、ポッと心が温かくなるコントに仕立てました。

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幕間トークの三番手はザ・ぼんち。おさむは、大喜利の際に坂田がカンペを用意していたにもかかわらず、それが使えなくなってしまった自業自得な理由を暴露。一方のまさとは、「坂田が買った馬券はことごとく外れる」という"伝説"を語りました。

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続いては、懐かしのテレビ番組『あっちこっち丁稚』の再現コントです。今回、丁稚3人組に扮したのは、坂田(利松)、阪神(ハン松)、トミーズ健(ケン松)。仕事をサボって遊んでばかりの3人に、番頭に扮した巨人が雷を落とします。容赦なく炸裂する巨人のハリセン攻撃に、客席は爆笑の連続。半裸のシンクタンク・タンクに背負われた坂田が「あんたバカね〜オホホ〜」を決めるクライマックスまで、おなじみのドタバタ劇がノンストップで繰り広げられました。

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またまた幕間トーク、さきほどのコントでも大活躍を見せた若井みどりと健が舞台へ。みどり曰く、健と坂田は年齢差はあるものの「私生活では一番の仲良しで、よく遊んでいる」そう。健によると「ミュージカルを楽しむ会」をふたりで結成しているとのことですが、よくよく聞いてみればそれは「ストリップ劇場めぐり」!? 「関西の劇場はほとんどまわった」と胸を張る健に、みどりが興味津々で質問を投げ掛けるひと幕も。

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さあ、公演もいよいよ終盤。この日の目玉のひとつ、スペシャルゲスト・明石家さんまとのぶっちゃけトークです。顔を合わせるなり「なんちゅう格好ですのん!」(坂田はアホアホマンの衣裳)とツッコミを入れられるなど、冒頭からさんまがリードする一方でコーナーが進行。さんまは初めて坂田に会った時、「ふくらはぎがないことに驚いた」そうで、話題の的となったふくらはぎを坂田が実際に披露すると、あまりの細さに客席から悲鳴が上がります。また、伝説のギャグ「あ〜りが〜とさ〜ん」は「山本正さんから5000円で買い取ったんですよね?」と最初は他人のものだったことも明かすなど、坂田の過去をひもとく(?)話題が続きます。さらに、秘められた坂田の恋バナも大暴露!? さんまは「もう少しストレートに面白い坂田師匠を見せた方がいい」「二枚目になろうとするでしょう?」と鋭く指摘し、恋愛成就のためのアドバイスを贈っていました。

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この後も、坂田の話を引き出そうとマシンガントークで仕掛けるさんまでしたが、想像を超える天然回答が続いてヘトヘトに。最後の締めもうまくまとめられない坂田を、なぜかさんまがお姫さまだっこするという謎の結末まで、ココでしか聞けない話、見られないやりとりがてんこ盛りのひとときでした。

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最後の幕間は、きん枝と忠志がトーク。「思い出とゆうても、さんまくんのあとでは...」と苦笑いのきん枝でしたが、忠志とともに選挙にまつわる坂田の天然エピソードを語り合いました。

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公演はまだまだ続きます。お次は坂田がこれまで身に着けてきた奇抜なかぶりものをまとめて紹介する「坂田コレクション」。きん枝と忠志がMCを務め、ゲストたちが坂田自慢の衣裳をまとってランウェイならぬ舞台を闊歩します。亀のかぶりものを着た巨人に始まり、石田の鮭、みどりのひよこ、中條健一のかまきりなど、本人以上の着こなしを見せたモデル陣。最後は出演者、そして客席の皆さんも一緒に、坂田のギャグ「ジョンジョロリンジョンジョロリンジョンジョロリンのパッパッ」を唱和して締めくくります。

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ファッションショーも終わり、最後はやはりこの人! 坂田が『旅姿三人男』を熱唱します。タキシード姿でダンサーを従えてのパフォーマンスに、客席はいつしか大きな手拍子に包まれていました。

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エンディング、きん枝から「もう思い残すことはないでしょう」ときかれた坂田は、「思い残すことある! 嫁はん欲しい!」とひとこと。これを受けた酒井らダンサーが「それなら私がしてあげる!」と迫ると、まんざらではない様子の坂田...と、どこかから聞き覚えのある声が!? 「利夫は私のものよ〜!」その声の主は、ウエディングドレスに身を包んだヘレン! ヘレンは坂田にかけより、おでこにキスをプレゼント。照れまくりの坂田に、一同大爆笑で幕となりました。

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カーテンコールで再び幕が開くと、「僕はやっぱり幸せな人間です」と、支えてくれた出演者やスタッフ、お客さんに感謝を述べた坂田。50年を経て、これからも「アホひとすじ」で突っ走る坂田に、どうぞご期待ください!

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