石田笑店2014〜石田家にサンタ参上！聖夜☆炎上!!〜
12月6日（土）、なんばグランド花月にて、石田靖主宰の年末恒例イベント「石田笑店」が開催されました。このイベントは、吉本新喜劇の石田ファミリーが大集合するスペシャル公演。6回目となる今年も、「石田家にサンタ参上！聖夜☆炎上!!」と題し、笑いあり、音楽あり、感動あり、サプライズゲストあり!?の豪華な新喜劇が繰り広げられました。
酒井藍によるキャスト紹介に続いて緞帳が上がると、そこには「笑笑」という名の喫茶店が。どうやら石田と祖父のケン爺（水玉れっぷう隊・ケン）がふたりきりで営む店のようで、森田まりこら訪れた客とともに、さっそくギャグ合戦がスタート！ ケン爺のローキックや、森田によるゴリラの物真似を石田、ケンを交えたコラボレーションで見せるなど、初っぱなから笑いどころいっぱいです。
石田に思いを寄せる、向かいの書店の娘に島田珠代。もちろんラブラブムードは皆無で、石田に投げ飛ばされたり壁に当てられたり、股間へのチ〜ンならぬ「どか〜ん！」攻撃で逆襲したり...見事なコンビネーションで笑わせます。
さらに、「リモコンを探している」と店にやって来た謎の男・アキとのスパッツネタでは、勢い余った石田のせいで「裏切らない」はずのスパッツが破れてしまうハプニングも！ アキの「これから2時間どうすんねん！」という叫びに、客席はもちろん出演者も大爆笑でした。
石田が結婚を決意した相手・未知やすえが挨拶にやって来ると、ますます騒ぎは拡大。開店資金として100万円の借金があることを告白した石田に対し、やすえにも何やら秘密が...？ なんと、娘（酒井藍）、息子（アキ）、娘（松尾依里佳さん）、別れた夫の父（中川貴志）、別れた夫（内場勝則）と5人の連れ子...ならぬ連れ家族がいたのです！ 登場するたび、それぞれのギャグや特技を披露して会場を沸かせる5人。やすえの元夫役・内場は「50代でニート」という珍キャラをイキイキと熱演し、いつもの座長公演とはひと味違う魅力を炸裂させていました。
今年のスペシャルゲストである松尾さんは、『探偵！ナイトスクープ』の秘書としてはもちろん、バイオリニストとしても活躍中。ということで、バイオリンと弦を手に現れ、『情熱大陸』のテーマ曲を颯爽と演奏してくれました。石田は「今まで出てきたメンバーと違って品がある！」と大絶賛。この後も「かに道楽」のCMソングなど硬軟とりまぜた（？）プチリサイタルで盛り上げました。「将来は、バイオリニストか、何かの秘書になりたいです！」と笑いをとるなど、コメディ演技もバッチリ。初挑戦ながら新喜劇にすっかり溶け込んでいました。
ケン爺が石田と別に作っていた借金の取り立てにやって来たのは、高井俊彦率いるチンピラ3人組。ここでも高井の三頭身いじりなどで笑わせ、揉めに揉めてから、最後はやすえのキレ芸で締めくくり！ ど迫力の河内弁に、大きな拍手が起こります。
借金の期日であるクリスマスイブを迎え、「笑笑」では松井さんの奏でるクリスマスソングでささやかなパーティが。しかし、急にふくれあがった大家族に予算が間に合わず、石田からのプレゼントはなし!? 大ブーイングを浴びる中、サンタの衣装で店にやって来たのは、サプライズゲストの俳優・唐沢寿明さんです！ 
やすえのもうひとりの元夫という設定で、別れた子どもたちにプレゼントを持ってきたという唐沢さんに、客席は騒然！ 石田に「久しぶりやろ、抱きしめてもらったら？」と水を向けられ、藍はおずおずと唐沢さんのもとへ...。やさしく抱きしめてもらういうっとりする藍でしたが、やはり手が背中に届かず、唐沢さんは「抱けない...」とポツリ。一方、石田から「やすえさんのどこが好きで結婚したんですか？」ときかれた唐沢さんが「顔」と即答すると、やすえは大照れ。横で見ていた内場は、その様子に苦笑いしていました。
石田曰く、東京で一緒にお酒を飲んだ際、かなり酔っぱらった唐沢さんに出演を依頼したところ、快諾してもらったとのこと。この舞台のためだけに来阪されたという唐沢さんのやさしさに、感激もひとしおの様子です。お礼（？）に「せっかく来たんだから新喜劇らしい濃いものをワジ会って」と島田珠代を呼び込みましたが、当の珠代は大スターを前に緊張気味!? なかなか調子が出ない中、気合で股の間から顔を出し、チ〜ンをお見舞いし、壁にも当ててもらって、なんとか唐沢さんを"おもてなし"できました。
唐沢さんと入れ替わりで店に迷い込んできたのは、トナカイ（たいぞう）とふたりのサンタ（三瓶、安井まさじ）。ここでも「三瓶です」ならぬ「サンタです」など各人がギャグを連発しつつ、石田家をサンタの国に連れていくと言い出します。借金取りから逃げるためにも、やすえの夢であるオーロラを見せるためにも、こんなおいしい話はありません。さっそく家族揃ってサンタの国に出発進行！
一行は、客席の通路を通って目的地へと向かいます。ケンと中川は、2階席まで出張サービスも。追いかけてきた借金取り3人も乱入し、追いつ追われつのチェイスになると思いきや、なぜか松井さんのバイオリンと松浦真也のギターでクリスマスソングの競演に!? 客席は手拍子に包まれ、歌の輪が広がります。歌いまくって満足した借金取りは「よいお年を！」と去っていき、石田家は無事にサンタの国へ向かうことができました。
さあ、いよいよサンタの国に到着！ と、そこは雪国ではなく照りつける日差しがまぶしい南国!? 滑舌の悪いサンタ（諸見里大介）と長老サンタ（カートヤング）によると、ここは南サンタ国で、ここしばらく原因不明の山火事が消えず、気温が上昇してしまったのだとか。しかもこの日は南サンタ国の姫（高橋靖子）と北サンタ国の王子（烏川耕一）の結婚式。ふたりの結婚を条件に、資源に乏しい南サンタ国は北サンタ国の援助を受けられるのですが、土壇場で姫が誓いのキスを拒否。居合わせた石田に「ずっと好きだった」と仰天告白をしてしまいます。
騒ぎを聞きつけ、王子の母・すち子や姫の母・浅香あき恵らが次々に登場。すち子は客席に飴をまいて大サービス、あき恵は石田のジャイアントスイングを受けてふらふらに...。石田と烏川王子のスポーツチャンバラ対決などを経て、石田家と姫たちは追われる身になってしまいます。
さらに、姫や姫の母が思いの丈を語る場面では、甲南大学グリークラブの皆さんが協力。今年の流行語にもなった『ありのままで』に乗せて、高橋やあき恵についての爆笑替え歌を歌い上げる演出も。
姫の愛を得るためには石田を消すしかないと決心した烏川王子は、密かに編成していた軍隊を招集。すち子が兵士たちの実力を試すことになり、そのひとりである吉田裕とはおなじみ「ドリルすんのかい、せんのかい」が繰り広げられました。「毛細血管がいっぱい詰まってるとこ、ワキ〜」のくだりでは、客席の子どもたちを中心に「ワキ〜！」コールが沸き起こるなど、さすがの人気ぶり！
罠にかかり人質としてつかまってしまった家族を、仲たがいもあり一度は「関係ない」と突き放した石田。しかし、5人がサンタに向けて書いた「クリスマスに欲しいもの」を読み、助けに戻ることを決めます。さまざまな危険をかいくぐり、なんとか家族が再びひとつになったとき、どこからかマイケル・ジャクソンの『今夜はビート・イット』が...。ふたたびひとつになった絆を表現すべく、アキ、ケン、そして石田が中心となってのダンスを繰り広げた石田家。フィニッシュを決めた瞬間、そこにはなぜか、再び登場した唐沢さんの姿もありました！
その後もドタバタの末、姫は石田をきっぱりあきらめようと決心。一方の烏川はずっと忘れられなかった初恋の人が松井さんだったことが発覚、「がっちりした人が好き」と語っていた通り、ふたりはめでたくカップルに。めでたしめでたし...に、やっぱり爆笑のおまけもついて、2014年の「石田笑店」は幕を下ろしました。
エンディングでは、舞台上にキャスト全員が集合。さらに唐沢さんも呼び込まれます。出演の感想を求められた唐沢さんは、「見てる方がいいね」と照れくさそう。石田はめげずに「そんなこと言わず、また機会があったら出てくださいよ！」とリクエストしていました。
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