しずる・村上、ゴーストを疑われ「ちゃんと全部、自分で書きました」!『短編小説集 青春箱』刊行記念サイン会
4月6日(日)、東京・パルコブックセンター渋谷店にて、しずる・村上純の著書『短編小説集 青春箱』(双葉社・刊)の刊行記念サイン会が行なわれました。
同著は、2012年4月から2013年10月まで連載していた月刊『EX大衆』の連載された短編小説「しずる村上純の青春の裏ページ」17本と書き下ろしの新作1本を収めた短編小説集。冴えないサラリーマン、教室の隅にいる学生、新郎新婦を妬むウェディングプランナーといった、普段決してスポットライトが当たることのない人物による、それぞれの“青春”が描かれています。また、巻末にはピース・又吉直樹との対談形式による各作品の解説レビューも見どころです。
サイン会直前の囲み取材に出席した村上。「小説家デビューですか!」とレポーターから声をかけられると、「(小説の)帯にそう書いてありますからね。でも、僕はそういうつもりは特にありませんけどね」と笑いながら答えます。『爆笑レッドカーペット』などで披露した「青春コント」がきっかけで、メディアで活躍するようになったしずる。「“青春コントが書けるなら、短編も書けるのでは?”と双葉社の編集の方が声をかけてくれて。青春というのは、僕らの代名詞としてあるのでどう捉えるのかというか。(小説は)一つのフックとしてあるのかなと」。そう考えて、連載の仕事を引き受けたんだそうです。
コント執筆と小説執筆については「意外と根本は変わらないですね。コントの場合は、池田と一緒に“しずる”としてコントにしていくわけですけど、本に関してはどこで笑うかは読み手次第なところもあるので、とにかく収束していればいいのかな」とコメント。「お笑いの方だから、全部にオチが付いてますよね。面白かったですよ」と声をかけられると、「小説がどういうものかわからないところもあるので、お笑い的な部分に寄っかかったところもありますけど、面白かったのならよかったです」と笑顔を浮かべました。
相方・池田一真には、まだ読ませていないそう。「池田は僕以上の芸人気質なので、小説を出すと話したら“よくこんな恥ずかしいことできるな”と言われました。(小説を)出すこと自体、恥ずかしいとしているので、きっと本を渡しても読まないんじゃないかなと。読みたいとも思ってないと思います」とコメント。「ただ、僕にとって(小説を書くことは)芸の幅になります。書いたことによって、(舞台などの)トークで池田に今日の話もできますからね。この本も普段お笑いやバラエティを読んでない人に読んでいただければ。僕を知ってもらえるチャンスだと思っています」と語りました。
昨今、話題のニュースの影響か、「自分で書いたんですか?」との質問も。「ちゃんと書きましたよ! ちゃんと自分のパソコンから送ってましたから!」と反論し、「そうですよね?」と編集担当にも確認していました(もちろん、編集者さんは大きく頷いていました)。
「小説家としての目標の存在はいますか?」と訊かれると、「小説家ではないですけど、今回、対談もしてもらった又吉さんは小説に限らず、憧れの先輩。今回も全て読んでもらった上で、対談をしてもらいました。(なんて言ってましたか?)この帯に書いてあるとおりです!」とキッパリ。も、「この帯もゴーストなんじゃないですか?」とまたもやからかわれていました。
その後のサイン会は、多くのファンが来場。「今日はありがとうございます」と目をしっかりと見て、丁寧に感謝を告げたり、声をかけられる言葉にサインを書きながら反応したりと、つかの間のコミュニケーションを楽しんでいる様子でした。