よしもと祇園花月特別公演「茂造の決意！」
吉本新喜劇座長・辻本茂雄が演じる超人気キャラクター「茂造じいさん」のルーツをひもとく「茂造シリーズ」は、2009年のスタート以来、毎年およそ2週間のロングラン公演を行い、連日立ち見の出る大好評を博してきました。5年目を迎えた今年は、「茂造の決意！」と題し、かつて茂造が人生の岐路で下した“ある決意”、そしてそれを乗り越えていく姿を描きます。4月23日（水）、公演初日を迎えたよしもと祇園花月には多くの“茂造ファン”が詰めかけ、グッズ売り場も大にぎわい、開演前から熱気に包まれました。
例年通り、前半はおなじみの吉本新喜劇スタイルで、茂造が大暴れするストーリーを。「花月旅館」で働く茂造は、今日もお客さんを迎えに行ったきり行方不明。やっと帰ってきたと思ったら、今度は周囲を怒らせることばかりしてしまいます。舞台に登場するなり「待ってました！」の大歓声を受け、「つまらないものにはメーン！」「許してやったらどうや」などの名フレーズを連発！ パワフルかつアナーキーな茂造の一挙手一投足に、何度も爆笑が沸き起こります。
旅館の娘・サキ（五十嵐サキ）やしつこい求婚者・山田（やまだひろあき）などの新喜劇メンバーに加え、今回はへびいちご・島川がゲスト出演！ 初老男性ながらさまざまな表情を見せるコミカルなキャラクターを演じ、笑いを誘っていました。ほかにも年齢・立場ともにさまざまなカップルが入り乱れ、それをうまく収めようと画策する茂造たちのせいでさらなる大混乱に!?
一方、大爆笑の新喜劇ラストで浮かび上がった茂造の過去に関する“秘話”…それをクローズアップして描くのが後半のお芝居。こちらの主人公は、若かりし日の茂造。舞台となるのは今から34年前、1980年です。時代を彩った事件やブーム、ヒット曲メドレーが紹介されるうち、観客もいつしか当時へタイムスリップ！ その頃の茂造は、「向日葵ファーム」という農場を立ち上げ、仲間たちと農業に汗を流しており…。
ここで描かれるのは、「向日葵ファーム」に集まる人々それぞれの“決意”。小学生、不良少年、ニューハーフ…心に傷を負いつつもまっすぐに生きようとする茂造と仲間たちの生き様が、いつしか心にジーンとしみていきます。
もちろん笑いも満載で、島田珠代は“とんでもない生い立ち”を秘めた爆笑キャラで茂造に絡みまくり！ ニューハーフを演じる佐藤太一郎も、時に笑わせ、時に泣かせる絶妙ななりきりぶりで場をさらいます。中でも辻本が「台本を書いていて思わず泣いてしまった」というある場面では、客席のあちこちから鼻をすする音が…。井上竜夫、西川忠志らが演じる役も、物語の鍵を握る存在でありつつ、ルックス＆設定のインパクトはMAXです。
そして最後の最後で見せる茂造の“決意”に、観客は再び涙、涙。前半の弾けっぷりとは打って変わって、重厚な演技で魅せる茂造のもうひとつの素顔は、同シリーズの真骨頂！ 笑いと感動の見事なコントラストで、2時間半という長さをまったく感じさせない舞台となりました。
エンディングでも、全出演者が勢ぞろいしての歌＆ダンス、茂造グッズやサイン入りポスターが当たる抽選会、そして劇中でも何度か見られた出演者への“ムチャぶり一発ギャグ”などなど、お楽しみはまだまだ続きます。この日は佐藤太一郎が〆のギャグを披露し、大きな笑い声と拍手に包まれて幕となりました。
「茂造の決意！」は、5月6日（火・祝）まで毎日上演中。テレビでは見られないスペシャルな新喜劇、そして辻本茂雄の熱演は見逃し厳禁です！ 茂造とともに、笑って泣いて元気をもらいに、ぜひよしもと祇園花月へお出かけください。
●公演情報
よしもと祇園花月特別公演「茂造の決意！」
日時：4月23日（水）〜5月6日（火・祝） 開場18:30 開演19:00
会場：よしもと祇園花月
出演：辻本茂雄 井上竜夫、西川忠志、島川学（へびいちご）、伊賀健二、平山昌雄、タックルながい。、大島和久、奧重敦史、佐藤太一郎、新名徹郎、レイチェル、いちじまだいき、桜井雅斗、やまだひろあき、島田珠代、たかおみゆき、五十嵐サキ、前田真希、前田まみ、服部ひで子、家門鈴乃、木下鮎美、鮫島幸恵、吉岡友見、要冷蔵、あいはらたかし、手島英治、井路端健一、玉山詩、金澤芳江、たかはしあいこ、鳥居香奈、和田剛弥
料金：前売・当日ともに 大人4200円 小学生2100円 ※未就学児不可
お問い合わせ：チケットよしもと☎0570−550−100
【辻本茂雄】
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