最新ニュースインタビューライブレポート

« 少年少女 春の祭典SP | メイン | 岡田将生さん&忽那汐里さんと共に、宮川大輔がサプライズ登壇! 映画『オー! ファーザー』中高生親子試写会 »

2014年5月 5日 (月)

『ジェリー・フィッシュ』上映会で金子修介監督と浜野佐知監督が初対談

『第1回レインボー・アクション映像祭』が5月4日(日)~6日(火・祝)まで東京ウィメンズプラザホールにて開催され、5月5日(月・祝)には『ジェリー・フィッシュ』の上映、並びに同作の金子修介監督、そして浜野佐知監督との対談も行われました。

Dscf3759

『レインボー・アクション映像祭』は「セクシュアル・マイノリティの視点から、現代の社会を問い直す、国内外の映画・映像を上映」との主旨のもと、3日間で8作品を上映、合わせてトークイベントも実施。

10代の女性2人の揺れ動く性を描いた『ジェリー・フィッシュ』の上映が終わると、観客の暖かな拍手に迎えられて両監督が登壇し、聞き手を務めた大塚健祐さんは、自身が影響を受けたという金子監督作品『1999年の夏休み』の制服姿で登場しました。

Dscf3751

日本映画監督協会の場で面識はあったという両監督ですが、こうした対談は初めてのこと。
浜野佐知監督は、ピンク映画、一般映画合わせて約400本もの監督作品があり、金子監督が日活ロマンポルノでデビューした頃は、「(日活ロマンポルノは)観てる暇がなかったんですよ。年間25本くらい撮りまくってましたから(笑)」という多忙を極めていたそうです。

挨拶の後、共通のスタッフの話題から入り、いよいよ『ジェリー・フィッシュ』について語り合います。
浜野監督はラストシーンが解せなかったようで、さらには「男がみんなバカに見えた」といった感想を漏らし、金子監督が弁明する展開に。
とは言うものの、浜野監督は「主人公2人に優しいですよね。目線がすごく優しい。なかなか男の監督ではこういう目線を持つ方は珍しいんじゃないかな」と賛えます。

また、大塚さんからガレッジセール・川田が演じたレンタルDVD店の店長の前戯が短すぎるとの意見が出ると、「確かにそうですね」と同調する金子監督。
川田のキャスティングが短期間でバタバタだったため、「前戯まで気がまわらなかったのかも(笑)」と語り、笑いを誘いました。

Dscf3766

引き続き、ピンク映画、日活ロマンポルノ、一般映画において、制作費や撮影期間、撮影環境などの違いについても語り合い、浜野監督からは女優の白川和子さんとの貴重な逸話も。
翌日(6日)に上映される浜野佐知監督の『百合子、ダスヴィダーニヤ』については、宮本(中條)百合子さんについて知っていたもののも「こういう物語があったんだと驚きました」「大杉さんの役が立体的で面白い」と金子監督も称賛します。

その後、セクシャルマイノリティを題材にした作品作りの原点について両監督が語り、金子監督は中学校で離れてしまった小学生時代の友達のこと、さらには前出した『1999年の夏休み』の原案となったマンガ『トーマの心臓』(萩尾望都・作)との出会いを挙げます。

Dscf3783

終盤、フィルムからデジタル撮影に移行したことでのメリット、デメリットなど、映画、映像界の未来に関わる有意義なトークが飛び出したところで、終演時間に。

『第1回レインボー・アクション映像祭』のスケジュール、詳細については公式サイト(http://rainbowaction.blog.fc2.com/)でご確認ください。

なお、『ジェリー・フィッシュ』は、8月6日(水)にDVDがリリースされます。


●DVD情報
『R-18文学賞 vol.2 ジェリー・フィッシュ』
特典映像:メイキング、初日舞台挨拶、予告編
発売日:8月6日(水)
価格:3800円+税
発売元・販売元:よしもとアール・アンド・シー
品番:YRBN-90794