アイロンヘッド、「チュッチュ」コントで『NHK新人お笑い大賞』制覇
10月26日(日)、東京・NHKみんなの広場ふれあいホールで開催され、NHK総合で生放送された『平成26年NHK新人お笑い大賞』にて、アイロンヘッドが優勝しました。
アイロンヘッド
(左:毛利雅俊/右:辻井亮平)
『NHK新人お笑い大賞』は、前身の『NHK漫才コンクール』からおよそ半世紀にわたって、数々のお笑いスターを輩出した登竜門であり、昨年までの『NHK新人演芸大賞』の「演芸部門」が独立、リニューアルするとともに、初の生放送も実施。
今年8月に東京、9月に大阪での予選が行われ、計313組の出場者から本戦への切符を掴んだのは、巨匠、ジグザグジギー、エル・カブキ、藤崎マーケット、Yes-man、アイロンヘッド、タナからイケダ、チョコレートプラネットといういずれも男性コンビの8組(登場順、以下敬称略)。
司会はフットボールアワー、久保田祐佳アナ、審査員は西川きよし、タージン、渡辺正行、中村ゆうじ、井筒和幸、大池晶(漫才作家)、三溝敬志(NHKエンターテインメント番組部長)の7名が務めます。
A、Bブロックに4組ずつ分かれ、ネタ披露後、審査員は1組に投票。
両ブロックで1位となった2組が別のネタを披露し、改めて審査員の投票を行い、優勝者を決めます。
フットボールアワーの軽妙なトークで始まり、大勢の観覧客が見守るなかいよいよ1回戦Aブロックがスタート。
巨匠
ジグザグジギー
エル・カブキ
藤崎マーケット
その結果、パチンコ玉と競馬新聞でランクの低いおじさんを作るという奇っ怪な世界観のコントを披露した巨匠が勝ち抜け。
一番手という難しさもありましたが、7人の審査委員のうち3票を集め、「異次元の世界にいるような斬新なネタ」と西川きよしをも唸らせました。
続いて、Bブロック。
Yes-man
アイロンヘッド
タナからイケダ
チョコレートプラネット
小学1年生の男の子2人が、来年以降に学ぶ算数、数学の内容に怯えるコントで魅了したアイロンヘッドが勝ち抜けをし、「お客様を巻き込むのがうまい」とのタージン評も出ました。
いよいよ決勝。
先攻の巨匠は、殺人現場で"人吸いひょうたん"なる謎のひょうたんを使い......といったコントで、後攻のアイロンヘッドは、肩がぶつかった輩に、「チュッチュッチュッチュッ」と意味不明な歌詞とダンスを延々見せられるというコント。
いずれも、設定からオリジナリティ感のあふれるコントで勝負した2組でしたが、結果は審査員から5票を集めたアイロンヘッドが勝利。
その瞬間、毛利はガッツポーズをし、辻井は号泣!
辻井の泣き顔は、フット後藤を筆頭に、一同の爆笑を誘い、感動と爆笑に包まれながら生放送は終了します。
番組終了後、ステージに上がったきよしは「おい、もう泣くなよ!」と辻井に言葉をかけ、後藤から「一番泣く人が(笑)」とのツッコミが入るなど、爆笑のままステージは閉幕となります。
その後、優勝会見に臨んだアイロンヘッド。
今の心境について、辻井が「単純にうれしいですね。今まで賞レース、何個も逃して来たんで、ひとつ続けて来ての形になってよかったです」としみじみ語れば、毛利は「日本一のコントが決まり、そして日本の認めるコントがここに決まりましたね!」と必要以上に声を張ります。
ネタのタイトルが、1本目『将来の算数』、2本目『チュッチュチュッチュ』と明かしたところで、その2本をチョイスした理由について訊かれると、辻井は「いろんなところで試してみて、今まで自分たちがやったことのないようなネタを1本目」に選び、2本目は関西で好評を得て、自分たちもお気に入りのネタだそうで、毛利曰く「好きなネタと(票を)穫れるであろうネタとを両方しました」と吐露。
生放送という緊張感については、辻井は「緊張だらけでしたね。大阪のみんながすっごい応援してくれた分、それがプレッシャーになったんですけど、なんとかいい報告が出来るので、すごいよかったなと思います」と安堵の表情を見せます。
一方の毛利は、前日のリハーサルで、イメトレ用にとスタジオのいたるところをスマートフォンのカメラに収めたそうですが、「それでも緊張しました」と、想像を絶するプレッシャーを述懐。毛利はその後、眠れない夜に初めて有料チャンネルを利用したと打ち明ける一幕も。
優勝決定の瞬間から泣きじゃくった辻井ですが、その涙の意味を問われると、決勝直前の袖で、藤崎マーケットやチョコレートプラネットら先輩芸人が肩をもんでくれたり、「がんばってな」と声をかけたくれたことに触れ、「今日、戦った人たちがそこまで言ってくれるなんて、なんかもう涙が出てきて...」と再び涙ぐみそうになります。
片や毛利は、涙目にもならず、「こいつ(辻井)に涙吸い取られたんちゃうか、ビックリするくらいドライアイ(笑)。まだ受け入れられてないんやと思います、結果が」とケロッとした表情。
今後の展望、目標について話題が移ると、「自分らが好きに出来るような番組がいっこ出来たらな」と語る辻井。
毛利は憧れの芸人に、矢野・兵動の兵働を挙げ、『将来の算数』のネタ中、矢野・兵動グッズのiPhoneケースをつけたままだったことを明かします。
NHKで出演したい番組を訊かれると、「山いって、魚つかんで、美味しいもの食って...」とロケ番組に意欲を見せる辻井。
対照的に毛利は、「(NHKを)見てて、意外っちゃなんですけど、攻撃的なコント番組が多いので、逆にそういうところにポッポポッポ入れていただけたらな」とコント番組に意欲を見せ、記者が『LIFE』や『七人のコント侍』との番組名を挙げると、「そう、そうです! しっかりセットを組んだあんな番組に」と頷きます。
現在、大阪の5upよしもとに毎日のように出演しているという彼らですが、「大阪若手単独祭り!! in よしもと幕張イオンモール劇場」のひとつとして、11月18日(火)には、アイロンヘッドベストネタソロライブ『クリティカルヒット』を開催。
しかし、「チケット売上の方が今、7枚(笑)」(毛利)だそうで、「ぜひとも、デカ目のフォントで!」と、お笑い王者とは思えぬ必死の形相で懇願していました。
●公演情報
アイロンヘッドベストネタソロライブ『クリティカルヒット』
日時:2014年11月18日(火) 18:30開場 19:00開演
会場:千葉県・よしもと幕張イオンモール劇場
料金:前売1500円 当日1800円
出演者:アイロンヘッド
※前売は、チケットよしもと、よしもと各劇場で発売中
【アイロンヘッド】【タナからイケダ】【チョコレートプラネット】【藤崎マーケット】