9月13日(土)~15日(月・祝)の3日間、インテックス大阪5号館で開かれる「コヤブソニック2014ファイナル」。
これに先駆けて、8月22日(金)からあべのハルカス近鉄本店タワー館2階ウエルカムガレリアにて「コヤブソニック展」が始まり、主宰者である小籔千豊が、オープニングセレモニーでトークショーを行いました。
さっそく司会者に「今年で本当にやめちゃうんですか?」と尋ねられた小籔は「10年ぐらいはやらせていただこうと思ってたんですけど、のっぴきならない事情で今年で最後とさせていただくことになりました」と改めてご挨拶。ファイナルを決めた理由についても。「(レイザーラモン)RGとHGと『ビッグポルノ』という下ネタラップをやらせてもらってるんですが、それを広めるために『コヤブソニック』をやらせてもらってたんです。しかしRGが去年に『もうこれ以上、下ネタの新曲を作りたくなくなってきたんで…』と。僕らはやる気満々やし、まだまだ続けたい。もっと行くぞ、と思っていたのに。RGに事情を聞いたら『嫁はんに、下ネタラップを歌っていると子供がいじめられるかもしれん、と言われたんで…』と」。それを聞いた小籔は一瞬、腹が立ったとも語りましたが、「でも、『それでも続ける』って言っても、5年後に『あんたのせいでうちの子、引きこもりになりましたわ』と言われたら何も言えない。それで、『やめようか』となったんです。僕らもいつのまにか大人になっていました」と打ち明けました。「ビッグポルノ解散ですから、それを広めるために作った『コヤブソニック』も辞めるのが筋かな、と思いまして。断腸の思いですが…。普通、“音楽性の違い”とかで解散するんでしょうけど、音楽業界始まって以来の、“子育ての方向性の違い”で解散です」と改めてビッグポルノ解散、コヤブソニックファイナルの理由を語りました。
この日のオープニングセレモニーに家族連れの方々も多く駆けつけてくれたこともあり、「3~4歳のお子さんでも縁日とかありますし、ふわふわの中に入ってポンポン飛ぶやつ(エアー遊具)なんかも置いてますから楽しめますよ。それに、インテックス大阪は屋内なんで、日が当たらないのでご家族でも来やすいようにさせていただいてます」とPR。また、トークは小籔のこだわりがつまった会場づくりの話題にも。「喫煙所の位置から仮設トイレの数まで、最終決定はだいたい僕がやらせていただいています。トイレの数も、女の子は混むじゃないですか。本当は100個ぐらい置きたいんですけど、100個発注するとお金がかかるわけで、そうなると皆さんのチケット代に反映されるわけですから。例えば8万9000円のチケットやったら誰も買わないですし。だからといって、トイレが1個やったら皆さんの膀胱が破裂するし…となると、これぐらいの数なら、と。チケットの価格と膀胱の絶妙なバランスを考えています」。
ゲストの話題にも。出演者は、ほとんどが小籔と実際につながりのあるアーティストであることもコヤブソニックの特徴。「今回でいいますと、MIGHTY JAM ROCKさん(9月15日に出演)は大阪のレゲエのドンなんですけど、僕からすると『娘の友だちのお父さん』なんですよね。嫁はんが公園デビューした時、友だちになった奥さんの旦那さんがたまたたレゲエのすごい人やったんです。だから今回は、パパ友として出ていただけることになりました」と意外な接点も。さらに、憂歌団(9月15日に出演)との縁も。「僕が小さい時からよく行ってた、玉出の『ピエロ』というピザハウスがあるんですけど、そこは先代の文枝師匠も来てはったり、憂歌団の方々もよく来てはったんです。亡くなったドラムの方は、うちで自転車を買ったり、うちの父親がやってる自転車レースに一緒に行ったりとか…」とふり返りました。「基本的に、そういう繋がりとかベースのある方々に出演していただいています」とも。
思い出に残っているエピソードについて尋ねられた際は、「出演者、みなさん区別することなく、斉藤和義も土肥ポン太も、チャットモンチーも今別府も、分けへだてなくお招きしているんですが…」としながらも、「やっぱりキョンキョンですかね。昔、山田洋次監督の映画に出させていただいたときに、全然売れてない芸人やったんですけど、売れてない僕にも出演者の皆さんが優しくて。キョンキョンもいつも話してくれて、仲よくなったんです。でも映画の撮影が終わったら、向こうはスター、僕はただの貧乏芸人やから、もう会いませんやん。で、コヤブソニックを初めてやった2カ月後ぐらいですか、『お笑いワイドショー マルコポロリ!』という番組で、東野幸治さんが『キョンキョンと面識がある大阪芸人は小籔だけや』とレポーターに行かされて。でも、何年も会ってないのに覚えてはるんかな? と思ったら、キョンキョンから『久しぶり!』と言ってくれて…」と当時をふり返ります。さらに収録が終わった後、キョンキョンに「コヤブソニックってやってるんでしょう? すごい楽しそう。コヤソニに出たかった。来年出してよ」と言われたのがきっかけで実現したという裏話も飛び出しました。
今年のシークレットゲストの話題にも。「9月14日にシークレットゲストとシークレット芸人が出演します。記者の皆さんのお力添えで、なんとかYAHOO!ニュースになればいいな、と思うような方をお呼びしましたので、ぜひとも見に来ていただけたらと思います」とのことで、期待に胸が膨らみます。「7年間やるうえで、よそのフェスはどうなのかを分析したんですが、いろいろ聞いたなかで思ったのは、コヤソニは別として、大きなフェスに行ってる人は、『このアーティストが見たい』というより、『オレ、あのフェスに行ってあれ見てん』って地元でイキりたいんですよ。となると、僕もフェスをやってますから、せっかく来ていただいたお客さんにイキってもらうにはどうしたらいいか、と考えたら、話題になるアーティストを呼ぼうと。なかなか見られない人を見ていただいて。ちょっとハードル上げすぎですけど、終わってからも話のネタになるようなシークレットゲストをお呼びしています」とのことです。
さらに9月15日には、ゴーストライター騒動で一躍時の人となった、新垣隆さんの名前も。新垣さんとは、小籔がBSスカパー!でMCを担当している『BAZOOKA!!!』という番組で出会ったのがきっかけ。「新垣さんがゲストで来られて、佐村河内のことを聞いたりもしたんですが、それ以上に現代音楽の芸術家であられて、最先端の音楽をやられるすごいかたなんです。新垣さんって、小さい頃から神童と呼ばれるぐらいピアノがめちゃくちゃ上手で、中学生の時にはプロのヴァイオリニストと舞台に出てたんですよ。だから、この人のことを、皆さんにもうちょっと分かってもらえるお手伝いができたらな、と思いました。いい人やしピアノすごいし現代音楽を真面目にやって来た人が、あの騒動のせいで色モノ扱いになってるのがかわいそうというか、『あぁ…』って思って。大阪の人が新垣さんを見て『あの人はすごい』と思ってほしい。それが半分と、あと、『新垣さんを呼んだらお客さん来るかな』というのもあります(笑)」と語りました。
さらに、最後のメッセージとして「コヤブソニックでは、若い方に人とのつながりが大切ということを伝えたいと毎年やってきました。本当に、仕事もなくてぶらぶらしてた奴が、1万人もお客さんが来るイベントをやらせてもらえるようになったのも、僕の力ではなくてスチャダラパーさんと出会い、TOKYO No.1 SOUL SETさんと出会い、キョンキョンと出会い、新垣さんと出会い、人とのつながりだけでここまでやらせていただけるようになりました。若い子たちにも『あんなしょーもない芸人がなんでこんなすごいアーティスト呼べるねん。あ、回りの人に助けられているからか。じゃあボクも回りの人を大切にしよう』と思ってもらえたら、と思っています。本当に、アーティストさんの心意気ひとつです。そのような気持ちが伝わればいいなと思います」と思いを馳せました。
トークショー後に、質疑応答も行われました。
まず小籔は「コヤブソニックをやって、『続けた方がいいんじゃないんですか?』とか『7年もやってきたのにもったいない』とか言われるんですけど、僕もふり返ると、『これをやって、何やったんやろう?』と考えてみたんですが、わからないんです。自分が楽しいだけでやってたのもあるな、と。最初の頃は『プリン』という親孝行しましょう、みたいな歌も歌わせてもらってましたが、よう考えたらやって迷惑かけただけちゃう? という気もして。だから最後、意味合いを持たせようと思って。スモールポルノで『DVはダメよ』というDV撲滅のための歌も用意しています」とのこと。スモールポルノの『DVはダメよ』、今回のコヤソニでお披露目する振り付けは、なんとあのラッキィ池田にお願いしたそう。「今、話題の人で忙しいやろうに、吉本の人が言うには『小籔さんやったらやらせていただきます』と」。振り付けは、やや難しいそうですがサビは子供たちも一緒に踊れるものにしたとか。「今度、ラッキィ池田さんに初めて会うんですけど、今別府と男前に『振り付け、完全に覚えておけ! 来て覚えてへんとかナシ!』とメールで脅しておきました。男前は真面目なので『だいたい覚えてます。あとは固めます』と言ってたんですけど、今別府は『覚え始めようとしていたところでした』って。僕がメールせえへんかったら、覚えてない状態でラッキィさんに会うところでした。覚えてなかったら失礼にあたるし、そんな常識も今別府はわかってないので、メール入れておいてよかったです」と苦笑い。
シークレットゲストのことを尋ねられた際は「やっぱり『あれ見た』ってイキっていただくには、YAHOO!ニュースに載ったものを間近で見た、ということやと思うんです。だから、皆さんの力にかかってると思うんですけど(笑)」と記者陣にプレッシャー(!?)。「居酒屋で話が盛り上がるような方だと思います。YAHOO!ニュースになることは、僕の中では99%。僕がすごい大好きな人です。シークレット芸人は大したことないです(笑)。リスペクトの気持ちを込めて、シークレットにしているだけで」。
また、「新垣さんは当日どんなことをするんですか?」という質問も。「現代音楽をやっている方々とコラボして、何かされるということです。コヤブソニックについて弾いてください、と言うと弾いてくださると思います。話題性も込みでお招きしているところもあるんですけど、それだけでお招きするのは失礼なので、新垣さんはすごい人で、いい人で、たまたま変な人と出会って、あんな騒動に巻き込まれて色モノ扱いされている部分を払しょくできたらな、という。主宰している者としては、『お客さん、びっくりするやろうな』という思いもありますけど、一番は、現代音楽ってすごいし、新垣さんは本当にいい人で、まったく悪い人じゃないと思った。すごい実力で天才なので。『現代音楽を広めることに賛同していただけるなら出演します』と言っていただけました。なので、好きにやっていただくのが一番かなと思っています」と語りました。芸人とのからみについては「そうですね(笑)。ここでは言えませんが、想像通りのことを…」と含ませました。
また、芸人出演者ラインナップの中で、5upよしもとの期待の新星、コロコロチキチキペッパーズ・ナダルの名前があることにも質問が。「これも、当日(9月14日)見ていただいたらわかる内容です。ある奴が出るとき、何かの催しのキーになるひとり、という感じですね。2日目はいつものコヤブソニックの面々が出てるので、しょーもない流れが一日中あると思います(笑)。死ぬほどスベる可能性もあると思いますけど」と語りました。
「コヤブソニック展」は、2007年7月から始まったコヤソニの、その年ごとの見どころの写真がギュッとつまったパネル展です。「コヤブソニック2014ファイナル」が始まる前に、懐かしい思い出に浸ってみてはいかがでしょう? 展内にある、小籔千豊等身大パネル「小籔くん」を写真に撮って、コヤソニ会場で提示すれば、コヤソニ特製フェイスシールを全員にプレゼント!
さらに「コヤブソニック2014ファイナル」PRを兼ねて、週末にコヤブソニックにゆかりのある芸人も「コヤブソニック展」に訪れます! ぜひ遊びに来てくださいね。
●イベント概要
コヤブソニック展
会場:あべのハルカス近鉄本店タワー館2階ウエルカムガレリア
期間:8月22日(金)~9月3日(水)
芸人登場予定:
8月23日(土)12:00~レイザーラモン、13:00~ダイアン
8月30日(土)16:00~すっちー
8月31日(日)16:00~宇都宮まき・今別府直之
●公演概要
KOYABU SONIC 2014 FINAL supported by uP!!!
日時: 9月13日(土)・14日(日)・15日(月祝) いずれも開場10:00/開演11:00
会場:インテックス大阪5号館(大阪市住之江区)
料金:いずれも税込/中学生以上大人料金、小学生子供料金、未就学児入場無料
前売 大人1日券7,900円、3日通し券19,000円、2日通し券14,000円(13日・14日/14日・15日) 子供2,000円
特割 大人1日券6,500円、3日通し券16,000円、2日通し券12,000円(13日・14日/14日・15日) 子供2,000円
当日 大人 1日券8,500円 子供2,000円
お問い合わせ:キョードーインフォメーション☎06-7732-8888(10:00〜19:00)
★出演者や最新情報は公式ホームページでチェック!
http://www.koyabusonic.com/
【小籔千豊】