今年も残すところ2カ月余りとなった10月22日(水)、2015年版上方落語協会カレンダーの記者発表が、天満天神繁昌亭にて行われました。今年は『上方落語美笑男(かみがたらくごびしょうめん)』と題し、上方落語界を代表する12人のイケメンが揃い踏み! さらに撮影は桂文枝が行うという力作となっています。
司会は桂あやめが担当。まずは文枝が挨拶を述べます。今年5月の同協会会長再任から、「つなぐ」をテーマに若手の売り込み策を練る中、思いついたのがイケメンを集めた「カレンダーボーイズ」。人選は、「女流落語家からお茶子さんまで、繁昌亭に関係する女性の皆さんに『独身』の『イケメン』を選んでいただき、上位12名を採用した」とのことで、撮影は、長年"撮られる側"として培ってきた経験を生かし、自ら担当することに。「実際に撮ってみると『これが本当に選ばれた人たちか?』と(笑)。『こんなにぽっちゃりしたイケメンがおるのか?』という人(桂弥太郎さん)には、頬被りをさせて顔を細く見せたり...」など苦労も多かったようですが、桂あやめがメイク&衣装、林家染雀がポーズ指導を担当するなど、協会総出で彼らの魅力を引き出しました。なお、こだわり抜いたビジュアル重視のカレンダーということで、例年よりサイズも大きくなっています。
今後、この12人をフィーチャーした「カレンダーボーイズ落語会」も定期開催(年内3回は既に決定)し、初日となる11月5日(水)に合わせてカレンダーの発売を開始。また、実際の写真は繁昌亭内「輪茶々々庵」にて12月31日(水)まで展示します。ちなみに展示終了後は「私と被写体のサインを入れて売ろうかとも思ったが、売れる人と売れない人が出てくるだろうということで(笑)やめました。私がサインをしてご本人たちに差し上げようかな、と思っております」。その代わりにポストカードを製作し、1枚100円で販売する予定。こちらは週間ランキングを算出し、毎回ベスト8までを発表するという過酷な企画も! 文枝は「『カレンダーボーイズ』の中からひとりでも人気者になってくれたら、と。これきっかけに、彼らが出演する時には、若い子が楽屋口にたまって近所の方が迷惑する、というぐらいになってもらいたい」と期待を込めます。
さらに、「いろんなところから『女性も作ってください』という声が上がっていると人づてに聞いたので、来年は上方落語協会『ガールズコレクション』も考えている。落語家だけではなく、お茶子さんや、繁昌亭の舞台に出ている女流のパフォーマーさんも含めて、美しい皆さんに出てもらいたい」と新たな企画についても言及。今年の売れ行きによっては「1枚ものにするかも」とのことで、「すべてが今回の『カレンダーボーイズ』の出来にかかっている。しいて言えば、上方落語協会の未来も(カレンダーボーイズに)かかっています。カレンダーがしっかり売れて、(12人のメンバーには)落語のほうも精進して、いい落語家、面白い落語家になってほしいと切に願っています」と激励しました。
ここで、いよいよ「カレンダーボーイズ」を舞台へ。仕事の都合で欠席したメンバーもいましたが、8人のイケメンがズラリ勢ぞろいしました。さっそくあやめが写真とともに撮影秘話などを紹介し、それぞれが意気込みや心境をコメントしていくことに...。
2月に登場した林家愛染は、「落語会の"ラブリン"ということでバレンタインデーをイメージ」(あやめ)したビジュアルに。愛染によると、師匠の染丸に報告したところ、自身の若き日の写真を見せられたそう。「師匠が入門された頃の写真で、当時の三枝師匠やうちの師匠、(桂)春之輔師匠...そういう方々がみなキャーキャー言われていたというんですね。師匠から『ぜひともカレンダーボーイズとして目指してほしい』と言葉をもらった。期待に応えられるよう精進していきたい」と決意を新たにしていました。
3月の桂慶治朗さんは、「出来上がった写真を大師匠の桂米朝師匠に見ていただいたんですが、あやめ師匠と(露の)都師匠に『10代ぐらいに見える』とコメントをいただいたとお話ししたら、『まあアホは若こう見えると言うからな』と言われました」と笑わせます。「早く年相応の貫録が付けばと思いつつ、『カレンダーボーイズ』としてはアンチエイジングにも気を遣わないと...」と、新たな目標も生まれた様子です。
5月の桂紋四郎さんは、振り返りざまのショットでパチリ。先日のプロ野球クライマックスシリーズで阪神タイガースが1位になったことを例に、「シーズンでは2位だったがそこから1位になったというこことで、(自身も)ポストカードの売れ行きは1位を目指したい」と力が入ります。
笛を吹くポーズで写っているのは、7月の笑福亭喬介さん。撮影当日までウォーキングに励み、かなり体をしぼったそうですが、今ではすっかり戻ってしまったと暴露され苦笑い。「(自身が出演する)12月1日の『カレンダーボーイズ落語会』に向け、また梅田から今津まで歩いて体をしぼりたい」とリベンジ(?)を誓います。
8月の桂三語は、12人中、唯一の"半裸ショット"で魅せました。撮影が1カ月後だと思っていたためトレーニング不足は否めなかったものの、あやめがシャドウを施し腹筋を強調するなどして乗り切ったとか。「29歳にしてはじめて脱いだが、自分ではなかなかいいかなと思っている。実はまだ鍛えていて、いつ『脱げ』と声をかけられてもいいように準備しています」と胸を張りました。
10月の桂三幸は、あやめ曰く「(着物ではなく)服の方が三割増し男前に見える」ことから、洋装&自前のマイクを手に登場。実は5年前にEXILEのボーカルオーディションを受けていた三幸は、「『カレンダーボーイズ』で、またEXILEの皆さんに見てもらえるぐらい売れるように、頑張りたい」と野望を燃やしています。
11月は、桂吉坊さんが渋く三味線を弾いている姿。撮影時に「開口一番(文枝から)『君のイメージは三味線だ』と言っていただいた」ことがうれしかったそうで、「落語はもちろんだが、いろんなことをやらせていただき、楽しんでいただけるように」と目標を。あやめから「お年寄り人気を狙った。人間国宝のアイドルと言われてますから」と写真の狙いを明かされると、「どんどん人間国宝の方に売って売り上げを伸ばしたい」と笑わせていました。
12月、トリを飾ったのは桂あおばさん。12カ月中唯一、顔のアップ写真となっていますが、「顔だけで見せられるのは彼」とあやめからは太鼓判。事前の女性陣による投票で1位に輝いたのは実はあおばだそうで、本人も「『カレンダーボーイズ』に選んでいただき光栄。師匠の(桂)ざこばも喜んでくれています。この機会にバーンと売れたいので、応援のほどよろしくお願いします」と喜びいっぱいに呼びかけていました。
ほかに、1月は笑福亭たまさん、4月は桂弥太郎さん、6月は桂団治郎さん、9月は桂三四郎をフィーチャー。中でも前出の「頬被り」で話題沸騰の弥太郎さんは、文枝に撮影時「ほんまに君か? ほんまに選ばれたんか?」と問いただされたという裏話も。ところが苦肉の策の頬被りが功を奏したのか、出来上がりを見た女性陣からは「一番いい」と好評なんだとか。この話を受け、文枝からは「これから高座に出る時、頬被りしてもらっては」との提案も飛び出していました。
気になる売り上げ目標ですが、文枝はズバリ「1万部を目指しております」。「落語会もやりますし、年内だけでなく来年もやって、とにかく彼らをプッシュしていきたい。とりあえず500部刷って(笑)、売れ行きを見てみたいと思っております」と展望を語ります。「落語家もやっぱり顔は大事?」という質問には、「一番大事なのはもちろん芸と人間性ですが、人間性が顔に出てくる。男前やから売れるんじゃなく、(笑福亭)鶴瓶さんのように魅力が顔に出て、決してイケメンじゃなくてもああして人気の方もいます」と答えつつ、「でも若いファンをつかむには、やはり顔も大事やなということ」と、今回の企画の狙いを改めて説明していました。
● 概要
2015上方落語協会カレンダー『上方落語美笑男』
写真撮影:六代 桂文枝
カレンダーボーイ:1月=笑福亭たま 2月=林家愛染 3月=桂慶治朗 4月=桂弥太郎 5月=桂紋四郎 6月=桂団治郎 7月=笑福亭喬介 8月=桂三語 9月=桂三四郎 10月=桂三幸 11月=桂吉坊 12月=桂あおば
販売価格:1000円(税込)
販売開始:11月5日(水)「カレンダーボーイズ落語会」@天満天神繁昌亭より発売
販売場所:天満天神繁昌亭、千日前波屋書房、なんばパークス5F&音(あんどん)、ジュンク堂千日前店
※ 上方落語協会ホームページでの通信販売も実施
☆ 六代 桂文枝写真展
会場:天満天神繁昌亭内 輪茶々々庵
期間:10月22日(水)〜12月31日(水)
☆ 六代 桂文枝プレゼンツ「カレンダーボーイズ落語会」
日時:11月5日(水)・12日(水)、12月1日(月)
いずれも18:30開演
会場:天満天神繁昌亭
お問い合わせ:天満天神繁昌亭 ☎06−6352−4874 http://www.hanjotei.jp
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