4月8日(日)、吉本興業創業100周年を記念して行われた特別公演初日「伝説の一日」で、2回目公演の口上を務めた西川きよし、桂三枝、今いくよ・くるよ、ザ・ぼんち、西川のりお・上方よしおが、舞台後、記者会見を行いました。
まずはそれぞれ、舞台を終えての感想や100周年に寄せる思いを語りました。
今いくよ・くるよのいくよは、「100周年の舞台に立たせていただき本当に感無量です。毎日毎日、生の舞台に立たせていただく中で、お客さんも変わりますし、本当にもう辞めようかなと思うこともありましたが、お客さんの笑顔を見た時、続けさせてもらってよかったなと思って、この夢をまた後輩に伝えていきたいと思います」と意気込みました。
口上では独身をアピールしていた二人。ステージからも独身男性がどのくらい会場にいるのか、調査をしていました。そんなこともあってくるよは「二人はまだ独身なので、今日は特別にお客様に“独身の方、手を挙げて”と言ったんですが、5人しかいませんでした」と、その少なさに驚きが隠せない様子。しかし、いくよが「それもご縁ですから、夢を持って頑張りたいです」と前向きに。
続いて西川きよしからご挨拶が。
「今日は吉本興業の100周年にたくさん取材にいらしてくださり、ありがとうございます。思い起こせば私は49年、吉本興業にお世話になっております。来年で芸能生活50周年になるんですが、気が付けば家族みんな吉本興業ということに改めてびっくりしております。1番が家内のヘレンで、2番が僕で、3番が次男の弘志で4番目がかの子、そして長男の忠志がただいま、お世話になっております。本当に波乱万丈でいろいろありましたけど、最初にお世話になった、新喜劇の通行人の頃には100人も満たない、本当にまだ小さな興業会社でしたけど、こんなに大きな会社になるとは夢にも思いませんでした。これもひとえにお客様のおかげだと今日あらためて、厚く御礼申し上げます。これからも吉本に来てよかったな、100周年を迎えたなんばグランド花月に来てよかったなと思っていただけるよう、一人でも笑顔が増えるように日々努力して、みなさんに喜んでいただけるようにがんばっていきたいと思います。これからもよろしくお願いします」
続いて西川のりお・上方よしおです。
西川のりお「今、この場に立ち会えたことが幸せです。思い返せば素人時代、三枝師匠の番組『ヤングタウン』にはがきを送っていまして、それで相方と巡り合いました。それから漫才ブームが来て、みなさんに覚えていただいて。そして一度、それこそ解散しまして、二人とも大人になって漫才にしようということで再び、始めました。本当なら漫才を辞めていて、この場にはいなかったのですが、今日、こうやっていられるということをうれしく思います。こうやってみんなに優しくしていただいて、本当に感慨深いものがあります。こうして100周年の取材を受けるということも幸せに尽きる一言です」
上方よしお「僕自身もこの世界で何十年間やっていけるとは思ってませんでしたが、我々も健康な間、みなさんにかわいがっていただけるよう頑張っていきたいと思います!」
「まだまだ健康ですよ! ラッタッター! のりおちゃんポーン!」と、最後はのりおが声を張り上げてギャグを披露しました。
そしてザ・ぼんちです。
里見まさと「のりお・よしおさんと僕たちは、漫才ブームという時も経て今に至っております。のりおさんの言葉じゃないですけど、そんな時期にここにいられたことを感謝しています。きっかけを作ってくれました番組『ヤングおー!おー!』で、三枝さんのもとで動かせていただきました。僕は18歳でこの世界に入ってから、今年で60歳になるので42年間になるのですが、今、42年間の本を書いていまして、昭和61年の3月20日まで書いてます。漫才ブームで暴れていた時を書いていると、今でも鉛筆が震えるようなことがたくさんあります。8月くらいに出来上がりますので、買っていただけるように(笑)。本当に、この場にいれること。それだけです。一日でも長く、板の上に立っていられるように頑張ります」
ぼんちおさむ「今日はやっぱりうれしいですね。『伝説の一日』……、伝説いう言葉、大好きですねん。かっこいいですやん。自己満足でもええからね。僕もこの世界に入って42年になりますが、先ほど言ったように漫才ブームで人気が出て、のりおちゃんと同じく一度解散して、里見まさとは新しい相方と漫才して、僕は僕で『はぐれ刑事純情派』に出させてもらってまして、50歳になった時に相方から声をかけられました。もう1回漫才やってみんかと。やっぱりお笑いが大好きですから、お笑いの世界で仕事ができる、足を突っ込んでいる、これが幸せです。僕は将来的に世界のエンターテイナーになりたいので、またラスベガスで会いましょう!(笑)」
最後は桂三枝です。
「彼らに会ったのは10代の時ですからね。『ヤングおー!おー!』でやってる時も、“こういう段取りで行こうな”って言っても、おさむくんとのりおくんの二人だけは言うことを聞かなくて、本当に困ったもんやなって思ってました(笑)。でもこうしてまた、みんなと一緒に出られることに幸せを感じます。吉本興業ではいろんな新装開店に立ち会ってきました。でも今回の100周年が一番大きなイベントになりましたし、前と比べると芸人さんも増えました。我々が口上をやっていた横で、極楽とんぼとか、ロンブーとか、次世代の芸人さんが袖にいて。我々と比べてみんな背も高くなってるし、男前になっているし、きれいやなぁと思いました(笑)。こうして手を携えてここまで来れた、100周年を迎えられたということは会社の力ももちろんありますし、我々芸人が舞台の上で努力したということもありますけど、お客様が一生懸命、吉本の笑いを支えてくれたおかげであると思います。我々も頑張りますので、今後ともどうかご贔屓賜りますよう、よろしくお願いします」
続いて記者からの質疑応答が。次は何周年を目標にされますか?というご質問に、西川おのりおは「105周年」と。その実本心はというと、ただただ一日でも長く舞台に立ちたいとのことでした。
同じく「いつまでも舞台に立っていたい」とは、ぼんちおさむ。「僕はお笑いが大好きやから、僕の漫才を見て笑って、“ああよかった、楽しかった、嫌なことも忘れた、ありがとう”と言ってくれるならいつまでも続けたいです」
里見まさとも「一日でも長く立っていたいと思います」。今年、コンビそろって還暦を迎えるザ・ぼんち。この1年間は、漫才を一生懸命やろうと二人で決めたのだそう。それもひとえに、「やっぱりお客さんの前でお笑いをやっていたい」という気持ちからだとか。
また、ぼんちおさむは、「80歳になっても“おさむちゃんです!”をやっていたい。それができたら最高だと思います。それを目指してます!」と将来の野望も語りました。
そんな出演者たちのコメントを受けて桂三枝は、「“120周年に立ち会いたい”と言うても、“あんなこと言ってはったなぁ”となるのが一番つらいので(笑)」とジョークでわかせつつ、「みんなも言いましたように、1年1年、元気で舞台に立てたらなと思います」と、目標を語りました。