昨年12月29日(月)、東京・ルミネtheよしもとにて、ロシアンモンキー&マキシマムパーパーサム解散ライブ『スパイダーおかんがハゲとるやないか!!』が開催されました。
この日、14年間のコンビ活動に終止符を打ったロシアンモンキーとマキシマムパーパーサムの2組。
解散後は、ロシモンのすーなかが新コンビを模索するも(1月22日に『解散芸人すーなか相方決定ライブ 監修:又吉直樹』をよしもと幕張イオンモール劇場で開催)、ロシモン・川口、マキシマムパーパーサムの長澤、つよしの3名は芸人を廃業するとのことです。
そんな2組の見納めとあって、会場は満員へと膨れ上がり、立ち見席も完売に。
開演時刻前からゆったり感による前説が行われてましたが、客席通路の上手、下手には大勢の芸人が駆けつけ、場内もざわつきます。
そしてゆったり感・中村が芸人たちを見渡すと、「なんでオジンオズボーンがいるんだよ!」と激高。
視線の先には、オジンオズボーン・高松さんの姿があり、「ロシモンとマキパーが好きなんだよ!」(高松)、「出てけ松竹野郎が!」(中村)、「お前らがよしもとから出て行けよ!」(高松)といった掛け合いでヒートアップします。
そんなゆったり感のアツい前説に続き、いざ開演時刻を迎え、幕が開くと、そこには本日の主役の4人。
「本日はロシアンモンキー、マキシマムパーパーサムの解散ライブに来ていただきありがとうございます。開演に先立ちまして、すーなかのテーブルクロス引きでスタートしたいと思います」との川口の口上通り、すーなかがテーブルクロス引きに挑戦しますが、あっさりグラスを倒して失敗します。
竹内健人、ブロードキャスト!!・房野、グランジ・佐藤らのガヤが響き渡るなか、幕が閉まり、場内アナウンスを挟んで再び開くと、同じくすーなかがテーブルクロス引きを試みますが、今度はゆっくり引いて失敗。
またもや幕を閉め、みたび開くとやっぱりすーなかによるテーブルクロス引きが始まりますが、テーブルクロスで食器を包み込むというボケが繰り出します。
そして次の瞬間、どういう仕組みか、長澤の帽子が飛び去ってしまい、爆笑と感嘆の声が響き渡るなか、「ハゲとるやないか!」というつよしのウェルカムツッコミが炸裂!
直後は、『THE MANZAI 2014』決勝進出者へ金色の招待状を渡す様を模したVTRがスクリーンに映し出されます。
スタッフよりロシモンに渡されたカードには「ロシアンモンキー様 国民の期待通り、THE MANZAI見事に敗退。ということで、12月29日、ルミネtheよしもとにて解散ライブ決定おめでとうございます!」との一文があり、読み上げた川口は「なんやこれ!」とぬか喜びにブチ切れ。
さらに、解散ライブ出演にあたり、すーなかが「出すもん出してもらわんと」と出演料を示唆すると、「出すもん出したらええんやろ!」とズボンを下げる川口でした。
一方のマキパーへも同様のカードが渡されますが、『THE MANZAI 2014』は2回戦で敗退しているため、ぬか喜びする権利もなく「僕らからしたら2、3ヶ月前に終わったことですから」(長澤)、「それをぶり返して...」(つよし)と戸惑った様子。
スタッフより反応の薄さを指摘されると、テイク2を申し出、ハイテンションとなった2人は、「ハゲとるやないか!」でどうにかオチをつけました。
VTR開けでは、サンパチマイクが用意され、マキパーによる漫才がスタート。
壮大なBGM、大勢の芸人が見守る環境に「やりづらいね」(長澤)と口にしながらも、シンデレラを題材とした漫才を展開し、舞踏会へ帽子を脱いで行こうとするシンデレラ役の長澤に、つよしの「ハゲとるやないか!」のツッコミが冴えわたります。
続いては、ロシモンによる漫才。
『THE MANZAI』などでも披露した鉄板ネタ・子守唄を披露し、この日もすーなかの適当な歌が、川口をも笑わせます。
さらに、子供たちの人気を得るべく川口が仮面ライダーに、すーなかが歌のおにいさんとなってコラボを試みますが、すーなかが「みんなー」という尻上がりのイントネーションを何度も繰り返し、「しつけー!」というガヤを浴びることに。
そんなロシモンの漫才がオチを迎えると、銃声が轟くともに倒れるすーなか!
さらに銃声は続き、川口、マキパーの2人も倒れるではありませんか。
すると、「やめろやめろ! 撃つな! みんなの解散ライブなんだ。このとおりだ、撃たないでくれ!」と叫んでステージに上がって来たのはチーモンチョーチュウ・菊地。
菊地が土下座するとBGMが流れ、得意のブレイクダンスで沸かせます。
4人は無事に蘇生し(?)、独壇場の菊地に「謝れ! 結婚黙ってたこと謝れ!」(すーなか)といった謝罪を要求。
菊地は再び土下座で謝罪するも、やはりBGMに合わせてブレイクダンスを始めてしまい、そこにチーモン・白井も舞台上へ現れて菊地ともめ始めます。
そんな最中に今度は竹内健人が登壇し、「やめなさいよ。こんな日に。いい加減にしてくださいよ!」と一喝するとBGMが流れ、竹内もブレイクダンスを始めようとします。
しかし、竹内にダンスの心得がないため当然グダグダで、しまいには首を痛めてるはめに。
改めて菊地は、ピース・綾部から預かったという餞別2000円を渡そうとしますが、金額の少なさに怒りつつ、ロシモンの2人は1000円札をそれぞれポケットにしまい、マキパーは猛抗議します。
そんな同期のワチャワチャした時間が続くなか、ラフな私服姿でニヤニヤしながら乱入してきたのは、平成ノブシコブシ・吉村!
「ただでさえ(予定時間が)押してるから」(つよし)と退場を求められるも、ねばる吉村は客席を見渡し「くそ芸人ばっかりじゃねえか!」「俺は売れてんぞー!」と吠えて、大ひんしゅくをかうのでした。
それでもまだ舞台に居座り、暴露ネタを放り込もうとする吉村でしたが、見かねたジャングルポケット・太田が人間メリーゴーランドで強制退場に成功。
ようやく4人きりとなり落ち着いたところで、『抱きたい女優ベスト3』とのテーマでトークを始めようとしますが、「いらねえよ! ネタやれよネタ!」といった竹内らのガヤを聞き入れ、4人は一旦降壇します。
入れ替わりに登場したのは、ミュージシャン風の2人組。
「私たちはロシアンモンキーとマキシマムパーパーサムの昔からの友達のウマレターズ」だそうで、ボーカル担当のドラゴン、ギター・ボーカル担当のタイガーと名乗ります。
しかし、「イシバシハザマだろ!」といったガヤに追い込まれる形で、「まさかのショートコント」でフィニッシュ。
次はコントのブロックです。
マキパーは、「元NHKアナウンサー・たてかわたかし 冬のウィンター2014」なる朗読会を設定としたコントで、長澤扮する元アナウンサーが『三びきの子ぶた』の絵本を朗読。
しかし、極端に滑舌が悪く、特に「レンガ」を「テンガ」と発音するため、「やっぱりテンガは最高だー!」といったセリフに、観客役のつよしが憤慨するのでした。
一方のロシモンは、男子中学生タカシ(川口)と、おかん(すーなか)というお馴染みの親子コント。
マンションの9階から投身しようとする川口と、それに気づかないおかんとのやりとりが照明、音響効果を駆使して展開するも、川口が落下してしまい、満を持して『スパイダーおかん』が登場します。
ラストダンスとばかりにストロボのなかで華麗に舞い、愛息子を救うスパイダーおかんの雄姿に、客席の盛り上がりは最高潮。
続く幕間では、セブンbyセブン・玉城が、中西保志さんの『最後の雨』を熱唱し、相方・宮平も中西さんのジャケットを掲げて盛り上げました。
次に、プレゼント抽選会が行われますが、当選した人は特技を披露することが条件とのこと。
当選者の男性が登壇すると、一般男性になりすました元アームストロング・栗山で、「所沢肛門病院!」とのギャグを連発するのでした。
続いて、芸人仲間からの手紙が読み上げられることとなり、サカイストとブロードキャスト!!の4人が登壇。
それぞれしたためてきたメッセージを読み上げますが、ブロードキャスト!!・房野の声は、聞き取れないほどエフェクトがかかり、吉村はBGMの『ultra soul』に釣られ、ノリノリになって上半身裸になる始末です。
しっかり者と目されたサカイスト・まさよしでしたが、今度はBGMのボリュームが大きすぎて、何も聞こえず。
「もう、おばさんしか残ってない」(竹内)などと期待されないデンペーでしたが、拙いながらも胸中をストレートに綴ったラストメッセージでした(以下、全文掲載)。
「ロシアンモンキー、マキシマムパーパーサムへ。本当に4人には数えられないほどの思い出があります。
つよしはプールに行く時に、必ず"マクドナルドが食べたい"っていうよね。あと一緒にスロット行ったりもしたね。つよしと話すと笑った思い出ばかりだよ。ありがとう。
ノブ(長澤)は、舞台上でいつもポジション取るのがうまかった。欲しい時に欲しい物を出した。何より頼れた。きっとこの人は頭の回転も早く、自分がすごくわかってるんだといつも勉強していました。ありがとう。
川口くんは誰よりもリーダー気質があり、誰よりも甘えん坊。そんな川口くんが僕は好きでした。楽屋にいれば必ず声が聞こえてくるし、舞台上では迷うことなく飛び込める。ありがとう。
そして中須(すーなか)くんとは、毎日のように一緒にいた時もありました。僕と会いすぎるから、奥さんに僕は嫌われましたよね。でも、毎日いても飽きなかった。そしてたくさんいる後輩のなかで、一番お金を使ったのは中須くんだよ。その恵まれた顔、声、スタイル。中須くんはどこにいても愛されるよ。ありがとう。
4人には感謝しかありません。ねえ、僕のわがままを聞いて。これからも4人のお兄ちゃんでいたいよ」
こんなデンペーの手紙には、書き直すなど添削、推敲した後が残っていたそうですが、つよしは「そんなした割には響かなかった(笑)」とバッサリ。
再びウマレターズが登場し、「六分咲き劇場」でつなぐと、相席スタートを加えた6人によるユニットコントがスタート。
高校野球部が舞台で、相席スタート・山﨑扮する女子マネージャーと、山添扮する2年生エースがデキており、他4人は3年生の部員という設定ですが、長澤が登場すると「監督だろ!」といったヤジが飛び交います。
『あとひとつ』に乗せた練習風景や、最後の大会と彼らの解散が重なるなど、ほんのりセンチメンタルなムードも漂わせますが、妊娠検査薬といったワードが飛び出すなど、ドロドロの結末に...。
続く幕間では、ピクニックが『涙のtake a chance』に乗せたブレイクダンスで手拍子を集めれば、スクリーンには元アームストロングのとにかく明るい安村の姿が現れます。
「解散ブームの火付け役です」「僕のように明るく楽しくやってれば、何も悲しいことはありません」とメッセージを送り、最後は「安心して下さい。履いてますよ」と海パンをアピールする安村でした。
クライマックスは、やはり漫才です。
マキパーは浦島太郎を題材にしつつ、長澤は助けた亀に「大丈夫かレオナルド。君の好きなピザでも食べな」と声をかけ、つよしの「それミュータント・ニンジャ・タートルズやないか!」を誘発。
その後もミュータント・ニンジャ・タートルズネタで押し切り、長澤の頭皮が露わになると「ハゲとるやないか!
お前がミュータント・ニンジャ・タートルズみたいになってるやないか、もうええわ!」で締めくくりました。
続くロシモンの漫才は、童謡ネタ。
すーなかのフリに、歌舞伎役者になりきったり、『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』風な口調になる川口の熱演に、幾度も爆笑が生まれました。
そして、4人からラストメッセージ。
一人目のつよしは、「これでいきますわ」とサンパチマイクに向かって、「皆さんホントにありがとうございます。14年間やってきて、みなさんに助けてもらったと思います。寒い中来ていただいて、こんな感じですけども、なんかあればね、これからも、よろしくおねがいします。ありがとうございました」との言葉を発すると、おもむろにネクタイを外し、ステージに置いて去ります。
2人目の長澤は「芸人とは生き方です。職業ではありません。なので、またみなさんじゃない人たちを笑かし続けようかなと思っています。どうもありがとうございました」と感謝を述べると、帽子を脱いでステージに置きます(露わになった頭皮にツッコむ者はおらず...)。
3人目の川口は、名古屋に引っ越すということで、「いろんな芸人さんが名古屋に単独ライブとかライブしにきたら、私が全部前説しにいきますのでね。もしみなさんが結婚される...結婚できる方がどれくらいいるかわかりませんけど、結婚される時は呼んでいただければ司会に行って、よしもと辞めるからいっか...10万でやりますので、ひとつよろしくおねがいします」と営業トークをまじえた挨拶を終えると、ジャケットを脱いで置くのでした。
ステージに残されたネクタイ、帽子、ジャケット...それらを確認したすーなかは、ハンドマイクを取り出し「私は一人、芸人を続けますので歌います」と宣言すると、スルースキルズの"クソガキ"こと椎名あつみが登場し、デュエットで『とびら開けて』を熱唱。
セリフ部分では「おかしなこと言ってもいい? 僕一人でやっていけるかな?」(すーなか)、「もっとおかしなこと言ってもいい? わかんない!」(椎名)と替える一幕もありました。
最後に4人が並び、川口が代表して、「いろんなところで、すーなかに関してはやると思いますし、他いろいろ活動すると思いますので、また応援よろしくおねがいします。本日は以上でした。ありがとうございました」と挨拶して、遂に幕が閉じます。
最後の瞬間まで笑いに徹した4人が姿を消すと、『ゆめのはじまりんりん』に乗せたエンディングVTRが。
エンドロールには、ステージに上がっていない芸人の名前も多数あり、「14年間本当にありがとうございました」のメッセージと、4人のサインがラストに映し出され、しばらく拍手が鳴り止みませんでした。
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