『シソンヌライブ[duex]』~シソンヌインタビュー
シソンヌの単独公演『シソンヌライブ[duex]』を、8月13日(水)~17日(日)東京・中野ザ・ポケットにて開催。“本多劇場1週間連続公演”を目標に、2013年12月にスタートした『シソンヌライブ』。第1回公演「une」では、照明・音響・映像など演出にこだわった空間で珠玉のコントを繰り広げ、新境地をたっぷりと見せてくれたシソンヌが、新たに挑む今回の第2回公演とは? その見どころを、シソンヌの2人に聞いてみた。
――昨年12月の第1回を終えての手ごたえは?
じろう 見に来てくれた方、関係者や芸人も含めて、反応はよかったんですよ。でも、お笑いよりも舞台っぽい比率を高くしたので、自分たち的にはもっと笑いが欲しかったなと。これから笑いと舞台の感じを調整していって、いいバランスにできたらいいなと思っています。舞台っぽいけどゲラゲラ笑えるみたいな。
長谷川 僕は前回の形も好きだし、これまでの単独みたいに笑いをたくさんとれるライブも好きだし、相方も言うように、その真ん中ができるのが一番いいんだろうなと思っています。前回は一つの作品として作ったので、今回はもうちょっとお笑いによせていくつもりです。前回、もうちょっと笑いが欲しいという物足りなさはあったけど、やりがいはあったんですよね。だから、そのよさは残しつついけたら。
――『シソンヌライブ』を、これまでの単独ライブとは違った形にしたのは?
じろう 『男子はだまってなさいよ!』(シティボーイズのライブの作・演出などを手掛る細川徹が2002年に立ち上げたコントユニット)で細川徹さんたちと仕事をさせてもらった時に、細川さんから「ネタやってブリッジやってネタやっていうスタイルは見てて退屈になるから、繋がりも含めてひとつの作品にした方がいいんじゃない」というアドバイスをもらって。吉本だと珍しいですけど、舞台だと縦に軸があってそれぞれが繋がっててっていう手法はよくあるんですよね。
――「もうちょっとお笑いによせて」というお話もありましたが、今回の第2回公演はどんなものに?
じろう 前回は、あまり考えずに書きたいことを書いたんですよ。だから今回は「ここで笑いをとろう」と自分なりに計算して書いてますね。それでウケなかったらあれなんですけど(笑) この時期は『キングオブコント』もあるので、さすがにそこを意識しないわけにはいかないので、うまく転がったらそっちにも使えるかなと考えながら書いてますね。
――ネタはすべて出来上がっているんですか?
じろう 以前は当日の朝までかかったりしていたんですが、『シソンヌライブ』という形になって舞台側の制作の方に入ってもらったので、ネタを早目にあげないといけないんですよ。締め切りは7月の頭でした。ちょっとずれこみましたけど。音響、照明、映像、小道具…プロフェッショナルな方たちが動いてくださるので、僕らの思ってた以上のものが仕上がってきますね。
長谷川 ジョビジョバさんたちをやってた制作の方々が、「こういうのやってみないか」と声をかけてくださって始まったんです。今回も同じチームでやるので、完成度の高いものになると思います。
――テーマみたいなものはあるんですか?
じろう 僕はそんなつもりなかったんですけど、前回は作家さんに「時代斬ってたね」って言われたんですよ。たぶんニュースを見て感じたことを書いたりしていたので自然とそうなったと思うんですけど。今回も時代を斬ってます。今やっておきたいネタだとか、「お笑い芸人、ここ踏み込むか⁉」みたいなものも。あとは女性の方に勇気を与えるネタが1本。「もっと女性らしく生きよう」と強く思ってもらえるようなものに仕上がったので、ぜひ見ていただきたいですね。
長谷川 受け取り方にもよりますけどね(笑) 相方は、マザコンもあって女性は偉大なものだという思いが強いんですよ。ただ、その表現の仕方がちょっと偏ってるんで伝わりにくいんですけど、根底には女性はすばらしいものだという尊敬の気持ちがあるんです。って、フリみたいになってるじゃねーかよ!
――今回は、バナナマンさんなどを担当されている放送作家のオークラさんが監修で入ってらっしゃいますが。
長谷川 前回もちょっと見ていただいて、今回はしっかり入りたいとおっしゃってくださってたんですけど、僕らが連絡するの遅くてバナナマンさんのライブと被っちゃったので監修という形でお願いしました。相方のネタを見てもらってヒントやアドバイスをいただけるので非常にありがたいです。
じろう オークラさんは、ネタのバランスをすごく見る方で、「ここの尺はもうちょっとタイトにして」とか「ここは引っ張って」とかアドバイスをくれて。あまりそういうことは考えてなかったので、すごく勉強になりましたね。
長谷川 自分たちも「何かタルい部分あるな」と思いながらも気づけてなかったところを、パッと指摘されるからなるほどと思いますね。あとは、「ここは確実にウケるから大丈夫です」と言ってくれるので、非常に力強いです。
じろう それから、お客さんをいかに楽しませるのかというのをすごく考えている人ですね。ネタ以外のことも含め、とにかく来てくださった方を満足させるということを。
長谷川 細川さんもオークラさんも、全体的に一本繋がってると見た感も出るし、作品感も出る、と同じことおっしゃったんですよね。終わった時、お客さんがより気持ちいい感じになるからと。自分ら的には、基本とにかくネタやってウケればいいと思ってたので、そういうお客様の目線になって考えるということが勉強になりました。
――じろうさんのネタ作りは、どんなところから発想を?
じろう 生活している中でパッとひらめくというか、これがこうなったら面白いというというものを書きためていて、それを最初の打ち合わせで相方と作家に話して…
長谷川 毎回、5、60個はもってきてくれますね。
じろう その中から2人の反応のよかったもので作り始めるんですけど。作り始めると頭が活性化するんで、全くあげてなかったネタも思いついたりするんですよ。結局、今回も3,4本は書き始めてから新しく思いついたネタになってますね。
長谷川 昔から相方のネタの作り方は変わっていて、ひとつのボケをやりたいがために肉付けをしていくというものが多いんですよ。最初に設定や登場人物を作るというよりは、そのボケをするためにはどういう設定がいいかというところから広げていくんです。それが広がる時もあれば、そのボケだけが面白くてであとは面白くならなそうだなという時もあって。でも、あまり広がらず追いやられてるボケにの中にも、実は面白いのがたくさんあるんですよ。折に触れて「前に言ってたやつどう?」って言うんですけど、相方の中ではまだGOが出ないんです。いつか日の目を見て欲しい。
――シソンヌさんの目指すお笑いのスタイルとは?
長谷川 今やってることが形になって、「これがシソンヌのスタイルだよね」って言われるようになれば一番いいですね。
――コンビ結成の時から、今のような形を目指していたんですか?
長谷川 別のコンビでやってた時は僕がネタを作ってたんですけど、誰でも思いつくような漫才しか書けなかったんですね。そういうものも好きだったんですけど、一時期お芝居みたいなコントにはまって、シティーボーイズさんとか大人計画さんとか観て、「こういう笑いの取り方かっこいいな」と思って。最初の頃、相方に「芝居っぽい感じでやっていこうよ」って言ったんですけど、こいつは意外と「いや、よしもとでやるならそれは…」みたいな感じだったんですね。でも、相方は見るからにそういう空気あったんで、余計なこと言わなきゃ自然にそっちの方にいくかなと(笑)
じろう (笑)
長谷川 何も言わなかったら、結局そっちに行って(笑) 一時期、ネタ番組が流行った時にはそういう路線に変えたんですけど、まぁ全然面白くなくて。
じろう お笑いっぽくしようとすればするほどつまんないんですよ。
長谷川 お互い(その路線は)やめようとも言わずしてやめましたけど。(自分たちのスタイルを)貫かざるを得なかったというのもあるんですけど、やっててよかったなと、やっとここ1、2年くらいで思えるようになりましたね。
――ムロツヨシさん主演のコントドラマ『新解釈・日本史』への出演や、じろうさんは『OV監督』でショートムービーを撮られたりと活躍の場を広げていらっしゃいますが、今年2月のヨシモト∞ホール卒業後の活動はいかがですか?
長谷川 ムロさんのドラマに、相方は細川さんのドラマ『乾杯戦士アフターV』、それから2人で指原莉乃さんの番組『指原の乱』に出させていただいたり、この半年間でいろんな経験を積ませていただいて。前よりテレビに緊張しなくなりましたね。と同時に、もっと出たいっていう欲も出てきました。
じろう 『乾杯戦士アフターV』で、斉木しげるさんと一緒にお仕事できて。シティーボーイズにあこがれて上京してきたので、うれしかったですね。ここ1年ぐらいは夢見心地です。芸人になる前に自分が見ていた人たちが、僕のことを知ってて話してくれるっていうのに、まだなんか違和感があって。ふわふわしてます。
――では最後に、今後の展望を。
じろう いくつになっても1年に1回、10日から2週間からくらい『シソンヌライブ』をやって、それを楽しみにしてくれる人が2、3000人くらいいて、かつ、不自由なく暮らせたらいいかな。今でも十分幸せなんですけど、もうちょっといい暮らしができたら。年をとっても、「このおじさんたち面白いな」って若い子にも観に来てもらえるようなライブをやっていけたらいいですね。
長谷川 前はテレビにバンバン出て、ガッポガッポ稼いで…と思ってたんですけど、今の時代難しいなと気づいて。『シソンヌライブ』を見た関係者の方が「こいつらテレビだったらこう使えるな」とテレビに呼んでいただければありがたいですね。とりあえず若手だからひな壇に、となると僕ら何も出来ないまま終わっちゃうんで。『シソンヌライブ』が全てのプレゼンになって、それが仕事に繋がって、お金になって、そしてまた『シソンヌライブ』が開催できればいいですね。自分も若い頃は中心ばかり見てたんですけど、脇の面白さに気づいたんですよ。面白くてかっこいいおじさん、たくさんいるんですよね。僕らも真ん中ではないので、そういう笑いを提供できて、「こういう人たちもいるんだ」って思ってもらえたらうれしいですね。あとは、車に乗れるくらいの収入があれば(笑)
『シソンヌライブ[duex]』詳細はこちら:http://sissonne.jp/
シソンヌコントライブ「deux」
日時:
2014年8月13日(水) 19:00開演
2014年8月14日(木) 19:00開演
2014年8月15日(金) 19:00開演
2014年8月16日(土) 14:00開演 / 18:00開演
2014年8月17日(日) 12:00開演 / 16:00開演
会場:東京・中野ザ・ポケット 料金:前売3500円 当日4000円
チケット取扱い ; チケットよしもと http://yoshimoto.funity.jp/r/sissonne (パソコン・携帯共通)
0570-550-100 (音声認識対応/お申込には下記のYコードが必要になります)
8月13日 19:00 : Yコード100353
8月14日 19:00 : Yコード100354
8月15日 19:00 : Yコード100355
8月16日 14:00 : Yコード100356
8月16日 18:00 : Yコード100357
8月17日 12:00 : Yコード100358
8月17日 16:00 : Yコード100359
チケットぴあ http://pia.jp/t/sissonne/ (パソコン・携帯共通)
0570-02-9999 (音声認識対応/Pコード;436-913)
※ チケットぴあ店舗、セブン-イレブン、サークルK・サンクスでも直接販売
イープラス http://eplus.jp/sissonne/ (パソコン・携帯共通)
※ ファミリーマート店舗(店内Famiポート)でも直接販売
ローソンチケット http://l-tike.com/sissonne/ (パソコン・携帯共通)
0570-084-003 (音声認識対応/Lコード;35463)
※ ローソン、ミニストップ店舗(店内Loppi)でも直接販売
問合わせ;チケットよしもと 0570-550-100(受付時間 10:00~19:00)
【シソンヌ】