博多大吉「5GAPがちょっと羨ましい」と心の内を明かす!!『ネタ仕分イベント~博多大吉が後輩芸人のネタを観て仕分をするのをスペシャルゲストが温かく見守る会~』レポート
11月15日(日)、東京・ルミネtheよしもとにて『ネタ仕分イベント~博多大吉が後輩芸人のネタを観て仕分をするのをスペシャルゲストが温かく見守る会~』が開催されました。
まず出て来た大吉は、「いろんなネタ番組が増えてきましたが、ネタ見せ(オーディション)でネタの選択に失敗してテレビに出られない芸人がたくさんいるなと思っていて。彼らが本当に面白いと思っていることはなんなのか。今日は2~3人辞めさせる気でいます」と、ライブの主旨を説明します。
「僕だけやと大変なことになるので」とゲストとして呼び込んだのは、ナインティナイン・岡村隆史。「ルミネ(の舞台に)立ったの、久しぶりやなぁ。天素の時とCOWCOWのライブと......COWCOW・多田の嫁が座った場所があるんやろ? ここは出会いの場やねん」と、COWCOW・多田が奥様をルミネで射止めたというエピソードを語りつつ、真剣な表情で客席を見渡します。
岡村に「劇場好きやねぇ?」と声をかけられた大吉は「好きというか、会社が離してくれない」と返答。「岡村くんもいろんな若手のネタを観てると思うけど、観てるのはオーディションを勝ち抜いた人。今回はその前の段階の人達を観てもらいます」と改めて説明します。岡村が「さっき(このあと出る若手が)楽屋に挨拶に来てくれて、聞いたら単独ライブでお客さん0人やったんやって」と語ると、客席からは「ひぇ~」と悲鳴が。「誰もないところでネタをやるなんて......やらんでもいいのになぁ?」(岡村)「それ、新しい地獄ですよ」(大吉)というやりとりには、笑いが起こりました。
トップバッターとして登場したのは、5GAP。ベタとシュールの混在した展開、あまりの多いボケ数にネタを観終えた岡村は「お2人......なかなかですね」と驚嘆。「今回のネタはどこでやるつもりですか?」とストレートな物言いの大吉に、5GAPの2人は「質問に早くもトゲがある!」と怯えます。
岡村が「面白いとこと面白くないとこのミックス」と評すれば、大吉も「急に面白くなって急に面白くなくなる」と同調。さらに「5GAPは元々が面白いから、オーディションでは落とされがちというところもある。次のタイミングで......と思われて10年なんでしょうね」(大吉)「合格点は取ってるんよね」(岡村)と初っぱなから的確なアドバイスを。「こんな感じでやりますけど、大丈夫ですか?」と、大吉に問われたお客様からは拍手が起こりました。
続いては、ゆにばーすが漫才を。「ゆにばーすは知ってるよ、THE MANZAIでね。達者になってもうてるよね」と誉める岡村に対して、大吉は「ただ、イェエエエイ!やめたら?」とキッパリ。また、「川瀬くん、なんで腰に手を当ててるの?」と先にヨシモト∞ホールで開催された『M計画』でも指摘されていた手の置き所についても言及します。
「手持ち無沙汰なんですよねぇ」と返す川瀬に、「真面目な話をするとね、そんな体型で離さないでしょう? はらちゃんは聞く人によってはキャラをつくっていると思われてしまう。だから、あなたは自然じゃないといけない」と分析。岡村から「的確すぎて、お客さんが"ふぅ~ん"言うてる」と指摘された大吉は「だって、はらちゃんが(ネタ中に私には)時間ないっていうから。こういうネタって言葉ももちろんだけど、所作でも判断されがちですからね」と笑います。さらに、川瀬に見た目を変えるべき、ともアドバイス。「もうちょっと髪型とかメガネのフレームを変えて、土台が完成してからイェエエエイ!をやったほうがいい」と丁寧に言葉をおくりました。
続いて、再び5GAPが登場。岡村から「また5GAPですけど?」と聞かれた大吉は「こういうパターンもあります」と言葉を濁します。
「浅草に行けば? 演芸場向き。劇場が違う」と言う大吉は「僕らはペナルティさんとFUJIWARAさんを師匠と呼んでいる」という久保田の言葉に、「先輩とネタが似通っていると、オーディションでは通りにくいかな? まぁ、頭にフランスパン乗っけた人に、オリジナリティがどうっていうのもどうかと思うんですけど」と話します。さらに「さっきのネタもおんなじやと思うけど、5GAPはすぐお腹いっぱいになる」(大吉)「笑いやすいけどねぇ」(岡村)「そう。でも、もっとシャープに!」(大吉)とアドバイスしました。
彼らが袖にはけたあと、何かを察した岡村。「大吉さん......5GAPは今後も出て来るのかな?」と囁くと、「これで終わりではないことだけは、お伝えしておきます!」と告白。「元々は、5GAPをどうするかっていうことで始まったイベントなので」と、イベントの本来の主旨をここで明らかにしました。
ゆったり感は、"水戸黄門"を題材とした五十音で見せていく漫才を披露します。
「面白いじゃないですか。20年前やったら、ABCお笑いグランプリで賞獲ってんちゃう?」と話す岡村に、「時代的にね......シニア層向けのネタだと割り切っているかどうかだと思う」と評価の手を緩めない大吉。また、「江崎くんのツッコミがうるさい。同じトーンとテンポでふってくると飽きてしまうし、ツッコむ場所も多い」と同じツッコミとして指摘します。
ネタについての「考えるのが大変そう」という岡村の言葉を受けて、大吉は「大変だからこそ、テンポが悪くなってしまう。でも、それを乗り越えないといけないと思います」と言いつつ、「ボケを羅列すると飽きられるかもしれないけど、その時々でどう変えるかを考えるのがプロ。11年もやって気付かんかなぁ?」と発言。漫才師としてのギアが上がったようで「師匠方のネタを、舞台袖から見てないでしょう? 観るべきは、どういうステップを踏んでいるか。みんな、ステップが踏めてないんよね。こういうのはね、気付いたもん勝ちやし、こういうのが芸を盗むということ」と参考にすべきポイントについて熱く言及します。
「大吉さん、ステップ見てるの?」と驚く岡村に、「これは巨人師匠に言われたこと。足下が悪いと助言してくださって、いろんなコツを教えていただいて、僕らも一皮むけた」と自身の経験を踏まえたアドバイスだったことを明かします。「僕のトークライブみたいになって、ごめんなさいね」と、お客様への気配りも忘れませんでした。
ここで、再び5GAPが。これまでの2つのコントでお客様のハートをがっちり掴んだようで、歓迎の歓声が挙がりました。
ネタ後、岡村は「途中でドリフターズが入ってたけど、面白かった」と賞賛。久保田は、廃校になる分校から3000円でディナーチャイムを譲り受けたことから生まれたネタだと語ります。
彼らのネタ中、肩を揺らして楽しそうに笑う大吉。岡村から「いちばん笑ってるもんね?」と声をかけられると、「だって、思いついたことをやってるでしょ?(ネタが)粗いなぁと思ってね」と笑いつつ、「5GAPはまた出て来ます」と宣言!「5GAPのイベントなの?」という質問に、「(コント衣装への)着替えの時間がないから(他の芸人を)差し込んでいるということもあります」と構成意図まで暴いてしまいました。
「つなぎではないです。このコンビも迷っています!」(大吉)と紹介されて登場したのは、イシバシハザマ。オープニングで観客が0人だったと話していたのは石橋のソロライブだったそうで、「チケットが予約制で、Twitterで何人かは来てくれるということだったんですけど、前日に0人になってしまって」と語る石橋です。
大吉からの「なんで2人とももじゃもじゃなの?」という質問に、「インパクトを与えようということで」と答える硲。「もういいんじゃないかな? 石橋くんは40歳。その髪型をしていると天才肌な感じがする。天才肌風たけど、足震えてない? 普通でいいやん」と呼びかけます。「型にハマり過ぎていて、面白いけど10組中1組に選ばれるかというと。僕は"5GAP現象"と呼んでいるんですけど、今度でいいかなという感じなんですよねぇ」と言いつつ、「リズムネタはやめなくていい。いらない台詞が多く見受けられたので、台本を持ってきたら見ますよ」と温かい言葉をおくりました。
岡村に「大吉くん、漫才には厳しくなるなぁ。5GAPのときとは違うもん」と言われると、笑いながら「恥ずかしいけど、ちょっと5GAPが羨ましい」と本音を吐露しました。
「また帰って来ますよ!」と呼び込まれて、再び5GAPがコントを披露。すでにお客様の感心を掴んでいる彼ら。大きな笑い声が、会場に響き渡ります。
「萩本欽一さんのとこに行けば?」と言う大吉の言葉に、「"よしもとじゃないよ。欽ちゃん劇団だよ"って言われたことがある」と頷く久保田。「こんな遅い時間に、ルミネに来るなんて随分のお笑いマニア。それだけのお笑い好きがこれだけ笑うっていうことは、キングオブコントの決勝に残っていてもおかしくない」と言い切る大吉に、久保田が「準決勝で一度もウケずに終わったことがある」と明かすと、「(今日見過ぎて)マヒしてるんかな? めっちゃ面白いよ」と岡村。大吉も「今、どんどん欲しています!」と同調し、「(アドバイスは)まとめて最後に言うから、次の準備をしてください」とうながしました。
タモンズは『M-1グランプリ2015』予選にかけた漫才を。
同グランプリの予選で「下ネタをぶち込んでしまった」と敗退の理由を語る2人に、「今年芸歴9年ということは10年目やろ?(出場制限が芸歴10年目以下になってしまったら)来年出られないかもしれない。そんな中、なんで下ネタを?」と追究しつつ、「変なことの基準がわからなくなってると思うけど、十分、君たちは変だから!」と強調します。
「いいネタがあるから、なんとか爪痕を残そうとするんでしょうけど」(大吉)「こっちから見たら、"なんの傷跡なんやねん"って思う。爪痕を残そうと(意識)すると損するから、やらんほうがいいよ」(岡村)と優しい言葉をおくりました。
「おなじみの!」との送り出されて、またもや5GAPが登場。久保田のピンネタを、コンビネタとして改良したことを明かしたのち、彼らは再び次の準備のために舞台袖へ。
「ここで言うのもなんですけど、彼らだけでネタ6本あります」と、ついに明かす大吉です。
タモンズ同様、『M-1グランプリ2015』の予選で披露した漫才をやったのは井下好井。「面白いですけどねぇ」と言葉を濁す大吉は、好井が「このネタ、NGKでめちゃくちゃウケたんです。ほんまに(会場が)揺れて、いちばん奥の扉がゆっくり開いた」と力説すると「NGKの耐震が心配です」とポツリ。1人の著名人を題材としていることもあって「このネタでは受からんと思う」と大吉。「テレビ番組でやったらウケた」と言い切る好井に、「それは深夜でしょ? コンテスト向きのネタではないということ。ただ、(先に進めなかったからと言って)ここで腐るか腐らないかは、あなたたち次第。これだけのネタができるということは、ほかにいいネタがあるはず。テレビで売れようとするのなら、きちんと選択してやったほうがいい」と漫才師の先輩らしい的確なアドバイスをおくりました。
大トリは、もちろん5GAP。お客様はウェルカムムードで、いちばんの代表作でもある「ホワイト赤マン」のコントにも大きな大きな笑い声が起こります。
「今日6本見ましたけど、(すべての)面白いところだけを集めれば売れると思うけどね。めっちゃ強いヤツ1本つくったほうがいいんやないかな?」と大吉が言うと、岡村も「できるんちゃう?」と同調。「いろんなやり方があると思うので、これからもがんばってください」とエールを送りました。
全コンビのネタを観終えた岡村は「ばらつきはありましたけど、楽しかったですよ」と総括。も、大吉に「優勝者を決めるなら」と訊ねられると、「該当者なしです!」と即答します。
全員が残念がる中、大吉は「そんな甘い世界じゃない!」とぴしゃりと言い切って、「大阪の若手芸人とイベントやってますけど、東京の若手とも絡んでいただければ」と、岡村へお願い。頷きながら「また呼んでください」とニッコリ微笑みました。
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