竹若、佐久間、インポッシブルらが"即興"ステージで魅了! 『THE EMPTY STAGE vol.2 IN SHIBUYA』レポート
10月29日(木)、東京・ヨシモト∞ホールにて、『THE EMPTY STAGE vol.2 IN SHIBUYA』が開催されました。
アメリカ最大級のコメディ集団『The Second City(セカンドシティ)』の即興コメディのメゾットを取り込んだイベント『THE EMPTY STAGE』(ジ・エンプティ・ステージ)。
そのタイトル通り、台本も小道具も衣装もない空っぽなステージで繰り広げられるエンタテイメントショーで、今回は「ONE-MAN TALK SHOW」(1人喋りショー)と「IMPROV SHOW featuring The Second City」(新ジャンルの即興コントショー)で構成し、もちろんシーンに合った曲を即興で演奏するMUSIC DIRECTORの鎌田雅人さんによる音楽もライブを彩りました。
開演時刻を迎えると、マシ・オカさん、板尾創路出演による映像が始まり、『THE EMPTY STAGE』の概要をわかりやく説明。
その後、客席後方から本日MCを務めるあべこうじが登場すると、軽妙な語り口で挨拶し、TEAM Dのメンバーを呼び込みます。
"チームチューリッパーズ"の愛称もあるTEAM Dのメンバーは、天狗(川田、横山)、ネルソンズ(青山、和田、岸)、エマ(佐々木、渡辺)という比較的フレッシュな顔ぶれからなり、まずは『バウンサー』からスタート。
一人が高級クラブのバウンサー(用心棒)となり、入り口で客を止め、客は誰かになりきってヒントを小出しにし、バウンサーに自分が誰かを当てさせるという『THE EMPTY STAGE』で人気シーンのひとつです。
客席から来場者の正体(人物やモノなど)を募った結果、「鼻くそ」、「スチール缶」、「ティッシュ」、「消防士」、「吸血鬼」、「ダースベーダー」と決定し、バウンサー役の川田のもとを一人ずつ訪れますが、川田は誰だか見当つかず四苦八苦。
「ティッシュ」に扮した岸の「持ち運びタイプもあります」というヒントには、「プラズマクラスター様」と答えるなど、川田の誤答で笑いが起こります。
結局、佐々木の「スチール缶」だけ当てられずタイムアップに。
続いてのシーンは、こちらも人気の『紙のセリフ』です。
事前に観客がセリフを記入した紙をポケットに入れ、即興芝居の中で読み上げるというものですが、「結婚式場」を舞台に、横山が新婦、渡辺が新婦の父親、佐々木が新郎とそれぞれなりきり、ストーリーにシンクロするセリフもありましたが、「100人乗っても大丈夫」といった無関係なセリフにどうにか調子を合わせる様子に爆笑!
さらに新郎とその友人(和田)が加わり、なぜか男性陣3名が三角関係へと発展する衝撃のクライマックスを迎えました。
次の『スペースジャンプ』は、「フリーズ」とシーンを止めて、そこから別のシーンへと展開していきますが、お風呂から始まるも、ラグビーの試合などが生まれ、川田が雨乞いに祀られる光景はインパクト抜群。
『これ歌ってみよう』は、即興劇の途中で、ベルが鳴ると、その前のセリフをタイトルとした歌を歌うという即興ミュージカルとも言えるシーンです。
今回は横山がベルを務め、スーパーマンを出発点に『豊洲先輩』、『引退の理由は千代の富士と同じ』といった曲が誕生するなか、ラストは全員で「♪平和になれ~」と平和を祈る大合唱!
続いて、あべこうじの紹介で始まったのが、佐久間一行一人で30分トークする「ONE-MAN TALK SHOW」。
こちらもトークのお題を客席から募り、最初の『ザリガニ』では、ザリガニ飼育にハマるきっかけから200匹ほど飼っていた時代を振り返り、バラエティに使うザリガニの発注を受け、断り続けていたといったエピソードも飛び出しました。
その他、『R-1』では井戸ネタが誕生した経緯、『はいじぃ』では「そんなに中、見せてくれんの?」という後輩芸人・はいじぃ宅のエアコン、『学生時代』ではT-BOLANに憧れて髪をセンター分けにするも往復24キロの自転車通学中にオールバックへと変貌しているといったエピソードトークの数々で魅了。
時折「給水ポイント」と称し水を飲みながらしゃべり続けた佐久間は、最後に『結婚』のお題で、椿鬼奴と佐藤大(グランジ)の披露宴の様子を伝えた後、「独身なので、どうなっていくんだろうなあという可能性も含めて終わりたいと思います!(笑)」との言葉で締めくくりました。
最後は、"チームポセイドン"ことTEAM Aで、メンバーは、バッファロー吾郎・竹若、キングコング・梶原、インポッシブル(井元、蛭川)、ハンマミーヤ・一木という実力者がズラリ。
TEAM Aは、事前に会場から募ったお題を箱から5つ引き出し、さらに個別に演じるキャラクターを加えた10人が絡みあう物語を即興で紡ぎ、展開するという『シークレットボックス』に挑戦します。
あべがボックスから引き当てたお題は、『フジステップ』、『みうらじゅん』、『熊本』、『私たちはチャレンジャーだ』、『サンジ』の5つ。
まず、「この熊本からどこへ向かうか決まってない。それはその場で出会った人が決めてくれる」という旅人になりきった竹若の独白から入り、そこに熊と人間のハーフを名乗る井元が立ちはだかります。
シーンが変わると、「サンジ(三時)」に待ち合わせた一木と蛭川の2人が世界を乗っ取れるというICチップの取引を行い、別のシーンでは「違う! 絶対違うこんなのがフジステップなわけがない!」とステップを踏む梶原と「人生そのものがステップ、それがフジステップ」と指導する竹若の姿が。
さらには蛭川が「前髪切りすぎちゃったぁ」が口癖の女子高生の「みうらじゅん」を、井元がペットボトルロケットで宇宙旅行を試みる「チャレンジャー」を演じ、物語はロケットの搭乗員を巡る抗争へ......。
数々の伏線がひとつにつながり、最後は宇宙空間で蛭川と梶原が舞い、「すごいステップよ! 地球上では絶対表現できない、恋する2人ならではのフジステップなのね!」と竹若が感嘆し、ドラマティックなフィナーレを迎えました。
出演者全員がステージに集結したエンディングでは、「当てるの下手でしたね」とあべからマイクを向けられ、「超パニックで全然出てこなかったですね」と『バウンサー』を振り返る川田。
竹若は、話が結末に向かいそうになった際、「蛭川が出てきて、すごいキャラクターでぶっこんで来るというの繰り返しでございまして(笑)」と濃いキャラで何度も沸かせた蛭川を絶賛します(?)。
そして佐久間は、「優しいお客さんで、お題がやりやすかった」と観客に感謝を述べ、スタッフから「『ピーマン』とか言う人いますよ」といった事前情報もあったと明かします。
最後にあべが、「今日見たのは今日しかやりません」「またですね、『THE EMPTY STAGE』に足を運んでいただけたら、今日と違うステージ、違った景色が見れると思います」と改めて挨拶をし、MUSIC DIRECTORの鎌田雅人に拍手を送ったところで、終演を迎えました。
『THE EMPTY STAGE』の最新情報は、公式サイト(http://the-empty-stage.jp/)でご確認ください。
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