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2016年4月 2日 (土)

35年かけてたどり着いた場所。「創作落語の会」記念すべき100回目を開催!

桂文枝が1981年3月から開催している「創作落語の会」が、4月1日(金)に、記念すべき100回目を迎えました。3月4日(月)の第99回では、自身260作目となる創作落語「天国へのメロディー」を披露した文枝。この第100回では、目標としている300作目への新たな一歩として、261作目をおろすことになります。当日の出演は、桂文枝、桂三風、桂小春團治、桂塩鯛、月亭八方、笑福亭仁智というメンバー。記念すべき第100回を迎えた会場は、あいにくの天気にも関わらず、続々と落語ファンが詰めかけ、当然のようにぎっしりと満員の盛況ぶりです。

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まずは芸歴32年の桂三風がなんと一番手として登場。演目は新作ネタ「アバタラ人がやってきた」です。まずは「前座するのは久しぶり」の第一声で客席がひと笑い。「だから今回はどれだけグレードが高いか。でも言い換えれば年寄りばっかり、若手は誰も出てこない」で、もうひと笑いです。インバウンドや最近増えている外国人観光客の話しをマクラにネタに入ろうとしたところで「師匠が横で見てはる」と三風。「そんなに横で見んといてください」となおも三風が言うと、ちょろっと顔を出す文枝。客席は大盛り上がりです。ネタは日本語があまりうまくない男が「アバタラ人」に日本語を教えているというところからスタート。ハイテンションでアバタラ語をしゃべりまくる三風に、客席から笑いが起こります。どうやらアバタラ語には日本語と似通ったところもあるようで「アバラ」「エバラ」など、どこかで聞いたことのある言葉に会場もすっかり引き込まれていきます。

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桂小春團治は95年初演の「教科書戦士スーパーカリキュラム」
をかけます。聖平凡学園を邪悪な道へ誘おうとするミダライトと戦うのは、社会や国語など、教科ごとのヒーロー、スーパーカリキュラムたち。「石綿付き金網」「瀬戸内式気候」「エボナイト棒」など、懐かしい言葉に客席も盛り上がります。スーパーカリキュラムたちは、学園を守ることができるのか...。

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桂塩鯛は、文枝作の「妻の旅行」。旅行に出かけるオカンに文句をつけず気持ちよく送り出してやってほしい、と呼び出した父親に告げる息子。しかし父親は、あえて文句を言っていると返します。そこから始まる、父親がオカン=嫁から受けている仕打ちに客席は大爆笑。サスペンスドラマ好きなことや料理が下手なことなど、オカンの暮らしぶりは来ているお客さんからも「わかるわ〜」と声が上がるほど。思わずうなずいてしまうほどのリアルさだけに、父親のボヤキが話されるたびに、客席は盛り上がりました。さて、旅行当日、そんなオカンを送り出した父親に待っていた結末とは...。

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仲入り前の出番は月亭八方。演目は「天神さん」。普段テレビで見かけるとおり、ひょうひょうとした雰囲気でネタに入る八方。床屋の子どもが京大を受験することになり、最初は相手にしない父親もその気に...という話しですが、少し引いたトーンで話す八方に、客席はぐいぐい引き込まれていきます。もちろん、笑いもたっぷり。天神さんに願を掛けに行く父親の姿や、息子の京大受験の結末など、観客はすっかり「天神さん」の世界に浸りきっていました。

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仲入り後には笑福亭仁智が登場。「めざせ甲子園」をかけます。近鉄ファンだと話す仁智。野球ネタのマクラから「栄冠は君に輝く」を一節、と思ったら、そのまま歌い続ける仁智。客席からは手拍子。結局一番を全てと思いきや、二番に入り「誰が止めんねん!」と自分で突っ込む始末。それを見て客席はまた大爆笑です。結局、二曲を歌い上げ、ようやくネタに。商店街の役員が応援する地元高校は甲子園には程遠い弱小校。しかし、今年はどうやら違うらしい。それならと監督に話を聞いてみると...。出てくる選手、出てくる選手、みな何か問題を抱えていて、笑いが途切れることがありません。チームのあまりの惨状に役員が呆れるものの、それでも負ける気がしないと監督。その秘密とは...。

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トリは桂文枝。頭を丸めて登場した文枝に待ってましたとばかり、客席から大きな拍手が起こります。今はなきバーボンハウスで初めて落語会を開いた当時の話しから出演する大河ドラマの裏話なども披露しつつ、新作「昔は良かったDAY」に入ります。昔を懐かしむ男と、同い年ながらパソコン教室に通うその友達。二人のやりとりから、話しは昭和30年代の思い出話に進んでいきます。当時の出来事を文枝が語り、流行した曲を歌っていると、比較的年齢層が高めの客席もすっかりタイムスリップしたかのよう。カラーテレビ、ガガーリン、新幹線開通など、懐かしい言葉が出るたびに、笑いと歓声が起こっていました。ネタには男の孫も登場。今と昔が交錯したラストは...。

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これにてすべての演目が終了。文枝が仁智と八方を呼び、ステージには3人が並びます。「仁智が昔は若かった」と文枝。八方はすかさず「髪が無くなってきたからな〜」とツッコむと、仁智も「兄さんは昔から足短かった」と返すなど、息ぴったり。客席を笑いが包みます。最後に文枝が「本当に皆さんのおかげです。これから200回に向けてがんばりましょう!」と力強く話すと、会場から大きな拍手が起こりました。

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6月29日(水)に開かれる第101回は、桂三度、桂かい枝、桂あやめ、笑福亭福笑、桂三若、そして笑福亭鶴瓶の出演が決定。さらなる盛り上がりが期待されます。会場中が一体となり、落語を楽しみ、お腹の底から笑える創作落語の会。これからも目が離せません。

【桂文枝】【桂三風】【月亭八方】【笑福亭仁智】