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2016年4月 4日 (月)

超実験的ライブ!『6人のテレビ局員と1人の千原ジュニア』

3月25日(金)、東京・恵比寿ザ・ガーデンホールにて『6人のテレビ局員と1人の千原ジュニア』が開催され、千原ジュニアが出演しました。
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2006年、放送作家たちにすべてを委ねる舞台『6人の放送作家と1人の千原ジュニア』に挑戦した千原ジュニア。今回はバラエティ業界を代表するテレビ局員である末弘奉央氏(NHK/「超絶 凄ワザ!」)、内田秀実氏(日本テレビ/ 「ヒルナンデス!」「1周回って知らない話」)、加地倫三氏(テレビ朝日/「アメトーーク!」「ロンドンハーツ」)、藤井健太郎氏(TBS/「水曜日のダウンタウン」「クイズ☆正解は1年後」)、佐久間宣行氏(テレビ東京/「ゴッドタン」)、竹内誠氏(フジテレビ/ 「ワイドナショー」「IPPONグランプリ」)の6人が、「視聴率」「放送コード」「クレーム」とは無縁の世界で、千原ジュニアを使ったそれぞれの舞台を企画、演出するという、『6人の~』シリーズの続編ともいえる前代未聞の超実験的なライブとなっています。

オープニング、まずはジュニアが登場し、「1企画15分で、私を使って何をしていただいても結構です」と、今回の企画について簡単な説明をしたあと、「実は今回、大事件が起きました!」と続けます。なんと、6局全部丸かぶりをしていることが1点あるそうで、そういう意味においては、「みなさんにいろんな料理を食べてもらおうと思っていたのに、茶漬け、茶漬け、茶漬け......(笑)」と笑いまじりに話します。

その丸かぶりをしていることというのは、"ジュニア本人が何をするか(させられるか)を知らない"ことなんだそうで、「こんなことあります!? どんなに怪しい風俗でも少しは情報あるで」と不満そうなジュニア。さらに「こんなことみなさんに言うのもなんですけど......コワイよ~!!」と胸の内をさらけだしていました(笑)。「だから僕にできることはテンションを上げることだけなんです」と、もう一度「コワイよ~!!!」と絶叫してからいったん退場し、いよいよ舞台の始まりです!

最初はNHKの末弘奉央氏の企画「どんぶりにストロー」からスタート。どうやらキー局のチャンネル数順に発表されていくようです。舞台上のスクリーンに天気予報の画面が写し出されたと思ったら、放送休止のお知らせの後にカラーバーが出る......という、舞台全体のプロローグともいえる映像の後に、突如として水着姿の女性たちがぞろぞろと神輿を担いで「ジュニア! わっしょいわっしょい!」とかけ声をかけながら登場します。もちろん、神輿の上にはジュニアが照れくさそうに乗っており、そのシュールな絵面にお客さんは早くも爆笑。舞台の端には大喜利用のイスとスケッチブック、さらには「友人たちがサプライズで誕生日会。『うれしくない』なぜ?」というお題が書かれた紙までセットされています。
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ここから大喜利が始まるのか......と思ったのもつかの間、「VTRを見てからお題に答えてください」という指示が。ここからVTRが始まるのですが、「平成の大喜利王 千原ジュニア」という大仰な見出しの後に、完全に『プロフェッショナル』風の、最高にふざけたVTRが始まります。いろんな先輩芸人たちのありえない証言や、本人の意図しない編集がなされたとしか思えないジュニアのカッコよすぎる発言が会場の爆笑をさらいますが、ジュニアは「(このVTRは)ねつ造です!!」と必死で弁明していました。

続いては日本テレビの内田秀実氏の「千原ジュニアを知らない世界」。VTR越しに後輩芸人たちから「挨拶しろ!」と怒られるジュニア。この世界ではド新人らしいジュニアは、「オーディションに出て」と言われ、オーディションを受けますが、「一発ギャグやって」「モノマネやって」と無茶ぶりを連発されます。さらに、「バイク川崎バイクがMCの番組の、お寿司にまつわる話以外はNGの前説」や食リポなど、"やっているところを見たことがない"ことばかりさせられるジュニア。そう、「千原ジュニアを知らない世界」は、観客側にとっても「知らない世界」なのでした。
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3番目はテレビ朝日の加地倫三氏の「二代目アンガールズ田中襲名」。アンガールズ・田中が亡くなり、二代目をジュニアが襲名することになったと告げるニュースが流れ、そのニュースを見ていたジュニアの前に幽霊となった田中が現れます。田中を見たジュニアは開口一番「めっちゃ心強いわ!」と大喜びですが、「さっそく服を脱いでください。短い時間で全ての田中を教えないといけないんで」と、意外に冷静な田中。服を脱いだジュニアの体を見て「体はもう完成されてますね」と嬉しそうです。続いて「山根~!」を練習するジュニアを見て「もうだいぶできてますね(笑)」とこちらも満足そう。しかし、カニ(のモノマネ)は全然ダメだったようで、カニについては細かい指導がなされます。「田中になると大喜利やんなくていいですよ。『なんでウケないの~!?』って言えばいいので」と田中のメリット(?)を嬉々として語る田中と二代目田中の競演が見ものとなった企画でした。
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続いてはTBSの藤井健太郎氏による「ジュニアvsジュニア」。これは、現在のジュニアが過去のジュニアとさまざまな対決を行うという企画で、過去のさまざまな映像からジュニアの発言を一言ずつ切り取り、その(おそらく膨大な)VTRとジュニアを会話させつつしりとりやカラオケで対決をするというもの。しりとりでは、過去のジュニアの言った「捨て左折!」が大爆笑をさらいます。

中にはドラマ出演時のキザな言い回しのセリフなどのVTRもあり、会話の随所にそのセリフを挟んでくる過去のジュニア(を操っている藤井氏)に思わず「人の仕事イジんなや!」とツッコむ一幕も。途中何度か、現在と過去のジュニアが一緒になってギャグを挟んでくる場面などは、これが打ち合わせナシの本番一発とは思えない鳥肌ものの息の合いようで、まるでジャズのセッションを見ているかのような、生の舞台の醍醐味を味わえる瞬間となりました。
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5人目はテレビ東京の佐久間宣行氏。佐久間氏の企画は「千原ジュニアのフリートークvs○○ 3本勝負」。これは、"話術の天才・千原ジュニアはどんな妨害があっても面白い話をし続けられるのか"というテーマのもと、「擬音で感じる女」や「お笑いライブに足しげく通う女たち」などのさまざまな妨害に負けず、テーマに沿った話をオチまで話しきる、というもの。「お笑いライブに~」との対決では、ジュニアが「タケトが......」と話し出した途端、女が「出た、"タケト~!!"(笑)。ホント、ジュニアってタケト好きだよね~」と発言、さらに「あ、これ、◯◯の話じゃない?」と先にオチを言われ、思わずジュニアが「アホちゃう?」と絶句する場面も。
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そして、トリを飾るのはフジテレビ・竹内誠氏による「daiben.com」。うまく話せない人の代わりに、ジュニアがその人の話を代弁する、という企画です。まずはキノコを追いかけて23年という、きのこ愛好家の堀博美さんが登場。挨拶代わり(?)に、カエンタケという毒キノコを紹介する堀さん。まずカエンタケを見せて、「この量食べたら死にます」といい、「5mmくらいに薄~く切って食べると、髪の毛全部抜けます」と、その毒性について淡々と説明する堀さんに会場からは笑いが。その独特な存在感を放つトークは「僕が代弁する必要ないですやん」とジュニアに言わせるほどでしたが、「いえいえ、このために京都から来たんですから」と、筒を使って代弁してほしい話をジュニアに伝える堀さん。その後、「いざ代弁!」と振られたジュニアが代弁した毒キノコにまつわる話は、かなり興味深く面白いものでした。2人目に登場したのは『とくダネ!』の「あまたつ~!!」でおなじみの気象予報士・天達武史さん。「こういうの初めてなんです」とかなり緊張気味の天達さんの、気象予報士ならではのこだわりやテンションの上がることなどの話を代弁するジュニアに会場も大爆笑です。
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終わってみるとすでに2時間半以上が経過しており、改めて、おそらく誰も「15分」という決まりを守っていなかったんだな......ということに気づかされます(笑)。エンディングに登場したジュニアは、「次回は6局と言わず、MXと放送大学も入れて8局でやりたい」と冗談まじりに話していましたが、本当にまた実現してほしい超豪華実験的ライブとなりました。


【千原ジュニア】