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2016年5月 6日 (金)

「記憶に残り"語り草"になる落語会を」桂文太がなんばグランド花月で二度目の独演会を開催

五代目桂文枝に入門し、今年で45年を迎えた桂文太が、昨年に続き二度目となるなんばグランド花月での独演会「桂文太ぷれみあむ落語会 in NGK〜語り草2〜」を開催することになりました。50歳で難病を患い視力を失いながらも、相棒である盲導犬・デイリーのサポートを得て、日々、落語に打ち込み続ける文太。昨年の独演会では、立ち見も出る大入満員のなか、師匠が初舞台でかけたネタ「竜宮界龍乃都」のほか「厩火事」「八五郎出世」を披露しました。今回は、桂米團治さんをゲストに迎え、「伊勢参宮神乃賑」「松島心中」などを口演する予定。5月7日(金)に行われた記者会見にも、もちろんデイリーとともに出席し、公演に向けての意気込みや見どころなどを語りました。

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まずは、「早いもので、昨年の落語会から1年。一席目で舞台へ出て行くと、拍手が鳴り止まなかった。『最後まで泣かんとこ』と思っていたが、泣いてしまいました(笑)」と昨年の独演会を振り返ってひとこと。終演後、劇場支配人から「来年もやりましょう」と言われ固い約束を交わしたそうで、「嘘やろな、と思ってましたがやらせていただくことになりました」と笑いをまじえて二度目の開催にいたる経緯を明かしました。昨年は桂かい枝、笑福亭鶴瓶さん、さらに日本盲導犬協会を支援していることでも知られる歌手の中村美律子さんがゲストとして出演。続く今年は、桂文三、そして桂米團治さんが登場します。

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古典落語を集めた「今様いろはセレクション」、江戸落語やほかであまり口演されないネタを自身の手で改作した「贋作あいうえおセレクション」など持ちネタは100を超えますが、当日は、その中からお囃子が入る陽気なネタ「伊勢参宮神乃賑」、江戸落語の「品川心中」を改作した「松島心中」を披露。「あとの一席はお楽しみです」とのことですが、「笑いの多い、大阪的で文太の味のついた噺を」。二度目ということで「『松島心中』はホロリとさせる大人の噺。上方に持ってきてやっているのは僕だけだと思うので、ちょっと試してみたいなと思っている」と、新たな思いも抱いているようです。

デイリーとともに天満天神繁昌亭へ向かう際、ひょんなことから危険な目に遭ったことなど日常のエピソードを紹介しつつ、「デイリーに、皆さまに助けていただいて、あちらこちらへ行かせていただいている。落語もやらせていただいている」と文太。劇場入りのときには開場を待つお客さまから「文太だ!」ではなく「デイリーが来た!」と声がかかることも多いそうで、「それが一番腹立つ」とぼやきながらも、"相棒"の活躍ぶりに感謝していました。

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質疑応答では、昨年のなんばグランド花月公演について質問が。実際に高座に上がって改めて「ほんまにええ小屋。音響がすごくよくて、マイクにやさしく語りかけるだけでドッと笑いが返ってくる」ことを実感したと言い、「まあそれは、NGKもいいけど、文太にも腕がついてきたんかな、という感じ」と笑わせます。これからの落語界を担う後輩たちに向けては、「繁昌亭では若手が袖でよく落語を聴いてくれている。彼らに、コツコツやっていたら、いろんな人が見てくれているねんで、ということを伝えられれば」とコメント。続けて「吉本にもええ噺家がいます。よろしくお願いします」と集まった記者の皆さんに呼びかけました。


目が不自由になった後は、「稽古量が3倍になった」とも。それまではパソコンや原稿を使ってネタを覚えていましたが、「今はネタを腹に入れている感じ。登場人物が思っていることをしゃべるようになった、心で落語をやるようになったことで、落語に厚みが出てきたのではないかと思います」。今年63歳、目が不自由になって13年が過ぎましたが、「13年といえば、ちょうど中学に入ったぐらい。また、今の自分にできる新しいことをやっていけたら」と決意を新たにしていました。

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なお、今回からタイトルに加わった「語り草」というフレーズは、「野球でよく『記録より記憶に残る選手になりたい』と言うように、いつまでもお客さまに語っていただけるような落語会にしたいという思いを込めた」とのこと。笑いの殿堂を舞台に"語り草"となる独演会を、と意気込む文太に、どうぞご期待ください!



【桂文太】

桂文太ぷれみあむ落語会 in NGK〜語り草2〜

日時:6月8日(水) 開場18:40 開演:19:00
会場:なんばグランド花月
料金:前売3000円 当日3500円(全席指定)
※ 未就学児童入場不可
※ 飲食不可
※ 本公演は盲導犬の入場があります。
出演:桂文太、桂文三
ゲスト:桂米團治

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