映画『手をつないでかえろうよ~シャングリラの向こうで~』、大阪先行上映会舞台挨拶に川平慈英さん、すみれさん、奈良橋陽子監督が登壇
5月20日(金)、TOHOシネマズなんばにて『手をつないでかえろうよ~シャングリラの向こうで~』の大阪先行上映会舞台挨拶が開催されました。
『手をつないでかえろうよ~シャングリラの向こうで~』は、2015年に急逝した俳優・今井雅之さんが原作・脚本・主演を務めた同名舞台の映画化。今井さんの遺志を引き継ぐ奈良橋陽子監督が総指揮を執り、「生と死」をモチーフにしながら、誰もが共感できる普遍性をたたえた今井さんの魂の叫びを感じる作品です。そして、ついに今井雅之さんの命日である5月28日に全国公開を迎えます。それに先駆け、主演を務めた川平慈英さん、すみれさん、そして奈良橋陽子監督が作品への思いを語りました。
MCを務めたヤナギブソンに呼び込まれた川平さん、すみれさん、奈良橋監督にお客さんから大きな拍手が。川平さんは「イエー!」、「クーッ!」と盛り上げ、「今日、ここに来られたことを誇りに思います」と語りました。今井さんと旧知の仲である川平さん。「まーちゃん(今井さん)の魂を思う存分に受け継いで、僕とまーちゃんの演劇の母であり、僕たちを役者にしてくれた奈良橋陽子さんの、愛に満ちあふれた日々のなか、役者として魂がつまった作品に出られることを誇りに感じます。まーちゃんにゆかりのあるスタッフと役者のパッションと魂と愛がつまった映画ですので、観終わった後に、生きることの素晴らしさ、夢を追いかける素晴らしさを感じ取っていただけると思います。ぜひみなさん、ごゆるりと楽しんでください」とPRしました。
すみれさんは邦画に出演するのは今回が初めてということもあり、「この作品が最初で本当に光栄です」とご挨拶。さらに「みなさんご存知と思いますが、私は日本語がたどたどしいところがいっぱいあるので、映画でもハワイ出身の子になっているんですが(笑)、麗子さんの役を精一杯、身を絞って演じました。心を込めて作った映画ですので、たくさん泣いて笑ってください!」と語りました。
奈良橋監督は「この映画は本当に特別で、雅之のことが大好きな、応援していただいた方がたくさんいらっしゃいます。皆さんのおかげでこの映画ができたと思います」と心を込めてご挨拶。その思いがこもった証拠として、この日、ご協力者の方からいただいた、映画のタイトルが刻印されたワインボトルを手に改めて感謝の気持ちを伝えました。さらに「雅之自身が私たちを見守ってくれました。撮影の最中も、いい天気もありましたし、雨を降らせてくれたり、見守ってくれた彼の魂を感じて観ていただきたいと思います」と伝えました。
本作は一昨年、今井さんご本人から奈良橋監督にお願いされたといいます。「雅之から電話があって、そのときに実はなんか嫌な予感がしたんです。そのときに舞台『THE WINDS OF GOD』の公演の演出をして欲しいということと、『手をつないでかえろうよ~シャングリラの向こうで~』の脚本ができたのでその映画の監督をして欲しい、と。『もちろんOK。喜んでやります』と伝えたんですが、そのあとに(今井さんの)病状を伝えられました」と明かしました。また、川平さんが主演を演じたことに対しても「いちばん雅之が喜んでいると思います。雅之は(川平さんを)弟のように思っていて...」と語る途中に、感極まって言葉に詰まる一幕も。また、今井さんと撮影した桜のシーンへの思いも。「桜のシーンを撮影したとき、彼がいたんです。彼は涙を流して喜んでいました。作品にはその桜のシーンもありますので、『ここに雅之が一緒にいた』と思いながら観ていただけると」とも。ラストには今井さんがいちばん好きだった曲が流れるシーンもあるとのことでした。
今回、川平さんが演じた主人公の真人は、もともと今井さんご自身が演じるはずだった役柄ということで、どういった思いで演じたかという質問も。「手前味噌ですが、僕じゃなかったら頭にきていました。まーちゃんの役、俺にやらせてくれ! と思っていた」と語る一方で、実際に決まったときは選んでもらったことに涙を流したといいます。川平さんと今井さんはデビューも同時期。「サッカーコメンテーターとしての、『ムムッ!』とか『クー!』も僕の中で大切な仕事ですが、やはり俺たちはもともと役者で、まーちゃんと小さな劇場でやっていたから『慈英、もう一度しっかり役者であるということを、お前の生き様を見せろ』というメッセージをいただいた。それがすごくうれしかったんです。もう一度奈良橋さんの元で、まーちゃんの真人という役を映画の世界で役者として芝居ができる喜びがありました。だからプレッシャーはありませんでした」と川平さん。撮影中、劇団時代の今井さんとの写真をポケットに忍ばせていたそうです。「本当に、まーちゃんと陽子さんの愛情に包まれて、手伝ってくださる人たちに抱擁されているような撮影の日々だった。これが一生続かないかなと思うぐらい、本当に楽しかったです」と語りました。
あらかじめ映画を観ていたヤナギブソンは、「川平さんが演じた真人は素晴らしかったのですが、今井さんがやる予定だったというのが、川平さんと今井さんは真逆のような気がするんですが」と問うと、川平さんも「和洋のような、しょうゆとソースのような、ハスキーとビーグルのような」と例えを並べ、ヤナギブソンから「どんだけ例えるんですか!」とツッコまれていました。それを受けて奈良橋監督は、「ベースのスピリットが一緒なので全然違うと思いませんでした。私が演出した舞台でよくふたりで大変なことをたくさんやっていました」とふり返っていました。
今作品のヒロインを演じるすみれさんには「オファーが来たときの気持ちは?」という質問が。「なにか今井さんが見守ってくださっているような気がして、ご縁があるなと感じました」と、運命を感じた様子。さらに友情出演した中居正広さんとのエピソードも。川平さんは「撮影現場に中居さんがいるという現実に僕は『おぉ...』と...」としながらも「独特な、いい演技をしていただいたのでは」と感想を。また、板尾創路の演技も「本当に素敵でした。素敵な俳優さんだと思います」と奈良橋監督。川平さんも「シュールな笑いもご期待ください!」と明かしました。最後に奈良橋監督は「雅之の出身である関西でご挨拶できて、本当にうれしいです」とも。
今井雅之さんの魂がこもった『手をつないでかえろうよ〜シャングリラの向こうで〜』、ぜひ劇場でご覧ください!
映画『手をつないでかえろうよ〜シャングリラの向こうで〜』
監督:奈良橋陽子
企画・脚本:今井雅之
出演:川平慈英、すみれ、七海、岡安泰樹、吉田敦、勝矢、LiLiCo、藤田朋子、別所哲也、中居正広(友情出演)、板尾創路
製作:ユナイテッドパフォーマンススタジオ、吉本興業
配給・宣伝:KATSU-do
(C)2016「手をつないでかえろうよ」製作委員会
5月28日(土) より、お台場シネマメディアージュほか全国順次公開
http://teotsunaidekaerouyo.com