子どもたちとの楽しい作品が商店街に出現! 「大宮エリーの商店街美術館」虹のアーケード完成記念イベント&シャッターライブペインティング
7月2日(土)、青森県・十和田市商店街にて「大宮エリーの商店街美術館」虹のアーケード完成記念イベントとシャッターライブペインティングが行われ、大宮エリーさん、おおはた雄一さんが登壇しました。
5月28日(土)から9月25日(日)まで、十和田市現代美術館にて開催されている大宮エリーさんの美術館での初個展「シンシアリー・ユアーズー親愛なるあなたの 大宮エリーより」では、美術館と街をつなぐプロジェクトとして、十和田市内の商店街を中心に「大宮エリーの商店街美術館」を展開しています。
「大宮エリーの商店街美術館」では、空き店舗でのインスタレーション作品の展示、シャッターペインティングのほか、商店街のアーケードを虹色に変える「虹のアーケード」の制作やイベントなど、美術館と街をつなぐ多彩なプログラムを実施しており、今回、虹のアーケードの完成にともない、記念イベントが行われることになりました。また、この日は、商店街のシャッターをキャンバスとして大宮エリーさんと十和田の子どもたちが一緒に絵を描くライブペインティングイベントも同時に開催されます。
まずは虹のアーケードの完成記念セレモニーから。あいにくの雨模様でしたが、アーケードは"虹が街中にかかる"というコンセプトのもと、一面カラフルな虹色のカッティングシートで彩られていて、商店街に華やかな彩りを演出します。
主催者の十和田市現代美術館館長・小池一子氏や十和田市長・小山田久氏の挨拶があり、美術館副館長・児島やよい氏よりアーティストおよび協力者の方の紹介、さらに大宮エリーさんより挨拶があった後は、一向を引き連れて大宮さんが商店街を練り歩く「虹のツアー」のスタートです。
このあとのライブペインティングに参加する子どもたちも一緒に参加したということもあり、子どもたちと一緒に歩きながら「あれな~んだ?」などと、アーケードに描かれたイラストを指さして大宮さんがクイズを出すなど、和気あいあいと進んでいく「虹のツアー」。カモメや宝石、波紋など、次々と現れるカラフルなイラストに子どもたちも大興奮! 「あ、ハトだ!」「馬だ!」など、夢中になってアーケードを歩いていました。
ツアーの終点は、十和田で描かれた絵が展示されている大宮さんの「アトリエ十和田」。ここで、テープカットと記念撮影をし、セレモニーは終了です。
続いて「シャッターライブペインティング」へ。草花を描くということだけが決まっていて、あとはまったくフリーという今回のライブペインティング。音楽を担当するおおはた雄一さんは、これまでにも何度か大宮さんのライブペインティングに参加しているそうなのですが、イベント直前、「こんな状況は初めてなのでドキドキしています」と笑顔で話していました。
最初からいきなり子どもたちに描いてもらおうとすると、子どもたちもとまどうだろうということで、まずは大宮さんひとりでライブペインティングを始めることに。「個人的にはお酒を飲まないで描くのは初めてなので、がんばろう(笑)」と、どこか自分に言い聞かせるような大宮さん。
実はシャッターに草花を描こうと思ったのは、以前この商店街に来たときにいろんなお店の前に思い思いに花が飾られていて、それがとてもかわいかったからだそう。そんな今回のシャッターライブペインティングは、大宮さんが花の茎を描くところからスタートしました。
見ていた子どもたちが「ひまわり? ひまわりじゃない?」などと口々に言い出すと、笑顔で「ね。でも、9月まで咲いてる花じゃないとね...」と返事をしながらも次々と花を描いていく大宮さん。
時折り口笛なども吹いたりしながら、あったかく、優しい音色を奏でるおおはたさんの音楽を聞きながら花が描かれていくようすは、見ているだけで癒されるようです。
時々少し後ろに下がって全体を見渡したりしながらどんどん描き進めていく大宮さん。途中、子どもたちにも参加を呼びかけ、花を描いてもらうことに。子どもが描く様子を見守り、「いいよ!」とほめたり、「もうちょっと大きく描いてみようか」とアドバイスする様子は、まるで引率している先生のようです(笑)。
続いて2枚目のシャッターライブペインティングに移ったのですが、「じゃあ、さっきのでだいたいわかったと思うんで、次は自由に、好きな色の絵の具で好きに花を描いて! 私は茎を描くから。茎vs花ね!」と言い放ち、どんどん茎を描いていく大宮さん。
負けじと子どもたちも、思い思いに好きな色の絵の具を選び、花を描いていきます。小さな男の子が何も持たずにぼんやりしていると、お兄ちゃんが絵の具と筆を持ってきてあげて一緒に描き始めたりするなど、子どもたちのチームワークもできてきていました。
「じゃあ、あと20秒で終わるよ~。20! 19!」と大宮さんのカウントダウンの合図に子どもたちは必死! 急いで花を描き続けたり土の色をきれいに塗ったりしていきます。「終了~!」の声かけとともに完成した作品に観客からは大きな拍手が。終了後もまだ描いている子どもに「ハイ、終わり終わり~」と告げたあとは、せっかくだからと子どもたちに自己紹介をしてもらうことに。
手を絵の具まみれにしながら、「楽しかった」「いっぱい花を描けてよかった」と口々に感想を話す子どもたちに「(感想は)楽しくなかったでもいいんだよ(笑)」と話しかける大宮さんでしたが、ふと思いついたように「あ、そうだ。最後にこの企画(シャッターに絵を描くという提案)の発案者の佐々木くんと、音楽をやってくれたおおはたさんにも一筆描いてもらおう!」と言い、急きょ2人も絵に参加することになりました!
男の子らしく青で大きな花を一輪、力強く描いた佐々木くんに対し、おおはたさんは白い絵の具で白いシャッターの上に花を描くという斬新なスタイル(笑)で観客の意表を突きます。2人の描いた花が加わり、ここで本当に絵が完成。1枚目の半分程度の時間であっという間に完成した2枚目の絵は、たくさんの人で一斉に書かれたとは思えないほど統一感のある、カラフルでにぎやかな作品となっていました。
ライブペインティング終了後に行われた囲み取材では、子どもたちとのライブペインティングの感想を聞かれ、「楽しかった...っていうか、余裕なかったですね(笑)」と話す大宮さん。
「ただ子どもたちと描けばいいっていうものでもないし、作品としていいものにならないといけないんで、自分も描きつつ、子どもたちにも描いてもらって、ちゃんとしたものを描かなきゃと思いながら、でも自由に描いてもらいたいっていう...、そのせめぎ合いが難しかったですね。でも、結果的にはいいものができたなと思います」と振り返っていました。
虹のアーケードについては「子どもたちが喜んでくれたのがいちばん嬉しかった!」そう。
今回、「大宮エリーの商店街美術館」開催にあたって、地元の商店街の人たちとの懇親会を開いてもらったという大宮さんは、「ちゃんと美術館のコンセプトを伝えたりしなきゃいけなかったのに、すごく酔っぱらっちゃって(笑)。最終的に商店街の会長さんたちが『あの人は心配だから協力してあげないと』ってことになったらしくて(笑)」と、大宮さんらしい愛され(?)エピソードを披露。
その地元の人たちが、このプロジェクトが始動したことによって「おしゃれな若い女の子が商店街を歩いてる!」などと、若い人たちをよく見かけるようになったと喜んでくれたことがなにより嬉しいそう。
初めてだった「お酒を飲まないでやるライブペインティング」についての感想を聞かれると、「(飲まないと)緊張しちゃうから難しいです」と大宮さん。緊張すると集中しづらくなり、集中できないと絵が描けないので、やはりかなり難しかったと話していました。
今後も続々と関連イベントが企画されている「大宮エリーの商店街美術館」と個展「シンシアリー・ユアーズー親愛なるあなたの 大宮エリーより」。この夏、あなたも見るだけで幸せな気持ちになれる大宮エリーさんのライブペインティングを体験してみませんか?
大宮エリーの商店街美術館
会期:5月28日(土)~9月25日(日)
会場:十和田市 商店街、市民交流プラザ「トワーレ」
開館時間:9:00~17:00(入場は閉館の15分前まで)
休館日:月曜日(月曜が祝日の場合はその翌日)
※ただし、8月1日(月)、8日(月)、15日(月)、9月20日(火)は臨時開館。
観覧料:300円(パスポート+缶バッチ付き)
同時開催 :「シンシアリー・ユアーズ ー 親愛なるあなたの大宮エリーより」
会期:2016年5月28日(土)~9月25日(日)
会場:十和田市現代美術館
開館時間:9:00~17:00(入場時間は閉館の 30 分前まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)
※ただし、8月1日(月)、8日(月)、15日(月)、9月20日(火)は臨時開館。
観覧料:企画展+常設展セット券1000 円。企画展の個別料金は一般 600円。団体(20名以上)100円引き。高校生以下無料。
今後の関連イベント(予定)
7月24日(日) ライブペインティング ※詳細は後日発表予定
19:00~20:00 休憩スペース(カフェ)
参加料 1000 円(1ドリンク付) ※要予約。小学生以下無料
8月11日(木・祝)ライブペインティング 大宮エリー×原田郁子
18:00~19:30 休憩スペース(カフェ)
参加料 1000 円(1ドリンク付) ※要予約。小学生以下無料
9月17日(土) ワークショップ 手紙を書こう「Letters from Towada 想いを伝えるということ」
14:00~15:30 市民活動スペース
参加料500円 ※要予約。小学生以下対象。親子での参加可能
※イベントの日程・内容は変更になる場合があります。詳細は十和田市現代美術館HPまで。