ネクストブレイク必至の芸人が集結! 大阪よしもと漫才博覧会プレミアム
7月24日(日)、東京・世田谷区民会館にて「大阪よしもと漫才博覧会プレミアム」が開催され、祇園、トット、ジュリエッタ、コマンダンテ、尼神インター、ヘンダーソン、マルセイユ、ミキ、大自然、ラニーノーズ、からし蓮根が出演しました。
昨年3月に草月ホールを皮切りに公演を重ね、人気イベントへと成長した『大阪よしもと漫才博覧会』。区切りとなる10回目の今回は、『大阪よしもと漫才博覧会プレミアム』と銘打ち、世田谷区民会館にて開催され、これまでのアンケート結果に基づいた上位11組の大阪若手漫才師が自慢のネタを披露します。
また、今回は"商談コーナー"と題し、業界関係者が気になった漫才コンビに対して札を上げるという、芸人にとっては直接仕事につながるチャンスといえるコーナーが設けられ、各局のバラエティ番組の制作スタッフ・プロデューサーたちが勢揃いするという試みも行われました。
まずはMCのテンダラーが登場。本イベントについて簡単な説明があったあと、浜本が「今回は残念ながらWヤングさんは出てません。あと、まるむし商店さんも出ておりません」と、大ベテランの漫才コンビの名前を挙げ、観客の笑いを誘います。
「兄弟ならではの息のあったコンビプレイを見てください」という自己紹介文を読んで、「漫才のこと、コンビプレイて(笑)」と笑う浜本に紹介され、さっそく登場したのは1組目のミキ。女子とデートしたいという弟・亜生のためにデートプランを考える兄・昴生ですが、そのプランがなかなか弟に通じず......。昴生のハイトーンボイスのツッコミが冴え渡る漫才となりました。漫才の後にはテンダラーも登場しての"アピールPOINT"へ。このコーナーでは3つのアピールポイントを披露するのですが、ミキは「エピソードトーク・一発ギャグ・ショートコント」をそれぞれ披露。ただ一発ギャグが長く、ただの兄弟ゲンカにしか見えないため、テンダラーから「それ、ジャンル何なん?」とツッコまれます。
ミキのみ、このあとの仕事の関係で1組だけ「商談コーナー」をすることになったのですが、なんと、『踊る!さんま御殿』『ロンドンハーツ』などの札が上がっていました!
続いてはラニーノーズ。2人ともギターを持って登場するという斬新なスタイルで、現代のギター漫談を披露。子どもに聞かせるという設定でナゾのイントロ付きの「チューリップ」などを演奏しながら歌っていました。アピールポイントでは"路上ライブしてたらたまたまドラゴンボールのフリーザが通りかかる"という設定のショートコントや"どんな単語を言われても、その単語を使ってメッセージ性のある歌にできる"という芸を披露する2人。実は芸人になる前にバンドをやっていたそうで、その際カナダで暮らしていたエピソードなども披露していました。
3組目に登場したのはマルセイユ。バカップルに憧れるという津田のためにバカップルを演じる2人でしたが、あまりにもバカすぎて演じていて気持ちが悪くなってくる別府。ギャグ「すぐそうやってゆうやろ~」もウケていました。ネタ後、テンダラーにギャグがウケていたことを言われ「知っててくれてんねや!ってなりました」と嬉しそうな別府。アピールポイントでは別府がトトロのほんわかした曲に合わせて(?)、キレッキレのダンスを披露したり、実は昔、母親も芸人だったことを告白。ちなみに福岡でコンビを組んでフリーで活動していた素人漫才師だったそうで、その名もなんと「ハイヒール」。たまたま大阪のハイヒールよりも早い時期からハイヒールを名乗っていたんだそうで、驚きです!
4組目はヘンダーソン。「学生時代に困ったこと」というテーマで、プチブレイク中の「石焼き芋ソング」や、わらびもち屋のラップを披露していました。アピールPOINTタイムの"一発ギャグ"では、「これを"一発ギャグ"っていうのもなんなんですけど......」と言いながら、もと自衛隊員の子安が手榴弾の投げ方をレクチャーしたり、中村がオカッパのカツラをかぶって女装姿で舞台に登場したら、急にすごく盛り上がってどうしたのかと思ったら「すち子~!」と声をかけられた......という悲しいエピソードも披露。
続いてはトット。見た目真緑のお揃いのスーツに身を包んだ2人は、「どうも、よしもとのほうれん草です」と言って、お客さんを笑わせます。漫才では反抗期がなかったという多田に、桑原が反抗期の気分を味わわせようと母親と子どもの設定でケンカをしようとするのですが、母親が子どものために一生懸命すぎて、子どもがまったく怒れません(笑)。アピールタイムでは多田が「僕歌うまいんですよ」と歌を披露しますが、実は後から伴奏で入ってきた桑原のボイスパーカッションの方がハンパない完成度でお客さんをどよめかせます。つまり、「歌がうまい」はフリで、本当はボイパがすごいというネタだったのですが、浜本は「歌うまいねぇ~!」と、未来ある若手のボケをつぶしにかかっていました(笑)。
前半戦のトリを飾ったのは尼神インター。最近は関東でも露出が目立つ、プチブレイク中の尼神インターですが、この日は昔話の「桃太郎」をモチーフとした、女同士なのになぜか恋愛のもつれのようになってしまう......という漫才を披露。アピールタイムでは、誠子がドラマ『ロングバケーション』の稲森いずみさんのセリフを完コピして笑わせますが、「古すぎてみんな知らんのちゃうん?」と浜本にツッコまれていました。また、男性がキュンキュンするセリフを言うのが得意だといい、実演してみせますが、渚に「ずっと何やってんねん。金返せ!」と罵倒されるハメに(笑)。さらに相方の渚はよくレズビアンに間違われるそうで、先日も街を歩いていたら「尼神インターのレズビアンの方ですよね?」と聞かれたので、「私、目を見て無視してやりました」と、おそろしいエピソードトークを披露していました。
前半の6組が終わったところで、ミキ以外の5組が集結し、"商談コーナー"へ。順番に聞いていくのですが、最初に比べなかなか札が上がらない中、「お笑いナタリー」が札を上げ続けているのが救いだったのか(?)「お笑いナタリーさん、これからずっと上げといてもらえます?」と頼む浜本(笑)。それでも、トットが『笑点』や『さんま御殿』、『ロンハー』などから札が上がったり、尼神インターがNHKの『爆笑トライアウト』からお声がかかったりと、なかなかの成果があがっていたよう。
間をおかず始まった後半戦では、からし蓮根が登場。熊本弁まじりの漫才が新鮮なからし蓮根は、昨日(23日)若手の登竜門として名高い「今宮戎神社 こどもえびす 第37回マンザイ新人コンクール」でグランプリにあたる「新人漫才福笑い大賞」に輝いたそうで、受賞後初となる、万引き犯とそれを見つけたスーパーの店員という設定の漫才を披露します。アピールタイムでは、オール巨人のスナックでバイトしている松本が、師匠のカラオケにまつわる、負けず嫌いのちょっとかわいいエピソードを話し、笑いを誘っていました。
続いて登場したのはジュリエッタ。コンピレーションアルバムの収録曲をワンフレーズずつ歌っていくうちにどんどんハイトーンボイスになっていく藤本にお客さんも爆笑。アピールタイムでは、ギャガーである藤本が、この日のMCであるテンダラーにちなみ、「ハ・マ・モ・ト・シ・ラ・カ・ワ」で始まるギャグを用意してきたといい、一気に披露します。ところがなぜか後半の「シラカワ」部分がほとんど下ネタばかりだったため、白川が「なんで?」と不満気になるという結果に......。
9組目は大自然。漫才の冒頭、自己紹介部分で白井が「将来僕が結婚して子どもを持ったら、僕の子どもとみなさんの子どもを戦わせます」とナゾの宣言を。さらに前列のお客さんを順に指さし、「戦わす、戦わす、ひとつとばして戦わす」と、まるで「べっぴんさん」のネタのように言っていました(笑)。終始ゆったりとしたシュールな空気の中、ルックスも独特な2人の漫才はついつい見るものを引き込ませる何かがあるよう。エピソードトークでは、家族がアメリカンだという里の父親についての面白エピソードが語られ、「おまえのお父さん、めっちゃ興味あるわ」と浜本に言わしめていました。
10組目に登場したのは祇園。木崎のキザキャラはすでにお客さんにも定着してきたようで、この日も、「お待たせしました、木崎で~す!」や「木崎 is みんなのもの」など、木崎語録が絶好調! エピソードトークでは、57歳にしていまだにジャニーズの追っかけをしているという木崎の母親が、「木崎」「櫻井」というウチワを持ってライブを見に来てくれるというエピソードを話したり、「ことわざをすべてナルシストに変換する」という芸を披露していましたが、浜本に「だんだんオネエに見えてきた」「だんだんイラッとしてきた」と言われてしまうハメに(笑)。
ラスト、トリに登場したのはコマンダンテ。ファストフードの店員に憧れているという安田のために、「ファストフード店の店員と客」になりきる2人ですが、何事もなくやりきり、「ありがとう。できたわ」と満足げな安田に「コワいコワいコワい!」と石井がツッコむ......という変化球の漫才を披露。アピールタイムでは、安田が得意のケン玉で大技を披露するのかと思えば相方との合わせ技でみんなを驚かせたり、石井の「男前なのに天然」キャラを安田が暴露したりと、バラエティにとんだ見せ方でアピールしていました。
後半の"商談コーナー"では、大自然がNHKの『バナナマンの爆笑ドラゴン』に推薦されることが決定したり、コマンダンテが意外にも「役者として」興味を示される......といった場面も。この日の総評を求められた『エンタの神様』の五味プロデューサーは、「今日はお客さんが素晴らしかったと思います。マルセイユさんがきてます。尼神はすでにきてる。ジュリエッタ、祇園はいずれきます。あと7年待ってください。ネタブームがまた来ると思うので」と話し、浜本に「じゃあ、次のブームは東京オリンピックの後、ということで......」と、かなり先の来たるべきブームに思いを馳せていました(笑)。
エンディングでは再びすべての出演者が登場。それぞれが近々に行われる単独ライブなどを告知する中、ひとり大自然の白井だけが「帰り、息を止めてどこまで移動できるかをやるんで、見かけても話しかけないでください」と、小学生ばりのチャレンジを告知して笑わせていました。
ネクストブレイク必至の芸人が必ずいるに違いない、「大阪よしもと漫才博覧会プレミアム」。今後もぜひご注目ください!
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