あべこうじ、11月15日に開催するライブに向けて「新しいおしゃべりの見せ方にこだわりたい」と意欲!
11月15日(火)、東京・ルミネtheよしもとにて『あべこうじの「おしゃべりさせていただきます。」』を開催する、あべこうじがインタビューに応じました。
今年芸歴20周年を迎えるあべですが、今回始めるライブは「20周年だからやるという感じではないんです。なんだったら、20周年というのを削いだかたちにしたい」と明言。「毎年、単独みたいなライブをやっていて、ここ数年はショー的なものを見せるかたちで動いてたんですけど、漫談というか、しゃべりをメインにしたライブをやりたいなと。もういい大人なので、やることを絞った中に自分の良さを出していければいいなと思ってるんです」と語ります。
そもそも"単独ライブ"という言葉に違和感を持っていた様子。「単独ライブ......僕はピンなので、すでに単独じゃないですか。だから、そういう言葉を使うのも、と思って。だったら、ワンマンかなとも思いますけど、それも単独と同じようなことですからね。だから、今回は"ただただ、おしゃべりさせていただきます"っていう感じのライブにします」と説明します。
ここ1年半くらいで、急激に視野が広がったと話すあべ。「『よしニュー』(註:「ひかりTVチャンネル 4K」にて放送中のよしもと芸人と文化人・有識者による大人のためのニューストーク番組)のMCとかをさせてもらうようになったことが大きい。知らないニュースだらけの中、MCとして質問しなければいけない場面のである程度、ニュースをチェックしておかないといけなくなったんです」と話すように、ニュースを知ることによってこれまでとは違ったものの観方ができていたり、感心を持つ情報が増えてきたりと、いろんなことを知る絶好の機会になったそう。ものの観方が変わったことはネタにも深く影響しているそうで、「ニュース的な視点を取り入れることによって、今までとは別のものが生まれてくる。興味あることや面白いなと思うことを、今回のライブでも自分の表現にしていきたい」と意気込みます。
ネタのアイデアについては、「日々の生活の中で、イヤなこととか面白いと思ったことから考えていく。だからネタを考えるために、満員電車に乗り込んでみたりしてますよ」と言いつつ、「お客さんの中にはいろんな年代の方がいるので全員に笑ってもらえるようにしないといけない。その中で、どう崩していくか。自分色にどうやって染めるのか」と話すように、見せ方には並々ならぬこだわりがある様子。「笑ってもらえるフォーマットってあると思うんですけど、そういうのができると捨てちゃって、新たに生まれてくるものを探してしまうんです」と飽くなき探究心を持ち続けています。
新しい見せ方にこだわる姿勢は、今回のライブにも色濃く反映されているよう。
「ネタとトークってありますけど、トークだって結局つくったネタみたいなものじゃないですか。僕はつくったものなのか、つくってないものなのか、みたいに、あやふやなところがいちばん好きなのです。いろんな方向から攻めたいので、今、頭の中にあることをどうやって見せるのか考えているところです」と、この取材を受けた10月末の段階では構想中であることを明かします。まだ考えている最中ということもあって、「どうなるのか不安です」と話すあべ。写真撮影の際、「今回のライブの心境を表してください」とお願いすると、このようなポージングをしてくれました。
いつも1人でネタづくりに励んでいるそうですが、そんなあべを支えてくれるのは後輩達。「ルミネにいる後輩に喋ってみて、反応を観ながら"これネタとして使えるかな?"と判断することもありますし、ファミレスに来てもらって話すことも。その時は、強引ですけど『俺に合う話ってどういうのがあると思う?』って聞いたりもします」と発言。『R-1ぐらんぷり』で優勝した時に披露したネタは、永井佑一郎のある一言から生まれたものだそうで、「『あべさんがドレミの歌で漫談やったら面白そうじゃないですか?』って言われて。既存のものからネタをつくることはしてなかったんですけど、『俺だったらこうするかな』って言いながらその場で出てきたアイデアがネタになりました。どこにヒントが転がってるか、わからないですよねぇ」としみじみします。
芸人になってからの20年。「今も芸人としていられることは奇跡です」と答えながら「ここに来てようやく、自分の観られ方がわかりました。昔は"これ、あべさんらしいネタですね"とか言われるのがイヤだった。誰でもできることをやっているだけだと思ってたんです。でも、今は僕だからできることに固執していこうと思っています」と言い切ります。
あべといえば話芸はもちろんのこと、MCにも定評あり。芸歴の浅い若手芸人と絡むときも、その芸人の秘める個性を引き出すためにとことん追究して笑いを起こす様は、さすがの一言です。『キングオブコント』の予選では観客をリラックスさせつつ、その場を巧みな話芸で盛り上げる姿が印象的ですが、「僕は発見、感動、新しい体験っていうのがすごく好きなので、『キングオブコント』のMCは得るものが多いんです」と笑顔。「面白い人達のコントを観させてもらえる機会でもあるわけですから、ある意味、楽して面白い場にいさせてもらってるっていうことでもある。だから恩返ししたいというか、"僕がいちばん楽しんでないと、お客さんも楽しめないから盛り上げよう"っていうスタンスでやってます」と語ります。
ライブ中のトークでは、あべの怒濤のツッコミによって若手芸人の思いもよらない面白さや特徴が引き出されて爆笑が起こる瞬間をたびたび目撃しますが、「ネタ以外のところで、この人はこういうところが面白いんですっていうところを出したい。で、それを観ていた人に、"あぁ、この芸人さんはこういいうところに良さが出るんだな"って思ってもらいたいんです」と発言。ここにも、あべらしい笑いに対するストイックさが垣間見えました。
『あべこうじの「おしゃべりさせていただきます。」』は、今後も定期的に開催予定。「敢えてVol.1とはうたってません。新しい発見をこのライブでしていきたいと思ってますので、お客さんには一緒にライブをつくっていって欲しいですね」と来場を呼びかけました。
【あべこうじ】
『あべこうじの「おしゃべりさせていただきます。」』
日時: 11月15日(火)開場20時/開演20時30分
場所:ルミネtheよしもと
料金: 前売1800円/当日2000円
チケットはチケットよしもと(http://yoshimoto.funity.jp)にて発売中!