最新ニュースインタビューライブレポート

« 辻本茂雄とアキが初タッグでお届けした「まだまだ座長!もうすぐ座長?~茂造の青春時代!パワーアップで再演!~」 | メイン | 超新星 ユナク&ソンジェ2人の全国ツアー 『超新星LIVE TOUR 2016 ~BRO~』東京公演でファイナル »

2016年11月12日 (土)

駐日パラオ共和国特命全権大使のマツタロウ閣下並びに夫人も登壇! 死闘の地ペリリューの今は? 映画『追憶』舞台挨拶

11月12日(土)、東京・東京都写真美術館ホールにて、映画『追憶』の舞台挨拶が行われ、小栗謙一監督、駐日パラオ共和国特命全権大使のフランシス・マリウル・マツタロウ閣下、ルーシー・マツタロウ夫人が登壇しました。

20161112182347-b7d72ee114bc10554c5d6e303d69a2ceb5f61495.jpg


升本喜年さんの著書『「愛の手紙」~ペリリュー島玉砕~中川州男の玉砕』(熊本日日新聞社刊)を原案とし、米国防省、米海兵隊歴史部、米国立公文書館に保存されていた膨大な映像と日本の自衛隊第8師団、NHKに残る貴重な資料によって、1944年に起きたペリリュー島での死闘の真実に迫るドキュメンタリー映画の本作。
日米双方からの膨大な資料映像が観られる作品はこれまで前例がなく、歴史的にも大変意味のある作品で、11月10日(木)放送の『news every.』(日本テレビ系)で本作が取り上げられた際にも反響を呼びました。


11月5日(土)の初日舞台挨拶には、元日本軍海軍上等水兵として本作にも出演し、昨年、天皇・皇后両陛下がペリリュー島へ慰霊に訪れた際にも来島した土田喜代一さんが登壇。
本日登壇したマツタロウ閣下は、本作で当時の島民としてインタビューに答えているローズ・デロイ・シレスさんの甥にあたり、その点でも非常に意味深い舞台挨拶となりました。

20161112182023-f3bf07236a96ce82dba6550a975cf4fce7f61bc1.jpg


まず、「みなさん、こんにちは」と日本語で挨拶したマツタロウ閣下。
以降は英語で通訳を介して話し、「パラオについてみなさんと共有できることをとてもうれしく思います。小栗監督にも私の出身地であるペリリュー島のことをドキュメンタリーにしていただき、大変感謝しております。妻と2人で『追憶』を鑑賞しまして、(今年)97歳になります伯母のローズの出演に、家族と小栗監督に感謝したいと思います」と感謝の言葉を重ねます。


次に100年以上、歴史的な交流があるというパラオと日本との交流について語り、天皇・皇后両陛下がパラオ共和国のペリリュー島を来訪し、戦没者を追悼した昨年4月9日は「歴史上もっとも光栄」な日として、ペリリュー島では祝日に制定されたと明かすマツタロウ閣下。

20161112182023-709ed22e01884a32d1134e5528af43a93105056b.jpg


続いて小栗監督は、「戦後70周年という節目に、なぜペリリュー島を両陛下は選ばれたのか。単純にそういう素朴な疑問からこの映画は出発しまして、まずそこで何が行われたのか、何が起きていたのか、それを私自身が知りたい」と本作を撮るきっかけについて述べます。


本作では、日本軍とアメリカ軍との激しいペリリュー島での戦闘シーンが使用されていますが、「これはすべて米軍が撮影した記録から編集したところでございます」と明かし、「アメリカの海兵隊が上陸作戦するなかで、18名くらいのカメラマンを用意して、撮影したフィルムが100本ほど残っている」ということがわかり、そのフィルムには撮影場所や日付がクレジットされていたとのこと。

20161112182023-073714704cbc98956708e53a5f00ba6ee1535685.jpg


そして、日本、アメリカの両兵士だけではなく、戦場の住人として当時のペリリュー島を知る人を探したところ、前記のローズさんと出会ったそうです。
当初のインタビューでは、英語で受け答えしていたものの、「だんだん親しくなって来た時に、(ローズさんが)ふと日本語をお話になった。その日本語が非常にアクセントだとかイントネーションが流暢なもんですから、"日本語、お出来になるんですか?"ってお話したら、ちょっと恥ずかしそうに、"私はそんなに上手くは出来ません"と(笑)」とローズさんとの会話を振り返る小栗監督。
二度目のインタビューでは、日本語での受け答えをリクエストし、「あの(ローズさんの)日本語を聞くだけで、戦前の日本とパラオの関係が非常によくわかると思うんですよね。そこには説明とか一切いらないというふうに思うんです」と述べ、マツタロウ閣下、夫人も興味深く聞き入っていました。

20161112182023-8e202e54b82ba0f36f1083f13f86ec115a0ed576.jpg


そんな死闘の爪あとが現在も各地で確認できるパラオ共和国。
その一方で、ロックアイランド群と南ラグーンが世界遺産になるなど、観光地として発展を遂げており、小栗監督は「時差というのが全くないんですね。ただ南に下っていっただけで、生活もすごくしやすくて、食べるものも海があって、環境的にも似ている。日本よりはずっと暑いかなって思うだけですね」とパラオ共和国に魅了された様子です。


マツタロウ閣下は、「パラオの大きな産業は観光業で、(海や湖などの)水、特に水の中が美しいです。世界中の様々な協会に世界一のダイビングスポットとして、任命されています」と語り、さらにはジェリーフィッシュレイクという湖とそこに生息するクラゲなど、現在のパラオ共和国の魅力を観客に伝えました。

20161112182022-3feefa073a78d7ba03e97649d964e45da7906f34.jpg

映画『追憶』

製作:奥山和由
監督:小栗謙一
語り:美輪明宏
ピアノ:小林研一郎
原案:升本喜年(『「愛の手紙」〜ペリリュー島玉砕〜中川州男の生涯』熊本日日新聞社刊)
企画制作プロダクション:チームオクヤマ
制作:KATSU-do
後援:パラオ政府観光局
配給:太秦
製作:吉本興業
© 2015「追憶」製作委員会
公式サイト: http://www.tsuiokutegami.net

東京都写真美術館ホールにて上映中。
連日10:30回より、月曜日・11/23(水)のみ休映
全国順次公開