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2017年2月28日 (火)

プリマ旦那・野村脚本・演出のもと本格芝居に初挑戦!「クラスメイト伊丹の大作戦『僕、主人公でいいですか?』」

2月22日(水)・23日(木)の2日間にわたり、よしもと漫才劇場にて、「クラスメイト伊丹の大作戦『僕、主人公でいいですか?』」が上演されました。クラスメイト・伊丹が本格芝居に初挑戦するこの企画。脚本・演出を手がけたのは、これまでもさまざまな作品を手がけてきたプリマ旦那・野村です。さらに、ビーフケーキ・近藤やアインシュタイン・河井など、キャストも個性派・実力派揃い。いったいどんな芝居になるのか、期待が高まります。

開演前、どこからともなく野村らしき声が...? と、白い衣装に身を包んだ野村が舞台に現れ、観客の皆さんに「芝居の楽しみ方」をレクチャーし始めました。途中には客席に下り、通路を練り歩きながら、とうとうと語り続ける野村。ボケも満載のしゃべりを聞いているうち、自然と芝居の空気に引き込まれていくという仕掛けです。

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舞台には、ふたつの机にふたりの男。伊丹演じる漫画家・平凡太郎と、ラニーノーズ・洲崎扮するアシスタントのマッキーこと槙田が、締め切りに終われています。ひたすらオロオロする気弱な凡太郎に対し、淡々とボケたり"先生いじり"を繰り返すマッキーという、まるで漫才コンビのような関係に、客席からはさっそく笑いが。

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原稿を取りにやってきた編集者・釈を演じるのは、ビーフケーキ・近藤。釈曰く、なんと掲載雑誌が廃刊となり、凡太郎の連載もあと1カ月で打ち切りになるとのこと。さらにこのふたり、どうやら高校時代の同級生らしく...? ちなみに登場人物の名前は、すべて文房具にちなんでいるとのこと。このあたりにも、野村の遊び心がチラリ隠されています。

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ショックな出来事のせいか、急に腹痛を感じ始める凡太郎。そこへふらりと現れたのが、野村扮する神様です。曰く、「1カ月後、キミ、死にます!」。すべての人類の"死"をつかさどる神様ですが、凡太郎の死に関しては、思いも寄らぬ凡ミスが原因のよう。スクリーンに映し出されるその顛末に、客席は大爆笑です。神様は、お詫びに残りの人生を「主人公」として思う存分生きられるようサポートしてくれると言いますが、「僕が主人公なんて...」と及び腰の凡太郎。業を煮やした神様は、「お前がやり残したことを見せてやる」と何やらパワーを送り始めました。

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凡太郎の目の前に現れたのは、高校時代の同級生・久則ことアインシュタイン・河井。ガキ大将の彼を恐れつつ憧れも抱いていた凡太郎は、神様にうながされ決死のビンタ! ところが「幻想だから大丈夫」という言葉とは裏腹に、倍返しで殴り返されてしまうハメに...。

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続いて、同級生の蛍子(吉本新喜劇・小寺真理)と入江(吉本新喜劇・鮫島幸恵)も現れ、凡太郎の冴えない青春時代が少しずつ明らかに。

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そして、最後に現れたのが、小羽という名の女の子(辻凪子さん)。果たして、凡太郎の"一番の心残り"とは...?

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マユリカ・中谷のイラストが楽しいオープニングVTRの後、舞台が明転すると、凡太郎はパラレルワールドに!? 自身が描く漫画『凡太郎日記』の世界と現実が絶妙にミックスされたこの世界で、「やりたいようにやれ」と神様。やがて授業が始まると、久則、釈、蛍子、入江、そして小羽とクラスメイトが登場。しかも先生は神様で、マッキーまで転校生としてやってくるカオスぶりです! なかでも注目を集めたのが、クールな編集者の姿からは想像できない、こってりキャラの釈。そのひとことひとことが、客席を沸かせます。

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凡太郎の思い人・小羽も、ちょっと風変わりな女の子。「ぬか床部」に所属するなど謎めいたキャラクターながら、クラスにはしっかりなじんでいます。授業を受けたり、みんなで騒いだり...自らの青春を再体験した凡太郎は、残された人生を精一杯生きることを誓うのでした。

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が、現実世界に戻った凡太郎は、相変わらずのマイナス思考。神様にハッパをかけられるも、「主人公なんて柄じゃない」とこれまで通りの平々凡々ぶり。すると、同窓会を終えた久則、蛍子、入江が凡太郎宅を急襲! 即席飲み会が始まりますが、肝心の小羽はおらず。どうやら小羽には、誰も知らない秘密があり、入江だけがそのことを知っている様子。そんななか、神様の強権発動で、凡太郎は再び過去の世界へ飛ばされてしまいます。

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こんど戻ったのは、凡太郎が、雑誌の漫画賞で最終選考に残ったことがわかった日。凡太郎に好意を持っていた入江が応募を勧めたらしく、教室内は大盛り上がりです。凡太郎の頑張りに刺激を受け、久則は蛍子に愛を告白、釈は「編集者になる」と決意するなど、さまざまな影響も。

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そして小羽と入江の間では、ある会話が交わされていました。小羽の凡太郎への思い、入江の小さな嘘が、その後の3人の運命を大きく変えていくことに...。

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小さな誤解が重なったまま、大人になってしまった3人。小羽はその日を境に体調を崩して入院、ずっと病院生活を続けているとのこと。そして神様から告げられる小羽の死。すべてを知った凡太郎は、ようやく自らの人生をまっとうすべく、再び現実の世界へと戻ることを決めるのでした。凡太郎、入江、神様の3人が繰り広げる緊迫したやりとりと衝撃の事実を、息を呑んで見守る観客の皆さん。会場は水を打ったように静まり返っています。

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場面が変わって舞台にたたずむのは、小羽と神様!? 「凡ちゃんには言わないで」という言葉から、ふたりだけが知る事実があることをにおわせます。

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最後は、すべての種明かし。いつもの部屋で、凡太郎、マッキー、そしてなぜか久則が原稿に向かっています。蛍子との未来のために、漫画家になることを決めた久則は、ダメ出しをされながらも必死でペンを握っています。入江も、修羅場中の家事を一手に引き受けるべく、勝手に志願して凡太郎宅へ。釈は大きな会社を辞め、凡太郎の作品を広く世に出そうと悪戦苦闘中。蛍子も文句を言いつつ、久則を見守り、みんなが活気に満ちています。

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休憩時間、ひとりになった凡太郎のもとに現れた、小羽。神様に「もうちょっと近くで見たい」とお願いして叶った、天に召されるまでのわずかな時間、小羽は凡太郎に真実を打ち明けます。小羽が神様と交わした約束、やっと伝えられた思いに、客席のあちこちからすすり泣く声が...。

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そして、凡太郎と思いが通じる奇跡の瞬間! 小羽を含むクラスメイトが勢揃いした、賑やかで笑いいっぱいのラストシーンは、大きな拍手に包まれました。

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エンディング、カーテンコールに応えて再び舞台に揃った出演者たち。河井から「まだ涙目やん!」といじられた伊丹でしたが、ほかのメンバーにも、ラストシーンの余韻で目を赤くしている人がチラホラ。もちろん客席のみなさんも同様で、普段とはガラリと違う芸人たち、そして漫才劇場の魅力を、存分に発揮した公演となりました。

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