2020年オリンピック・パラリンピックムーブメント事業 田中光講演会in熊本市立北部東小学校
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会。その成功に向け、市民の理解を深めると同時に興味・関心を高めることを目的として、早稲田大学は現在、国内の3カ所(岩手県、広島県、熊本県)にオリンピック・パラリンピックムーブメント推進教育コンソーシアムを設置し、全国各地の小・中・高等学校や特別支援学校で様々な体験や活動を通したオリンピック・パラリンピック教育を実施しています。
その中で熊本県は「くまもと元気アップアソシエイツ」というコンソーシアム(構成団体:熊本県教育委員会、熊本市教育委員会熊本大学、熊本県体育協会、熊本県総合型地域スポーツクラブ連絡協議会、熊本県障害者スポーツ文化協会、ひとづくりくまもとネット)を立ち上げ、県内20の小中学校へオリンピアン・パラリンピアンを派遣し、講演や実技パフォーマンスを提供してもらう取り組みを行っています。
平成29年3月9日(水)、熊本県熊本市立北部東小学校の4~6年生を対象に、元体操選手で現在は教育者、コメンテーターとして活躍する田中光による講演会が行われました。 冒頭、同校長により、田中がアトランタタオリンピックへの出場経験があること、平行棒でF難度のオリジナル技「HIKARUX」を持つことなどを紹介。「しっかり見て聞いて感じて、学ぶ時間にしてください」と締めくくると、田中が拍手で迎えられながら登場しました。
生徒たちと元気よく挨拶を交わした後、「オリンピックで鍛えた体力」をテーマに、体操は技を考えながら克服する競技であること、あきらめない強い心を持つことの大切さを伝えました。また、生徒たちの体と心をほぐそうと「声の体操」が始まり、「1、2、3、4、」と言う田中の言葉に、生徒たちは「5、6、7、8」と大声で続きました。その場でジャンプをしながらリズムに乗り計算問題、早口言葉、童謡、歴史上の人物を言い合うと、最後は「たなか」「ひかる」、「あたまが」「ひかる」で一同大爆笑。頭と体を使って温まったひとときとなりました。
ウォーミングアップの後は田中の話に戻り、3歳から体操を始めたこと、同時にピアノも習い始めたけれど体を動かす方が好きだったため、イヤイヤやっていたことを告白。しかし、イヤなことを止めるのは簡単だが、将来的には役に立つことも多く、乗り越えようとする気持ちを持ち、目標を作ってそれを達成する努力が必要と言い、必ずあのときやって良かったと思える日が来る、と締めくくりました。また、現役の体操選手の話に触れ、生徒たちに夢を聞いた後、夢や目標を叶えようとするときは言われたことだけをただするのではなく、設計能力、つまりセルフコントロールを備えることが大切とも伝え、生徒たちは熱心に耳を傾けていました。
その後は、田中が考案したオリジナル体操を生徒たちと一緒に行いました。「できるかな、やってみよう」シリーズでは、手を開きその場でスピンをしたり、正座から片足立ちをしたり、ジャンプしてかかとを合わせたりと、生徒たちはワイワイ言いながら一生懸命に取り組んでいました。その流れで音楽に合わせて体を動かし続けること約30分。会場全体を使い、全身を駆使して「じゃんけん体操」「ケンパッパ」「ラッキーガール」「バランス感覚」など、タイトルに関連した動きをオリジナル曲に合わせてみんなで実践。途中で上着を脱ぎだす生徒も続出するなど、体育館は熱気に包まれました。田中も汗だくで一緒に体を動かしながら、合間には「あきらめない強い心を持って!ネバーギブアップだ!」と難しい技に挑戦する生徒たちを励まし、時にコミカルな動きをはさみながら、終始和やかに進みました。
しっかり体を動かした後は、田中による実技披露。前転や後転を華麗に決めた後「では校長先生お願いします」と無茶ぶり。空気を呼んだ校長先生もバッチリ前転を決めて場内をわかせました。最後は田中の見事なバク転宙返りが決まり、あっという間の終了時間となりました。
その後、生徒によるお礼の言葉があり「最初はドキドキしていたけれど体を動かすうちに楽しくなった」と感想を述べ、全員で記念撮影をしてすべてが終了。最後の最後に田中が宙返りをしながら退場するサプライズもあり、大盛況のうちに幕を閉じました。
【田中光】