ピース・綾部「ちょっくらアメリカ行って、スターになってきます」と挨拶!『ピーストークライブ~原宿へようこそ~Vo.l.21』レポート
3月31日(金)、東京・ラフォーレミュージアム原宿にて、『ピーストークライブ~原宿へようこそ~Vo.l.21』が開催されました。
本公演はタイトルの通り、ピースの2人によるトークライブ。昨秋、活動拠点をアメリカ・ニューヨークへ移すことを発表した綾部祐二。4月移住を目指して、前日30日(木)には東京・ルミネtheよしもとの通常公演にて、2人での渡米前最後のネタを披露。そして、このライブがファンのみなさんの前に、コンビとして姿を見せる最後の機会となりました。
会場前、「テンションが上がった綾部が客席から登場するかもしれません」とのアナウンスが。客席がざわつく中、舞台に現れた又吉の「綾部さん、さっきまでいたんですけど、どこ行ったんですかね?」という言葉を合図に、暗闇の中、スポットライトを浴びた綾部が登場。アメリカ国旗を肩にかけ、サングラスにフォーマルなファッション姿で颯爽と現れると、笑いと歓声が起こります。
観客一人ひとりと握手しながら、時には大きな拍手に片手を上げてかっこ良く応えながら、ゆっくりと舞台へ。そんな様子を、又吉は面倒くさそうに見守ります。
ちなみに、この時の綾部はサングラスを着用していたため、足下が全く見えなかったんだとか。扉が開いた瞬間、「道がない!」とかなり焦ったそうです。
舞台へ上がってアメリカ国旗を振る綾部に、「長いです。好きですねぇ」と呆れる又吉。「意図がわからない。スターになるためにアメリカへ行くはずやのに、なんで今スターみたいなことするの?」と訊ねられた綾部は「こうなるんだぞっていうことを、みなさんにお見せしたかった」と答えます。
「日本での活動は、今日を入れてあと2日。泣いている方も......」と客席を見渡しますが、「いないですし、いたとしたらまだ泣かないほうがいい」と釘を刺す又吉。この日、綾部が着用していたジャケットは「ハリウッドで成功したあかつきに、レッドカーペットを歩く」用だそうで、1年くらい前に購入したもの。「数年後? 数十年後? わからないですけど、これが入る体型でいられるかもわからないんですけど」と言いつつ、アメリカでは自炊する予定だと明かします。
「日本の居酒屋とか沖縄料理のお店もあるけど、外食ばかりしてたら破産する。アルバイトしながら、先生から2000ドルの仕送りをもらって......」としれっと口にした綾部に、又吉は「自分の力でいくって言いましたよね? 相方から20万円も受け取ってるやつ、誰も応援しませんよ!」とツッコみ。2人のおなじみのやりとりに、客席からはドッと笑いが起こりました。
「みんな、これからどうなるか楽しみだって言ってくれるのは、もちろんありがたい」と言いつつも、自炊を始めるために『レタスクラブ』を読み始めたばかりだという現状に「道のりが長いなぁ」とぼやく綾部。「準備する順番、間違ってるよ。英語とか演技の勉強をするほうがいいんじゃないの?」とアドバイスする又吉に、「そう。まずは語学なんですよ、先生!」と同調します。
メディアには基本出ないつもりだそうで、「千鳥さんとかがニューヨークまで来て『綾部、何やっとんじゃあ!』とか、ゴッリゴリのロケはイヤだ!」ときっぱり。ただ、大好きなドキュメンタリー番組からのオファーがあれば考えるそう。又吉から「好きやもんなぁ。なんでそんなに密着されるのが好きなん?」と訊かれると、「だって、毎秒主役なんだよ?」と綾部らしい返答が! 自分を前へ前へと押し出す向こう知らずな性格は父親譲りだそうで、「おっちゃんの要素、マジで受け継いでるよな」と又吉。「そう。ただ、おやじのイタい感じが大っ嫌いな(冷静に物事を見る)おふくろの血も受け継いでるから良かった」と分析する綾部です。
「おふくろの要素がなかったら、俺とコンビ組んでないだろ?」と訊かれた又吉は頷きながら、「22~23歳の頃、お父さんとお母さんの性格が(綾部の中で)拮抗してた。けど、どこかのタイミングでお父さんが......(笑)。アメリカ行きとかは、お父さんの部分やろ?」と質問。綾部は「そうそう!」と頷きます。一時期、天狗になっているという疑惑をかけられた綾部ですが、世間から言われ出す半年前に「おふくろから、"おごりたかぶりは自覚症状がないです。気を付けなさい"ってメールが来た。それでハッとした」と、直前に目を覚ましていたことを明かしました。
先日起こったハプニングを身振り手振りを交えて話す綾部に、又吉は「その身振り手振り、心配やなぁ」とポツリ。「向こうの人のジェスチャーは多いけど、感情が一致してる。けど、綾部さんのそれは話と動きがまるで合ってない」と分析します。
「向こうに行ったら、もっとリアクションが変わるかも。まぁ、外国人のウィンクは会得してるからね!」と胸を張る綾部は、又吉に「長い椅子に座って、足組んで喋るようになるんちゃう?」と指摘された途端、冷静に「言っとくわ。俺の中からもしおふくろの影が見えなくなったら、解散しろ。その時はバケモンになってる。"お母さん"って呼んでも反応しなくなったら、ただのおイタさんになってるから」と宣言します。
綾部の中で父親の部分と母親の部分が戦う瞬間があるようで、又吉は「スターになります!って言うときながら、大丈夫かなぁって言うたりする。二重人格みたい」と発言。原宿で修学旅行生を見かけると、自ら話しかけるという綾部の行動が理解できない又吉。「やってどう思うの?」という質問に、綾部から「テレビに出られるようになって良かったなーって思う」と返されると、「変わってるなぁ」と一言。「お前のそういうの、嫌い」と続けるも、「俺も嫌いなんだ」という綾部の返事に「複雑やわぁ」と首を傾げました。
「最初、4月中にニューヨークへ行く予定だったけど、本格的に行くのは無理です」と現状を報告しつつ、「だけど、"きっちりと4月から行け"って言われるのが、わからない」と不思議がる綾部。「4~5月は半分以上向こうで過ごすと思うけど、5~6月はまだ日本にいる可能性があるんだよ。マネージャーに"時間ができるから何しようかな"って言ったら、"追われますよ。バレたらヤバいっすよ"って言われたんだけど、俺、ヤバいの?」と言うと、又吉は「発表が早かったんやろうなぁ」と返します。
「みんなはどう? 5月に東京ディズニーランドで目撃情報!」という問いかけに、客席は微妙な反応。「じゃあ、5月にNOVAは?(好反応)じゃあ、5月14日に大江戸温泉(微妙な反応)......先生、俺の生活は厳しいぞ!」と頭を抱えながら、「4月29日にハウステンボス、5月16日に大江戸温泉で見かけたら、綾部は日本を回ってるんだなと思ってください」と呼びかけました。
エンディングでは、改めて挨拶した綾部。「ちょっくらアメリカへ行って、スターになってきます」という言葉に、大きな大きな拍手が起こります。
「どのくらいで戻ってくるか、予測はつきません。もしかしたらライブが謝罪の場になるかもしれませんし、数年は戻ってこないかもしれません。先生は日本でやっていくので、あくまでピースとしてみなさんの前に大きくなって帰って来たいと思います!」と力強く宣言。鳴り止まない拍手に、何度も何度も手を高く挙げて「ありがとうございました」とお辞儀しました。
イベント終了後、ピースの2人を直撃しました。
――渡米前最後のライブを終えた今の心境は?
綾部 しんみりした気持ちはないですね。解散とか芸人を辞めるとかではないから、そんなにグッと重い雰囲気にもならなかったんじゃないかなって。......昨日、劇場最後の出番がルミネtheよしもとであったんです。もっと掛かる(前のめりになる)感じになるかなと思ってたけど、ものすごくアッサリしてたよな?
又吉 僕は涙をこられるのに必死でしたけどね。
綾部 ウソつけ!
又吉 (笑)より良くなるためのアメリカ行きですから、そんなにしんみりすることもないんでしょうね。
綾部 4月にすぐ行きますってなってないから、こんな感じなんだろうなぁ。
又吉 明日出発とかじゃないもんな?
綾部 そうそう。絶対そうだよ。
――じゃあ今、気持ちの中でいちばん締めている感情はなんですか?
綾部 今ですか? なんだろう?
――無?(笑)
綾部 うん、無かもしれない。準備してるからしんみりしていてもおかしくないんだけど、そういう感情はないです。不安っていう気持ちは――カッコつけて言ってる訳じゃないんですけど――元から1ミクロンもない。なんでこんな感じなんだろう? 自信があるからなのか、バカだからか......それもわからないです。
又吉 僕は楽しみですけどね。予測がつく感じの生活から、新しい環境になってどうなんねやろって希望を感じてます。......これ、僕らのダメなとこなんですけど......ドラマチックにならないんですよ(笑)。
綾部 僕も"ニューヨークに行くだけですよ?"って、ドライに思ってるというか。(報道などで)大々的になりすぎちゃったなと思ってるくらいだから、感慨深いとかっていう感情はないんです。
――ファンの方々としては、2人で舞台に立ってるところが観られなくなるのは淋しいんじゃないかなと思いますけれど。
又吉 2~3年以内に(2人で)ライブをやる可能性が、80%くらいあると思うんです。あかんくて帰って来てやるのか、活動が順調で1回帰って来たときに一発やっとこかっていうのとね。
――確かに。これが最後ではない、という明るい希望は感じました。
綾部 そうですね。とにかく今日は本当に楽しくやらせていただきました。(ニューヨークで)頑張って来ます!
【ピース】