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2017年5月11日 (木)

吉住友里選手がスペインで行われるスカイランニングの世界大会「トランス バルカニア 2017」に初出場!

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吉本興業のふるさとアスリート制度に登録しているマラソンランナーの吉住友里選手。ロードレースに加えて、2015年からはトレイルランニング、スカイランニングも始めています。山を走るトレイルランニングに続き、昨今、競技人口を増やしているスカイラニング。日本語で「快速登山」と言われる競技で、登山道を駆け上り、駆け下り、タイムを競います。吉住選手はスカイランニングの日本シリーズチャンピオン、アジアチャンピオンですが、2017年は世界大会で自分の実力を試したいと、5月11日(木)現地時間の18時30分から始まるスペイン ラ・パルマ島での「トランス バルカニア 2017」に出場します。世界大会へは初めての挑戦となる吉住選手に、出国前の関西国際空港でお話を聞きました。なお、吉住選手はDHFの一員、現地で応援のため宮川花子も同行しました!

--まず20歳のときに突然、マラソンを始められたそうですが、きっかけを教えてください。

知人に誘われて門真のハーフマラソンに出たのがきっかけです。初めて21キロ走ったのですが、小さい大会だったので優勝してしまって。それで面白いなと思って。

--それから10年くらいはマラソンで。

走り始めて今年で10年になるんですけど、8年くらいはマラソンだけをしていて、2年前くらいに山に連れて行ってもらったのをきっかけに山を走ることにはまって、そこからは山中心になっています。

--トレイルランニングとスカイランニングは初めてだったんですね。

はい。クロスカントリーとかはたまに長野県とかの合宿で走っていたんですけど、がっつり登山道を走るという経験はなくて。トレイルもブームになってきて、仲のいい人がやり始めていて、一緒に連れて行ってもらったのが初めてです。

--トレイルとスカイランニングって違いますよね?

スカイランニングはがっと登ってがっと下る。「快速登山」と日本語では言うんですけど、累積の高いところを駆け上る、駆け下るという感じです。トレイルは結構走りやすい尾根とかを走る感じです。

--やってみようというチャレンジ精神がすごいですね。

面白そうと思ったらとりあえずやってみようという感じは昔からあって。崖みたいなところを走ったりするので最初は怖かったりとか、下りとかすごく下手でした。最初はビビッて下りもゆっくりで1年くらいすごく苦手やったんですけど、走っていたら慣れました。

--登山道は細かったりするんですか?

結構細い道もありますね。

--追い抜く時とか、どんな感じなんですか?

追い抜く時は暗黙の了解みたいな感じで、後ろから人が来たら避けるっていうのはマナーとしてあります。誰かが前にいて、抜く前には声をかけて「右から抜きます」とか、「左から抜きます」とか。それは絶対にマナーとしてみんな分かっていることです。後ろから抜く人がいたらすっと避けて、自分が抜くときは声を掛けます。タイムを競うというのもあるんですけど、それ以上に「山を楽しむ」というのが根本にあるので、ライバルでもあるけど、お互いに励ましあって、勝った人はたたえ合って、一緒に頑張る。長いレースだと一緒に走りながらしゃべったりとか、抜く時もがんばれよってお互いに声を掛け合っています。

--ただ自分の記録出すだけではなく、連帯感や選手同士のマナーとかも大切にして。

そうですね。山は、ランナーは後から入ってきたもので、元は登山のハイカーさんとか、一般の人が登っているところだし、別に誰のものでもないところなので、ハイカーさんがレース中に登っているときもあります。そういう時は、絶対歩いて、挨拶をして、ハイカーさんの邪魔をしないという感じです。ランナーとハイカーがすれ違ったり、追い抜く時は、ハイカーさんが避けてくれたら先に行かしてもらうんですが、基本はランナーは止まってすれ違うとか、挨拶は絶対両方がします。レース中もハイカーさんがいることも結構あります。やっぱり山でいろんな人と出会って、一緒に楽しむというのがいいと思います。

--マラソンは街中を走るレースもあると思いますが、トレイルとかスカイランニングは自然の中を走るというのも、はまったきっかけですか?

そうですね。それが一番魅力です。自然の山の中を走るのは全然違いますね。

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--山を駆け上がるというのも、相当な体力と要すると思うのですが、一日のトレーニングはどんなスケジュールなんですか?

大体月間で600キロ~700キロ、走っています。1日で大体20キロ~30キロ。朝は4時過ぎからロードを走って、日中は整骨院で働いているので、そこで低酸素トレーニングとかを1時間くらいやって。

--お仕事との両立はどんな感じなんですか?

私は理学療法士で、大学も理学療法士が学べるところに行っていたんですけど、その時にランニングを始めて、働き始めてからもずっと走っていました。最初は病院で、フルタイムで働いていたんですけど、病院が忙しすぎて。もうちょっと走ることもやりたいなと思って病院を辞めて、ずっと訪問リハビリとデイサービスでリハビリをやっていたんですけど、2年前くらいから今の整骨院にトレーニングと治療とリカバリーで行かせてもらい出して、結局今年の3月からスタッフとして働きながら選手もやっています。スカイランニングってまだマイナー競技で、お金を出してくれるスポンサーとかも全然つかないし、実業団もないので、世界戦に行こうと思っても全部自腹なんです。そうなると自分で稼ぐしかないので、仕事をして働きながら、その合間で走ってという感じになります。ただ、今は走ることを中心にしたいので、仕事の時間は減らしてもらって、パートで働きながらトレーニングしています。走り始めたときから、結構大学も忙しかったし、そのあとの仕事も忙しかったので、朝に走るのが習慣になっていて。ちゃんと時間が取れるとなると朝が一番確実なので、朝練が習慣になっています。トレーニングはそんなに苦ではなくて、ごはんを食べるのと同じくらい当たり前みたいな感覚です。しんどいときもあるんですけど、それが嫌ではないし、別にそんなに苦でやっていないので、楽しいときは楽しいし、しんどくても当たり前のようにやっているような感じです。

--走っているときはどんなお気持ちですか?

山を走っているときとか、レースで走っているときとか、すごく楽しいし、しんどいときとか、めっちゃ苦しいときもあるんですけど、応援してもらったりカメラを向けられると絶対笑ってしまって。笑ったら楽しくなってきて(笑)。知り合いの人とかと走ったり、走り終わって一緒にご飯行ったり、お風呂行ったりするのも楽しいし、大会でもいろんなところに行って、そこでまたいろんな人と出会ったりとか、そういうのがすごく楽しいです。

--昨年、あべのハルカスの階段を一気に走るレースにも出場されてましたね。

そうです (笑)。123階を一段とばしでずっと一定に階段を登って行くという感じです。私は足が短いので、走ろうと思っても走れないんですよ(笑)。一段とばしで登るのが足の長さ上、精一杯です(笑)。

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--ふるさとアスリート制度に登録されていますが、この制度を利用してどういうことをやりたいとか、ビジョンがあれば教えてください。

個人的にできるのであれば、子どもさん向けの陸上教室とか、自分でやっているんですけど大人向けのランニング教室とか。あとは、これから世界に出ていこうと思うので、その経験とか話を伝える機会があれば、そういう会もできたらいいなと思ってます。もし聞いてくれる人がいれば...。そういう経験って誰もができることではないので、行ってみないと分からないこともあると思うので、そういうことをを日本の人に伝えていきたいです。


--スカイランニングの普及活動も?

そうですね。ジャパンスカイランニング連盟という組織にも入っていて、近畿のチームにも所属してそこでイベントも参加しているので、普及活動もしていこうと思います。

--吉住さんはDHF、宮川大助・花子ファミリーの一員でもありますね。

はい。本当に大助・花子師匠にはすごくお世話になっていて、マラソンの方は花子師匠のよしもとナショナルドリームズに入れてもらっているので、ロードを走る方はよしもとのチームで出て、いろんな活動、例えば復興支援の活動で去年も岩手に行かしていただいたり、沖縄のシンポジウムも一緒に行かしていただいたりしたので、そういうこともこれからも一緒に、私にできることがあったらやらせてもらいたいと思います。

--ふるさとアスリート制度にはどのような経緯で登録されたんですか?

花子師匠に出会ったのが2015年の8月なんですが、たまたま100キロのウルトラマラソンの元世界チャンピオンの宮里康和さんがやってらっしゃるお店に呼んでもらった時に花子師匠がいらして、初めてお会いして。それで「チームに入りや」って呼んでくださって。おもしろそうな子やなみたいな感じで(笑)。その後、楽屋に挨拶に行ったら、大助師匠もずーみん、ずーみんって可愛がってくれるようになって、花子師匠のチームに入ると同時に「ふるさとアスリートというのがあるからそこも登録したら」と勧められて、もう入ることになって。その日にすぐ決まってしまったという感じです。

--花子師匠との出会いとや、ふるさとアスリートに登録したことで、ランナーとして気持ちの面で変わったことはありましたか?

今までは基本的に個人で走っていたので、駅伝とかに一緒に出たりとか、大会でもみんなと一緒に出たりして。走るときは一人ですけど、チームとか、仲間とか、そういう連帯感とかがいいですし、やっぱりすごく楽しいです。よしもとのチームの人たちは当然ですがみんな面白ですし、大助・花子師匠もすごいなと思うことがいっぱいあって、行くたびにいろんなことを学ばせてもらっています。今までよりもいっぱい考えたり、経験させてもらうことが多くなって、大助・花子師匠と出会えたことはすごく大きかったし、変わりました。私は、マラソンする前からですけど、ものすごく人に恵まれているなと思うんです。すっごいいろんな人にお世話になっているし、支えてもらっているし、応援してもらっているから、それを何らかの形で返したいなと思います。

--やっぱり活躍されている姿を見るのが一番うれしいですよね。

そう言ってもらえるので、もっと頑張りたいなと思います。

--これからスペインの大会で、世界でのご自身の実力を試されるという意味もあると思いますが、今の心境はいかがですか?

めちゃくちゃ楽しみです。去年、トレイルの世界選手権でポルトガルに走りに行ったんですけど、やっぱり日本とは山が違って、景色も違うし、山の規模も違うし、めっちゃきれいで。景色が良くて。今回、バーチカルは初めてだし、国内では今のところ負けがなく、去年アジアではチャンピオンになっているので、世界で自分がどれくらい戦えるのかというのは自分でもすごく楽しみです。ヨーロッパの山を走るのも楽しみですし、今回花子師匠とか、みんな一緒に行ってくれますし、全部がめっちゃ楽しみです!

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空港で見送られ、吉住選手は笑顔で出国しました!

【吉住友里】【宮川花子】