舞台「『是近敦之企画』幕ヲ引カセヌハ紫煙二燻ル己ノ聖痕」初日レポート!
6月14日(水)、東京・神保町花月にて「『是近敦之企画』幕ヲ引カセヌハ紫煙二燻ル己ノ聖痕」が上演されました。
6月14(水)~18日(日)に上演される本作は、是近敦之の企画による歌舞伎「三人吉三」を元にした任侠もの。「三人吉三」さながらにテラ、オジョウ、ボンの3人が登場し、華やかな大衆演劇と、その裏に隠されたものを巡って争いが起こっていくというストーリーが展開されます。
芸人主体の作品が多かったこれまでの神保町花月作品とは毛色が違い、俳優中心に構成されている本作では、日本で唯一の剱舞の流派・桜月流美剱道の第一師範である松木史雄さんが作・演出を手がけていることもあり、見応えのある本格アクション舞台ともなっています。
出演者は、神保町でも出演作多数の森公平、細川優、児玉絹世のほか、アクションには定評のある御茶ノ水男子のしいはしジャスタウェイと、今回はいつもと違う迫力満点の演技が見られるおもしろ佐藤。さらに、神保町花月初出演の武田裕光、世良佑樹さん、志村りおさん、尾川止則さんといったメンバーに加え、アクションを盛り上げるエキストラも演出家自ら選んだアクションのプロフェッショナルな面々が参加しています。
オープニングでの布を使った華やかで斬新な演出のあとは、一転して芝居の練習風景へ。小さな芝居小屋『白波一座』の座長・テラと、花形役者・オジョウの芝居をめぐってのやりとりが繰り広げられます。
実はヤクザでもある『白波一座』の面々は、このところ芝居での興行収入が悪く、上納金を払えていない状態。しかしその上納金をこっそり肩代わりしてくれていたのがテラの幼なじみ・高市でした。
高市が所属する組の組長、両角の娘・トモコと『白波一座』の座員・ボンとのほのぼのとした恋模様や、テラの妹・カオリに恋するヤスなどの淡い恋物語をはさみつつも、物語はなにやらキナ臭い方向へと進んでいきます。
大衆演劇『白波一座』の芝居の練習として出てくる殺陣もさることながら、実際に座員が突然謎の軍団に襲われるシーンなどでも迫力のあるアクションが満載! 息もつかせぬアクションで、観客をハラハラさせます。
後半はまさに激しいアクションの連続! 妹思い、仲間思いのテラの夢もむなしく、友情や裏切り、恋や家族の絆など、さまざまなものが交錯する中で、悲しい争いが繰り広げられます。
初日公演を無事終え、充実した表情の出演者たちには惜しみない拍手が贈られていました。
唯一の出演芸人である御茶ノ水男子の2人も、アクションや演技力で魅せるという、ひと味違った魅力を放っていたこの舞台。必死にもがいて生きているテラやオジョウ、ボンを通して、家族とは? 仲間とは? 生きる道とは?というメッセージを訴えかけてくる本作は、切ない友情の物語でもあります。
18日まで続く本公演。本格的で見応えのあるアクション任侠舞台をぜひお見逃しなく!
【御茶ノ水男子】
『是近敦之企画』幕ヲ引カセヌハ紫煙二燻ル己ノ聖痕
会場:神保町花月
日時:6月14日~18日
料金:前売/4000円 当日/4500円
脚本・演出:松木史雄(桜月流美剱道)
出演:森公平、世良佑樹、武田裕光、御茶ノ水男子、児玉絹世、細川優、志村りお、尾川止則/是近敦之
チケット:チケットよしもと
※公演時間等の詳細は http://www.yoshimoto.co.jp/jimbocho/kouen_schedule/pc/2017/06/201706141900.phpまで。