『サマクロ2017 ~Summer Crossing~』、よしもと漫才劇場では天竺鼠・瀬下、アインシュタイン・河井、プリマ旦那・河野、ニメートルズ・けやきがビーフケーキ近藤企画「Yもと新悲劇」に挑戦!
よしもと漫才劇場で行われたビーフケーキ近藤企画「Yもと新悲劇」。こちらはゲストに台本の一切を見せず、ぶっつけ本番を迎えてもらうという近藤オリジナル企画で、今回は「サマクロ2017」バージョンでお届けしました。
ゲストは天竺鼠・瀬下、アインシュタイン・河井、プリマ旦那・河野、ニメートルズ・けやきです。セルライトスパ・大須賀扮する村人に誘われ、ある寒村のさびれたうどん屋「どっちどっち~!!」にやってきた4人。吉本新喜劇風のセットがガッチリ組まれている舞台に恐る恐る踏み込んでいきます。
謎めいたコスチュームのspan!・水本が一人でうどんを食べている中、店主を呼んでも誰一人出てきません。「出直しましょう」という大須賀に連れられて一旦店を出る4人は、口々に「なんでやねん」と疑問を浮かべます。次に登場した際も舞台上に変化はなく、それでも「3時間後」と設定が変わっており、またまた疑問符が。台本を渡されていないだけに流れが全くつかめず、その様子が手に取るように伝わってきます。
ミルクボーイ・内海やダブルアート・真べぇ、Kento Fukayaら店員と大須賀の話ぶりから4人は大学生と判明。店員たちに4人の所属するサークルは?と問われるも、彼らにとってはムチャ振り。けやきが絞り出すように「テニスサークルです」と答えていました。
ヒガシ逢ウサカ・高見扮する巡査がやってきて、村に4人組の銀行強盗が潜伏しているという情報提供があったほか、女性店員役の内海には手切れ金300万を払って別れようとしている彼氏(パーティーパーティー・平川)や、彼氏の借金を催促する借金取り(ニッポンの社長・ケツ)がいることなどが判明。そしてこのお店のうどんの出汁やから揚げは、想像を絶するものが原材料となっていると分かり、その不気味さに会場からも悲鳴が上がります。笑いを生みながらも空気をヒンヤリと下げていく展開が印象的でした。
話が進むにつれ、関係性のもつれから、どんどん人が殺されていくようになりますが、4人にとってはカオスに尽きます。終始、「どうなってんの!?」と振り回されっぱなし。水本は実は宇宙人という役。専門用語で語りかけられるものの発言の意味が分からず戸惑う4人。ストーリーに乗り切れないまま、物語はクライマックスへ。4人はとにかく殺されまいと奮闘し、大須賀に立ち向かっていくもその腕っぷしの強さに完敗。最終的に超人的パワーで村人たちを皆殺しにしたのは水本で、大学生のうち唯一残ったけやきを「自分の後継者」と言って連れ去ります。最後に残ったのは内海。ですが内海も遠隔で殺され、これで舞台上にいた人物は全員、倒れてしまいました。
舞台の幕が閉じていき、終演です。後味悪く、何一つ救いのない展開に舞台に倒れていた河野も思わず顔を上げて「これで終わり!?」と驚きを隠せません。幕が完全に閉まっても、その向こう側からは「近藤を呼べ!!」と混乱した様子が伝わってきました。
登場人物の役名、村の名前など、何から何までシュールだった本作。お客様は狐につままれたような様子で会場を後にしていましたが、これも近藤にとっては計算済みのことだったのではないでしょうか。
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