アーティスト、アイドル、芸人が「音」フェス! jealkb Presents『オトタノ』ライブレポート
9月18 日(月・祝)新宿Rany にて『オトタノ』が開催された。
"音を楽しむ"をテーマに、音楽を愛するお笑い芸人、企画に賛同したミュージシャン全30 組が出演。jealkb だからこそ集められた、豪華芸人バンドやここでしか見れない貴重なユニットによって、約10 時間に渡る音と笑いに溢れた楽しい宴が繰り広げられた。
ボーカル・haderu(田村淳/ロンドンブーツ1号2号)を中心に、2005 年に結成されたヴィジュアル系ロックバンドjealkb(ジュアルケービー)。
彼らが今回、初主催を務める『オトタノ』は、その名の通り「音を楽しむ」をテーマに掲げ、アーティストやアイドル、お笑い芸人ら異色な出演者と音楽が集うボーダレスなフェスとなり、満員の観客も終始楽しませました。
ステージは、メインの「OTO ステージ」と、隣接されたサブステージの「TANO ステージ」の2つがあり、観客はオールスタンドで、同じフロアから両方が楽しめるシステム。
チケットは完売。開演前から超満員のフロアを温めたのは、ウェルカムDJ のデッカチャン。開演時間となり、主催者であるjealkb の"公開リハーサル"でイベントが始まる。揃いのツナギ姿でメンバーが登場すると、「これはリハーサルだから、リラックスして」と笑顔を見せるhaderu(vo)。
「今日はたくさんの芸人やミュージシャンが、世の中にある色んな音楽の色んな楽しみ方を提唱します。中には自分に合わないものもあるかも知れませんが、それも全部飲み込んで下さい。音を楽しんでいこうぜ!」と『オトタノ』のイベント趣旨を改めて説明し、いよいよライブがスタート。
リハーサルといいつつ、hideki(agitator)の先導に振り付けを合わせ、どんどん熱気と一体感が生まれてくるフロア。短いライブながら、ラスト「fight for a renovation」ではお客さん同士が肩を組み、イベントが始まったばかりとは思えない盛り上がりを見せる。「色んな音の楽しみ方、みんなで共有していきましょう」と、haderu が『オトタノ』の開会を宣言し、イベントが本格的に幕を開ける。
セクシーアイドルグループ・シリタガール、メンヘラ系アイドル・病ンドルと、"OTO ステージ"では序盤からバラエティに富んだステージが続く中、サブステージとなる"TANO ステージ"ではけんじる、スベリー・マーキュリー、カズマ・スパーキン、「淳さんにTwitter で曲を送ったら出演出来た」という虹色侍など、音ネタを得意とする芸人がネタを披露。「日本で一番フェスに呼ばれているDJ」と自負するDJ ダイノジは一瞬でフロアに火を着け、大げさでなく会場中の観客を踊らせる。
ヨシユキ(Dr)こと、よゐこ濱口プロデュースによる、松竹のブサイク芸人を集めたブジュアル系エアバンド・禿夢は、キク(vo)のハゲをネタにした楽曲で沸かせ、「湘南乃風をパクったから、絶対盛り上がるはず」と言い切った「Weakpoint Summer」にお客さんがタオルを回すと、キクがカツラを回して爆笑を生んだ。
大きな歓声に迎えられて登場したのは、オメでたい頭でなにより。ヘヴィで勢いあるバンドサウンドとキャッチーな歌で客の心を掴み、ダブルピースやタオル回しで会場をひとつにすると、赤飯(vo)が女性のようなハイトーンと地声を使い分けて歌う大塚愛「さくらんぼ」のカバーで、ヘドバンやサークルモッシュを起こす。さらにこのステージの前に布袋寅泰のモノマネで会場を沸かせていたペレ草田を呼び込み、BOøWY メドレーを披露。ラスト「オメでたい頭でなによりです!」では会場中が笑顔でダブルピースを合わせると、赤飯が「最高です! 初めて観る人も一緒にこの光景を作ってます。これが音を楽しむということですよ、みなさん!」と嬉しそうな笑顔を見せた。
湘南乃風が好きなデブ4人による豊満乃風は、大好きな肉を歌った「豊満の祭り」で会場中のBBQ コールを生み、攻めのステージで魅せたBiS は、メンバーとファンが曲中に延々とスクワットを続ける「パプリカ」で初めて観る人を圧倒。
こぶしたかしことレイザーラモンRG は、BiS のステージを受けてスクワットしながら「北酒場」を歌うと、「浪花節だよ人生は」で半強制的にやらせたヘドバンが想像以上の盛り上がりを生み、歌い終えたRG にフロアから大きな歓声が上がる。
様々な音楽を受け入れるだけでなく、率先して参加して楽しむお客さんの笑顔で、会場が明るく楽しい空気で満ちていくのが分かる。
白で統一した揃いの衣装でステージに登場すると、フロアから黄色い歓声が上がったのは、よしもとの塩顔芸人で結成されたエアバンド・SALTY's。
イケメン4人が並ぶ姿も絵になるが、ポップで爽やかな曲調に塩村(テゴネハンバーグ松村)の歌声も心地よく、初めて見るであろう子も体を揺らしながらステージに釘付けになっている。ニッチェ江上がボーカル、光浦靖子がサックス、ニッチェ近藤がドラムを務める婦人会有志は、大人な雰囲気漂うジャズボーカルバンド。
黒いドレス姿の江上が登場するとフロアから「わぁ~~」と声が漏れ、笑いナシの本格サウンドと江上のパワフルかつ色気のある歌声に会場中が酔いしれる。「出来る曲が2曲しかないので」と、あっという間に終わってしまったステージは物足りなささえ感じるほどだった。
本格的なダンスサウンドとキレのあるダンスで魅了したのは、エグスプロージョン。
彼らの代表曲と言える「本能寺の変」ではhaderu とhideki が登場し、この日限りのスペシャルセッションも実現。4人組アイドル・ゆるめるモ!は、キュートに元気いっぱいにステージを跳ね回り、笑顔と元気を会場に振りまく。
MC で「ジャンルとか関係なく、音を楽しんでもらいたいと思います」と語っていたようなぴが、見よう見まねで振り付けを真似て、最後は知らない人同士で手を繋いで上げる観客を見て、「たくさんのピースが繋がりました!」と笑顔を見せたが。イベントが進むほどにたくさんのピースが繋がっていき、この楽しい空間をみんなで一緒に作り上げているような感覚もある。
イベントもクライマックスに差し掛かった頃、OTOステージに登場したのは、シンガー・ソングライターとしても定評の高いロバート秋山。haderu とhideki をゲストコーラスに迎えて披露した名曲「tokakuka」では、<パンダ 上野動物園 区がやってる>と歌う秋山に<都がやってる>とお客さんがつっこみコーラスで参加。
歌い終えた秋山に鳴り止まない拍手や歓声が起きると、秋山も高笑いが止まらない。
さらにOTO ステージでは5人組ガールズバンド・Gacharic Spin が可愛らしいルックスとは裏腹なパワフルでテクニカルな演奏と、ハイテンションでエンタテイメントなステージで会場を湧かした。
「TANO ステージ」では、けんじるを皮切りに、スベリー・マーキュリー、アイロンヘッド、ペレ草田らが至極の「音ネタ」で沸かせ、ライブも中盤に差し掛かったところで登場したのは、和装姿の"こぶしたかし"ことレイザーラモンRG。
師匠でもある細川たかしさんの『北酒場』と『浪花節だよ人生は』の2曲に乗せて、十八番の「あるあるネタ」を歌い、ロンブー・淳のあるあるでは「ハットを浅くかぶりがち」と結んで、関係者席の淳本人からも拍手が送られました。
また、直前の「OTO ステージ」に出演していたBiS を真似て、スクワットを続けるパフォーマンスでも大ウケ。
続く、我図星純一&ジュッペル寺西は、客席から出たお題をもとに、即興で一曲仕上げるという特技を持ち、「しめじ」「逃げる」の2ワードで見事な曲を完成させると、次のイチキップリン、こりゃめでてーな・伊藤、セブンby セブン・玉城による"よしもとモノマネ三銃士"は、井上陽水さん、田原俊彦さん、TUBE の前田亘輝さんの歌マネで沸かせます。
本格的なギターデュオコンビのシマッシュレコードは、キレイなハーモニーに乗せて『親孝行』などのオリジナルコミックソングで魅了し、続くこりゃめでてーな・大江がラッパー"MCKJ"として登場して、「HAGE」のコールアンドレスポンスで大盛り上がり!
本物の兄弟にして異色のテレビ局員ユニット、Well stone bros.が『OVERCOME』などで爽やかな空気に包み込んだ後、2700 から改名したザ ツネハッチャンは、八十島のボーカルに、ツネが肘パフォーマンスで呼応し、観客も肘を交互に突き出します。
そして「ミスター人間・庄司智春」との紹介を受けて登場したのが、ペナルティー・ワッキーと品川庄司・庄司。
先に庄司が手持ちのライトで、自身の肉体美をアピールすれば、ワッキーは「性別を超越した男 ミスター人間!」と矛盾した自己紹介をポーズ付きの繰り返した後、庄司のギター伴奏で『乾杯』を歌い、ロンブー・淳の結婚を2年越しで祝福します。
「TANO ステージ」のトリを務めたのは、「純翼・遠藤進一」。
これまた謎のユニットでしたが、遠藤進一の正体はココリコ・遠藤で、『冬のリヴィエラ』を情感たっぷりに歌い上げると、続いて登場した純翼(じゅんつばさ)の正体は、極楽とんぼ・山本でした。
純翼は「みなさんの前で音を楽しめる、歌が歌えるこういう機会を頂いて、ありがとうございます」と感謝を述べつつ、10 年間の懺悔の気持ちで作ったという新曲『懺悔』を披露。
その後、大御所同士という設定で2人はトークを展開しますが、『懺悔』のポップな歌詞とメロディに、遠藤は「本当に懺悔しているのか?」と詰め寄る場面も。その遠藤は、歌い方のくせが強すぎる『I love you』で爆笑をさらいました。
そしてラスト、『オトタノ』の大トリを務めるのは、もちろん主催者のjealkb。
「OKK-17」で勢いよくライブが始まると、hidekiのリードに会場中が振り付けを合わせる。最後までイベントを楽しもうと笑顔で踊る観客、主催者として大トリとして堂々とした歌と演奏を見せるjealkb。
「天誅☆あるわけないストーリー」ではシリタガールズを迎えて派手やかで賑やかなお祭り騒ぎを見せると、「100 パー出せる? 絶対?」とお客さんを煽って始まった「Packya Ma Lad」では異常なほどの熱気が生まれる。その様子を嬉しそうに見ていたhaderu は、「予定には無かったけど、激しい曲やっていいですか?」と、メンバーに「堕落」を急遽リクエストし、フロアをぐちゃぐちゃにかき回す。ラストは残った出演者をステージに集め、お客さんを含む会場にいる全ての人で「ASTROMEN」を踊り、会場中に笑顔が溢れる中で『オトタノ』の幕を閉じた。
MC で「今まで「音楽とか、何やってんの?」って言わてきたけど、そういう人たちにも音の楽しさを知って欲しかった」とイベント開催の経緯を語り、「結果、みんなも楽しめたと思うし、出演者からも「音を楽しむということを改めて考えさせられました」と言ってもらえたんで、来年も必ずやります!」と宣言したhaderu。今回の成功を踏まえて、さらに進化した形を見せてくれるであろう『オトタノ』の次回開催が楽しみだ。
●jealkb 情報
①jealkb オフィシャルホームページ
https://jealkb.net/
②シングルCD 発売決定
レーベル名:jealize
アーティスト名:jealkb
発売日:2017 年11 月22 日(水)
タイトル: R-P-S
価格:926 円(税抜)/1,000 円(税込)
品番:YRCN-90281
■初回仕様限定: 応募抽選はがき封入予定(詳細後日発表)
※初回仕様の在庫がなくなり次第、通常仕様に切り替わります。
≪収録曲≫ 全3 曲収録
M1:「R-P-S」
M2:「silver」
M3:「6」
③LIVE info.
公演名:jealkb“TARGET”2017
公演日時:12 月22 日(金)open 18:00/start 19:00
会場:Zepp DiverCity
※チケット好評発売中