大阪市と吉本興業が包括連携協定を締結!桂文枝が24区創作落語で地域の魅力を発信、24区住みます芸人も発足
このたび、大阪市と吉本興業が、市民サービスの向上および地域活性化を目的とした包括連携協定を締結することになりました。11月22日(水)、大阪市役所において締結式が行われ、吉村洋文大阪市長、吉本興業代表取締役社長・大﨑洋らが出席。タッグを組んで取り組むさまざまなプロジェクトについても発表されました。
締結式の司会を務めるのは、浅越ゴエ。まずは吉村市長と大﨑社長が登壇し、それぞれ挨拶しました。
吉村市長は、「地域を盛り上げていこう、行政サービスを高めていこうと、さまざまな分野の企業と包括連携協定を結んできたが、エンタテインメントの分野は初めて。少子高齢化が進み、財源も限られるなか、役所で丸抱えするのではなく、市民の皆さん、民間の皆さんの活力をできるだけ生かしていこう、活用させていただこうというのが僕の考え」と説明。「今回、笑いを使って大阪を元気にする、笑いで地域の皆さんと一緒になっていろんな活動を進める、さらに万博誘致も盛り上げるということで、吉本さんと同じ方向を向くことができた。笑顔で生活できる街をつくるため、吉本興業さんは本当に力強いパートナー」と期待を述べました。
大﨑社長は、「大阪に生まれて創業105年。ささやかな取り組みですが、10年ほど前から、大阪市で『@ほーむ寄席』を通じ、小さなコミュニティの再生を行ってきた。そんななか、新しく大阪市や行政の皆様方のご協力、ご教示をいただいて、より広く本格的に、大阪の魅力を日本中に、世界中に発信することにご一緒させていただくことになりました」と喜びを。「外部環境が大きく変わる時代のなかで、笑いや笑顔、明るさみたいなものが何よりもパワーになると思う。そういうところで、芸人社員ともども一緒に頑張れれば」と意気込み、「当社には6000人ぐらいの芸人がいて、ツイッターでつぶやく数が3500万超。これは世界で5位以内に入るそうです。そういうパワーを利用し、大阪のやさしさあふれる口コミ・おせっかいパワーで世界に楽しいメッセージを送れればと思います」と締めくくりました。
続く締結式では、それぞれが協定書に署名。ここから、地域活性化を推進する取り組みについて、区長会議長の西原昇住之江区長が説明していきます。
少子高齢化や少人数世帯の増加など社会環境の変化にともない、人と人とのつながりが希薄化するいまこそ、地域の活性化が必要。そこで、「地域活動協議会」というプラットフォームを作り、さまざまな団体や市民の皆さんと連携して活動を進めているそうですが、「まだ知名度も参加者数も低い。たくさんの人に知ってもらい参加してもらうためにどうすればいいのかを考えたとき、『大阪といえばお笑いだ』と」と西原区長。「プロジェクトを通して、芸人さんと一緒に協議会を宣伝し、たくさんの人に参加してもらう。万博誘致への機運向上も、芸人さんとともにやっていく。吉本興業さんにおまかせではなく、みんなで汗をかいていきたい」と語りました。
吉本興業では、大阪市の24区に住みます芸人を配置し、地域協議会と連携した活動を展開することに。さっそく、24組の住みます芸人が呼び込まれ、自己紹介がてら各区のひとことPRを行っていきます。
北区の住みます芸人はアッパレード。「日本一長い天神橋筋商店街、若者の街・梅田、天満天神繁昌亭もある。住むによし、笑うによしの最高の区」と声を揃えます。
都島区のバネは、「天神祭りの花火のように、都島区を盛り上げていきますよ!」と日本三大祭りをからめてアピール。
「師匠・八方が生まれた区でもある。四方八方に広がるように頑張っていく」と宣言したのは、福島区の月亭八織。
此花区のかりんとうは、「僕たちの笑いで、此花区の面積を北海道ぐらい大きくしたいと思います!」「いや、面積デカなるかい!」と漫才そんままのやりとりで笑いを誘いました。
中央区のkento fukayaは、「中央区には、笑いの殿堂・なんばグランド花月がある。盛り上げていけるよう頑張りたい」と力を込めます。
揃って西区在住というツートライブは、「おしゃれでキレイな街・西区を笑いの力で盛り上げたい」。
港区のガチャガチャは、同区内で行われるさまざまなイベントに参加したいと話し、成功祈願のけん玉芸も披露。
大正区のZUMAは、「地域の活性化を、ぜったいに頑張ります!」と力強く叫びました。
天王寺区のミルクボーイは、「天王寺区では、四天王寺さんが有名」との紹介に、「(相方・内海の)スーツも四天王寺さんの池のコケで作ってる」というボケも。
熊本県出身のからし蓮根は、伊織が「浪速区は、アットホームでたいぎゃーよかとこばい!」と方言全開で、青空は「熊本出身だということは忘れてください!」とフォロー。
西淀川区の四ツ橋ブルーは、「工業が盛んな街・西淀川区を、我々の力で盛り上げていきたい」とキッパリ。
工事現場を思わせる作業服の衣装で登場した職人は、淀川区の住みます芸人。花火大会にちなみ「花火はいいもんですね。たまや〜!」と電飾を灯して沸かせました。
東淀川区の福人(ふくんちゅ)は、在住6年。若い世代の住民も多いため、「全世代を巻き込んで盛り上げて、相方を見つけたい」と一石二鳥を狙います。
「のどかな街・東成区を盛り上げていきたいと思います」と挨拶したのは東成区の村一番。
生野区の田津原理音は、「生野区にはおいしいごはんがいっぱいあるので、ぜひ遊びにきて、おいしいごはんを僕におごってください」とお願いも!?
旭区のマイスイートメモリーズは、「まるむし商店・東村さん、西川のりお師匠も住まれているから心強い」と大先輩の協力にも期待。
城東区のアンリミテッドプリパレーションは、「城東区は、政令指定都市のなかでもっとも人口密度が高い。人と人の距離が近い街」と訴えます。
鶴見区のラプトルズは、「いのちの塔!」「鶴見の象徴やけど!」と名所のゼスチャーでご当地ボケを繰り出しました。
阿倍野区のビコーン!は、「日本一高いあべのハルカスがある阿倍野区を、日本一小さい芸人(前田志良)が応援していく。ハイヒール・モモコさんも住まれている阿倍野区を盛り上げていきます」。
「コスモスクエア〜!」「日本の駅名でいちばんかっこいいやつ!」と地名にからめた自己紹介をしたのは、住之江区の雷鳴。
住吉区のダブルヒガシは、大東のヘアスタイルにからめ「太鼓橋をモチーフにしている」とボケて自己紹介を。
「東住吉区には、大きな長居公園があり、そこをよくランニングしている」というアンビシャスは、池谷直樹さんの走り方のモノマネで笑わせました。
「平野区には、あの真田幸村が休憩したとされる場所がある」「皆さんにも安らいでもらえるよう頑張りたい」というのは平野区のいなかのくるま。
西成区のガオ〜ちゃんは、「盛り上げるのが大好きなので、西成区を盛り上げていきたい」と、おなじみ「ガオ〜!」を連発しました。
これら全24組に加え、プロジェクト専属の担当社員も新たに配置する予定で、吉本興業ではエリア社員を募集中。詳しくは、ホームページをご覧ください。
吉村市長は、「皆さんの活動しだいで大阪の未来が変わってくる」とエール。ガオ〜ちゃんとは「ガオ〜!」のかけあいを繰り広げる一方で、「本当に住んでらっしゃる方が活動していただけるのがありがたい。大変だと思いますが、大阪を元気にしてもらいたい」と呼びかけました。
それぞれの地域で演芸イベントを行っていくため、芸人たちには、各区の魅力を取り入れたネタを作り、どんどん披露してもらいたいところ。「おまかせください!」と意気上がる芸人たちの、今後の活動にどうぞご期待ください。
この後も、筋肉自慢のミルクボーイ・駒場がお年寄りのための「いきいき百歳体操」に新たなエクササイズを提案したほか、ガチャガチャ・ジョージが清掃作業の免許、アッパレード・吉田がケアワーカーとしての職歴をそれぞれアピールしたり、ビコーン!・前田が「海外の方にもウケる」という持ちネタを見せたりと、大盛り上がりのひとときとなりました。
そして最後に、「大阪市24区地域活性化プロジェクト」のリーダーとして、桂文枝が登場。24区にまつわる創作落語を作って公演するという「創作落語プロジェクト」の発足を発表しました。
落語会や公演で全国をまわってきた文枝ですが、大阪市の全区については「まわっていないところもある」とのこと。「この機会に、若い皆さんとともに、大阪全区をしっかり把握して、万博につないでいきたい。今でも大阪万博(1970年)の熱気が忘れられないので、あの興奮をもう一度、若い人たちと一緒に味わうためにも大阪市を盛り上げていきたい」と話しました。
同プロジェクトの始まりは、文枝と大﨑社長が食事をしていたときのふとした会話だった、とも。「大阪のために、これからもいろいろ頑張りたいとおっしゃったので、僕が気軽に『24区の創作落語作ってくださいよ』って」と大﨑社長。「本当は大変なことなんですが、ふたことみことでお願いしてしまい、快諾していただきました」。
文枝は早くも構想を練っている様子で、「ひとつの家族が各区をめぐっていく話にするか、各区それぞれのなかでの話にするかは、今、考え中。ぼやっとはできてきている」とニッコリ。「たとえば大正区には、昔、ドイツ軍の捕虜収容所があった。調べていると、そんなふうに知らないことがいろいろとわかってくる。そういうことを、今の皆さんに伝えることもプロジェクトの仕事」と熱っぽく語りました。まずは、「仲間だった横山やすしさんがこよなく愛した住之江区から始めたい」と文枝。同席していた西原区長は「ボートはもちろん、いろんなものがあるので作りやすいと思います。区民あげて楽しみにしております」とうれしそうに話していました。ちなみに、創作落語をもとにしたショートムービーの作成も計画されており、沖縄国際映画祭や京都国際映画祭での上映も視野に入れているそうです。
結びには、文枝が改めてひとこと。「24区を盛り上げることは、大阪を盛り上げること。大正末期から昭和の初め、大大阪と呼ばれた時代があった」と振り返り、「もう一度、若い人たちと手を組んで、大阪を盛り上げていき、万博誘致につなげたいと思います。よろしくお願いいたします」と締めくくりました。
大阪市24区エリア社員募集要項
http://www.yoshimoto.co.jp/corp/recruit/career07.html
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