"RE-OPEN"したばかりのなんばグランド花月の聖夜を、 笑いで彩った「NGK30周年記念公演 間寛平クリスマスコメディfeat.劇団間座 ~ホーリーナイト アーヘーナイト~」
12月24日(日)、"RE-OPEN"したばかりのなんばグランド花月にて、「NGK30周年記念公演 間寛平クリスマスコメディfeat.劇団間座 ~ホーリーナイト アーヘーナイト~」が上演されました。間寛平が「若手にもっと活躍の場を」という熱い思いで立ち上げた「劇団間座」のクリスマスイブ公演です。出演は、座長・間寛平をはじめ、矢野・兵動の兵動、NONSTYLE・石田、ヤナギブソン、span!、坂田利夫、ジミー大西ら豪華な面々がステージを賑わせます。今回は作・演出をザ・プラン9のお〜い!久馬が手掛け、出演者らによる"笑い"を挟みながら、家族の絆を再認識できるような心温まる物語が繰り広げられました。
定刻になり幕が上がると、賑々しいクリスマスソングに乗せ出演者らがボックスなどステップを踏み踊り、ステージが華やぎはじめます。
舞台はサンタクロース養成所で、この日が入学式という設定。生徒として集まった石田、水本らの前に教官役・ヤナギブソンが登場し「1ヶ月みっちり訓練を受けてもらいます!」とスパルタ調で宣言すると、さらに教官役の堀川絵美、アケミ・シャイニング、ミルクボーイ・駒場が姿を現しました。
と、そこへ校長役の間寛平がステッキを振り回しながら身体をくねらせセンターへと近づいていきます。校長としての挨拶をお願いされるも、寛平はお馴染みの「誰がじゃ、どうしてじゃ、何がじゃ」で皆を翻弄し、客席から笑いを引き出します。最終的には、我慢できなくなったヤナギブソンがピシャリと寛平の頭をひと叩き。勢いの良さに「ほんまクラクラしたわ」とよろめく寛平を見て、お客さんもまたまた大笑いです。反省したかのように見えて再び「誰がじゃ、どうしてじゃ、何がじゃ」を繰り出し、またもヤナギブソンから怒りの平手を食らいそうになるもヒラリと身をかわす寛平に、思わず「おぉ〜」と、感嘆の声が漏れていました。
寛平校長が「アヘアヘウヒハ、アヘウヒハ」と心得を述べ、挨拶に代えたところへ理事長役の坂田利夫が登場。1度通り過ぎて戻ってくると「アホの挨拶」で観客を引きつけ、「ジョンジョロリンノパッパッ」という挨拶のことばで大笑いさせていました。そして、「どっか行こう」と寛平と手を繋ぎ仲睦まじくハケて行きます。
早速、サンタクロースになるための授業がはじまります。プレゼント配達時に気配を消す訓練として、鈴の付いたサンタ帽を被り音を鳴らさずに縄跳びを飛ぶことに。この難易度高い動きをヤナギブソンから振られた石田は、「(教えている側の)教官はできるということですよね?」と押し戻しますが、ヤナギブソンはアケミ・シャイニングに投げます。到底できるはずもない内容に加え、「今日は調子が悪い」と、うまく飛べないアケミ・シャイニング。「これはどうしたら面白くなるんですかー?」と心の声を絶叫する石田が、ふんわり飛び成功したかのように見せて転換へ。
場面チェンジの合間には、「赤鼻のトナカイ」「きよしこの夜」を出演者らが歌いイブの雰囲気を劇場内にもたらします。
同じクラスに参加していた石田と水本。石田の役柄は、離婚して息子と娘になかなか会えなという複雑な設定。いつか会えたら喜ばそうと石田得意のけん玉の技を磨いていると言い、玉の穴が上を向いているときに剣を上から突き刺すような技"ダウンスパイク"を披露、大拍手を浴びます。そこへ、アインシュタイン・稲田が水本の息子役としてやって来たことで客席がどよめきます。水本と稲田はひしひしと抱き合いながら親子の結束性の高さを体現し、笑いに代えていました。
シーンが変わり、元妻役の前田まみと恋人役・兵動、娘役・辻凪子、息子役・span!のマコトらが公園で楽しげに遊んでいる様子を、石田がこっそり覗き見ています。キャッチボールをする兵動とマコトから、兵動が子どもらをあまりかわいがっているように思えず、石田は不安に。気落ちしている石田のもとへ、通りがかったご近所さん役のいがわゆり蚊がUSJアトラクションのお姉さんネタや、岡田直子が声色を変えてかわいい声でキュンとするセリフで励まします。いがわが石田を背負って映画『E.T.』を再現すると、背負えていることにビックリしながらもお客さんは爆笑です。
照明が落ち、堀川絵美がマイクを持ちステージへ。ここがなんばグランド花月というのを忘れるほどの美声を響かせ、さながらオペラのように歌い上げます。これにはお客さんも拍手喝采です。
そのままサンタクロース養成所のレッスン風景へと移ります。生徒らは堀川のように歌うことを課せられますが、あの美声をマネることはできず。
次に駒場によるレッスンへ。ここまで上半身を見せびらかすのみだった駒場は、「はじめてしゃべるから、ドキドキしています」と内心の焦りを口にしつつ、「サンタにも腹筋が必要です」と腹筋ローラーを実演し、トライせよと促します。まったくピンとこない面々を割ってボブが「じゃあ、僕いきます」と衣装を脱ぎ出しました。鍛え上げられたボディが露わになり、予想外とばかりにお客さんは驚嘆。駒場とボブは折り重なってローラを使用し、「メリークリスマス」とコラボ技で魅せました。
レッスン後、どこか上の空の石田を心配した水本が声を掛けます。「元妻の新恋人が子どもに冷たい気がする」と石田から聞いた水本は、そんなに心配ならばと子どもらを誘拐することを提案。まさかのアイデアが出たところへ、稲田が水本パパを迎えにやって来て、イキリ口調で会話を交わします。そして稲田が「イジリしろ、少なっ」と特長少ない石田に向かって言い放ち、「髪の毛があるんだから、もっと遊べばいいのに」とうらめしそうにセリフを吐き、会場内を笑いで包み込みました。
シーン転換の歌唱場面で岡田直子と、いがわゆり蚊が「ゲレンデがとけるほど恋したい」を少し詰まりながら歌い終えると、水本がマコトを連れ去るシーンが挟み込まれ、やや調子外れな「もろびとこぞりて」を、アケミ・シャイニグ、葵樹泉、本間圭が合唱して次のシーンへ。
子どもが誘拐されたと慌てる兵動と前田のもとへ、刑事に扮したジミー大西がやって来ます。どこか頼りなく、兵動をイラつかせます。
石田、水本、稲田が舞台に出て来て「サンタが街にやってくる」を歌うも一瞬、グダグダに。お客さんが手拍子を打って応援し、盛り返し次のシーンへ。
車を運転する黒サンタ服の男たち。バックシートには誘拐された石田の娘役・辻凪子の姿が。急遽、NONSTYLE井上の代わりに出演することになった吉田裕の胸に「NONSTYLE井上」の文字があり、「吉田を井上と思って観てください」アナウンスにはお客さんも吹き出していました。
クリスマスシーズン定番曲「ラストクリスマス」を雰囲気たっぷりに歌うヤナギブソン。延々と繰り返される「ラストクリスマス、アイゲイブユーマイハート」に「まだ歌うのか!」とお客さんには大ウケでした。
変わって、誘拐犯からの電話を待つ兵動&前田。緊迫する中で、ジミー大西刑事が「できるだけ電話を伸ばしてください」とずれたことを言ったり、紛らわしい着信音で兵動を憤らせたりと、間抜けっぷりを見せつけ会場を沸かせます。
和テイストなメロディが流れ出し、兵動が「メリークリスマス」と告げ「雪國」を朗々とした声で歌いはじめます。終わりにも挨拶がわりに「メリークリスマス」を残して行きました。
マコトを誘拐したのではなく、欲しいものを聞き出してきた水本。"スイッチ"が欲しいと言っていたということで、石田とともに電気屋さんへ。本間圭、葵樹泉の接客で次々と"スイッチ"を試します。押すと、ファミレスの呼び出し音、Mac起動音、「誰が興味あんねん!」セリフなどが劇場に響く度、爆笑が。そこへたまたまやって来たご近所さんのいがわ、岡田、さらには稲田が加わります。いがわにシンパシーを感じた稲田は彼女の元へ寄り顔を並べると、「シャクレの並走」と石田に鋭くツッコマれていました。
名曲、山下達郎さん「クリスマス・イブ」を吉田、アインシュタイン・河合、三好大貴が歌い終えると誘拐の現金取引現場シーンへ。
元妻に頼まれやって来た石田は、子どもに顔バレできないとサンタクロースの格好に。ヤナギブソン、堀川、駒場、アケミ・シャイニング、水本も応援に駆け付けます。誘拐犯役・吉田が銃を突き付け、緊張感が漂います。と、そこへ寛平が登場。手にしたステッキで応戦する構えを見せます。
ならばやり合おうと互いに衣装を脱ぎ出しますが、寛平は着物を腰回りに収めてセルフ浮き輪のような見た目になっていきます。その様子に笑いが堪えきれないお客さんと、ステージ上の演者たち。「そんなに入るなんて知らんかった!」と吉田が驚くと、「洗濯してるから待っとけ」と寛平が予測不能な返しをしたことに場内爆笑です。
そして寛平は「あれ、ちょっとやらしてくれへんか?」とポツリ。乳首ドリルをおねだりします。ステッキを確かめ吉田は「怪我する固さやぞ」とおよび腰になりますが、リクエストに応えました。寛平が満足したところでお芝居に戻ります。
銃から放たれた弾をステッキで打ち返すミラクル技で寛平校長が誘拐犯らをたじろかせるも、流れ弾が坂田利夫に命中してしまいます。寛平校長は怒りのあまり乱心し、誰彼構わず攻撃してしまい大混乱に。けれど、坂田の前掛けが防弾仕様で命拾いをしたことがわかります。
一旦、収束したように見えるもジミー大西刑事も参戦し、吉田が「アホが多すぎるやろ!」と声を大にするほどひっちゃかめっちゃかな展開に。事態を収めようとジミー大西が犯人逮捕に乗り出し、石田を誤認逮捕しそうになり大慌て。罪状をうまく言えないジミー大西によって、さらに舞台のリズムが崩れていきますが、お客さんたちは愉快そうです。
事件は解決し、石田も家族との関係性を修復。聖夜にほっこりできる、幸せな家族の団らん風景を映し出し、幕を閉じました。
カーテンコールで全キャストがステージに集合しました。開口一番、間座長は「すいませんね、歌」とお詫び。「ラスト・クリスマス」を長々歌っていたヤナギブソンのパートに対して間は「誰かツッコンでやれば良かったのに」と自ら反省。河合は「ジミーさん、坂田さん、寛平さんが出てきたシーンは大変でした」と大御所たちのマイペースぶりに振り回された感想を口にします。NONSTYLE・井上の代わりを務めた吉田裕は出演が前日夜に決定したとのことで、その対応力の高さを褒め称えられていました。そして、ずいっと前に出てきた稲田は「メンバーを代表して言わせていただきます。メリークリスマス」とキメ顔で。「嫁はん欲しいわ、誰かおらんか〜」と坂田がボヤき出し、上演後もステージは賑かです。作・演出を担当した久馬も呼び込まれ、「今言うことじゃないかもしれないですけど」と前置きし、お客さんへの謝辞を兼ねてか「メリークリスマス」と照れ笑いしながら述べていました。
出演キャストを紹介しつつ、最後に間座長が「若手とやっていきますので、今後ともよろしくお願いいたします」と、ビシッと締めくくりました。笑いがたっぷり詰まった芝居で魅せる劇団間座の、2018年の活動も楽しみです。
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