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2018年5月14日 (月)

比嘉竜太、「先生」に格上げ?!「ヌチヌグスージサビラ~沖縄のチャップリンと呼ばれた男~」

5月3日(木・祝)、よしもと沖縄花月で「ヌチヌグスージサビラ~沖縄のチャップリンと呼ばれた男~」が行われました。同公演は、本業の歯科医師のかたわら、大衆芸能の演者として戦後の沖縄大衆芸能を支えた小那覇舞天(おなはぶーてん)を主人公にした演劇で、脚本を担当したありんくりんの比嘉は冒頭に、コミカルな物言いで笑いをとる一方、「ありんくりんを結成したとき、小那覇舞天さんのフィルムを見て『笑いとは』を学んだ。この舞台がよしもとだけではなく、いつかオリジンやFEC(どちらも沖縄の演劇集団)と一緒にできるような作品に成長してほしい」と、真面目に挨拶。

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序盤は現代の沖縄で、テレビに出ている芸人に夢中な孫・ススム(初恋クロマニヨン・新本奨)とオジー(空馬良樹)の会話からスタート。ネタ満載の掛け合いから話は少しずつ真面目になり、舞台は戦中・戦後の沖縄に移ります。

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歴史の映像も随所に交え、住民の5分の1から3分の1が亡くなったと言われる沖縄戦の様子や、戦後間もない捕虜収容所で小那覇舞天(ありんくりん比嘉)が日々泣き暮らす人々に「この激しい戦火を生き残ったのだから、生きていることを喜びましょう。命のお祝いをしましょう(ヌチヌグスージサビラ)」と呼びかけるシーン等、胸にぐっとくる場面が多い中、歯科医師の舞天が患者にからむシーンでは会場から爆笑が起きたり、幕あいに流れた酒盛り歌「海のちんぼーらー」に思わず手踊りする小さい子がいたりと、笑いのエッセンスもところどころに散りばめ、充実した内容に、劇が終わった瞬間会場からは大きな拍手が湧き起こりました。

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カーテンコールでは出演者全員が登壇し、空馬が「比嘉からこの話を受けたのが3ヶ月前」と話し、「なんで小那覇舞天をテーマに芝居をやろうと思ったのかと聞いたら、空を見上げながら『使命感かな?』と比嘉が言っていた」と暴露。しかし他の出演者から「いい話だよね」と賛同され、比嘉は「ほめてほめて~!」と、照れ隠しのように両手をばたばたさせるワンシーンもありました。また、その様子を見た相方のクリスが「よしもとに入る前から、(比嘉には)舞天さんの記念館に連れて行かれたりしていたので、ずっとやりたかった事だと思っている。今日は比嘉にとって記念日だはず」と話すと、会場からはまたもや大きな拍手。比嘉は終始照れていました。

家族を亡くした男を演じたぐりんのーと・津嘉山は「この芝居をやるって話を聞いたとき、参加したかったんだけど最初枠がなくて。(先に兵隊役が決まっていた)ぼんじょるの・おりたに『舞天さんが好きだから俺もやりたい』って言っていたから、収容所のシーンで人を増やしたい、って話が出たとき、おりたが比嘉に声をかけてくれたから参加できて嬉しい」と感無量の様子でしたが、おりたが「俺のおかげで入ったのに俺よりセリフ多いねん!」とまさかのオチ。観客から笑い声が上がりました。

その他、日本兵役のぼんじょるの・大谷は「俺、『火垂るの墓』で行方不明になったお父ちゃん、って(勝手に設定して)、ドロップの缶持って舞台に立ってたんですよ」と小ネタを告白するなど、会場はお笑いムードになっていました。

また、空馬が「そういえばこの作品、オムニバスになってるけど、『エピソード〇〇』みたいに今後いくつも作っていくの?」と聞くと、比嘉は「考えていきたい」と一言。周りから「先生!」と両腕を揉まれ、さらに会場の笑いを誘っていました。

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最後に比嘉は、「よしもとだけでなく、今後小学校や公民館で演じて、いろいろなところで公演することで・・・お金がほしい」と観客の笑いをとりつつ、「(沖縄のお笑いの)大先輩の思いを継いでいる人が、少なくとも1人はいるんだ、と覚えていてほしい」と挨拶し、舞台を締めくくりました。

終演後は会場の外でグリーティングが行われ、各出演者と握手をしたり、比嘉「先生」と一緒に写真を撮りたい、という人の列ができるなど、暖かい空気の中、「ヌチヌグスージサビラ~沖縄のチャップリンと呼ばれた男~」は幕を閉じました。