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2018年6月 6日 (水)

カラテカ・矢部「思ってた感じじゃない展開」と困惑しきり!? 手塚治虫文化賞短篇賞受賞記念トークイベントでT部長こと土屋敏男プロデューサーと対談!

6月4日((月))、東京・紀伊國屋書店新宿本店イベントスペースにて『芸人初の快挙!手塚治虫文化賞短編賞受賞記念「大家さんと僕」大ヒット感謝トークイベント&サイン会~「T部長と僕」なんて絶対描きません~』が開催されました。
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カラテカ・矢部太郎著書の『大家さんと僕』は、「ごきげんよう」と挨拶する一風変わった大家のおばあさんとトホホな芸人・僕(矢部)との、あたたかくも切ない交流の日々を描いた実話漫画。昨年10月31日発売後、半年で30万部を突破した今作が、第22回手塚治虫文化賞短編賞を受賞しました。
芸人として、さらに漫画家以外の職種として初めての受賞となった快挙を記念して、人気バラエティ『電波少年』シリーズのプロデューサーである"T部長"こと土屋敏男さんとのトークイベントが実現。なお、この様子はニコニコ動画でも配信されました。

担当編集者による「矢部さんが極度に緊張されているのですが、あたたかく見守っていただければ」との説明後、登場した矢部。あまりの緊張にすぐさま水を飲もうとしたところ、早速、土屋さんに「芸人だろ! マイクくらい持てよ!」とツッコまれます。
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「どうしても、ということでこのイベントが実現した」との担当編集者の言葉に、「どうしてもっていうのは、新潮の人が......。僕はギリギリまで反対してました。あの、ご足労いただくのが申し訳ないなと思って......」とたじたじの矢部。『進ぬ! 電波少年』に出演していた当時住んでいたところの大家さんに「テレビ観てるよ。もう更新しないでね」と言われために引っ越したことから、本作に登場する大家さんと出会ったという経緯があるそうで、「僕のおかげだよね」と言い切る土屋さんです。
今から16年前、新宿西口公園あたりを歩いていた矢部を、土屋さんがすれ違いざま抱えてとあるアパートに連れて行ったところから同番組での企画がスタートしたわけですが、「ダウンタウンの松本人志さんがその頃、アメリカ人を笑わせようっていう企画をやっていて、だったら次はアフリカ人だなって思いついて。で、すれ違いざま抱えてさらう画が浮かんで、抱えられる体重の軽いやつ誰だって?って探したら、こいつだった」と説明。「え? 松本さんを継ぐ男として選ばれたんじゃなかったんですか?」と驚く矢部に、「何年も一緒に企画をやったけど、全然売れなかったな」とダメ出しする土屋さん。「意固地なまま売れずに来たら、ここで手塚治虫文化賞......どこに才能があるかわからないよねぇ」としみじみします。
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「ここは法廷だと思っている。今日は土屋さんを立件したい!」と息巻く矢部が「土屋さんが引っ越すときに出たいらない物を、僕の家に押し込むっていう企画があった」と話し始めると、「ソファベッド、でかいクリスマスツリー、ピアノ、マッサージチェア......」と押し込んだ物を次々と挙げていく土屋さん。矢部が「雛人形フルセットも。あれらが置けないから、広い部屋に引っ越したっていうのもあります。1回も弾いてないですけど、ピアノはまだありますよ」と続けると、客席から感嘆と笑いが起こります。
モンゴル人の家族が矢部の自宅にホームステイするという企画で「高血圧だから暑がりで、室温を18度にするのがいちばん辛かった。寒くて!」と回想すると、さらに大きな笑いが。
当時、各国の方々を笑わせる企画を行なっていた矢部ですが、「あの企画で集中して勉強できるようになったから、その後、天気予報士の資格も取れたし、漫画も1人で描けるようになったんだと思います。......あんまり認めたくないですけど、1つのことをやるのが好きになった」と渋々ながらも感謝を口にした矢部に、土屋さんは「テレビタレントとしては大成しなかったですね」とバッサリ。矢部は慌てて「過去形で語るのやめてください!」とツッコみます。
担当編集者の「規制の厳しくなった中で、矢部さんのキャラを活かすためには」との言葉に、土屋さんは「『ニコニコ電波少年』とか『電波少年VR』とかいいよね。VRは360度見えるから、アフリカで矢部の後ろにライオンがいる! とか見えるんだよ」とすぐさまアイデアを。一旦、「面白そう」と食いついた矢部ですが、「こういうところから始まったりするから」と土屋さんのニヤリとした表情を見て、慌てて「観たら、ですよ。僕は漫画を描くので忙しいので......」とやんわりと拒否しました。
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その後も思い出話に花が咲いた2人。矢部が「最近、『あさチャン』(TBS系)で祝日だけ天気のコーナーやってるんです」と報告するも、土屋さんに「この本が売れたから来た仕事でしょ? あぁ、賞取ったな。何かできないかなってプロフィールを見て"気象予報士の資格持ってるじゃん"って」と起用について冷静にジャッジされ、「テレビ業界の分析、完璧......」と脱帽します。
現在、『週刊新潮』で続編を連載中の矢部ですが、突如として「話がある。『土屋さんと僕』ってどう?」と言い出す土屋さん。「原案でいいですよ。で、新潮で印税70%でどうですか?」とぐいっと来られた矢部は「ほっこりするエピソードが皆無。違う雑誌なら可能性あるかも」と必死で返します。
また、ウェブマガジン『PeLuLu』で歯ブラシが主人公の漫画を描いていることを一生懸命説明しますが、「歯ブラシ?」と怪訝そうな表情を浮かべたまま、興味がなさそうな土屋さん。担当編集者が「インタビューで(漫画家ではなく)あくまで芸人として、ずっと漫才をやっていたいと話していた」と挟むと、「何、図々しいこと言ってるの? 誰も望んでないよ」とピシャリ。矢部は「一応、ルミネ(the よしもと)とか出させてもらってますから」と説明するも、「漫才のできる漫画家だったら珍しいんじゃない?」とサラリと返されると、くすくすと笑いが起こりました。
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終始、土屋さんのペースで進んでいった本イベント。「あれ? おかしいな。思ってた感じじゃない展開。受賞おめでとうってなると思ったんですけど......」と首を傾げる矢部から、「ありがとうございました」とお礼を言われた土屋さんは「売れることはないだろうなと思ってたんですけど、酔狂な人たちのおかげでこんなことが起きて、諦めちゃいけないなと思った次第です」と感想を。さらに、「『土屋さんと僕』、乞うご期待!」と告げて、イベントを締めくくりました。
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【矢部太郎】【カラテカ】

『大家さんと僕』

著者: 矢部太郎(カラテカ)
定価:1080円(税込)
新潮社刊

<内容>
1階には大家のおばあさん、2階にはトホホな芸人の僕。挨拶は「ごきげんよう」、好きなタイプはマッカーサー元帥(渋い!)、牛丼もハンバーガーも食べたことがなく、僕を俳優と勘違いしている......。
一緒に旅行するほど仲良くなった大家さんとの"二人暮らし"がずっと続けばいい、そう思っていた――。
泣き笑い、奇跡の実話漫画。

参考:手塚治虫文化賞 1997年創設。朝日新聞社主催。日本国内で刊行・発表されたマンガで、優れた成果を挙げた作品および個人・団体に贈られる。マンガ大賞、新生賞、短編賞、特別賞の4部門がある。 短編賞は第7回(2003年)から創設。これまでに『聖☆おにいさん』中村光、『テルマエ・ロマエ』ヤマザキマリ、『じみへん』中崎タツヤなどが受賞。