梨作りって楽しい! 農業で住みます芸人・加藤アプリ&笑い飯・哲夫による二十世紀梨育成発表講演会
7月13日(金)、東京都立園芸高校にて、「移住芸人による二十世紀梨育成発表講演会」が開催され、農業で住みます芸人の加藤アプリと、その指南役である笑い飯・哲夫が登壇しました。
農業で住みます芸人とは、芸人が1年間、農業や地域での活動を通じて「農業の魅力とは?」「この地域の魅力とは?」をテーマに 「ありのままの農家や地域の姿」をわかりやすく発信し、若い人たちに「これからの農業のスタイル」を提案していく試みです。
2017年4月より、農業で住みます芸人として鳥取県湯梨浜町に移住した加藤アプリは、二十世紀梨をはじめとする"東郷梨"の栽培に従事して今年で2年目。そんな、知識・経験ともに豊富になった加藤アプリと、その指南役として定期的に湯梨浜町を訪れ、梨栽培を体験している笑い飯・哲夫の2人が講師となって、今後、農業を勉強する高校生を対象に、就農経験に基づいた農業の発見や地域の魅力を伝えるために、講演会を開催しました。
最初に東京都立園芸高校校長・徳田氏によるあいさつが行われ、続いて湯梨浜町のPR動画が流れ、湯梨浜町がどんなところなのかがさまざまな角度から紹介されます。
続いて加藤アプリ、笑い飯・哲夫が登場。「暑いですねぇ~!」と開口一番生徒たちに話しかける加藤は、作業服に長靴姿、おまけにおなじみの梨のかぶり物をかぶっているため、さらに暑そうな様子。この日は猛暑日だった上に、あいにくたまたま前日に体育館のクーラーが壊れたそうで、体育館はかなり暑さが厳しい状態でした。
そんな中、哲夫は「ここ、いいとこですね~。緑があって、畑があって......。校舎があって、廊下があって......」と、後半は学校にあるあたりまえの物をほめる哲夫に「だんだん弱くなってますから(笑)!」と加藤がツッコみます。
また、高校時代の思い出話として、「僕の高校時代はベビーブーム世代やったんで、1学年に495人も生徒がいたんですけど、一度、模試で495位をとったことがあって、ビックリしました。そんな、きっちりドベって!」と話し、生徒たちを笑わせる哲夫。
本題に入り、さっそく二十世紀梨について説明を始める加藤。味の特徴であるみずみずしさや酸味について触れたあとは、昨年の自身の収穫数が2800個だったことを明かしていました。
続いて、梨の起源についてもスライドを使って説明していきます。梨が初めて日本に入ってきたのは江戸時代だったことや、元々梨栽培は群馬県で盛んだったこと、二十世紀梨のルーツについてなどなど、生徒たちも初めて知る梨の歴史に、真剣な表情で耳を傾けます。
ときには「梨の生産世界ランキングで1位は中国、では日本は何位?」など、生徒たちも参加することができるクイズコーナーを設けるなど、飽きさせない工夫を凝らす2人。また、哲夫がちょくちょく梨とはあまり関係のない豆知識を披露する場面では、生徒たちは感心しながら聞いているのですが、話が長くなりすぎると、加藤が「なんの話なんですか(笑)!」とツッコんでは話を元に戻し、講義を続けます。
また、梨は料理にも使えると話し、梨を使ったリゾットやピザだけでなく、加藤自身が考案したという、すりおろした梨を入れただし巻き、名付けて「梨巻き卵」も紹介していました。
そして、ここからは具体的な農作業をスライドを交えて説明していきます。交配や袋かけの説明をしながら、「青梨は肌が弱いから、袋かけは2回します」(加藤)、「色白のモデルさんを守ってあげる感じですかね」(哲夫)と、その作業の細やかさも表現。10月に収穫したあとの、来年に向けての土壌の準備についても話すなど、梨栽培の1年の流れを簡単に説明していきます。
湯梨浜町で梨栽培が盛んな理由については、温泉がある、寒暖差が大きい、台風が少ないなどの梨づくりに適した環境であることが説明され、なかでも東郷梨は、その品質の高さから贈答用として全国発送されることが多いことが明かされます。
そして「実際、梨農家は儲かります!」と断言する2人。実際の農家の例を挙げ、具体的な収入や仕事時間など、どの程度働いてどれだけ休めて、さらにどのくらいの収入があるのか、生徒たちにもイメージしやすいように具体的な数字をあげて説明し、生徒たちも興味深そうに聞き入っていました。
加藤が「湯梨浜町は魚もおいしいし、水もいい。温泉も近くにあって、仕事帰りに入れてサイコーなんです。移住してからストレスがなくなって、太っちゃいました」と居心地のよさを話し、「ストレスのない環境で梨作りをしてみませんか?」と高校生に呼びかけて講演は終了。
最後に、湯梨浜町農協振興課の職員の方より、新規就農者へのバックアップ制度や就農までの流れ、また湯梨浜町の梨以外の特産物についてなどの説明が行われ、「もしもみなさんが少しでも興味を持たれたら、まずはぜひ、夏休みに遊びにきてください。そしておいしいものを食べていってくださいね」と笑顔で呼びかけていました。
講演終了後、校庭では参加された保護者の方たち向けに、鳥取県の特産品販売コーナーも設けられ、保護者の方々でにぎわっていました。
講演終了後の囲み取材では、感想を聞かれた哲夫が「暑い中、一生懸命聞いてくれて」と生徒たちに感謝し、「湯梨浜町では農作業中、10時と3時に"白バラタイム"という休憩時間があって、それは"白バラコーヒー"というコーヒーを飲む時間という意味なんですけど、今日の高校生にも白バラコーヒーをあげればよかったなぁと思います」と、生徒たちを気遣います。
一方加藤は「僕が1年間やってきたことについて伝えてるだけなんですけど、農業を通していろんな体験をしたので、高校生のみなさんにも農業を通じていろんな体験をしてほしいと思います」と、実感を込めて話していました。
また、「徴兵制ならぬ"徴農制"を導入すればいいんちゃう?」と提案する哲夫。その理由を「昔は国民の8割が農民やったんです。今はすごく少なくなってしまったけど、もっと増えなあかんと思う」と主張します。さらに「農業をやっている人が農業の魅力を伝えていくことも大切。収穫の喜びもすごくあるし、農業はやってみたら楽しいし、面白いんです。時間に余裕があったら小料理屋なんかをやってもいいし......。みんなに、いい土から取れたいいものを食べてほしい」と熱く語ります。
最後に加藤が、「これからも、農業の魅力を伝えて、新規就農者をひとりでも多く増やしたい。魅力を伝えることができれば、やろうと思う人が出てきてくれると思ってます」展望を語っていました。
今後、全国で開催していく予定の本講演会。これからも、加藤アプリと哲夫の2人は全国の高校生に農業の楽しさを伝えていきます!
農業で住みます芸人 オフィシャルサイト http://agriculture.style/index.html
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