「桂きん枝独演会〜Final〜」開催決定!四代桂小文枝襲名を前に「今までやってきたことを形に残す」3日間
来たる10月12日(金)〜14日(日)の3日間、大阪・天満天神繁昌亭にて、桂きん枝が「桂きん枝独演会〜Final〜」を開催することが決定しました。来年春に、きん枝改メ四代桂小文枝を襲名する運びとなっており、「きん枝」としての独演会は今回が最後となります。これに先駆け、9月6日(木)に記者会見が開かれ、きん枝が出席。同公演に向けての意気込みや、襲名を控えた現在の心境などを語りました。
「ちょうど来年、この世界に入って50周年になる。そこで『きん枝』として何か形として残しておきたいという気持ちがあった」と、開催の経緯を説明したきん枝。例年は1日のみですが、今回は3日間にわたる公演となり、「私にとっては非常に高いハードル」と表情を引き締めます。と同時に、「そない努力家タイプでもないし、兄弟子のように目ェむいてがんばるタイプでもないので、自分なりに今までやってきたことを発表できれば」と、いつもの自然体で語りました。3公演という初の挑戦に向け、ネタ選びをはじめ現在、準備の真っ最中。「ひとりでも多くのお客さんに来ていただきたい」と力を込めて呼びかけました。
各日とも、きん枝は二席を披露するそうで、「ネタは当日までのお楽しみ」とニッコリ。ゲストには、繁昌亭でもおなじみの豊来家幸輝さん、二代目宮史郎さん、春野恵子さんが登場。豊来家幸輝さんについては、「色物さんは、後に出てくる落語家をつぶさないのがいちばん大事。東京にはいろんな方がいらっしゃるが、大阪にはなかなかおられず探していたところ、豊来家一門さんがいらっしゃった。それ以来のお付き合い」。二代目宮史郎さんに、最初に繁昌亭出演をお願いしたのもきん枝で、「ちょっとびっくりするような芸を見てもらえればいいと思って。その前からやから、かれこれ(交流は)10年以上になりますね」だそうです。春野恵子さんについては、「何か色気もなかったらいかんな、と思い、女性を選ばせていただいた」と明かしていました。
さらに「うちの一門の方も出ていただくが、ほかのご一門からもおひとり出ていただく」とのことで、合計五席になる予定。「集大成的なネタを?」との問いには、「そう言うほど大層な生き方もしてませんが、そうなればいいかなと思っております」と答えました。
「きん枝」の名前についてきかれると、「愛着もございますし、色気のあるいい名前だと思っております。うちの一門で継いでくれる子もおらんやろうから...ムリして継ぐこともないでしょうし、継ぎたい、継がせたいという人が出てきたらそうなるでしょう」。続いて、亡き師匠、五代目桂文枝(三代目桂小文枝)のことに触れ、「私みたいな者をこの世界に入れていただいて、今のような形に育てていただいた。うちの師匠じゃなかったら、私が途中でやめてたかもしれませんし、よその一門ならクビになっていたかも。懐の深いやさしい方だった。感謝している」としみじみ語りました。
襲名に向けての準備は、「いろんな方にきいてみると、肩ひじ張らんほうが楽やで、と言われる」としつつ、「これから本腰入れなアカンとは考えておりますし、襲名のときにうちの師匠の代表作で、私が好きやった『たちぎれ』をできれば」。最近は、東西落語会の交流も活発になっており、「向こうにもいい噺がいっぱいあるので、そういうものも取り入れていけたら」とも考えているそうです。
若い頃は、師匠から教わった噺を一字一句間違えないように...と考えていましたが、今はまた違った心持ちで落語と向かい合っている、とも。「細かいことを決めずとも、登場人物の人間性を考えればおのずと落語は続いていく。きちっと覚えるのではなく、そういうゆったりとした覚え方もある。あとは、なんかあったときはごまかす、なんとかしてその場を切り抜ける(笑)」と笑顔で話していました。
桂きん枝49年の歩みを凝縮して魅せる3夜連続の独演会、ぜひこの機会に足をお運びください!
【桂きん枝】
桂きん枝独演会〜Final〜
日時:10月12日(金)〜14日(日) 開場18:00 開演18:30
会場:天満天神繁昌亭
出演:桂きん枝 ほか
ゲスト:12日/豊来家幸輝
13日/二代目宮史郎
14日/春野恵子
料金:前売2500円 当日3000円
お問い合わせ:チケットよしもと予約問合せダイヤル ☎0570-550-100(10:00〜19:00)