珠玉の沖縄メロディーを生歌で披露!「よしもと沖縄 歌劇バラエティSHOW!」
9月24日(月・祝)、よしもと沖縄花月で「よしもと沖縄 歌劇バラエティSHOW!」が開催されました。
今回が初めての上演となるこの公演。通常行っているおきなわ新喜劇とはひと味違い、劇中のさまざまな場面でそのシーンに重なる心情を表した曲が生歌で披露され、物語を印象的に演出します。今回の演目は「『三線の花』はいつか咲く」。沖縄を題材にしたおおらかで心温まる人情歌劇です。
まずは、八重山地方の旧盆に行われる伝統行事「アンガマ」をほうふつとさせる面をつけたふたりが登場。劇中で使われる「涙そうそう」「童神」「三線の花」などの歌について、曲ができたいきさつや歌詞の背景などを紹介した後、さっそく上演が始まりました。
物語の舞台は沖縄のとある三線店。職人気質の店主(空馬良樹)が店を切り盛りしますが、最近はなかなか客が来ず、店は閑古鳥が鳴く状態。長年地域を見てきた男(ピーチキャッスル・桃原優樹)が「この店もおじぃがいたころは繁盛していたけど...」と従業員(カシスオレンジ・仲本新)に語りかけます。
そんな店に、関西から楽器店会長(ぼんじょるの・おりた)と社員(ぼんじょるの・大谷)がやって来ます。大金をちらつかせて店の買収を持ちかけるのですが、童顔で小柄なおりたが会長を演じるというギャップに、会場からはクスクス笑いが漏れます。
会長と社員を追い払ったものの、三線店の将来を心配して途方に暮れる面々。そこへ、アメリカで暮らしていた店主の息子(ピーチキャッスル・真栄城将)とその妻(ハイビスカスパーティー・ちあき)が姿を見せ、物語が大きく動き出します。
ここで登場するのが、「第1回沖縄国際映画祭オープンマイクオーディション」でグランプリに輝いた具志堅ファミリー。お父さんの哲さんが奏でる三線をバックに、お母さんのムツ子さん、娘のシオンさん、ホサナさんが抜群のハーモニーで「涙そうそう」を披露。情感たっぷりに歌い上げ、物語に華を添えます。
物語の場面は、息子夫婦が沖縄に戻ってきた経緯へ移ります。アメリカで暮らしていたときも、息子は三線に対する熱い気持ちを秘めていました。亡き叔父(カシスオレンジ・仲村駿稀)との心のふれあいなどを通し、三線のすばらしさを再認識した息子。さまざまな修業を重ねてついに自分なりの三線を作り上げます。
息子が心をこめて作った三線の出来栄えに驚く店主。しかし、そこへ楽器店会長と従業員が再び姿を見せます。店の存続と古き良き三線の音色を求め、店主とその家族はこの場面にどう立ち向かうのでしょうか。続きはぜひ劇場でご覧ください。
上演後は出演者全員が舞台に姿を見せ、アフタートークを行いました。具志堅ファミリーの父、哲さんの歌のアドリブも飛び出した今回の公演。娘さんが「普段父は絶対歌わない。きょうのステージで歌ったのが初めてじゃないかな」と明かし、会場が沸くひと幕もありました。
フィナーレでは、劇中で店主を演じた空馬良樹が客席に向け「またぜひ足を運んでほしい」と呼びかけ。初の試みとなった沖縄らしさ満載の歌劇はあたたかな雰囲気で幕を下ろしました。
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