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2019年1月31日 (木)

「ヒューマンステージ・イン・キョウト2019」で、 銀シャリ、ネイビーズアフロらと「人権」を笑って学ぶ!

1月26日(土)、ロームシアター京都 サウスホールで「ヒューマンステージ・イン・キョウト2019〜それぞれが、それぞれの歩調で〜」が行われました。「人権文化の息づくまち」を目指す京都市が、毎年開催している人権啓発イベントです。今年のメインテーマは国連が定めた「SDGs(持続可能な開発目標)」。同テーマの啓発に積極的に取り組んでいる「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」と共にイベントに臨みました。

 

開会の時を迎え、MCを担当する鈴木美智子さんと浅越ゴエが、「みなさん、こんにちは」とにこやかにステージへ。まずは主催者を代表して京都市副市長・村上圭子さんよりご挨拶です。「"全ての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利について平等である"。この素敵な人権宣言が国連で採択されてから、昨年の12月で70周年を迎えました。ですが、世の中を見回してみると必ずしも、この人権が尊重されていることばかりではないな。まだまだ努力をしていかなければいけないなということで、この人権イベントを京都市がはじめてからちょうど25周年の節目になります」と語りました。また、「人権」に関して「市民のみなさんにより身近に感じてもらえたら」と「四字熟語人権マンガ」「標語」の公募をはじめたとし、参加してもらうことで京都市の考えが根付けばと願いました。

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まずは、「人権」をテーマに四字熟語とマンガで描いた「四字熟語人権マンガ」入賞作品の紹介、表彰式を執り行います。今年度の審査員を担当したのは、京都精華大学マンガ学部教授・篠原ユキオさん、花園大学社会福祉学部教授・安田三江子さん、公益財団法人日本漢字能力検定協会理事・山崎信夫さん、京都市文化市民局長・吉田良比呂さんです。今回の応募傾向を吉田局長は「周囲の方に対する思いやりを表現した、心温まる作品が非常に多かったです」と分析。全国から579作品の応募があり、13作品が入選しました。「京都市長賞」「京都市教育長賞」「奨励賞」それぞれの受賞者が発表され、賞状が授与されていきます。各賞の紹介に合わせスクリーンに映し出された作品を目にして浅越は「どの作品も温かみがあり、魂のこもった作品が集まりました」と感心していました。審査員の篠原先生は「入賞作品はインパクトある表現だったり、書き手の意欲が伝わってきた」、安田先生は「(応募作品が全体的に)ご年配の方は子どもを、若い方はお年寄りのことをテーマにしているのが素敵だな。お年寄りと若い方の(作品を通じた)コミュニケーションが起きているように思います」と審査を振り返りました。"漢検"の山崎さんは「漢字とマンガは概念を表現するという点で共通している」と考えを述べられていました。

 

続いてのステージは、人権擁護委員の活動紹介です。昭和23年に設置され、全国で1万4千人、京都市内では53人の方々がボランティアで活動しています。差別や虐待、パワーハラスメントなど、人権問題について悩んでいる方を対象に電話相談を受け付けていることや、様々なイベントでの啓発活動を行っていることが紹介されました。メンバーのみなさんと共に現れた、愛らしいマスコットキャラクターの人KENまもる君、人KENあゆみちゃんの姿で会場のみなさんは癒された様子。応援に駆けつけた桜がモチーフの「ワールドマスターズゲームズ2021関西」公式キャラクターのスフラもステージを賑わせていました。

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「全国中学生人権作文コンテスト」では、日常や学校生活の中で気づいた人権尊重の大切さなどを作文にして発表します。中学生を対象に、法務省と全国人権擁護委員連合会が主催し昭和56年から毎年行われているコンテストです。今年度、京都大会では、108校から9169作品の応募がありました。見事、優秀賞に輝いた京都府立洛北高等学校附属中学校の男子生徒が、祖父が脳梗塞で倒れたのをキッカケに考えた思いを記した入賞作品「おじいちゃんと歩いて」を朗読します。大人然とした表情でキリリと読み上げていく少年の姿に、お客さんはすっかり魅入っていました。

一旦、休憩を挟み、後半は「よしもとお笑いステージ」からスタートです。

 

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ネイビーズアフロが、子どもの夢を叶えるプロ野球選手のネタを。

 

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おいでやす小田は、英語の授業ネタをフリップ芸で。

 

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もりやすバンバンビガロの大道芸では会場内に歓声が湧き起こりました。

 

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銀シャリは鰻の苗字にまつわるエピソードネタを披露しました。

 

ネタ後、本日の出演者の出身地の話題に。開催地が京都とあって、ネイビーズアフロ、おいでやす小田は京都市出身、もりやすバンバンビガロは宇治市出身と京都にゆかりある芸人がすらり。そんな中、銀シャリ(鰻は兵庫県、橋本は大阪府出身)だけ理由が見当たらず。鰻は接点を見出そうと「おばあちゃんの妹が京都です」と必死に理由を作るので、お客さんは思わず声を上げて大笑いです。浅越からは「こんだけ京都出身者で固めているのに、何か強いコネでもあったの?」と疑惑の目が向けられていました。

 

4組のネタで大いに笑った後は本イベントのメインテーマ「SDGs」について、みんなで学んでいきます。先生役に、京都市副市長・村上圭子さんが登場しました。

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副市長の姿を見てネイビーズアフロ・皆川は、「京都大好きなんで、京都のためならなんでもします! 海で自分の母親と副市長が溺れていたら、先に副市長を助けます」と早々にアピール。横目で見ていたおいでやす小田は「何市でも言うてますよ」と、皆川のあざとさをチクリと攻撃。ネイビーズアフロ・はじりは「僕に椅子は必要ないです!」と謎の低姿勢を見せます。村上副市長の関心を引こうとアピール合戦する芸人たちの姿に、お客さんは肩を揺らしっぱなしでした。

 

「SDGs(エスディージーズ)って、みなさん言えますか?」とMC鈴木さんが投げ掛け、村上副市長が解説に入ります。先のお笑いステージを見ていた村上副市長が「小田さんの方がお得意かもしれませんね? 「SDGs」って、英語ですもんね」とひとボケ挟んできたので、おいでやす小田は「あれ英語のネタだけど、英語力要らないですよ! まさか副市長にネタをイジっていただけるとは」と大慌てです。

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「SDGs」とは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」という意味だと村上副市長が解説。貧困問題や気候変動、生物多様性など課題解決のために、2015年に国連で掲げられた17の国際目標を指します。村上副市長は「みんなで発展していきましょう、ずーっと持続可能に社会を良くしていきましょう」ということであるのを付け加え、「これはずっと京都がやってきたことなんです」と誇らしげに語りました。

 

17の目標をクリアするために、どのようなことを実施していけばいいのか。アイデア豊富な芸人たちから「色々お知恵をいただけたらな」と村上副市長。「目標2:飢餓をゼロに」について、ネイビーズアフロに回答してもらいます。「はじり君、どう?」と浅越に問われ、はじりは食糧増産アイデアとして「鳥取県を平地にして、全部畑にする」と回答。「県レベルで畑にする! 物凄いな、それ」と浅越をはじめ、会場全体が驚きに包まれます。現実的なものとしてはじりは、ケータリングのお弁当の余剰分が出ないように気を付けたり、皆川からはコンビニやスーパーの購買データ分析を細やかにして「発注の無駄を減らす」というアイデアが。さらに皆川は「そもそも、この世で誰も食べない物は廃止していけばいい」と断言し、「例えば、奈良漬とか」と意見に自分の好みを入れ込み、笑いを誘います。ひと笑い終えて、村上副市長は「売れ残りを無くすって、すごく大事なことだと思いますね」と皆川の考えに一部賛同し、「京都に冷凍庫の無い食べ物屋さんがあるそうです。その日仕入れた物は全部売り切ってしまう。京都では人気のあるお店ほど、そういう風にやっている」と実例を挙げていました。また京都市では、「宴会で、お酒を注いで回ってちっとも食べない人が出ないよう、最初の30分は席についてきっちり食べてくださいね、という呼び掛けをしています」と、食品ロス対策のユニークな取り組みについてや、「生きている物の命をいただいて、ご飯を食べているんですよ」と子どもたちへの「食育」にも務めていると述べられました。

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「目標4:質の高い教育をみんなに」に関しては、おいでやす小田、もりやすバンバンビガロが答えます。おいでやす小田は「ひとり遊びの推進。ゲームも良いですけど、ひとり遊びで想像力を高める」ともっともらしく答え、ひとり遊びの例として自身の体験談を。「僕が子どもの頃にやっていたのは、みぞおちに水を溜めて太陽の光の反射を1日見る」とコメントし、会場内をざわつかせます。この回答に銀シャリ・鰻は「変な人育ちますね」とポツリ。「誰が変な人や」とおいでやす小田が反論。「それで何か学んだことあったんや」と浅越がフォローすると、おいでやす小田は「世界は広いな」と感じたそう。浅越は「意識改革凄いな」と感心していました。もりやすバンバンビガロは「ジャグリングをする」です。「老若男女、場所を問わずできるスポーツ。ジャグリングがうまいサークルの大学って、学歴の高いところが多い」と有名大学の名を引き合いに出します。これを受けて、「お二人とも個性的な方ですけども」と戸惑い気味な村上副市長。「明らかに困ってるやないか」と浅越が激しくツッコむと、寛容な副市長は「一人ひとりの個性を大事にして」と意見を受け止めながら、改めて「教育を受けられるということは、本当にありがたい。そうは言っても毎日、毎日、勉強ばかりは嫌だし。学校にも何か楽しいことないといけないよね、ということで京都市では「食育」として給食の時間を大事にしていて季節の食材、素材の勉強もします。1日の生活全部が教育ですよというつもりで学校では教えています」と京都市の取り組みを話します。その成果を感じたのが小・中学生の全国学力テスト。「京都市はどの辺かな」と順位をチェックしたら、「公立の小学生が政令市の中で1番でした」と結果に繋がっているのではとうれしそうに報告していました。そして京都市では、子どもらの学びのために大人がどう行動すべきかを示した「京都はぐくみ憲章」を平成19年に制定していることも。「子どもの命を大事にしましょうというとこからはじまって、子供に尊敬される大人でいましょう。子どもを大切にする家庭、地域社会と視点を広げながら大人も頑張りましょうね」という考えを基に活動に取り組んでいるのをアピールしていました。

 

様々な性的指向が話題に上がる昨今、「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」について、銀シャリが考えます。浅越から指名された銀シャリ・橋本は「ピンク色が好きですし、花柄、キティちゃん、ぬいぐるみとか、ストロベリーアイスも好きですし」と、一般的に「女性が好き」と受け止められがちな物を具体例に上げていきます。「(男なのに)え、ピンク選ぶの?(と言われそうですが)、そういうのが個性やと思うんですよね。(イメージと違うのを選び、)それが斬新な発想になっていきますから」と個性の大切さを説きます。「ざくろジュース飲むことや、ビタミンB1、ビタミンCと美容も気になるんで」と美容への関心の高さを見せ、「銀シャリが日焼けを気にせんと、おコゲになっちゃいますから」とうまくコメントし、納得したお客さんも思わず笑い出します。銀シャリ・橋本は「しっかりとした個性として、周りも「ピンク好きなん、いいやん!」とお互いが認め合えるような世の中になっていけば」と、まとめました。その演説めいた橋本の口調を浅越は「ずっと口角上がってるね。出馬するかのよう」と評し、相方・鰻の考えを聞き出します。「まず、すべきことがあると思います」と鰻は「これだ!」という表情で「ジェンダーさんにお土産を買って行った方がいいんじゃないかと思います。ジェンダーさんが怒ってはるんですよね?」と珍回答で場内が大爆笑です。正しい解説を村上副市長にお願いし、「ジェンダーは、男女の役割を決め付けることを言っていたんです」と教えてもらいます。現代では働く女性も多く、役割の固定化により家事・子育てが女性に大きな負担になることもあり、「それが嫌だから結婚しないという人が増え、少子化にも繋がり、世の中が寂しくなっていく。決め付けないで夫婦で決めたらいい」と副市長は言います。仕事をセーブし子育てに積極的に参加する男性を非難しないように提案し、「男女の役割をもう1回考えてみましょうよ、ということでみなさんが今言ってくれたことを全部まとめてみました」と結びました。これには浅越も「よう、まとめられましたね」と驚きです。加えて副市長はオール京都で「京都ウィメンズベース」を設置したり、「ウィングス京都」においてそういった考えを広めるセミナー、男性向けの料理教室を実施しているのもPRしました。

 

エンディングの時間となり、村上副市長が締めのコメントを。「みんなで幸せになりましょう。誰一人取り残さず、幸せになりましょうというのが「SDGs」です。そのためにとても大事なことがあります。笑うということです」と、笑顔が目標に近づくスタートになると伝えました。

 

最後に、出演芸人たちから会場のみなさまにご挨拶。並ぼうとするも、青の背広繋がりが原因でネイビーズアフロと銀シャリの立ち位置がシャッフルしてオタオタ。「おいでやす」と声を掛けられると、おいでやす小田は「おいでやす」とすぐ返すクセがあるのを浅越が明かすと、場内から「おいでやす」と連呼されます。たまらずおいでやす小田は「いつ終わるねん!」と叫んでいました。幕が下りるまで、「おいでやす」コールが響き、にぎやかにイベント終了となりました。

 

一方、ホワイエでは「四字熟語人権マンガ」入賞作品の展示、人権擁護委員の活動紹介ブース、京都の魅力を学生目線で伝える京都学生広報部「コトカレ」のブースなどを展開。その傍らで吉本新喜劇人気キャラクターすち子やしげぞうの着ぐるみによるグリーティングや、京都府住みます芸人・モンブランが風船で動物を作り来場した子どもにプレゼントしたり、得意の大道芸で行き交う人々を楽しませていました。また館内では「SDGs」を学びながら回れるスタンプラリーも実施され、たくさんの親子連れがスタンプ集めに夢中になっていました。

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