最新ニュースインタビューライブレポート

インタビュー_なんばグランド花月

2014年3月18日 (火)

沖縄新喜劇INなんばグランド花月

3月13日、なんばグランド花月にて「沖縄新喜劇INなんばグランド花月」が開催されました。なんばグランド花月が沖縄一色染まったこの日、ライブにネタに新喜劇と、盛りだくさんの内容でお届けしました!

オープニングを飾ったのは沖縄県の石垣島出身の女性デュオ、やなわらばーのおふたり。透明感のある歌声で「いちごいちえ」を聴かせてくれました。

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そして沖縄新喜劇の座長、ガレッジセールが登場。客席のほぼ半分が沖縄出身者というだけに、「沖縄の人は手拍子を促す前に、率先して叩きますね!」とゴリ、そのノリのよさを絶賛していました。

初めてなんばグランド花月の舞台に立ったやなわらばー、話題はユニット名の由来について。「ふたりとも小さくて子どもっぽいから、同級生からよく“やなわらばー”って言われていたんです」と東里さん。ちなみに、やなわらばーとは石垣島の方言で「悪がき」という意味だそうで、石垣島の前市長さんからは「本当にその名前でいいの!?」と念を押されたこともあったそうです。このイベントでやなわらばーのふたりは新喜劇にも参加することになっており、「コケてみたい」(東里さん「壁にぶつかったりしたい」(石垣さん)と気合十分(!?)。ゴリも「今日は大いにズッコケてください!」と期待をあおりました。

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続いてのネタでは、沖縄出身のセブンbyセブンとスリムクラブが漫才を披露。セブンbyセブンは歌ネタもあり、玉城がボリュームたっぷりの声量で平井堅さんの「瞳をとじて」を歌い切ると、場内は万雷の拍手に包まれました。一方スリムクラブは持ち前のスローテンポな漫才でぐいぐいと、その世界観へと引き込み、笑いを誘いました。

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そしていよいよ「沖縄新喜劇」の始まりです。オープニングテーマ曲も三線の音色を生かした沖縄バージョンとなり、俄然盛り上がる場内。沖縄の食堂「花笠食堂」を舞台に、ヒロイン役の玉那覇由規さんとセブンbyセブン・宮平の恋の行方を軸に花笠食堂での騒動を描いた本公演。ガレッジセール、スリムクラブ、セブンbyセブン、宮川たま子、諸見里大介といった沖縄出身芸人に加え、吉本新喜劇の未知やすえ、スッチー、松浦真也と個性的なキャラクターが続々と舞台に現れ、ドタバタ劇を繰り広げました。また、やなわらばーもさきに宣言したとおり、ズッコケにも挑戦、見事なズッコケを見せてくれました。

舞台中盤では、もうお一方のスペシャルゲスト、具志堅用高さんも花笠食堂のお客さん役として登場。「台本を読んでいない」という具志堅さんに、ゴリをはじめ、翻弄される新喜劇の面々。舞台上は瞬く間に“具志堅ワールド”に包み込まれ、摩訶不思議で軽妙なやり取りに笑いが絶えませんでした。また、シャドーボクシングも披露された具志堅さん、スリムクラブ・真栄田を一撃(!?)する場面もありました。地元だからこそ共感できる“沖縄あるある”もふんだんに盛り込んだ「沖縄新喜劇」、最後はやなわらばーを中心に、BEGINの「島人ぬ宝」を全員で歌い大団円。客席からは手拍子、指笛、カチャーシー(沖縄の踊り)が沸き起こり沖縄らしい盛り上がりを見せました。

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この「沖縄新喜劇」は3月9日にご当地沖縄で初演を迎えたばかりで、なんばグランド花月での公演は2回目。エンディングでは、「お笑いの殿堂で上演できてよかったです。それは吉本新喜劇メンバーの協力があってこそ。また次も上演できますように!」と熱く語るゴリ。未知も「沖縄のみんなの優しさを感じることができて、この舞台に立ててよかったです。具志堅さんを生で見れたものよかった! 素敵な舞台をありがとうございました」と感激。やなわらばー・東里さんは「無事、コケることもできて楽しかったです!」とご満悦。石垣さんも「本当に楽しかったです。具志堅さんは本当に石垣島が生んだ大スターだと思いました!」と、“具志堅ワールド”に魅了された様子。そして具志堅さんも、「すごいメンバーと一緒にすごい舞台に出て緊張しました! でも、緊張の中でやってるから楽しくできました。感謝です!!」と笑顔で感想を語られました。

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かくして「沖縄新喜劇」は大成功、次回の上演が決まりましたら、ぜひ遊びに来てください! 地元ならではの“あるある”も盛りだくさん、ご当地新喜劇をどうぞお楽しみに!

ガレッジセールの動画はこちら ⇒ http://ynn.jp/u/16/
スリムクラブの動画はこちら ⇒ http://ynn.jp/u/462/
未知やすえの動画はこちら ⇒ http://ynn.jp/u/686/
セブンbyセブンの動画はこちら ⇒ http://ynn.jp/u/465/

【ガレッジセール】【スリムクラブ】【未知やすえ】【すっちー】【松浦真也】【セブンbyセブン】【宮川たま子】【諸見里大介】

2014年1月30日 (木)

中川晃教さんとアジアン・隅田が『ヒントン・バトルのアメリカン・バラエティ・バン!』の魅力を語る!

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現在、なんばグランド花月で公演中の『ヒントン・バトルのアメリカン・バラエティ・バン!』。トニー賞を3度受賞したMr.ブロードウェイことヒントン・バトルさんが主演・演出し、本場ニューヨーク・ブロードウェイで活躍するシンガー、ダンサー、バンド、そして日本が世界に誇るタップ・ダンサーHIDEBOHを加えた豪華キャストで連日、プレミアムショーをお届けしています。

そんな『ヒントン・バトルのアメリカン・バラエティ・バン!』(以下、『AVB!』)を観劇したシンガーソングライターで俳優の中川晃教さんとアジアン・隅田美保。ふたりは2012年、吉本興業の100年史をつづった月替わり芝居「吉本百年物語」6月公演で共演した仲。息のあったやり取りで、『AVB!』観劇後のエキサイティングな対談を繰り広げました。

中川:見終わった直後ということでホットです!
隅田:ずっと“フー!!”って言ってたもんね!
中川:ヒントン・バトルさんの「ソフィスティケイテッド・レディ」が素晴らしかった! これ、毎日やってるんですよね!? ヒントンさんが素晴らしい! もちろんHIDEBOHさんも! これは本当に観るべき! 本来なら、日本じゃ観られない! エンターテイナーとして、ダンスも歌もタップもトークも、全部ひっくるめてお客さんを楽しませる。その中でもヒントンさんの歌声は飛び抜けて素晴らしいね。どうだった隅ちゃん? めんちょう中の隅ちゃん!
隅田:そうですね、めんちょう中の隅ちゃんは……いや、めんちょう中の隅ちゃんという紹介はいいんですよ。私は素人ですけど、観ていて本当に楽しい。ずっと前のめりで、耳も目も鼻も毛穴も…。
中川:穴という穴、全部じゃないですか。
隅田:全部しびれた! もうワクワク!
中川:中川:1幕では誰でも知っているような、聞き覚えのあるミュージカル・ナンバーがずらりと並んでいて。こういうメドレーもなかなか日本では聞けないよね。
隅田:そうですね。ミュージカルの看板の映像もいっぱい出てきて、本場で観ている感じになりました。よかった!
中川:本物だよね。当然ながら手を抜いたりとか、そういうレベルじゃなくて、ヒントンさんがエンターテイナーとしてやられてきたものがすべて詰まってる。ヒントンさんを知っている人も知らない人も、ミュージカルを観たことある人も観たことない人も、慣れている人も慣れていない人も、確実に引き込まれるのは何で?って。それは、ヒントンさんの持っているバックグラウンドにすべてあるんだよね。それが2時間半のショーの中で体感できる。日本にいながらこの本物を感じられるのは贅沢だし、ニューヨークに行かなくても、ブロードウェイの魅力が体感できるステージ。これはほかにはない! 
隅田:観られないよね。
中川:こういうことをやっているところはほかにない。何でなんばグランド花月でやってるの!?(笑)。よしもとさんのお笑いでお客様を楽しませるという精神と、ヒントンさんのエンターテイメントのコラボが、さらにガチで見せられたら面白いだろうねってさっきも隅ちゃんと話してたんです。それが観られる日がきっと来るんだろうなって思わせてくれる、エンターテイメントの聖地になりつつあるなっていうのを感じましたね。
隅田:どういうコラボになるのか、思いつかないですよね! 世界が違うじゃないですか。今日、なんばグランド花月の出番やって、観ながら「あー、私、あそこで漫才やってた…。ええー!? ブロードウェイで漫才やってたんかな?」っていう感じになって。
中川:まさにシアターで融合してるわけだよね、一日を通して観られるわけだから。同じステージの上で、歌い手さんとコラボして。
隅田:お笑いで!?
中川:隅ちゃんが踊ってる姿も目に浮かんだもん。セットもそうだけど、すごくシンプルなんだけど、この劇場ってすごくいいなって思わせてくれる発見もありました。セットはシンプルなのに、ゴージャスに変化していくんだよね。すごくショーアップされてた。
隅田:すごいね。特別な装置もないのにね。
中川:すごく考えてるよね。飽きさせないし、一つのシーンが終わっても、また次に違う世界が見えるっていう、玉手箱みたいにどんどん開いていくから。英語だから何言っているか分からないんだけど、すごく乗せようとしている。そこでうまく空気に乗っかると、これぞ音楽、これぞエンターテイメントを体感できる。そういうことを計算つくしたことよって生まれたショーにようこそ!っていう準備は整っているから、あとは僕たちがそこに飛び込むか、飛び込まないか。この一期一会な感じが毎日繰り広げられているかと思うと、すごくレベルが高いよね。同じ仕事をやってる人間から見てもレベルが高い。素晴らしいと思った。バンドもいいね! もう自由自在じゃん。それを「すごい」だけで片付けちゃうんじゃなくて、そこに乗ったらもっと未知の体験が待っている。扉はもう開かれているって感じだよね。

--では、その開かれてた扉に飛び込む一歩って何だと思いますか?
中川:めんちょうさん、何だと思いますか?
隅田:そうですね、めんちょう隅田から言いますと、いっぱい言い方があると思うんですけど、「気にするな」ですね。うまく言えないけど。私もあんまり「わーっ」てするのとかって苦手な方なんですよ。でも、周りの目が恥ずかしいとか、そういうこと関係なく、その空気に乗っかる。
中川:Have a fun!ってことだよね。ステージに上げられるお客さんもすごいノリがよくて。関西人ならではのウェルカム、楽しむぞっていう姿勢は全国で真似たいね。これ、東京でやったらすごいと思いますよ!

--各地からも見に来る価値ありですね。
中川:あると思います。1幕は割と王道。で、2幕でライブハウスになった。ショーとライブハウスの一体感。感動させられるかっていう、一番大切なものがあるんだよね、この作品は。こういうショーを続けてやっていく。続けていけば、興味がなかった人も、興味があったけど観られなかった人も、必ず「あ、また来てる、なんかすごいらしいよ」って口コミになって、「大阪でしかやらないらしいよ」ってなって、観に行こうってなると思う。そこで初めて、本物のエンターテイメントの底が上がっていくんじゃないかな。みんなが楽しめるエンターテイメントっていうところに広がっていくんだなって思う。

--その可能性を十分に感じられた?
中川:はい。ただ、これを日本人がやっていないのが惜しいですよね。ミュージカルをやっている者からしたら、ちょっと嫉妬だよね。花月でこんなすごいことをやってるんだ!って。嫉妬するよね。どう? ちょっと俺ばっかりしゃべってるから。
隅田:良かったシーン? 良かったシーン…。
中川:ずっと寝てたんですよ、横で。
隅田:寝るかアホ! 前のめりやったわ! 全部よかったんですけど、ヒントンさんとバンドの人がやり合ったり、お客さんを舞台に乗せたりするところはすごくいいなと思いました。楽しい。言葉がなくても分かるから、楽しい。私、ブロードウェイで生のステージを観たことなくて、今回の『AVB!』が初めてですけど、重みというか、深みというか…、濃い。うまく言われへんけど、観ていて自分がアメリカ人になったような感じになった。
中川:なんか分かる気がする。あのね、本物を見た時の「何やこれ」っていう、ある意味ショック状態。そのすごさが何なのか分からない。比べるものがない。ブロードウェイまんまの世界じゃないですか。たとえば2回、3回、4回と観ていくと、「同じタップでもこういうタップがあるんだな」とか、「HIDEBOHさんのタップとヒントンさんとかダンサーのタップは、同じタップでもこんなに音色が違うんだ」とか気づくと思うんです。どっちも素晴らしい。その融合がまた素晴らしい。歌も、本物はこうなんだって、お互いの魅力が分かるというか、まんま本物を観てあっけにとられるというか、圧巻される。そういうショックじゃない?
隅田:なんかね、日本でミュージカルを観ていて、体が動いたことがそんなにないんですよ。でも『AVB!』はキャストがほぼ外国人だからか、体が勝手に動くし、観ていて乗ることが恥ずかしいと思わないんです。日本人のミュージカルも素晴らしいですけど、動くのが恥ずかしいというか。そういうことを忘れて観る楽しさがある。それは大きいですね。
中川:このステージを観た人が、日本人のミュージカルとかと見比べることができるわけでしょ。ということは、俺たちも負けないものをやらなくちゃいけない。そこには嫉妬するっていう意味も含まれるわけだけど、お金を払って来てもらっている以上は、それ以上の収穫を得て帰ってもらわなくちゃいけない。それが拍手とか、お客さんのノリ、あの空気の中にすべてあるわけだよね。本当の楽しさを知ったお客さんが日本の舞台を観たときにどう思うのかっていうこととかを考えると、このクオリティの高さに負けないもの、高みを目指していくことをすごく感じた。僕たちがそう感じるからこそ、お客さも観て絶対に損しないものなんだよね。楽しめる。それがテーマだよね。ポピュラーなものをお客さんは求めると思う。…どう? うまくまとまってないよね?
隅田:まとまってますよ~、晃教さん。ありがとうございます、私の気持ちを訳していただいて。

--すごく刺激を受けられている様子が、ひしひしと感じられますね。
中川:うん、すごく。嫉妬しますよ。吉本興業さんでもっとこういうもステージを作りましょう!
隅田:ミュージカルと笑いの融合で。

--舞台に立たれる側として、中川さんは嫉妬するとおっしゃいました。隅田さんは?
隅田:「憧れる」です。私は憧れます。
中川:うまいだけじゃない、踊れるだけじゃない、何かがある。エンターテイメントはそうですよね、歌だけじゃない、芝居だけじゃない、プラスアルファで何がそこにあるか。隅ちゃんもそうじゃないですか。お笑いだけじゃない。翼をつけたり、めんちょうをつけたり。
隅田:ですよね~。
中川:そういうことをいっぱいやってるからこそ!
隅田:中川さん? …その辺にしとけよ!

●公演情報 
HINTON BATTLE’S AMERICAN VARIETY BANG!
ヒントン・バトルのアメリカン・バラエティ・バン!

<公演日程> 2013年12月14日(土)〜2014年2月14日(金)  
<振付・演出・出演>ヒントン・バトル
<共演>HIDEBOH
<脚本>ラリー・ビルマン
<エグゼクティヴ・プロデューサー>高平哲郎
<会場>なんばグランド花月
<チケット料金> S席(1階席・2階席前方)8000円、A席(S席以外)6000円
<お問い合わせ> キョードーインフォメーション ☎06-7732-8888(10:00〜19:00)
HP: http://www.americanvarietybang.com/

アジアン隅田の動画はこちら ⇒ http://ynn.jp/u/145

【アジアン】【隅田美保】

2014年1月28日 (火)

『しみけん、すっちーの新喜劇60 ~座長に・・・なりたいんや!~』第二弾の開催を控えた清水けんじとすっちーに直撃!

吉本新喜劇の世代交代を訴える清水けんじとすっちーが、来たる2月10日(月)、なんばグランド花月で『しみけん、すっちーの新喜劇60 ~座長に・・・なりたいんや!~』の第2弾を開催することが決定しました! 吉本新喜劇の新たなる1ページをめくるべく、座長になりたい思いを世間にアピール。オリジナリティあふれる新喜劇をお届けします。公演が間近に迫った今、未来の吉本新喜劇のカギを握るこの2人に、イベントへの思いを直撃しました!

 

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――昨年10月の第1回目の上演から、早くも第2回目の開催が決定しましたね。

 

清水 そうですね。実は、1回目のイベントをやるとき、「やりましょうか」と動き出してから1年もかかったんですよ。こういうイベントをやるならこんなことがしたいとか、僕らも希望があったんですが、社員さんといろいろ落としどころを見つけたり、折り合いをつけながら。

すっちー なかなか紆余曲折がありまして。まず「座長になりたい」というのが一番にありますけど、世間の皆さんに今、吉本新喜劇って座長がこれだけおって、座長になりたい人もいて…みたいな流れを知ってもらいたいというのもありました。今、何となく僕らも座長みたいなことをやらせてもらってるんですが、座長ではないのですごくフンワリした感じなんです。だから、明確な形で「僕ら、まだ座長とちゃうんです、なりたいんです」というのをはっきりと言えるのでいいのかな、と。

 

――このイベントをやろうと思ったきっかけは?

 

清水 小籔さんが背中を押してくださったんです。僕らも、口には出さないけどうっすら「こんなことしたい」と考えていたんですけど、小籔さんと僕とすっちゃんでメシに行ったとき、小籔さんがはっきりと「どうや? 座長目指してみいひん?」と言ってくれはって、そこでイベントをしようか、と。

すっちー 小籔さんは何かと切り開いてきた方なので、そんな方からしたら僕らのやり方や紆余曲折ぶりはすごくヌルく映るかも知れないんですけど、でも「お前らのペースで行った方がいいな」と言ってくれましたね。

 

――タイトルも、なかなかセンセーショナルなものがあります。『なりたいんや!』に心の叫びを感じました。

 

清水 これは2人で一緒に考えたな。

すっちー 「“座長”という言葉は入れたいですよね」というのはありましたね。「座長を目指す道」とかも考えたんですけど、何がいいんやろうと。で、普通に素直に「なりたいんや!」が一番いいやろう、と決めました。でも、ケンカを売ってるようにならないように「・・・」を入れて。「ちょっと控えめな気持ちもありますよ」ということで…。

清水 「・・・」は、僕らの一番謙虚な部分ですね。

すっちー 「・・・」は、回を重ねるごとに、手ごたえを感じたら数を減らしていこうと思ってるんです。次の公演で『座長に・なりたいんや!』になってたら「お?」と思っていただいて。そう思ったら次また急に『座長に・・・・・なりたいんや!』と5個に増えてるかもしれません。「・」の数で僕らのレベルが今どれぐらいか、という目安にしてもらえたら。とりあえず今回は、前回と同じ、「・」の数を増やさず、減らさずいきました。

 

――思い切った感じも出ていると思います。

 

すっちー もともと関西の人って何かをしたいとき、「○○したいんや!」って言いますしね。たぶん、競艇場におる、ギリッギリのお金で勝負をかけてるギャンブル好きのおっさんのような言葉ですね。

清水 魂の叫びやね(笑)。

すっちー そうですね(笑)。気持ちはすごく入ってますよね。

 

――第1回目の成果を受けて、第2回目に生かしたいことは?

 

すっちー 前回も悪くはなかったと思いますし、僕らもやろうと思っていたことはちゃんとできたと思います。通常の新喜劇で、僕らも1週間任せてもらえる週もあるんですが、それと同じことをやってもアカンのかな、と思っています。通常の新喜劇では、おなじみのギャグを入れつつ、安定感が求められるところなので、僕らの色が入れられるとしたら1割、2割程度なんですが、このイベントに関しては自分らの色を8割、9割出してもいいのかな、と。ちょっと攻めたことをしないとやる意味がないので、「やりすぎやで!」と言われてもいいのかと思います。

清水 「見てよ、おもしろいやろ?」というアピールですね。「2人がそろったら、こんなにおもしろいことができますよ」という。「今までの新喜劇ではこんな流れがありましたが、若手もこんな風に生かしてます。これまでなかったですよね」ということとか。そのうえで、新喜劇のルールもちゃんと守る、ということですね。コントではなく、伝統のある新喜劇のルールにのっとって、その中でこんなこともできるんです、というのを見てもらいたいです。

すっちー もちろん、通常の新喜劇のときは、ちゃんとひくところはちゃんとひいてるんですよ、と。でも、「本来は、これぐらいのことをしたいんです」みたいなことを、このイベントでお客さんに見せられるのが一番ですね。

 

――今の座長の方々から、何か言われたことは?

 

すっちー 前回は小籔さんに「どうやった?」というのは聞いてもらえましたね。世代的にも、小籔さんがいちばん近いからなのか、やっぱり相談に乗ってもらったり、アドバイスをいただいたりする機会は多いです。

清水 小籔さんは、本当にほうぼうで言うてくれてはるんです。テレビにしろ何かにしろ、「この2人が次期座長です」って絶対に言うてくれはるんで、愛情はひしひしと感じてますね。

すっちー ほかの座長の方々は、見守ってくれてはる感じですね。僕らが座長を目指すというのもありますが、吉本新喜劇全体がどう発信していくかとか、どう注目されていくのかというのも考えます。もし座長になるときはもっと注目されなあかんし、そのためにはホンマはこういうやり方がいいんちゃうか? とか。次世代の新喜劇の体制を世間に発信するときに、「インパクトがあった方がいいやろ?」というのが小籔さんの教えなので。「ポンッと世間にアピールできる方法があれば一番なんやけどな」ということはすごく言っていただいてます。でも、一筋縄でいかないというか。やっぱり、大きな歴史のある新喜劇なので。

清水 ふたりでよくしゃべるのは、今後の新喜劇のことというか。これまで譲り受けてきたものを、僕らで守っていかなアカンから、どうしていこうかな、みたいな。今いる若手と力を合わせて、若手にいろんなことをさせてみて、新鮮味を出してみたり。

すっちー ベテランさんとはこういうカラミの方がいいのかなとか、ベテランさんの定番ギャグに、新しいワンフレーズでカラミができたら、とか考えますね。一緒に作れる環境になったらいいなと思います。「永遠のマンネリ」とか、「ワンパターンがいいねん」と言われますけど、やっぱり今までも、ちょっとずつ変えつつですから。そのへんの努力はしていきたいですね。

清水 代々受け継がれてきた新喜劇の技は守りつつ。大崩しはホンマにないですし、新喜劇のお話の流れが斬新になるとか「こんなん、今までなかったやろ?」みたいなことはあんまり考えてないですね。新喜劇は新喜劇として守っていきたいです。

 

――なるほど。前回のイベントでは姉弟を演じられましたが、今回はどんなストーリーに?

 

清水 今回は夫婦です。

すっちー 基本、兄弟とか夫婦とか、関係が近いところでいろいろやっていきたいと思っているんです。今回は夫婦で、ぶつかりあったり力を合わせたり…という感じですね。

 

――前回のサブタイトルは、『なりたくて…なりたくて…』だったようですが、今回は?

 

須知 今回は、『なりとうて…なりとうて…』ですね。

 

――なりたい気持ちがひしひしと。では、最後に「見に行こうかな?」と思っている方々にメッセージを!

 

すっちー 初めて見に来られた方も1回目から続けて見に来てもらえてる方にも、楽しんでもらえる、そういう作りにしています。「初めて見に来てたけど分かれへん」っていうことはないですよ。かたや、続けて見てもらってる方には、ちょっと1回目を踏まえたものをプラスして楽しんでもらえるようなものは入れていきたいなと思ってます。もちろん3回目も考えていますから、続けて見に来てもらえると、いろいろわかってくるというか、ちょっとしたお楽しみもありますよ。

清水 形としても還元していこうと思ってるんです。2回来た人より、3回連続で見に来てくれた人にはこういうのを差し上げます、とか。そんな感じにもしたいですね。

すっちー 何より、毎回パワーアップしていくイベントなので、ぜひ見に来てもらいたいです!

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【イベント詳細】

『しみけん、すっちーの新喜劇60 ~座長に・・・なりたいんや!~』

 

日時;2014年2月10日(月)開場19:00  開演19:30

会場:なんばグランド花月

料金:前売2,000円 当日2,300円/2階席 前売り1,800円 当日2,000円

出演:清水けんじ、すっちー、他吉本新喜劇メンバー

 

 

チケットよしもと:http://yoshimoto.pia.jp/  

 

【YNN動画】

清水けんじの動画はコチラ⇒http://ynn.jp/u/1377/

 

【清水けんじ】【すっちー】

2013年11月20日 (水)

12月14日開幕!『ヒントン・バトルのアメリカン・バラエティ・バン!』の見どころを唯一の日本人キャスト・HIDEBOHに直撃

1987年、なんばグランド花月のオープンを記念して行われた熱狂のステージ『ヒントン・バトルのアメリカン・バラエティ・バン!』(HINTON BATTLE’S AMERICAN VARIETY BANG!)が、この冬、26年の時を経て大阪に帰ってきます! 12月14日(土)より大阪・なんばグランド花月にて上演される同公演は、3度のトニー賞受賞経験を持つ世界的タップダンサー&ミュージカルスターのヒントン・バトルさんを招いて行なわれるレビュースタイルのステージ。日本を代表する“笑いの殿堂”で、歌あり、ダンスありで前回をしのぐ究極のエンターテインメントを繰り広げます。さらに唯一の日本人キャストとして、日本を代表するタップダンサー・HIDEBOHも参戦決定! というわけで、間近に迫った開幕を前に直撃インタビューを敢行してきました。

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——まずは、出演が決まった時の心境から聞かせてください。

単純にビックリしましたよね。ヒントン・バトルさんという人は、『ソフィスティケイテッド・レディース』というブロードウェイ・ミュージカルでトニー賞を獲られているんですけど、その作品の振付をしたのが、僕の師匠であるヘンリー・ルタン。だからこの方は僕にとっても本当に大スターで、若い頃からバイブルのように見ていた作品でありダンスだったんですよね。かつて「ブロードウェイズ・ベスト」と言われていたのが、もう亡くなってしまいましたがグレッグ・バージと、このヒントンさんのふたりで。言ってみれば大スター中のスターだし、年代も違うので、まさかご一緒する機会があるとは…と。

——製作発表会見でも、「何回も何回もビデオを見た」とおっしゃっていましたね。

当時はビデオだったから、もう映像が悪くなるまで見て、そのステップをああでもない、こうでもないって言いながら真似していた。まさに自分たちが成長してきた過程でしたし、いまこうして自分が吉本に入っているということもね、ものすごいご縁を感じます。

——HIDEBOHさんから見た、ヒントン・バトルさんの魅力とは?

タップはもちろろんですが、歌とダンスも飛び抜けて素晴らしい。居ずまいも含めて説得力があるんです。『ソフィスティケイテッド・レディース』にしたって、出演者全員、足が真上じゃなくその向こう側まで上がっちゃう。ちょっとアクロバティックというか…しかも、そこまでダンスが見せ物なのに、歌もあるれっきとしたミュージカルなんだよね、という。一大センセーションの作品だったと思います。その主役の方だというだけでも、そのすごさがわかっていただけるんじゃないでしょうか。

——そんなビッグスターと、記者会見ではタップで初共演されました。

会見用に1日のリハでやったんですけど、緊張というよりは、そのことに“浸る”というほうが強かった。別のところにもうひとりの自分がいて、「わー、この人とねえ…」っていうか(笑)。不思議にじーっと見てしまうという感じ。「ヒントン・バトルだよなあ…そっくりさんじゃないよな」とかいろいろ(笑)。あと、あの時は「ヒデボー」ってまだ呼べなくて「ヘデボー、ヘデボー」っておっしゃってたので、これから稽古の中で教え込まないと(笑)。

——さて、今回の新装『アメリカン・バラエティ・バン!』は、どんなショーになるんでしょうか?

レビューと呼ばれるスタイルで、いろんなスタイルの歌やダンスが次から次へ出てくると思います。つまり本場ブロードウェイのスタイルですよね。オムニバスって言ったらちょっと語弊があるとは思いますが…バラエティショー、かな?

——いろんなおいしいところが詰め込まれているんですね。

そうです! タイトル通り、本当にバラエティに富んだことが、ショーの形態として織りなされる。出演者には多方面のスペシャリストの方が集まっているので、すごいものが見られると思いますよ。

——ダンスにしても、いろんなスタイルが見られる。

だから飽きないと思いますよね。ヒントンさんは、ヒップホップとスウィングを合わせた“スウォップ”というダンスを編み出されたんですが、これが日本で初披露されるそうです。僕も生で見るのは初めてなんですよ。

——では、HIDEBOHさんご自身が、出演にあたり一番楽しみにしていることはなんですか?

ヒントンさんと共演をするシーンがあるので、そこで受ける刺激はきっとすごいと思う。スキルだけじゃなくて、「あ、こういうところはそんな居ずまいでいいんだ、逆にそれがよく見えるんだ」とか、そういうことも勉強できるはず。しかも毎日、板の上でどんどん変わっていくと思うんですよね。だから、生ものとしての舞台そのものを楽しみにできるかな、と。

——今回は、ダンスやミュージカル、ショーなどは初めて、というお客さんもたくさん来場されると思いますが、ズバリ“楽しみ方”を指南するとすれば?

その場にいていただいて、言われるがままに(笑)楽しんでいただければ。あんまり考えなくていいと思います。それが一番かな。ストーリーがどうとかではなく、感じるまま、流れに身を任せていけば楽しめるようにできているはずです!

——HIDEBOHさんのタップも“生”で見られる機会はなかなかありません。

映像だと、やっぱり音像が伝わらないんですよね。生は低い音も高い音も、さらには呼吸みたいなのまで全部伝わるので、ぜひ体感していただきたいですね。生でしか、そこでしかできないことというのが起こると思いますから。

——ちなみに今回、日本人唯一のキャストということで、期するところもあるんじゃないでしょうか?

ニューヨークにいた時は、外人の方とやるのは当たり前のことでしたが、ホームグラウンドである日本なのに、自分ひとりしか(日本人が)いなくて…って、なんかどんな感じなんだろうなって。しかも東京でもなく関西でやる、というね。独特の経験ができるのかなと期待しています。もちろん、日本代表という意味でも頑張らないと!

——本番が今から楽しみです! では、最後に意気込みも交えつつ、読者へメッセージをお願いします。

ブロードウェイのショーは現地に行けば見られますが、このなんばグランド花月で上演する今回のショーは、他では決して見られないし、いまだかつてないものになると思います。僕にとっても、一期一会のショー。先ほども言いましたが、生じゃないと伝わらないものだと思うので、ひとりでも多くの方とこの時間、空間を共有したいと願っています。

——お話にあったように、毎日、変化していくところも見ものですよね。

根本的に曲が変わるとかではなく、ノリの中でやり方が変わっていくんですよね。そこが面白さでもある。12月にご覧になった方が、2月に入ってまた見られると、全く違うものになっているかもしれません。だから最低2回以上は見てもらいたいですね(笑)。必ず違うものを感じていただけると思います!



HINTON BATTLE’S AMERICAN VIRIETY BANG!

ヒントン・バトルのアメリカン・バラエティ・バン!

<公演日程> 2013年12月14日(土)〜2014年2月14日(金) 

※プレビュー公演 2013年12月12日(木)・13日(金)

<振付・演出・出演>ヒントン・バトル

<共演>HIDEBOH

<脚本>ラリー・ビルマン

<エグゼクティヴ・プロデューサー>高平哲郎

<会場>なんばグランド花月

<チケット料金> S席(1階席・2階席前方)8000円、A席(S席以外)6000円

<お問い合わせ> キョードーインフォメーション ☎06-7732-8888(10:00〜19:00)  

HP: http://www.americanvarietybang.com/

●HIDEBOHも参加! よしもとダンス向上委員会発足

無料「ダンスワークショップ」も開催決定! 詳しくはコチラ

http://www.yoshimoto.co.jp/dance/



【HIDEBOH】

2013年10月25日 (金)

小籔千豊、土肥ポン太と同期3組で芸能生活20周年をお祝い!ファン待望のスペシャルイベントをCOWCOWが語る

今年で芸能生活20周年を迎えた小籔千豊、COWCOW、土肥ポン太の同期(NSC大阪12期)3組が、来たる10月31日(木)、なんばグランド花月にて記念のスペシャルイベントを開催します! 題して「ファンのみんな、こんなん待ってたんちゃうの?」。90年代後半にフルーツ大統領としてともに活動し、現在は吉本新喜劇座長、ピン芸人、コンビとしてそれぞれに活躍する盟友たちが見せる一夜限りの舞台とは!? 3組を代表してCOWCOWのふたりを直撃してきました。  

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——20周年おめでとうございます! 節目の年、お仕事のなかでも、改めて20年という歳月を感じられることが多いんじゃないですか?   

多田 ロケとかやってても、スタッフにあんまり怒られなくなりましたね。気を遣ってくれてるのか、スタッフがみんな年下になったのか…なんか、逆に申し訳なくて。僕は「悪いとこあったら言うてな」という気持ちなんですけど(笑)。やっぱりそのへんは、20年やってきたからかなという感じはありますね。   

——今思うと「あっという間」でしたか? それとも「ようやく」?   

善し 大阪で8年、東京に行って12年になりますが、後半の10年は早かったですね。

多田 もう東京で活動するようになってからの方が長くなりました。

善し 僕は向こうに行って2年で結婚したから、今年で10周年、娘が10歳。

多田 10周年! やりますか!

善し いや、家族の10周年やから(笑)。   

——方や多田さんも、3年前にご結婚されましたし…。   

善し ふたりとも大阪でひとり暮らしをしてたのにねえ。

多田 20年続けてきたからこそ、いま家族があるのかもしれません。続けてなかったら、のたれ死んでたでしょう(笑)。

善し まあ、何があるかわからないですからね。

多田 ほんと、やっててよかったという感じです。   

——こうした周年イベントは単独でされる芸人さんがほとんどだと思うのですが、今回、3組でやることになったきっかけは?   

多田 みんな、単独でやるのが怖いんでしょうね。単独でやったら全部自分のせいになるから、3組ぐらい集まって、悪いことになっても誰のせいかわからんようにするという。

善し うやむやにするんやね。  

——まさかの理由です(笑)。  

善し 僕ら自身は、毎年「COWCOW LIVE」もやってるし、20周年だからといって大きな花火を打ち上げる的なことは考えてなかったんですよ。

多田 そんな時、小籔くんから「やらないか」と。

善し 小籔はなんばグランド花月で新喜劇という形の20周年をやるもんだと思ってたんですけど。

多田 最初は「小籔くんが単独で20周年をやって、ゲストで僕らが行くっていうのはどう?」って言ったんですが、「いや、3組でやりたい」と。まあ、小籔くんもうやむやにしたかったんでしょうね(笑)…というのは冗談ですけど、仲のいい同期の3組でやりたいということやったんで、断る理由もないと言いますか。で、決起集会みたいな感じで、東京のすごい高い寿司屋に小籔くんが呼んでくれたんですよ。「競馬で勝ったからおごったるわ」って。そこで打ち合わせもしたんですけど…ほとんど愚痴ばっかりでしたね。

善し 高い寿司屋でよかったな、と思いました。それでトントンですよ。あれが普通の寿司屋やったら、食べれたもんじゃなかったと思います。酸っぱさが増してたような会話でしたから(笑)。

多田 そんな高いお寿司をおごってくれた手前、もう断れなくなって、やるということに…。   

——土肥さんの反応はどんな感じだったんですか?   

善し ポンちゃんは「なんでもやるよ」みたいな感じでしたね。

多田 土肥くんは以前から小籔くんとトークライブをやってるし、そこに僕らがゲストで呼んでいただいたこともあったんで、その形でもいいんじゃないかとも提案しました。   

——さまざまな提案をされたんですね(笑)。   

多田 やっぱり責任を逃れたかったんでしょうね、僕も(笑)。ゲスト的な感じでなんとかしたかったんですけど、とりあえずは3組が芯となってやろうということになりました。   

——会場は、なんばグランド花月。   

多田 これも小籔くんのこだわりなんです。最初、僕らは5upよしもとでもいいんじゃないかという弱腰の提案をしたんですけど(笑)、「いや、3組で20周年やし、なんばグランド花月で行こう」という小籔くんの強い押しがあったので…。

善し そうそう。

多田 それはもう断れません(笑)。

善し タイトルに「ファンのみんな、こんなん待ってたんちゃうの?」とあるように、これまで応援してくれてた皆さんが集まってくれれば、きっとなんばグランド花月も満杯になるやろうと思ったんですけど…よく考えたら、過去にはこれぐらいのクラスの劇場でやってなかった。うめだ花月シアターでずっとやってたんで、マックス300人いたかいないかぐらいやったな、と気付きました。

多田 今のところ、少なくとも300枚ぐらいはチケットの売り上げを達成できてるので、過去のファンの方は全員来てくれるんやなと思ってます。本当にありがとうという感じですよね。

善し できればその時代のファンの方が、結婚して、旦那さんや子供さんを連れてきてくれれば、動員も4倍5倍になるわけですけど。   

——なるほど、ファミリー参加ですね。   

善し でもまあ、ファンの方たちを見てたら、結婚もしてないんだろうなっていう(笑)予想もしながら。   

——イベントの具体的な内容も、ちょっぴり教えていただけないでしょうか?   

多田 昔を懐かしめる内容にはなってますよね。

善し 懐かしさプラス、みんなの現状をミックスした感じのライブになると思います。

多田 だから、昔見に来てくれてた方は懐かしくて、新たに来てくれる方は「昔はこんな感じだったんだ」というのもわかり…。そして、もちろん今の感じもわかるという、誰が来ても楽しめるライブになっています。   

——もう一歩、踏み込んで明かすとすれば…?   

善し アレやるのか、みたいな。

多田 いろいろ噂が飛び交ってますけど(笑)。

善し まあ僕たちとしても、みんなで集まって懐かしい感覚にはなりましたね。

多田 アレやるのか、アレやります、という感じですかね。   

——わかる人にはわかる、まさにタイトル通りの…?   

善し そうです。「こんなん待ってたんちゃうの?」というのを。

多田 お客さんに押し付けるような感じで(笑)。   

——(笑)。ところで、おふたりから見た小籔さん、土肥さんは、どんな存在なんですか?   

多田 単純に言えば、小籔くんがメジャーの天才、土肥くんがマニアックな天才ですかね。すごいふたりやなと思います。

善し 同期でありながら、ふたりのほうが年上というのもあって、お兄ちゃんみたいな感覚があるんですよ。何やっても許してもらえるから、昔から本当に自由にやらせてもらってきましたね。そういう意味も含めて、やっぱり仲がいいんですよ。年上としての敬いもありますし、同期という絆もある。これが同年代、同級生になってくると、またちょっと変わってたんじゃないかな。

多田 たぶん、世の中で一番話が合うふたりかも。価値観が一番近いと思うんですよ。だから、あのふたりが「それはちょっと違うんちゃう?」とか「それは間違ってるで」って言ったら、きっと間違ってるんだろうなと思う。基準というか。

善し 日の当たらないうめだ花月シアターで、同じような境遇というか環境のなかで育てられたんで(笑)。方向性というんでしょうか、真逆に食い違うということはほとんどなかったですね。プライベートでもよく遊びましたし、今でも普通にご飯食べに行ったりとかしてますから。   

——今回は20周年ですが、30周年、40周年の時はどうなっているんでしょうね。   

多田 みんな辞めてるかもしれませんよ…。   

——ええっ! 全員!?   

善し で、食堂で瓶ビールでも飲みながら集まってるかも(笑)。   

——そうなっても、やっぱり仲良しなんですね。   

善し (笑)あの頃はよかったなあ、なんて話しながら。

多田 30周年も、やれたらいいですよね。でも、誰かひとりだけバーンって行ってて、ほかの3人があんまりやったら…その時はもう中止でしょうね(笑)。

善し 3組で深夜に番組でもやって、その流れで…というのが理想かな。

多田 いいですね! でもあんまり一緒にいすぎたら仲が悪くなるかもしれないので、適度な距離感は保って。

善し そうですね。

多田 半年に1回ぐらいの番組とか、できたらいいなあ。   

——では最後に、今回のイベントの見どころを交えつつ、読者へのメッセージをお願いします。   

多田 もちろん舞台での出し物もありますけど、合間のブリッジVTRもすごく楽しめるようになっています。このイベントでしか流さないので、見逃さないようにしてください。

善し あと、休憩が入るんですよね。

多田 お子さんも一緒に楽しめるように、ということで。

善し ただまあ、さっきも言いましたけど結婚してるかどうかね…しててほしいですけど(笑)。過去の映像と今のそれぞれがコラボするようなこともあるので、本当に誰が見ても楽しめると思います。

多田 「ファンのみんな、こんなん待ってたんちゃうの?」というタイトルなので、いっぱいになってないと恥ずかしい。「そんなに待ってなかったんや」ってなりますからね(笑)。ぜひたくさんの方に見に来てもらいたいです。   
  


小籔千豊・COWCOW・土肥ポン太 芸能生活20周年記念

〜ファンのみんな、こんなん待ってたんちゃうの?〜   

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日時:10月31日(木) 18:30開場 19:00開演

会場:なんばグランド花月

出演:小籔千豊、COWCOW、土肥ポン太

料金:前売2000円 当日3000円(全席指定)   

チケットよしもと:http://yoshimoto.pia.jp/   
  


【YNN動画】小籔千豊はこちら⇒http://ynn.jp/u/628/

      COWCOWこちら⇒http://ynn.jp/u/191/

      土肥ポン太はこちら⇒http://ynn.jp/u/829/   
  


【小籔千豊】【COWCOW】【土肥ポン太】

2013年10月11日 (金)

豪華ゲストにゆるキャラも絡む!? ザ・プラン9、「ザ・コント9」を語る

メンバーそれぞれが幅広い活動を展開しているコントユニット、ザ・プラン9が、豪華ゲスト陣を迎えておくる年に一度のお楽しみライブ「ザ・コント9」。今年も間寛平、南海キャンディーズ・しずちゃんなど濃〜いメンバーを揃え、10月18日(金)なんばグランド花月にて開催します。いったいどんな顔合わせで、どんな笑いが飛び出すのか!? さっそく4人を直撃してきました。

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——今年で3回目となる「ザ・コント9」。毎回、秋にやっておられますね。

久馬 ほんとは9月9日とかにやりたいんですけど、その日はナイナイさんに取られちゃってるんで…(笑)。だから、あんまり意識してないよって感じの10月に。

——いろんなライブをやっておられる中で、「ザ・コント9」はどういう位置づけなんでしょうか。

久馬 それまでも、ずっと年1回のコントライブをやってたんですけど、ユニット(コント)もやりたいなというのがあって。ゲストが加わるとどうなるのかなということで、1回目をやってみたら楽しかったという。

浅越 新鮮でしたよね。楽屋でご一緒していても、舞台ではコントをしたことないなという方々ばかりでしたから。

——「ザ・コント9」では、タイトル通り9つのコントを披露されるんですよね。

久馬 みんながそれぞれに、一緒にやりたいゲストとのコントを書いたり、もちろんプラン9でのコントもやったり。そして最後にまとめのコントがあるという形ですね。ゲストは、各自が希望を出して呼んでいます。

——今回のゲストは、どなたがどなたにオファーを出されたんでしょう?

ヤナギブソン 僕はヨーロッパ企画さんを希望しました。人数がたくさんいるコントを書く予定で、ヨーロッパ企画さんは3人で来てくださるということでしたし。でも実際に書いてみたら、11人必要なコントになってしまって、全く足りませんでした。

なだぎ 僕は野口かおるに。この人と何かをやりたいなというのはずっとあったんですけど、ちゃんとネタとしてやるっていう機会が意外になかった。

浅越 僕が名前を出したのは、寛平師匠とBKB(バイク川崎バイク)です。寛平師匠とコントをする機会自体、今回を逃したらないんじゃないだろうか、みたいな気持ちもありますしね。

——寛平さんがプラン9さんのイベントに出られるのは初めてですか?

久馬 一緒に仕事をすることはもちろんありますけど、うちのイベントに出てもらうのは初かもしれません。

浅越 1年前に「ザ・コント9」を何かで知ってくださったみたいで、「どんなんや」みたいに聞かれましてね。その時「おー、わしも呼んでくれや」と、社交辞令かもしれませんが言ってくださったので、「OKしてくれるかも?」とお願いしてみました。

——バイク川崎バイクさんは?

浅越 バイクさんは今、ブンブン頑張ってるから、一緒にブンブンやりたいなって。

久馬 (笑)。

浅越 あれ、一体感が出るんですよ。

久馬 僕はしずちゃんですね。ずっと興味はあって、何かやりたいと思ってたんですが、実はほとんど一緒にやったことがない。忙しい人で、なかなか時間が合わないですし…やっと今回、実現できました。あとはアイドルコントを1本やろうと思って、福本(愛菜)さんにお願いしました。

——ゲストの方々の魅力についても聞かせてください。

ヤナギブソン ヨーロッパ企画のお三方には、やっぱり演技力を期待しています。しっかりコントを演じていただけると思うので。

——なだぎさんと野口さんは、おふたりだけでコントをされるんですか?

なだぎ いや、浅越くんを入れて3人でと考えてます。しっかりとできる人と、支離滅裂なふたりっていう(笑)。そういう構成で何かないかなという感じで考えました。野口かおるは、お題を出せば何でもやるので、その感じも楽しみたい。しっかりまとめてくれる人もいるので安心です。

浅越 寛平師匠には、暴れてもらいたいですね。以前、昔のVTRで、坂田(利夫)師匠と寛平師匠がスリッパで叩き合いをしているところを見たんですが、それがおもろくて。いい音出すんですよ。坂田師匠が寛平師匠の頭を叩いた後に、たたき返すスピードの速さが最高でした。

ヤナギブソン (笑)。

浅越 叩くやいなや感がすごかった。そういう瞬発力、舞台力というのを熟知している方だと思うんで、それに巻き込まれたいですね。巻き込まれて、もがきたいぐらいです。

——寛平さんは、乗ってくるとかなり長いコントになる可能性もありそうですが…。

久馬 それはもう、自由にやっていただきたい。でも、渋い役どころも全然できはりますからね。逆にそういうのも見てみたいです。(「ザ・コント9」は)だいたい2時間ぐらいには収まるはずなんですけど、毎回、お客さんに乗せられてついつい長くなってしまうんですよ。お客さんがすごいんで、やっちゃいますね。

なだぎ (笑)。

——バイク川崎バイクさんも、独自の世界があります。

浅越 彼は、ちょくちょくおびえることがあるんですよ。挙動不審というか、小動物感がたまにあるので、そのあたりをちょっと仕掛けてみたいです。

——しずちゃんについてはいかがですか?

久馬 普段は漫才をやってる方ですけど、やっぱり演技力が素晴らしいですから。あの巨体を使って、何かやってみたいですね。あんまりコントとかもやってないと思うんで、楽しんでもらえたらなあと思います。

——福本さんは、今年からコメディエンヌを目指して奮闘中です。

久馬 末成(由美)さんと一緒にポスター写ったりしてますからね。1年前からは考えられないです。

浅越 何か汚れ役をやってもらいましょう(笑)。

久馬 僕、『熱血!人情派コメディ しゃかりき駐在さん』(ABC)で一緒にやってたんですよ。あ、それも10月15〜17日になんばグランド花月でやりますんで、よかったら見に来てください(笑)。28日、29日は『ウラなんばグランド花月』っていうのもやってて…。

なだぎ ええっ!?

浅越 もはや久馬グランド花月ですね。

なだぎ ほんまやなあ。

——そういえば、前回は、ポスターのビジュアルがコントに絡んでくるという仕掛けがありました。今回も、このゆるキャラ的なものが絡んでくるんでしょうか?

なだぎ 先ほどリーダーが、これの着ぐるみで出てこようかみたいなことを言ったとたんに、会社の人間に断られてました(笑)。

久馬 そんなお金ないって…(笑)。

浅越 ギブパンだけできるって言われてました。

ヤナギブソン やったーっ!

——これはどなたが考えられたんですか?

久馬 知り合いのデザイナーに作ってもらいました。僕らをイメージしたゆるキャラで、と伝えただけです。食べ物とか出身地とかにちなんだ感じで一回描いてみてって言ったら、なだぎさんが“ダメダメオ”(笑)。

なだぎ 僕だけ支離滅裂。みんな首かしげると思いますね。なんでなんやろうかって。

——ご本人にもわからないとは(笑)。

久馬 腕が6本なのか速く動かしてるだけなのか、とかもわからない。見えてない後頭部は何なのか、顔なのか髪の毛が生えてるのか。

なだぎ 同じ顔ですからね。阿修羅面のように違う顔があるわけじゃないですから。

ヤナギブソン “きゅうさん”も5匹いますから、どれがどれなんかわからないですよ。

久馬 これは一応、「レシピに合わせて百変化」っていうことでね。

——ゴエさんは、いつも指摘されている立派な太ももを題材に。

浅越 僕は全く太いと思ってないですけどね。ノーマルな太ももだと思ってます。おかしいなあ…。

——そしてギブソンさんは、もちろんパンシェルジュの資格をお持ちだからギブパン。

ヤナギブソン これはねえ、焼くとアンパンマンに似てしまうので、発酵中という苦肉の策だそうです(笑)。今ちょうど、ふくらんでいってるという。

久馬 せっかくなので、何かしらコントにからめたいと思ってるんですけどね。

——当日、どんな形で登場するのか楽しみです。では最後に、「ザ・コント9」の見どころいついて教えてください。

浅越 コントの色が全部違うんで…出てるメンバーも変わってきますからね。コンビの単独とかだと、ずっとふたりが出てると思うんですけど、(「ザ・コント9」は)いろんなパターンがある。そこですね。

なだぎ 寄せ鍋みたいな感じで、いろんな味を楽しんでいただけたら。

久馬 普段はみんなバラバラで、レポーターとかコメンテーターとかいろいろやってますけど、ガッと4人揃ってコントをやるこの日は、1年間のリポーターとしての集大成を…。

浅越 ないです。出せないです。

久馬 培ったものを出し合うという場なんでね。

浅越 コントに関係ないような気がするんですけどね…(笑)。

久馬 やっぱりコントが本職だぞというところをバシッと。

浅越 わかりました。レポーターパワーで頑張ります。

なだぎ コントを見ていただける機会も減ってきているので、純粋に見に来ていただきたい。自分自身も、コントをやってる時が一番楽しいんでね。何も考えずに楽しんでいただけたらなと思います。

ヤナギブソン おっしゃる通りですね。僕も同じです!



「ザ・コント9」 

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日時:10月18日(金) 19:00開場 19:30開演

会場:なんばグランド花月

出演:ザ・プラン9 

ゲスト:間寛平、南海キャンディーズ・しずちゃん、バイク川崎バイク、福本愛菜、彩羽真矢(シンフォニア)、野口かおる(クリオネ)、ヨーロッパ企画(石田剛太、角田貴志、土佐和成)

料金:前売2500円 当日3000円

チケットよしもと:http://yoshimoto.pia.jp/

【YNN動画】ザ・プラン9はこちら⇒http://ynn.jp/u/84/

【ザ・プラン9】【お〜い!久馬】【なだぎ武】【浅越ゴエ】【ヤナギブソン】

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2013年9月29日 (日)

先人たちの逸話たっぷり! 月亭八方が『月亭八方落語誘笑会パート3』を語る!

舞台はもちろん、楽屋ニュースなどテレビでも人気を集める落語家、月亭八方がお届けする『月亭八方落語誘笑会パート3』の開催が決定しました! 今年も落語を2席、中川家による漫才と、そして先人たちのウソのような本当の話をお披露目する「軽口楽屋ばなし」をお届けします。そこで、『月亭八方落語誘笑会パート3』への想いを語ってもらいました!

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―『月亭八方落語誘笑会』もいよいよ3回目です。

 

一番は、お客さんに来ていただくことですから、そのためにはとにかく楽しい話をしたいと思っています。見どころというか、聞きどころは「軽口楽屋ばなし」ですね。我々の先輩方の逸話を。結構、これを楽しみにしていただいているようです。こちらをメインにしまして、あとは落語家ですから、落語を2席、やらせてもらいます。

 

―改めて『月亭八方落語誘笑会』に思うことは?

 

上方の落語家が、大阪のミナミのど真ん中に自分の看板を上げられることでしょうね。「看板を上げる」と言いますが、漫才師でも「お前の看板、上がってるで!」というのはそういうことで、「看板を上げる」というのは大変なこと。それを上げさせてもらえるのがすごいですね。それは、野球していて甲子園に出られたというのと同じ理屈です。やっぱり場所なんですね。

 

―今回はどんな「軽口楽屋ばなし」になりそうですか?

 

去年のええところは使いながら…とはいえ、これは台本がないもんでね。そのときに、どう脱線するのか、話が転がっていくのか。その瞬間に思い出して話すとかいろいろあります。落語みたいに「これをやります」と決めないんですよ。だから、一番は僕のそのときのコンディションと、当日のお客さんとの“あうんの呼吸”やね。これは緊張しますよ。有名な歌で「話し下手 聞き手上手に 助けられ」というのがありますが、我々芸人は「ええお客さんやね、今日は」とか「今日はいつもより長いで、お客さんがいいから」と言うじゃないですか。お客さんを無視して我々は語ることはできません。幸い、「月亭八方」と銘打ってるから、「月亭八方キライやから、絶対に笑わんとこう」というお客さんはまずいないでしょうけれど(笑)。

 

―確かにそうです(笑)。

 

今は芸人も、真面目にやることが大事で、真面目に生きるというのは美しいことで大事なことじゃないですか。でも、同じ真面目でも、対象が、人なのか自分なのか、というね。人に真面目に接することは、世間的には非常にいいことですが、自分に真面目やったらワガママに取られがちでしょう。でも、我々の世界の「自分に真面目に生きている必死さ」を知ってもらえたらええなと思うんです。例えば「俺は芸人やから、破天荒に」ということが、真面目な考え方なんですよ。「芸人をしてるモンが、なんで夜に家にいてるねん。これはアカンやろ」と真面目に捉えた者が、夜の町をウロウロするんやね。

 

―そして、いろいろな珍事を(笑)。

 

そう、それが芸人らしき姿というね。常識と非常識があるけど、実は非常識はないねん。常識しかない。おかしなことする人間も実は真面目に考えて常識の範囲でやってるねんけど、世間から見たらそれが非常識に見えて、「常識とはこうや」と言うから非常識になる。それがあるから、芸人が生まれるんですよ。お客さんはお金を払って、それを見ながら喜んでくれてはるわけやねん。芸人が非常識であればあるほど、見てみたいと思ってもらえる。我々としては常識でやっているけど、それをお客さんが「やっぱり私たちとは違うは、おもしろい!」と感じてもらえるのが一番やね。そういうところを「軽口楽屋ばなし」で、先人のバカさ加減、アホさ加減を聞いてもらって、笑ってもらって「やっぱり違うな」と思ってもらえたら、お金を出していただいて並んでいただく価値があると思っています。

 

―なるほど。では、落語のことも聞かせてください。

 

今年は「千両みかん」、「猫の忠信」、どちらも上方落語です。「千両みかん」は大阪の船場で、皆さんもよく知っている場所ですし、「猫の忠信」は当時の大阪の庶民の生活ですね。ですから、おもしろいと思いますよ。

 

―今回は2つとも古典落語なんですね。

 

別に、新作、古典とこだわってないんですよ。落語を、つい新作とか創作とか古典とか分けたがるけれど、そうじゃないと思うんです。落語は「おとしばなし」であって、笑いを誘うようなもの。笑いやから、こうと決めつけるものじゃないと思うねん。決めごとじゃなくて「おもしろい、こっけいな話が聞ける」ということですね。

 

―そして中川家さんの漫才も楽しみです。

 

中川家の漫才で、お客さんの空気を変えてもらえたらええなぁと思ってね。前回はかまいたちで若手やったけど、やっぱり中堅も素晴らしいなぁと思っていますから。漫才をやる側にとっても、普段と空気が違うからいいと思いますよ。靴を脱ぐし。漫才師は意外と靴を脱ぐと喋りにくいらしいね。慣れてへんから。それに所作台がありますから、ドタドタ鳴りますし。漫才中に「ええかげんにせえ!」ってツッコむときにドンと台を叩いたら、ドーンと音が出るから余計に迫力が出るやろうね。反対に、喋ってるときに変に動いたら音を出さなくてもいいときにまでドタバタと音が鳴るから、気になるかもしれん。それもまた、ひとつの経験になると思いますよ。

 

―もりだくさんの内容ですが、見に来られる皆さんにメッセージをお願いします!

 

「これがいいから見る!」じゃなくて、こういうものを見る時間を持つのもいいよという。「この時間においしいもん食べられたのに八方を見たばっかりに」というのも、終わったあとにおいしいものを食べるための準備みたいなもんで(笑)。7時15分開演ですから、できたら食事の前に来ていただいたほうがいいかな。終わった後に「おいしいもん食べに行けばよかった」と思うのか、それとも「いやぁ~、なんか満腹、満足やわ。でもお腹空いたな、何か食べようか」と思うのか、そういう基準にしていただくのもいいし(笑)。またはNGKにお越しになって、あのフランス製の広い座席の真ん中あたりに座ったら、トイレに行きにくいという発見をしてもらえるだけでも「トイレ行きにくいわ、次から隅っこにしよ」というのでも(笑)。夜は夜で雰囲気が変わりますし、大阪のなんばの花月に来る機会としていただけたらと思います。ぜひともよろしくお願いします。

 

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『月亭八方落語誘笑会パート3』

 

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日時:10月26日(土)18:45開場 19:15開演

会場:なんばグランド花月

出演:月亭八方/月亭八光/中川家

料金:前売3000円、当日3500円(全席指定)


チケットよしもと:http://ticket.yoshimoto.co.jp

【YNN動画】月亭八方はこちら⇒http://ynn.jp/u/666/


【月亭八方】

2013年9月27日 (金)

「ちょっと大人な僕らを見てください」20周年記念の単独ライブ『20歳』をシンクタンクが語る!

今年、20周年を迎えたシンクタンクが、満を持しての記念ライブ『20歳』を開催! 会場は、「僕たちを育ててくれた」というホームグラウンド、なんばグランド花月。内容やゲスト、そしてライブに向けての熱い思いなど、あれこれじっくり聞いてみました。

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——20周年おめでとうございます! 今年はおふたりにとって“節目”の年とも言えそうですが…。

近江のこかじろう(以下、こかじろう) いや、意識はしてなかったですね。

タンク 気付いたら20年でした。15周年ぐらいのときは思ったんですけど、何故か20周年のことは…。

こかじろう 特にないんちゃう?

タンク 「あ、20年やってこれたんか」という感じでしたね。長いとかも、全く感じなかった。ただ年月が経っただけの話で。

こかじろう 20年、この世界で同じコンビで続けてこれたことが奇跡みたいなもの。最初の頃はあれだけいた漫才師が、やめたり解散したりして、今も残っているのはわずか数えるほどやし…その中でよう残ってるなといのはありますね。

——20年間、続けてこられた一番の秘訣は何だと思われますか?

こかじろう ええ会社やったからちゃう?(笑)

タンク (笑)まあそれもあるでしょうし。ホンマに20年間、いろんな人にかわいがってもらってきたと思うんですよ。すごく恵まれてたと思いますし、すごくいい環境の中で育ててもらった。決してこの20年を、僕らだけでやってきたなんて思ってないですし、皆さんに助けていただいてやってこれたと思います。

こかじろう そうやな。

タンク それと、今までの人生の中でこれだけ一緒にいた人間って、相方しかいないですよね。20年間、ついつい道から逸れてしまいがちな僕を、ちゃんと軌道修正してくれた。船で言うたら、舵を取ってくれてたんでしょうね。目の前で言うのもすごく気持ち悪いんですけど(笑)、ほんまに感謝してます。だから20年、こうやって無事…でもないですけど、のらりくらりながらでもやってこれたんかな、と。

こかじろう いやいや、僕なんか。

タンク 今日はこのまま、謙遜し合って終わると思います(笑)。

——(笑)。このおふたりだからこその20年だった、と。

こかじろう あとね、たぶんふたりとも、殻を破れないんじゃなくて、破らなかったんやと思う。「客入らんでもええねん、やりたいことやんねん!」って誰かとケンカすることもなく、「僕ら、これぐらいやれますから」という20年。だから今回、なんばグランド花月でイベントをやることすら僕らには挑戦というか…。

タンク 20年目にして初めてちゃいますか? こうやって自分らから「やろう!」ってなったのは。

こかじろう 周りの方からは「すごいな」「やんのんかいな」と言っていただくんですが、裏を返せば「大丈夫かいな」と思ってはるはず。

タンク そして、僕らもその裏を返せば、10年目でもなんばグランド花月でやろうと思えばできたんですけど、やらなかったんや、と。自分らで自分らの位置が、よくわかってたんかな。

こかじろう そういうことでしょ。

タンク 「今はこのポジションやな」とか、「今、何をするべきか」とか、いつもコンビで話し合ってましたから。お互いおさぼりさんのくせに、そういうことはやる(笑)。もし、「毎日会って稽古するぞ!」「ネタ書いてこい!」とワーワー攻めてくる相方やったら、続かなかったと思うし。やっぱりお互いがお互いをわかって、今日までやってきた。相方は、嫁よりも僕の性格わかってくれてるんちゃいますかね。

こかじろう 知らん知らん(笑)。

——これぞコンビ愛!ですね。

こかじろう そしてやっぱり、続けてこれたのは仕事があったからですよね。漫才をやった時に、お客さんがワーッと笑ってくれる。いつも70点から80点は取れてると思ってますけど、年に1、2回は100点の時があってね。そうすると、もう何もなかったかのように次また頑張れるわけです。そう、何もかもが帳消しになってしまう漫才の魅力というのがある。だからやめられないなあ、と。で、漫才をやめられないなら、このコンビでやっていくのが一番やろうというね。

タンク 皆さんががよく、「ちょっとひと味違った…」とか、「20年経ったから角度を変えて」とか言うじゃないですか。でも、20年やってきて、そんな急にひと味もふた味も変えられるもんじゃないということは、自分たちが一番よくわかってるんですよ。でも、なんばグランド花月でイベントをやるっていうことは、僕らが20年やってきたことを見せたいんです、やっぱり。もちろん新しいことにも挑戦したいし、まだまだ40代前半でバリバリ動く時ですけど、今回は、皆さんに感謝の気持ちだけを全面的にお見せしたい。

——20年目のお披露目会ですね。

タンク まさに成人式ですよね、ポスターの通り。

こかじろう 漫才があってよかった、なんばグランド花月があってよかったという気持ちをね。

タンク 僕たちは、ほんまになんばグランド花月で育ててもらったようなもの。テレビっ子でもラジオっ子でもなかったし、僕らは劇場と営業、生の舞台で叩き上げられてやってきた人間なんで。やっぱりこのライブでは、100点のものは無理でも、20年やってきたそのままのものを見せたい。そして、この20年間、我々を支えてくださった方とか、いろんなことで導いてくれた方とかに出ていただいて、盛り上げていただけたらと思ってます。

——具体的なライブの内容は、もう固まっているんですか?

タンク もちろん漫才と、あとは今、劇場でやらせていただいてる坂田(利夫)師匠とのコントも。

こかじろう 最近、漫才の番組に出てないこともあって、「シンクタンクってまだやってたん?」とか言われることがあるんですよ。だから、来ていただくお客さんには「20年やってました」「これからまだまだやります」というのを見ていただきたいもんね。

——先ほどもおっしゃっていた、「20年やってきたこと」を見てもらうという。

タンク 背伸びをせず、今、確実に手に取れるものを出さないと、逆にお客さんに失礼。2500円払って来ていただくわけですからね。舞台の上もそうですけど、来てくださるお客さんも、我々が20年間お世話になった人だと思うんですよ。

こかじろう そんな人も、僕らの20年をすべては知らんから、それをお見せできれば。

タンク 確実に手が届くものを見せれば、必ずお客さんは喜んで帰ってくれるから。やっぱり、ひとりでも多くの方に笑っていただいて、楽しんで帰っていただかないとね。

——“豪華ゲスト”も気になるところです。

こかじろう 師匠である里見まさと、そしてコントでお世話になっている坂田師匠は決まりですね。

タンク 言い出したら、端から端まで出てもらわなアカンというぐらい、お世話になっている方ばかりなんですが(笑)…今のところ、このおふたりは必ず。でも、基本は僕ら漫才師なんで、自分たちがマイクの前に立つということを前提でやらせていただきます。

——まさと師匠から、何かライブに向けてお言葉はありましたか?

こかじろう 「オレはええけど、坂田さんは呼んだんかいな?」って言うてました。

タンク 自分より、ほかのお世話になった方をちゃんと呼んでいるかが気になったみたいですね。これぞ里見まさと、というお返事が返ってきました。でも、とにかく一番感謝している方ですから。「弟子っ子なんて古いなあ」って言われることもあったけど、そうでない人たちにはわからないものを僕らは体験してきたし、「自分の親にもしてもらったことないで」ということをやってもらってきたし。

こかじろう 自分も、自分の親にしたことないようなことを、師匠にはしてきたしな。

タンク 未だに怒られるし(笑)。

こかじろう 恩返しって、こういうことでしかできないわけですから。この先30年、40年と続けてこの世界で生きていけることが恩返しやなと思ってます。集大成を見せないと!

——ちなみに、20年を振り返るトークみたいなものは?

タンク 20年振り返ったって、僕らはホンマにほわっとした話しかできないんでね…あそこの営業先のあれ、おいしかったよな、とか(笑)。つかみ合いのケンカしたのも1回だけ。激動の20年なんてないんですよ。それに、過去よりもこれからを向いてやりたいイベントなんで。

こかじろう 漫才で見ていただけたら、それが一番いいと思う。昔のネタもやると思いますしね。

タンク 20年といっても、特別肩に力いれてやるわけじゃないんで、20歳の子がタバコくわえてお酒を持ってるみたいな(笑)…ちょっと大人な僕らを、まったりと見ていただけたらいいと思います。

——最後に、次の30年、40年に向けての目標も聞かせてください。

タンク たぶん解散はないと思うし…僕、19歳のときに結婚して離婚してるんですよね。よく「お前はバツ2やんけ!」とか言われるんですが、「コンビはサラじゃ!」っていう。そうですね、コンビでは金婚式まで…。

こかじろう ええっ!? 50年? 69歳?(笑)

タンク まあ次の30年、40年は、周りから「30周年イベントしなはれや」って言われるようになっとけたらいいなと思いますよね。自分たちから言い出すんじゃなくて、「ええー? しゃーないな、やろうか?」って言いたいです(笑)。




シンクタンク単独ライブ「20歳」

Photo

日時:10月6日(日)18:40開場 19:00開演

会場:なんばグランド花月

出演:シンクタンク/豪華ゲストあり

料金:2500円(全席指定)

チケットよしもと:http://yoshimoto.pia.jp/

【YNN動画】シンクタンクはこちら⇒http://ynn.jp/u/149/

【シンクタンク】

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2013年9月13日 (金)

三浦マイルドが、なんばグランド花月で単独ライブ開催! “不可能を可能にした男”の意地がここに!

今年2月に開催されたピン芸日本一決定戦『R-1ぐらんぷり2013』で見事、優勝を勝ち取った三浦マイルド。そうしてアンダーグラウンドを這うようにして生きてきた男は、“R-1王者”の称号とともにメジャーフィールドへひとっ飛び。ついには9月20日(金)、笑いの殿堂・なんばグランド花月にて『三浦マイルド単独ライブ MGK~マイルドグランド花月~』を開催することになりました! そこで、この単独ライブに賭ける思いを三浦マイルドにインタビュー、その胸の内を聞きました!

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--『MGK~マイルドグランド花月~』についてお伺いする前に、今年のマイルドさんと言えば何といっても『R-1ぐらんぷり』の優勝が挙げられます。そこで、優勝する前と後での心境の変化をまず、教えてください。

三浦マイルド「舞台に立つごとに責任が生まれているというか。“R-1王者”というふうに紹介されますし…。今までは自分の好きなことをただただやるというか。お客さんの反応が悪くても、“自分は面白いと思ってるんだ、これがやりたいお笑いなんだ”ってバーンっとやってたんですけど、それが許される状況だけじゃなく、“R-1王者”としてちゃんとネタをしなければいけない場所がたくさんあって…。ちょっと伝わりにくいことや、自分が面白いと思っていることをわがままにできる場所が単独ライブだけになってきましたね。『R-1ぐらんぷり』がとれてうれしい反面、そういう制約もあるというか…」

--その一方で変わらないことはありますか?

「アルバイトしながら芸人をやっている頃も、芸人の仕事でちゃんとお金がもらえるようになった今も、根本にある”お笑いをやれている幸せ”は全然、変わらないです」

--“R-1王者”としてのネタをする場所というのは?

「例えば、なんばグランド花月であったりとか、お祭りの余興であったりとか。見てくださる方が僕のことを“R-1王者”だと知らないのだったら、知らないままやりたいぐらいです。“R-1チャンピオン、三浦マイルドさんの大爆笑ステージです! どうぞ~”とか、“はちゃめちゃステージを皆さんお楽しみください!”とかって、えらいやり辛い紹介をされるなぁと(笑)。この前、東京03さんに相談したんです。“余興とか営業とか、チャンピオン!!っていうふうに紹介されて、やり辛くないですか?”って。そしたら、“やり辛いよ~。でもまあ、1年だからね”って。それで、残りのあと半年は逆に楽しもうかなと思ってます。そうやって言われるのも今年いっぱいですしね。また来年優勝したらわからないですけど」

--確かに、そういうご紹介のされ方というのは、ハードルが上がりますね。

「そら僕も、爆笑ステージ、はちゃめちゃステージにしようと思って(舞台に)出ますよ。ただ、先に言わんといてくれよって思います(笑)」

--では、9月20日の『MGK~マイルドグランド花月~』ですが、まず、なぜなんばグランド花月で単独をされることになったんですか?

「やっぱりまだまだ、会社、世間の人たちは、マグレやろうと思っていると思うんです。いやいや、違うよ、実力で獲ったんだよって僕は思ってますので。なので一発、これを成功させて。……世間までは響かないかもしれないですけど、お笑いを愛して、劇場に来てくれているお客さんに“三浦マイルドはこれだけのことができるんだぞ”ということを一発、示さないといけないなと思いまして」

--NGKからオファーがあったんですか?

「いや、僕からやらせてほしいと。支配人にやらせてくださいと」

--ここはひとつ、NGKで行こうと。

「そうですね、お笑いの劇場の中でで最高の劇場なので、そこで最高のことをやろうと」

--いつごろから、この単独をお考えだったんですか?

「やろうと決めたのは6月くらいです。ほかにももっとやりたいことがあって。それをやらせてほしいと言った時、大丈夫なのか?とか、ちゃんとお客さんが入るのか?とか、なかなかOKが出なかったりするので、一発、この単独ライブを成功させて、今後、僕がやりたいことを推し進められるようにしたいんです」

--周りの人にちゃんと示しを付けて。

「そうですね」

--6月に決めて、OKをいただいて。OKはすんなりですか?

「最初は、まだ世に出ていない後輩を出して、“どうでしょ、こいつら面白いでし?ょ”っていう形でやりたかったんですけど、いろいろ相談していく中で、″絶対にそういう無謀なことはやるな”と。NGKという場所なんだから、ふさわしい人を出して、それでちゃんと三浦マイルドは面白いんだということを見せたらいいじゃないかとなりまして、先輩をゲストにお呼びすることになりました。笑い飯の哲夫さん、ヤナギブソンさん、同期ですけどモンスターエンジンの西森くん、中山功太さん、ヒューマン中村、あと、ハリセンボンの箕輪はるかさんで大喜利をしようかと思いまして。世間の方には僕のことはあんまり響いてないかもしれないですけど、お笑いファンには″やっぱり、三浦マイルドは劇場で見てもめちゃくちゃ面白いな”っていうことをしっかり示したいので、ゲストの方と大喜利で対決します。みんな大喜利がすごい方たちばかりなので、″絶対勝ちます!”って言いたいところですけど、本当にすごい方たちなので…。でも、この方たちを相手に三浦マイルドがどれだけやれるのか、観に来てほしいですね。前半がネタで、後半が大喜利です。あと、ちょっと生意気と思われるかもしれないですけど、大きい会場でのお笑いライブってお祭り的になると思うんです。それはそれですごく楽しいし、素晴らしいものだと思うんですけど、僕は絶対、熱湯のように熱いお笑いをやりたいんですね。なので、そういうところをお見せしたいと思います。芸人が本当にプライドを賭けて戦うような舞台を」

--熱湯のように熱い笑いとは?

「芸人がプライドを賭けてちゃんと立っているかどうかですよね。プライドを賭けずに立ってる場所なんかないかもしれないですけど、より負けたくないという気持ちが弾けあっているようなものを僕は熱い場所だと思ってます」

--マイルドさんが今まで出られた中で、そういう「熱いライブ」は何ですか?

「やっぱり『ダイナマイト関西』ですね。2005年か2006年に出させてもらった時、その前日は眠れなかったんです。当日も負けて。もう悔しくて悔しくて、1年ぐらい引きずってしまいました。そういうふうな熱い場所を求めているというか、そういう場所に立てるのは本当に最高だなと思います」

--ご自身のライブも、いつもそういうお気持ちで?

「そうですね。単独ライブも僕だけに期待して来てくれるので、そんなお客さんを満足して帰せないとなったら僕の負けなので、本当に勝負だと思ってます」

--単独ライブの前とか、結構、気持ちががーっと入り込んでしまいませんか?

「もう気持ちも高ぶりますし、夜も何回も目が覚めたりしますね。でも、こういうことを定期的にやっとかなあかんなとは思うんです。僕、これをやらんかったら“R-1王者”っていう肩書にだけすがりついて生きて、どんどんダメな芸人になるような気がするので。やっぱり、自分の中でしんどいなとか、きついなっていうことは絶対にやっておきたいです」

--“R-1王者”という称号に寄りかかってしまいそうな時があるんですか?

「いやもう、普段はすがりまくってます、本当に(笑)。ほんまにもう…。それがあるから会社も僕にえさを与えてくれているなと思いますし」

--その称号を手にして、やっぱり違いますか?

「そうですね。昔だったら許されないようなこととか…。このNGKの単独もそうですけど、普通の出番もいただけていますし…」

--なるほど。自分を奮い立たせるために定期的に…。

「やりたいなと思うんですけど、ほんまに今回のNGKの単独がコケたら、次はないですから。次はないですし、僕がこれからやりたいと思っていることもできないでしょうし、ある意味命が懸かってますよね」

--会社の方、お笑いファンの方、世間の方に“こういうことができるんだ”って見せるためにイベントを開かれるわけですし。

「それでNGKの800人以上入るキャパでお客さんが200人とか、300人だったとなるのは悲しいので」

--動員のプレッシャーもあると思いますが、今の心境はいかがですか?

「あの、ノイローゼになりそうなくらい悩んでます。本当に。僕も人気がないので、″800人も呼べるのか”とか、社員さんから、芸人さんから、いろんな人に心配されて聞かれるんですけど、僕は1回、不可能を可能にしたので。はっきり言って『R-1』の優勝も僕がするって、思っていたのは僕だけでしょう。誰ひとり、思ってなかったと思うんです。それを僕はやれたので、だから今回も不可能は可能にできると思うし、不可能っていうのは臆病者の言葉だと思ってるので、できると思ってます」

--不可能を可能にできるという自信も、『R-1ぐらんぷり』のたまものですね。

「そうですね。あきらめなくなりましたね。一番変わった部分はそこかもしれないです。今年の『R-1』では、自分でも自分じゃないくらい、よく自分を持てたというか。35歳にもなって、人ってこんなにも変われるんだなって。もっといいふうに変わっていけたらいいなぁって思いますね」

--それはすごくいい経験ですね。あきらめなくなった。NGKの単独を経て、やりたいことというのは何ですか?

「2つあるんですけど、年内にやりたいのは、チャリティーライブです。お笑いでチャリティーをやるのってすごく難しいと思うんですけど、僕にしかできない形でやりたいです。でも、会社がOKを出してくれるかわからないですけど。もう1つが、どうしようもない芸人を集めて下ネタライブをやりたいです。どうしようもない芸人を集めて」

--チャリティーと真逆そうですね。下ネタライブはとことん、ゲスくですか?

「そうですね」

--では、今回のNGKではどのように?

「そうですね…僕は僕のやりたいようにやりますとだけ、お伝えします」

--チャリティーライブについてもう少し教えてください。

「チャリティーライブは、僕がまだオーディションを受けているような頃からやってたんです。難民を助ける会にも送ったことがあります。今度のは、東日本大震災の義捐金とか、何らかの形でできたらなと思うんですけどね…」

--この2つを今後やっていくためにも、NGK単独をがんばって。

「そうですね、ちゃんと発言力を持てるように。発言力というか、三浦マイルドはやるじゃないかっていうところを見せないと。僕がこれやりたい、あれやりたいって言ってもなかなか難しいと思うので、ここは絶対に成功させたいです」

--今、お話を聞いていて、物事を順序立ててお考えの方だなと思ったんですが、そういうふうに物事を進めていくタイプですか?

「どうなんですかね~、思いつきでやったりとか、すぐ感情的になったりもしますし。最近になってからですかね、物事を進めるにはちゃんと段階や順序を踏まなければならないとわかってきて。少しずつ、真人間になりつつあるという感じです」

--真人間に。結果を一つ出しているというのは大きいですね。

「大きいですね、本当に」

--NGKの単独に話を戻しますが、前半のネタはどのようなものをお考えですか?

「新ネタもやるんですが、ありネタをパワーアップさせて出したいと思ってます」

--大体何本くらい?

「おそらく5本ですね」

--それは、三浦マイルドという芸人のすべてがわかるようなネタですか? それとも片鱗ですか? 

「劇場によく観に来てくれる人には、こういう引き出しもあることをわかってくれていると思うんですけど、その一握りの方にも、″こういうところもある、こういう面もある”というところを見せたいと思います。新たな発見をしてもらいたいと思います」

--今回は800人以上というキャパで、中にはマイルドさんを『R-1』で知ったという方も来られると思いますが、どういうところをお見せしたいですか?

「僕、腹を抱えて笑っている人を見るのが好きなんです。もう、苦しい!!っていうくらい笑っている人。僕ももちろん、そういうネタをやりたいと思って作っていて…。ほっこりや、ほほえましいことであったりと、そういう笑いはそういう笑いで本当に素晴らしいし、素敵だなと思うんですけど、僕は絶対、腹をよじらさせたいと思っているので、それをやります!」

--舞台からその、お腹がよじれている光景を見るのはどういう心境ですか?

「ほんまにしんどい思いをしてでも作ってよかったなぁっていう快感がありますね。子どもの頃に腹がよじれたものは忘れないですからね、一生。数えるぐらいしかないと思うんですよ。苦しい!!っていうくらい笑うことって。 『MGK~マイルドグランド花月~』では、それをやりたいと思います!」

●『三浦マイルド単独ライブ MGK~マイルドグランド花月~』
9月20日(金)
開場18:40 開演19:00
前売・当日共/1階席2,000円、2階席1,800円
出演:三浦マイルド
ゲスト:ヤナギブソン(ザ・プラン9)/笑い飯 哲夫/中山功太/モンスターエンジン 西森/ヒューマン中村/ハリセンボン 箕輪

チケットよしもと http://ticket.yoshimoto.co.jp

【三浦マイルド】

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