新しいエンタテイメントを届けるべく、次の、そして新たな才能を発掘・育成・確立する発信基地としてオープンする「ポストよしもと」。そのこけら落とし講演「語ルシス」が3月31日(土)、4月1日(日)の2日間行われました。このイベントは、芸人を始め文化人やスポーツ選手などから、語りたいことがある面々が集結。それぞれが10分間で伝えたいこと、好きなこと、教えたいことなど、テーマを決めて熱く語るというものです。31日(土)のナビゲーターはスマイル・瀬戸、聞き上手としてバッファロー吾郎・竹若、平成ノブシコブシ・徳井、福本愛菜が登場しました。
まずは瀬戸が登場し、新劇場の感想を会場に聞いてみると「サイコー!」との声が。お笑いにこだわらず様々な発信をすること、次のエンタテインメントを届ける自由な空間であることを伝え、この「語ルシス」が10分で好きなことをひたすら語っていくという内容であると説明しました。そして、このイベントを盛り上げる「聞き上手」3人が登場。竹若が「聞き上手役」であることを「聞いてない」とひとボケ。3人には「ただただ聞き上手になってほしい」と瀬戸。徳井は東京で同じようなイベントをやっているとのことで「俺はすごい聞き上手」と豪語。秘訣を聞かれると「すべてのものに興味があるから」とサラリ。そして今日はすごく楽しみと話します。
そこから瀬戸が最初に登場する6名を紹介。出演者の名前が呼ばれるたびに会場からは拍手が起こります。そして一番手として、スマイル・ウーイェイよしたかがステージへ登場、結婚生活について語ります。よしたかは2年前に結婚、娘も生まれたと切り出しますが、とにかく嫁が強くなった、大化け猫だったと告白。付き合っているときと全くパワーバランスが変わったと嘆き、まだ子どもが小さく静かにしないとダメなので、缶ビールを開ける音にも嫁からチェックが入ると話しました。ほかにも、結婚するならコレはいい、あれはダメと最初に契約をしてほしい、さらに結婚式の打ち合わせは単独ライブくらいしんどいとアピール、飲みに行くのも気を使うとなど、様々な不満を吐き出していました。
続いては、藤崎マーケット・田崎の「ガンから復活した男、藤崎マーケット田崎が語る〜人間ドッグのススメ〜」。ガンを克服したばかりの田崎。まず「何故、人間ドッグを語るのか」をテーマに、ステージ中央のモニターを使ってのトークを始めます。人間ドッグのことが気になっていた田崎は、なぜかある1週間、毎日「人間ドッグに行かないと」と思ったそう。そして行ってみるとガンが見つかったとのこと。今日話すことで、皆さんのいいきっかけになればいいな、と田崎。「腫瘍マーカー」「PET CT検査」についての説明では、聞き上手の面々から質問が上がるなど、誰の身にも起こりうるテーマだけに、会場も聞き入っていました。
三番手のほんこんは登場するなり「話が違う」とグチからスタート。こけら落としなのでみんなそろって挨拶すると聞いていたところ、昨日になって今回の内容を知ったとのこと。さらにテーマが「政治・経済」だったものの、配信も行われているので、ヤメてガンについて話すと急遽テーマ変更をぶち上げます。会場から笑いが起こりますが、本当にガンの話しがスタート。聞き上手の3人も思わず聞き入るトークを展開します。そして、しばらくガンについて語ったあとはサーフィンの話しに。最近、ハマッたロングボードを湘南でやっているそうで、波待ちしているときにボラが当たってきたというエピソードや東野幸治、岡村隆史の番組でサーフィンに行ったときの裏話などを語ったほか、相方である板尾創路の話題を持ち出すなど、大いに盛り上げました。
吉田たち・こうへいは、まず自分たちが双子で、このあと同じようなヤツが出て来ると前フリ。テーマは「キャプテン翼」です。ストーリー内に出てくる様々な必殺シュートについて、サッカーボールを片手に熱弁しました。
仮想通貨の一件で話題を呼んだ藤崎マーケット・トキは「経済」について。まず、お金に関する興味が人の88倍あると自己紹介し、銀行やお金についてのトークを繰り広げます。ジンバブエで起こったハイパーインフレからトキが行っているラーメン店まで、幅広いテーマが語られました。「最終的に何に投資するのか...仮想通貨です!」のひと言には、会場から笑いと拍手が起こりますが、聞き上手役の3人からブーイングも。トキはあの事件で本当に落ち込んだとき「ハイヒールモモコさんの顔が仮想通貨に見えた」というエピソードも披露してくれました。
吉田たち・ゆうへいは、自分たちの見分け方をまずレクチャー。「吉本坂46で落ちた方です」との説明に会場からは拍手と笑いが起こります。トークのテーマは、新劇場ということで、こんなライブどうですかという企画を考えてきたとのこと。それが「名物おじさん」。自分たちの地元にいた人など、街にいるいろいろな名物おじさんたちを紹介するという内容に、聞き上手役も興味津々。本当にライブとして実現したいと力強く語っていました。
ここで瀬戸が登場し、一旦ブレイクです。徳井はいろいろ聞きたくなるので、トークを7分、あと3分は質疑応答にしたいと提案。さらに「元アイドルの話とかめっちゃ聞きたい」と話すと、愛菜も「いっぱいありますよ」と乗り気の様子でした。
ダブルアート・真べぇは、まず持ちネタでひとスベり。「ゴシップ」をテーマにトークをスタートさせます。ベテラン俳優のカツラ疑惑やアイドルと大物歌手の関係、人気俳優とタレントの乱闘騒ぎなどを実名で披露。今日の内容はSNSで広げたらダメ、忘れて帰ってくださいよ!と念を押していました。
からし蓮根・伊織はホワイトボードを使って「オール巨人」について語りました。オール巨人のスナックでバイトをしているという伊織。まず巨人の生年月日、身長、体重などを発表したあと、マジメでやさしいという人となりや、最近購入したという愛車、大好きな富士山について、歌っている姿が人気ミュージシャンに似ているなど、近くにいるからこそ知り得た裏話を披露しました。
続いてはスポーツ界から、元Jリーガーの近藤岳登が登場。「サッカー選手のお金」をテーマに、モニターを使ったトークが始まります。まずJリーガーになってもたくさんお金がもらえるわけではないと断言。そこから自身の過去の契約条件など、厳しい現実について話していきます。画面に「合コンで使えるサッカー選手査定講座 Jリーガー詐欺に引っかからない心構え」の文字が出ると会場からは拍手も。そして合コンでの実践的なやりとりが披露されると、会場は爆笑に包まれます。そこからもサッカー界のお金にまつわるトークを連発。予定時間を大きく超える18分のトークは、大いに盛り上がりました。
からし蓮根・青空は「新日本プロレス」がテーマ。名物選手たちを次々に紹介。選手が巻き込まれた事件や恐妻家の一面、決め技をかけたときの表情など、様々なエピソードを話しました。
ステージに登場するなり、なぜかいきなりヒゲを剃り始めたのはダブルアート・タグ。一番好きなバンドという「セックスピストルズ」についてトークです。「1年3カ月の活動期間で音楽の世界に革命を起こした!」と語り、バンドの成り立ち、メンバーのキャラクターなどについて、熱い思いを会場に伝えました。
続いては若手コーナー。目指せ!語ルシス!!「超若手プレゼンショー」予選会です。エントリーしている若手8名が1人30秒でトーク。竹若、徳井、愛菜が審査員になり、もう一度話しを聞きたいと思った3人が、決勝へ進むというもの。メンバーは、クラドメタケ、サルイン、バンチー陳、こゆり、おパンプキン・おりいかえで、いつもたいしゃ・しんじくん、リルガーデン・山西、福田ヒロムという面々。それぞれがテーマについて、様々なプレゼンを行いましたが、中には思わぬ経歴を持つ者がいるなど、審査中も大盛り上がり。決勝に選ばれたのは、アインシュタイン・稲田の入れ歯を作ったというパンチー陳、宇宙の神秘についてプレゼンした、おパンプキン・おりいかえで、審査員に日本茶をふるまったリルガーデン・山西です。この3人は決勝として、後ほど改めて2分の時間が与えられることになりました。
休憩を挟んで、後半戦へ。まずはロングコートダディ・堂前の「燻製」についてのトークです。燻製するという作業自体の楽しさを伝えにきたと堂前。燻製に使っていたという百均のボウルと金網を持ち出すと、聞き上手の3人も興味を持った様子。自分の作ったやつはおいしくない、アウトドアで一回もやったことがないなど、ぶっちゃけトークを連発したほか、サラダチキンや塩サバ、イカの天ぷらなど、実際に自分が燻製したメニューの味についてもレクチャー。「売っているものの方が圧倒的にうまい」という言葉には、会場からも笑いが起きていました。
続いては相方のロングコートダディ・兎が登場。ホワイトボードに書いたのは「アクアリウム」の文字です。「自分は今はやってない」と告白したあと、癒されることを力説。さらにオシャレであること、魚の種類が多いことなどを話しますが、若干トークが説得力不足気味。「知ってることを説明されても」「内容がパンフレットの1ページめに載ってること」など、聞き上手の3人から次々にツッコまれていました。
ここで弁護士の角田龍平が登場。「最近の犯罪の傾向について、動機に着目して講義したい」とトークがスタートします。実際にあった事件を取り上げ、そのユニークな動機を紹介、裁判の様子なども説明されました。取り上げたのは、ビニールフェチが高じての窃盗や妖精を追いかけての住居侵入など。その数々の笑える動機が明かされると、会場からは笑いのほか、驚きの声も上がっていました。
「緊張しますね」と言いながら登場したのは、ギャロップ・毛利。世界のトップDJについてのトークです。DJはオリンピックの開会式、閉会式には出ていると話し、世界10位のDJで19億稼ぐことを伝えると、聞き上手の3人も驚きを隠せません。DJ=サウンドプロデューサーと話し、1位は64億円、1回1時間で4000〜5000万円稼ぐことや、毛利が好きなDJ・スティーブ青木のユニークなエピソードについても解説しました。
続いてはコロコロチキチキペッパーズ・ナダルが登場。ナダルは会場に「休日に何をしていますか?」と質問し、休日にぜひ漫画を読んでほしいと提案します。映画や小説と同じく、漫画もワクワクするとナダル。なかでも読んで欲しい作品として「日の丸相撲」を挙げます。その理由が「めちゃくちゃおもしろいから」と聞いた徳井、竹若からはすかさずツッコミが。それからもナダルの感じる魅力を伝えようとしますが、直筆フリップの「魅力」の字を間違うなど、やはりツッコまれます。さらに作中の名言を読み上げるも、シチュエーションがわからないため、全然伝わらないということに...。本人も会場のリアクションの薄さに「...選ぶのミスったかな?」と弱気発言もありつつ、アニメ化されることを伝え、最後まで本当に読んでほしい!と語っていました。
ギャロップ・林は「武豊」についてトーク。林が会場に武豊の名前、顔を知っているか質問すると、ほとんどの人が手を挙げます。そこから、競馬番組でも顔の露出がほぼ無いにも関わらず、これだけの認知度があることを力説。そしてこれまでの戦績、弛まぬ向上心などについて熱く語ったあと、最終的には「武豊という名前が有名になる名前」と断言し、「競馬は武豊です!」と締めくくりました。
ここで先程行われた若手プレゼンショーの決勝が行われました。まずはパンチー陣。幽霊の手の形やお金と恋についてなどについて、医師ならではの視点でトークを展開。おパンプキン・おりいかえでは、NASAが開発中というワープする宇宙船、生まれたての星の驚くべき姿、太陽が2つになるなど、知られざる宇宙の姿について語ってくれました。リルガーデン・山西はプレゼンで配った2時間かけて煎れたという一煎目と二煎目のお茶の違いについてトーク。栄養分、効果などについてもレクチャーしました。厳正な審査の上、優勝はおりいかえでに決定。金一封が送られると、会場から拍手が起こっていました。
いよいよラストのブロック。見取り図・盛山は「韻」という個性的なテーマです。NSCでラップの講師をしているという盛山が、実際のJポップなどの例を出しつつ、韻について解説。盛山は徳井の出した「ポストよしもと」というお題に「僕のお仕事」と即答するなど、さすがは講師という実力を見せます。盛山から韻を踏むクイズが出されると、聞き上手の3人に加えて、会場もその気持ちよさを実感していました。
ラニーノーズ・山田は「ホラー論」でトークを展開します。最初にホラーが苦手という人に手を挙げさせると「アカーン!」と絶叫。ホラーはエンタテインメントであると話し、声を出して見ることを提案します。怖がりな人ほど楽しむ資格を持っている、怖くて叫ぶことはお笑いで笑うのと同じと解説。さらにホラーには勉強や教訓になることが多いとのことで、実際の作品を上げ、内容などを説明しました。
ラニーノーズ・洲崎は「星野源」について。まずは星野源のイメージを会場に問いかけます。そこからミュージシャン、役者、文筆家であることに加え、ダンスもできる、ラジオのパーソナリティでもあることなどを説明。音楽的ルーツや現在の新展開について語ったあと、大ヒット曲について声を大にしていいたいことがあると話し始めますが、聞き上手の3人には今ひとつ伝わらず...。しかし実際のライブ会場での様子や以前患った大病についてなどをファンならではの視点で熱く語り、最後は自分との類似点を羅列し、ほとんど自分であるとオチをつけていました。
プリマ旦那・河野もアーティストを紹介すると登場。「ゆず」についてのトークがスタートです。デビューまで活動していたというストリート最後のライブに7,500人が詰めかけたことを紹介。NGK10個分くらいと例えますが、徳井が「わからない」とダメ出しする様子に笑いが起こります。それからも「厚ちゃんのミックスボイス」について実際に曲を流して解説、さらに厚ちゃんは20年ヘアスタイルが同じことなど、ゆず愛を感じさせてくれるトークを聞かせました。
「ビール」をテーマにしたのは、見取り図・リリー。まず日本のビールメーカーのルーツとなった国がすべて違うことを話し、瓶ビールの王冠のギザギザが21個であることの理由、ビールを飲んでいたオジサンとのエピソードなどを披露しました。そして最後にどれだけビールが好きかを証明するために効きビールをすることに。間違えると1年間ビールを飲まないということで、スタートします。しかし「舞台上は味しないですね...」と不安なコメントも...。1つめは当てますが、「どんどんわからなく...」とグビグビ飲み始め、結局2つめでミス。ステージから去っていきました。
プリマ旦那・野村は「ロックの名言」についてトークしました。偉大なギタリストが残した「あなたにとってギターとは?」という質問への様々な返答や、ジョン・レノン、ポール・マッカトニーへの「尊敬するアーティストは?」という質問に対する驚きの答えなど、名言を次々と紹介。しっかりオチのついたものもたくさんあり、会場は笑いに包まれました。
5時間に及んだこけら落としイベントもいよいよエンディングです。瀬戸から感想を聞かれた愛菜は、いろんなジャンルの話しが聞けておもしろかったと笑顔。徳井は「竹若さん、やばい!だいたい知ってた」と竹若の博識ぶりに驚いた様子。竹若は自身がこのイベントに出て語るとしたらと聞かれ「2ストエンジンとか...」と答えるなど、隠しきれないマニアックな一面をのぞかせます。そして大阪の隠れた才能がどんどん出てくればと、これからのポストよしもとに期待を込めました。最後に瀬戸も、この劇場は今後も特化したイベントをやっていくとアピール。明日4月1日(日)14時からもメンバーを変えて「語ルシス」があることを告知し、イベントは幕を下ろしました。
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