吉本新喜劇の人気女優、末成由美と未知やすえがタッグを組んで贈るディナーショー「由美とやすえのラッハーンで脳みそチューチューしちゃうぞ♡みたいなディナーショー」が、1月31日(金)、大阪・リーガロイヤルホテルにて開催されました。普段から週1〜2回は体操教室に通い、若さをキープし続ける“美容仲間”でもあるふたり。新喜劇の舞台とはひと味もふた味も違う魅力を発揮するスペシャルショーとあって、250席の会場は大入満員! 約1時間のディナータイムで豪華なフルコースに舌鼓を打った後、お待ちかねのショータイムが幕を開けました。
まず登場したのは、ゴージャスなロングドレスに身を包んだ末成。「ごめんやしておくれやしてごめんやっしゃー」とおなじみのギャグで場を和ませつつ、「こんなにたくさんの人に来ていただいて喜んでいます」と挨拶しました。今回のショーは「美輪明宏さんの『老女優は去りゆく』をモチーフに、芝居仕立てで作ってみました」とのことで、さっそくモノローグから物語の世界へといざないます。華やかな芸能界に身を置きつつ、「こうして老女優になり、身を引かなければならないのかしら…」と語る女性が、自らの人生をふと振り返る冒頭——ところがシリアスな語り口の合間合間に客席からツッコミが入りまくり、末成は思わず「やりにくい客やな!」。16歳で田舎から上京し、憧れの大スターの楽屋を訪ねたあの日…そんなエピソードが描かれていきます。
末成に替わってステージに現れたのは、黒いミニドレスをまとったやすえ。ミュージカル『キャバレー』のテーマをセクシーに歌い踊り、拍手喝采を浴びます。しかし、大スターであるはずのやすえもまた、裏で「衰えた」と陰口を叩かれるベテラン女優。口さがない世間の声に、新喜劇で見せるキレ芸で果敢に反撃、「誰にもこのステージは譲らへん! 絶対にやめへんからな!」と宣言したものの、どこか不安な気持ちを抱えている様子です。
やすえと入れ替わりで再び登場した末成は、まさかのおかっぱ&セーラー服!? 客席を都会の街並みに見立て、田舎から出てきたばかりの少女になりきり練り歩くという趣向です。テーブルを回りながら歓声に応える末成は、「あんた中村美律子さんちゃうの? 有名な人に会えてうれしい!」「もしかしたら、あの歌舞伎役者の片岡孝太郎さんとちゃうんけ?」と、応援に駆けつけた有名人を見つけてちゃっかり紹介も。どうやらこの少女、大スター・やすえの楽屋を探しているようで…?
やっとたどり着いた楽屋で、憧れのやすえと対面した末成。ここからは、「弟子にしてください!」と申し込むも訛りがひどすぎて通じないなど、ボケ満載のコントで笑わせます。しつこく「16歳です!」と主張する末成に、やすえは「病院を紹介しましょうか?」と怪訝な顔。押し問答の末、素質を見極めるためにエクササイズや歌、ダンスをやらせてみることになりました。
さすがは“体操教室仲間”、筋力や柔軟性が求められる動きの数々を、やすえも末成も見事にクリア! 歌のテストでは、先ほど歌った『キャバレー』をやすえに続いて歌うことになった末成が、なんと英語バージョンで歌い上げるひと幕も。何かにつけてボケてしまう末成に、やすえは「ちょっとパス渡したらボケたおして!」とご立腹…そんなやりとりでも、またまた客席を爆笑させました。最後となるダンスのテストでも、キレのいい動きを見せたふたり。しかし、やすえは自らの衰えに改めて気づいてしまうことに。
そんなやすえが歌う2曲目は、ミュージカル『レ・ミゼラブル』から『夢やぶれて』。華原朋美さんの復帰作となったことでも知られる名曲中の名曲を、先ほどのダンサブルな曲とはうってかわって、しっとりと聴かせるやすえ。悲しみをたたえた美しいメロディを、情感たっぷりに歌い上げました。
「そして私の女優生活が始まった…」というモノローグを経て、こんどは晴れて女優となった末成が、シャンソンの名曲『人生は過ぎ行く』を熱唱。セリフにもしっかりと心を込めて、 “女優”になりきり演じる姿が、大きな感動を呼びました。
と、ここで末成の衣装替えを待つ間、『歌ネタ王決定戦2013』チャンピオンである吉本新喜劇の松浦真也が得意のギターでゲスト出演。いつもは笑いを届けるギター芸人ですが、この日はいっさい笑いナシ、ビシッと決めてミュージシャンとして勝負していました。
いよいよクライマックス、一連のストーリーを締めくくるのは、もちろん末成が歌う『老女優は去りゆく』。ここまで歌でコントで綴られてきた“ふたりの女優の人生”が、美輪明宏さんの名曲に乗って甦ります。歌い手として、そして女優として渾身のパフォーマンスを見せた末成を、ひときわ大きな拍手が包みました。
見ごたえたっぷりのショーも、ついにエンディング。やすえはポスター撮影時に着用した真っ白なランジェリードレスでステージへ。「後輩の(ランディーズ)中川くんは、店に(ポスターを)置いて魔よけにすると言ってくれました」とのことですが、年齢を感じさせない見事なスタイルは、ポスターでもステージでも健在です。少し遅れて登場した末成も、もちろんポスター同様、黒いランジェリードレス姿! こちらはチュール部分がばっちり透けて、美脚のシルエットがあらわに。あまりのセクシーさにどよめく客席でしたが、末成が「66歳やねん! アカンか?」と堂々宣言すると、「キレイ!」とあちこちから声援が上がりました。
最後は、ふたり揃って美空ひばりさんの『お祭りマンボ』で締めくくり。軽快な音楽に乗ってマイク片手に客席を練り歩けば、お客さんも「わっしょいわっしょい!」とコール&レスポンス。フィナーレにふさわしい盛り上がりとなりました。歌い終えると、先ほど助っ人として出演した松浦の紹介も。「大先輩の大ステージにギターで出られるとは思わなかった」と、緊張のひとときを振り返る松浦でしたが、『NEWS ZERO』のテーマ曲など自慢の歌ネタを披露することも忘れませんでした。
さらに末成は「やん(やすえの愛称)とふたりで116歳、まだまだこわからもっといろんなことを発信していきたい。人生、後半が楽しい! 私たちの元気を、少しでも持って帰っていただけたら」と、今回のショーに込めた思いを改めてコメント。やすえは「由美姉さんに声をかけていただき、最初は『私でいいんですか?』と。でも、温かいお客さんに囲まれて、スタッフの皆さんに支えられ、ここまで来られました。私にとって、本当に素敵な一日になりました。由美姉さんありがとう!」「66歳であの声はすごい。でも、私はこれから(末成の年齢まで)あと16年もあるやん!と頑張る気持ちになれた。これからもずっと私の前を歩いていてください」と語り、ふたりの熱いハグで幕となりました。
ところが、この後、ふたりは自らアンコールを要求!? やすえは高橋真梨子さんの『for you…』、末成は金子由香利さんの『愛の幕切れ』をそれぞれ歌いました。
今度こそ本当のエンディング、「またこんなこともやろうと思っているので、その時は来てや! 値上がりしてるかもしれんけど!」と笑わせた末成。やすえは「少しでも元気を与えることができたでしょうか?」と問いかけ、「日々、元気でないとアカンなと思っている。笑っていれば元気でいられます。ディナーショーで会えない時は、なんばグランド花月や祇園花月でお待ちしています!」と、新喜劇のこともしっかりアピールしていました。
【YNN動画】末成由美はこちら⇒http://ynn.jp/u/697/
未知やすえはこちら⇒http://ynn.jp/u/686/
● 公演情報
未知やすえ出演!
吉本新喜劇×ヤノベケンジ
日時:2014年2月14日(金)・15日(土)・16日(日) 18:30開場/19:00開演
会場:よしもと祇園花月
出演:内場勝則、池乃めだか、Mr.オクレ、未知やすえ ほか
料金:前売3500円 当日4000円(全席指定)
お問い合わせ:チケットよしもと☎0570−550−100(10:00〜19:00)
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