クリス、舞台に立つ側から作る側に転身?!「クリスのすみません これがぼくのお笑いです。」
1月1日(金)、よしもと沖縄花月で「クリスのすみません これがぼくのお笑いです。」が行われました。新年早々、多くのお客様が来場し、会場はお正月ムードを感じさせない熱気に包まれていました。本編に入る前、前説として猫ノカケラとさっしぃ~が登場し、「クリス!」の掛け声や拍手の仕方などを一通りレクチャー。
そして満を持して今回のライブの仕掛け人、クリスが登場するのですが、口から出てくるのは自分サゲな発言ばかり。
「今回のライブね、大笑いしてもらおうなんて思ってないから。クスクスこらえるくらいが丁度いいから。で、これを見た人に、何かイヤな事があっても、『クリスよりは面白いし、いいか!』って思ってもらえたらそれでいいから」と、観客を軽く不安にさせつつ、ステージはオープニングムービーへ切り替わります。
まるでアメリカの学園ドラマのオープニングのようなムービーだったのですが、ムービー終了後にステージに上がってきた仲間からは、口々に「ださい!」の声。クリスはそんなメンバーをなだめ、今回のライブの趣旨を説明します。
ライブのメインは「クリ-1グランプリ」。沖縄よしもとの芸人をピン、普段のユニット、新しく組み直したユニットの総勢7組に分け、それぞれにネタをやってもらい、ライブ終了直前に会場からの拍手の大きさで優勝者を決める、というネタバトルです。出演者の自己紹介だけでも、さっしぃ~のズボン前ポケットに財布が入ったままになっていて、それをクリスが胸ポケットに入れ直そうとするが入らない、というプチハプニングや、ありんくりんの比嘉とけんたくんの新ユニットが「中部連合」という名前になったことを聞き、クリスが「他になかったばー?!」と沖縄方言全開であきれる場面もありました。また、クリスは「一度みんなのネタを見て、もっとぶっ飛んだものにしてほしい、ってリクエストしたから、変なネタしかやりません」と宣言。会場はこれから何が起こるんだろう、という期待と不安に包まれたようでした。
クリ-1グランプリのトップバッターは「猫ノカケラ」。妖怪ネギ運びという題のコントを行いました。
2組目は魁バーバリアンの砂川とよもぎの伊礼のユニット、「虹色ポップコーン」。 GReeeeNの「キセキ」の替え歌を軸にしたコントを披露し、笑いをとっていました。3組目に出てきたのはさっしぃ~。牛丼屋コントやショッピングネタを披露し、押しの強さで会場を笑わせていました。続く4組目のカグラは、自己紹介を利用したネタだったのですが、あまりの暴れっぷりに会場がひきつった笑いになっっていました。
5組目はピーチキャッスルの真栄城とカシスオレンジの仲本によるユニット「釣り師会」。新年にふさわしくサルのショーをテーマにコントを披露し、クオリティの高さに会場から笑いと拍手の両方を送られていました。6組目は中部連合。いかにも沖縄中部地方のなまり方、といったしゃべりでコントを進めていきます。
そしてトリの7組目はクリス本人。しかし演じたネタ2つとも不発で、2つ目のネタは中学生のころ考えたものであることを明かし、「僕はここから大きくなりました」とその場をまとめていました。
全員のネタが済んだところで、「インパクトがあったネタというものは、時間が経っても覚えているものだから」というクリスの持論により、投票の拍手をもらう前にクリス作・脚本・演出の「New喜劇」が演じられました。
ピーチキャッスル真栄城が店主を務める「真栄城食堂」に、ある日テレビの取材が入ることに。しかしそんな日に限って訪れる妙な客や、借金の取り立てにやってくるチンピラ。真栄城食堂の運命やいかに・・・?!というストーリーで喜劇が進みます。
観客から大きな拍手をもらったところで、改めて「クリ-1グランプリ」の結果集計。気に入った芸人に何度拍手を送ってもよい、というルールだったのですが、トップバッターの猫ノカケラが拍手0だったことに「これから伸びるってことだよ」とクリスが励ましの声をかけます。しかし、そんなクリスも拍手0。釣り師会と中部連合がともに会場の8割くらいの拍手を奪い、僅差で中部連合が優勝を収めました。
ライブの主催者なのに優勝できなかったことについて、クリスは前列にいた男性から「劇は面白かったから、作家になりなさい」と声をかけられ、複雑な面持ちで「ありがとうございます」と返していました。
最後は「1ヵ月に1回くらいこんなライブやりたいな」というクリスに対し、他のメンバーが一同に「無理だろ!」「急に出演スケジュールがメールで来てびっくりしたし!」「急に出てって言われたけどしーじゃ(沖縄方言で年長者の意味)の頼みだから逆らえないし!」などの非難コール。それでもクリスは前向きに「それじゃぁ皆さん、またお会いしましょう~」と朗らかに客席に呼びかけ、大きな拍手に包まれたまま「クリスのすみません これがぼくのお笑いです。」は幕を閉じました。