熱血教師が大活躍!『吉田裕の吉本新喜劇2026』
10年後の吉本新喜劇の担い手を育成すべく今年から座長持ち回りで始まった『吉本新喜劇2026』。毎回、若手座員の一人が座長となり、オリジナリティ溢れる吉本新喜劇を上演しています。『吉本新喜劇2026』では、決められたセットで物語の設定を決めるというのも特徴的。座員達はどんな設定で芝居を展開するのか、そこも見どころの一つとなっています。
2月の舞台は学校。先に上演した新名徹郎は女子高が舞台でした。そして2月4日に行われた『吉田裕の吉本新喜劇2026』では、高校を舞台に、吉田裕が熱血教師を元気いっぱいに演じました。
とある教室、進路が既に決まっている岳夫(信濃岳夫)が、まだ決まっていない生徒たちに「息抜きに遊びに行こうよ」と誘っています。ゆりか(いがわゆり蚊)、まさじ(安井まさじ)、レイ(レイチェル)、まりこ(森田まりこ)は大はしゃぎ、まさじは熊本弁でまくし立て、意味がほとんどわかりません。ゆりかも時折、チェンバル語で話すなど、いろんな方言、言語が入り混じっています。そこへやってきたのが和久(大島和久)。和久は輪に入ろうとせず、誰とも口を利かず自分の席に着きました。
そこへ先生が登場、吉田です。今日は卒業前の最後の授業参観ということで張り切っています。最初に登場したのはレイの母の友見(吉岡友見)、続いてレイの父親の敦史(奥重敦史)。吉田を見てにんじんを差し出します。女優というまりこの母(なかのよいこ)はトレンディなスタイルで登場。「シャー!!」とハスキーボイスで何かを語るも、意味不明。ゆりかの父(諸見里大介)はチェンバル人。ゆりかとふたりでチェンバル語を繰り出し、こちらも意味不明でした。最後にやってきたのは岳夫の父、真也(松浦真也)。ギターを抱えて「いつものヤツやるか?」とギャグを披露するなど、何ともキャラクターの濃い父母たちです。ですが、和久の母だけは欠席。そのことを心配する吉田に「自分に興味ないから来うへんのや!」と一蹴する和久でした。
最後の参観日の授業は歴史。子供より先に答えようとする親のせいで、授業ははちゃめちゃに。やりたい放題の親たちに会場は大爆笑でした。
場面はホームルーム。卒業式後の謝恩会の出し物を決めようと、和久を除く生徒達が話し合っています。決まったのはコント、先生も参加してほしいと吉田を誘います。コントは教師と生徒の禁断の愛を描いたもので、吉田が次々と女生徒たちに告白されるという設定。ねちっこく迫るゆりか、舞台女優風に告白するまりこと、コントでもキャラクターが冴え渡っています。次に現れたのは『北の国からの』の純になりきったまさじ。まさじも「先生のことが好きだ」と告白します。和久は不在のため代役ですが、告白するのではなく、先生に歯向かう役柄です。芝居上、クラスメイトを悪く言う和久に吉田は「友達のことを悪く言うな」と諭しますが、なお反抗する和久役。芝居の流れはそこで吉田が殴りかかろうとし、「殴れるもんなら殴れ」と和久役があおります。「いい加減にしろ」と手を挙げたところで、「大成功~!」と生徒達。「実はドッキリでしたー!」というのがコントの内容。
「全然おもんなやんか!!」と吉田。一方、満足した生徒達は謝恩会の準備があるからと教室を出て行き、吉田が一人になったところに顔に怪我をした和久がやってきました。
ケガを心配する吉田が謝恩会のコントに誘うも突っかかる和久。口論になっているところへ他校の不良が(タックルながい、太田芳伸、前園健太)が乱入してきました。3人は和久と一騒動あり、追ってきたのでした。太田の手にはまきざっぱ。それが見えると、お客さんのテンションが一気に高まりました。和久をかばう吉田、「これでボコボコにしたろかー!」と恫喝する太田に今か今かと期待する拍手が沸き起こり、太田×吉田の「乳首ドリル」が。予定外の部分をしばく太田に振り回される吉田。いつもとは違う吉田の悲鳴が響き渡っていました。
騒ぎを聞きつけてやってきたのが、校長の瀧見(瀧見信行)、教頭の佐藤(佐藤太一郎)、そして和久の母でありPTA会長、教育評論家の真希。「卒業間近に問題を起こすと...」と瀧見が吉田をとがめるのですが、校長として何か言おうにも佐藤が遮り瀧見に喋らせません。「喋らせてー!」と瀧見。
どうにか3人を黙らせた吉田。和久に何があったのかと問い詰めも、和久は反抗するだけ。「自分ひとりで何でも解決してきた」と突っぱねます。周りに心配する人がいると諭すのですが、和久は受け入れず。そのやり取りが、徐々に謝恩会の芝居と同じ台詞と重なり...。「殴れるものなら殴ってみろ!」の和久の挑発を受け、思わず手を挙げた吉田。影から見ていたクラスメートたちは謝恩会の稽古と思い込んで「大成功~!」。
吉田は和久に手を挙げたことで、卒業式を前に懲戒免職に。教育評論家の息子が通う学校に体罰騒ぎがあると学校のイメージがダウン。それを恐れて吉田を解雇したのでした。レイチェルは歌ネタギャグで、安井は熊本弁をまくし立て、ゆりかはチェンバル語で必死の懇願と、生徒達は吉田をかばいます。最後に生徒達と話をしたいとやってきた吉田は、黒板に「卒業式」と記します。「式」の字を書いた後に、コンコンと黒板を指で叩いた仕草は本物の教師のよう。この一瞬でも、吉田の熱の入りようが感じられました。
生徒それぞれに、メッセージを込めた卒業証書を渡す吉田。最初に呼ばれたのは岳夫。「今まで本当にありがとう」と言葉をかけます。続く、まりこ、まさじ、ゆりか、レイチェルには一言、個性が伝わるような言葉を添え、和久の番を前に時間切れに。教室から追い出そうとする校長たちと、それを阻止する生徒達に体を引っ張られ、八つ裂き状態になる吉田。挙句の果てには服も脱がされ「そこまでやる必要ないでしょう!!」とあせり顔でした。
場面は一転、学校と自分の立場しか考えない瀧見と佐藤に、生徒達への思いを熱く語る吉田。時には喧嘩をしても、学校は仲間を見つける場だと必死で説きます。また、母親として和久にもっと愛情を注いでほしいと真希にも訴えかけます。その迫真の演技に、場内は水を打ったような静けさ。真剣勝負の会話劇に引き込まれました。
やがて吉田の熱意に押され、本当の気持ちを語る和久。親と子の間に生じていた確執も消え、改心した真希は吉田の懲戒免職を取りやめてほしいと校長、教頭に頼みます。瀧見、佐藤も「吉田のような熱心な教育者が学校には必要」と改め、万事丸く収まり、めでたし、めでたしの結末と相成りました。
エンディングでは、やりきったというような、すがすがしさを漂わせていた吉田。「卒業式」の文字を書いたあと、黒板をコンコンと叩く仕草は、吉田が最もやりたかったことで、実現できて満足とのこと。続く卒業式で生徒たちにメッセージを贈るシーンでは信濃だけ「本当にありがとう」とあっさりしたものだったことが話題に。吉田も本番までに必死に考えたのですが、この言葉しか浮かばなかったそうです。太田は「乳首ドリル」のシーンで実演する前から笑いが起こり、「やりにくかった」と苦笑い。熱血教師の新喜劇という、いつもとは一味違う味わいで楽しませてくれた『吉本新喜劇2026』。次回は3月9日(水)に安井まさじが、16日(水)に佐藤太一郎が座長となってそれぞれの『吉本新喜劇2026』を上演します。こちらもどうぞお楽しみに!!
絶賛発売中!
『安井まさじの吉本新喜劇2026』
■日時
2016年3月9日(水)19:00開演
■出演
安井まさじ、ほか若手新喜劇座員多数出演
■料金
前売・当日共 大人 1,500円:子供 1,000円 (全席指定)
◆チケットよしもと
・チケットよしもと予約問合せダイヤル ℡ 0570-550-100 (Yコード999-010)
・オペレーター対応予約専用ダイヤル ℡ 0570-041-356〈10:00~18:00〉
・WEB⇒ http://yoshimoto.funity.jp/calendar/ngk/
・よしもと各劇場窓口(祇園花月を除く)
◆チケットぴあ
・℡ 0570-02-9999(Pコード:449-546)
・チケットぴあのお店
・WEB⇒ http://t.pia.jp/
・サークルKサンクス
・セブンイレブン
◆ローソンチケット
・℡ 0570-084-005 (Lコード:51381)
・WEB⇒ http://l-tike.com/
佐藤太一郎の吉本新喜劇2026
■日時
2016年3月16日(水)19:00開演
■出演
佐藤太一郎、ほか若手新喜劇座員多数出演!
■ 料金
前売・当日共 大人 1,500円:子供 1,000円 (全席指定)
◆チケットよしもと
・チケットよしもと予約問合せダイヤル ℡ 0570-550-100 (Yコード999-010)
・オペレーター対応予約専用ダイヤル ℡ 0570-041-356〈10:00~18:00〉
・WEB⇒ http://yoshimoto.funity.jp/calendar/ngk/
・よしもと各劇場窓口(祇園花月を除く)
◆チケットぴあ
・℡ 0570-02-9999(Pコード:449-547)
・チケットぴあのお店
・WEB⇒ http://t.pia.jp/
・サークルKサンクス
・セブンイレブン
◆ローソンチケット
・℡ 0570-084-005 (Lコード:51876)
・WEB⇒ http://l-tike.com/
・子供料金は身長が110㎝以上、または5歳~小学生以下のお子様が対象。(膝上でのお子様の観劇は1名様のみ可能です。)
■お問合せ(10:00~19:00)
チケットよしもと予約問合せダイヤル℡ 0570-550-100
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