ノンストップで駆け抜けた!伊賀健二初の冠イベント『新幹線新喜劇 ~19時なんばグランド花月発 20時30分新伊賀健二着 途中下車なし 270kmで走り続けます~』
2月5日、なんばグランド花月にて『新幹線新喜劇 ~19時なんばグランド花月発 20時30分新伊賀健二着 途中下車なし 270kmで走り続けます~』が開催されました。"横顔新幹線"でおなじみの伊賀健二初の冠イベント。会場は立ち見が出るほどの満員御礼。どんなふうに吉本新喜劇と新幹線がドッキングするのか、開演前からお客様の期待感に満ち溢れていました。
舞台は花月ホテル。宿泊客の信行(瀧見信行)とまりこ(森田まりこ)がフロントへ。従業員の啓之(清水啓之)が「ペットは禁止」と信行に注意するのですが、思い当たる節がなく...。よく聞けばまりこのこと。定番の「誰がゴリラよ!」でまりこはゴリラに変身。さっそくのギャグに場内は大歓声でした。続けて登場した従業員・藍(酒井藍)の「ブーブーブー」のノリツッコミも沸き、少し凶暴な藍の言動が爆笑を起こしていました。
フロントで大騒ぎしていると、花月ホテルの支配人である伊賀が作業服姿で登場。待ってましたといわんばかりにこれまで以上の大歓声、「伊賀-!」と名前を叫ばれるお客様も。その人気の高さが伺えました。信行とまりこに失礼をわびる伊賀。従業員の真希(前田真希)にドリンクをサーブさせるも、真希もつまづいて信行にドリンクをかけるなど、早くもてんやわんやです。また、啓之は信行とまりこのかばんをもつどころか投げて運ぶ始末。それがあろうことか藍の顔にかばんが直撃し、しばし呆然とするアクシデントもありました。
この花月ホテルは、グループの中で売上げワースト1という、芳しくない成績。伊賀の同期の佐藤(佐藤太一郎)はグループナンバー1ホテルの支配人をしており、同期ながらも差をつけられています。そんな花月ホテルに起死回生のチャンスが。近くに新幹線の新駅ができることとなり、吉本トラベルのツアーの指定ホテルに選ばれるかも、とのこと。この日は吉本トラベルの社長が訪問することとなっており、佐藤も様子見にやってきたのでした。
社長の特徴は「お年を召した、毛髪の薄い方」。伊賀は社長の顔を知らず、この特徴だけを頼りに、来訪を待っていました。その時、庭先に現れた毛髪の薄い、お年を召した方...。あの人こそ、社長だ!とにわかに盛り上がる伊賀と従業員たち。この老人こそ茂造(辻本茂雄)! 茂造が舞台に現れると、またまた会場は大フィーバーが起こりました。
吉本トラベルの社長と勘違いしたままの伊賀と従業員。伊賀が茂造に「つまらないものですが」とお土産を渡すも、「こんなもーん!」と杖で投げ飛ばしました。ところが杖に菓子折りの箱が刺さるというアクシデントが。計算外の出来事に「笑いの神が降りてきた!」と茂造。そして箱の中身が空っぽだったことに、「何が入っとったんや」と執拗に啓之に尋ねます。茂造は啓之をターゲットにし、その後何度も尋ねます。啓之はもうたじたじ、一人大汗をかき、声にならない悲鳴を上げていました。
勘違いはまだ解けないまま。茂造に「支配人が作業服なんて」といわれるがままに、スーツに着替える伊賀。「何かが足らんな~」と髪の毛のセットまで命じ、舞台上でヘアセットを。伊賀がその髪をオールバックにしたところで新幹線の出来上がり、かと思いきや、それでも何か足りない...と用意されたのは青いネクタイ。白スーツに青ネクタイを締めてこそ、正真正銘の新幹線です! お待ちかね、茂造たちを中心にした新幹線ネタで盛り上がる新喜劇。茂造もさらに大暴れし、啓之から気の効いた一言をひねり出すため、何度もビンタをするという場面でも盛り上がりました。
伊賀や従業員、茂造たちで盛り上がっているところに、宿泊客の男(アキ)がフロントへ。チェックアウトしなければならないのですが、財布をなくしたと伊賀にわびます。それを許さないのが佐藤。この男は嘘をついているというのですが、伊賀は男を庇い、宿泊代を請求しませんでした。
と、ここでホテルオーナーのあき恵が登場。「顔べたべた」いじりが止まりません! あき恵も吉本トラベルの社長に会うためにやってきたのですが、社長ならここに...と紹介された茂造を見て唖然。茂造は厨房のアルバイトで募集してきた老人でした。
本当の吉本トラベル社長は島田(島田一の介)。秘書(もりすけ)とともに花月ホテルにやってきたのですが、島田の毛髪はふさふさ。「薄い」と聞いていた一堂は話が違うと首をかしげるのですが、お茶を運んだ真希がまたまた粗相を。こけた弾みで島田の髪の毛を掴んでしまい、カツラだったことが明るみに...。島田社長は激怒、吉本トラベルとの契約も水の泡に...。
なにやら悪巧みをしている佐藤。花月ホテルを閉鎖に追いやろうと、月末までに黒字にしなければ閉鎖という条件を伊賀に突きつけたのでした。困った伊賀。そこへ宿泊代を払えなかった男がやってきました。実は彼は全国的に有名なシェフ。務めていた三ツ星レストランをやめて放浪中、花月ホテルに泊まった際に伊賀に助けられたのでした。「伊賀を見ていると助けたくなって体がうずうずするんです」とアキ。アキシェフがいれば鬼に金棒や!と従業員達も張り切って、黒字に向けて動き出します。
一難さってまた一難、今度は債権の取立てに諸見里がやってきました。借金の保証人になっていた伊賀。借主がいなくなったため、今すぐ100万円返せ!とすごむのですが、「シュポシュポシュポポ」としか聞こえず、一堂「はぁ?」。落ち込む伊賀ですが、捨てる神あれば拾う神ありとはこのこと、テレビディレクターになったというホテルの元アルバイト(安井まさじ)がリポーター(鮫島幸恵)を連れて花月ホテルに登場。新幹線の新駅を記念した生中継に出てほしいというのでした。それもこれも「伊賀さんにはお世話になったから、力になりたくて...」と恩返しだったのです。
そして生中継では、伊賀はかぶりものをした「新幹線マン」に変身。バックダンサーも必要とのことでしたが、人手不足。そこでアキシェフがバックダンサーに立候補。キレッキレのダンスを披露して会場は大盛り上がりでした。ところが中継は、借金取りの諸見里が乱入して大混乱に。
混乱はさらに続きます。佐藤は真希を使ってトラブルを起こしていたのでした。吉本トラベルの島田社長への粗相も仕組まれたもの。それはホテルの権利書を手に入れたかったのです。しかし、うまくことが進まないことに苛立ちを募らせ、ついには実力行使。チンピラふたりをホテルのレストランに送り込み、注文したものに虫が入っていたとクレームをつけさせたのでした。
ホテルのフロントで恫喝するチンピラの平山(平山昌雄)とながい(タックルながい。)。それは違法行為だと伊賀、新幹線マンの姿でどの法律に抵触するか民法、刑法をつらつらと解説し始めました。一切かむことなく、リズミカルに法律を語る伊賀、すべて言い終えると会場からは大きな拍手が沸き起こりました。そして平山との取っ組み合いでは、何とも息ぴったりのアクションで沸かせます。そばで見ていたアキシェフ、「絶対練習してるわ~」とアンコールを要望。ところがそのアンコールがあだとなり、伊賀は劣勢に!
「待てー!!」 登場したのはアキで黄色の新幹線、そうドクターイエローです! ドクターイエローの登場に会場は爆笑の渦! 黄色のスーツも、「伊賀を見ると助けたくて体がうずうずする」というのも、すべてはドクターイエローだったから。その謎が一気に解けて、さらに会場はヒートアップ! 新幹線マンとドクターイエロー、そして平山、ながいという4人のアクションも息ぴったり、最後はシンクロナイズド・スイミングのような決めポーズを披露すると、大きな拍手に包まれました。
そして平山とながいは警官に引き渡され、計画がうまくいかなかった佐藤は地団駄。そんな佐藤に「同期の中で尊敬していた」と打ち明ける伊賀。決してうらむことない姿に、影でみていた吉本トラベルの島田が改心、「花月ホテルとの契約を結び直す」と言ってきたのでした。
「それでこそ我が息子!」と喜んだのは茂造、なんと島田社長の父親だったのです。実はホテルを審査するためにアルバイトとして忍び込んだのでした。「許してやったらどうや」とオーナーに声をかける茂造、その一言でクビなし、閉鎖なし、ハッピーエンドで幕を閉じました。
エンディングでは、『イリュージョン新喜劇』の打ち上げでこの『新幹線新喜劇』が決まったこと打ち明けた伊賀。1ヶ月少々という短期間の中で作り上げていきました。そして大盛況の会場に感謝をし、「また第2回も...」と言いかけたところで大歓声。それを受けて「第2回、必ずします!!」と高らかに宣言しました。
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