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2016年2月25日 (木)

漫才や新喜劇を世界へ発信!吉本興業と立命館アジア太平洋大学が連携協力協定

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 吉本興業では日本の総合エンターテイメント企業として、ジャパンコンテンツの供給や番組フォーマットの販売、現地メディア・企業との共同でイベント運営やコンテンツ企画制作、マネジメント業務の海外展開を推進してきました。そしてこのたび、多国籍・多文化環境を活かした研究・教育を行う立命館アジア太平洋大学(大分県別府市)と共に、グローバルな事業展開を推進し、人材育成や地域社会の発展に寄与するための連携協力協定を締結することになりました。

 これを受けて2月25日(木)、連携協力に関する協定書の調印式が行われました。ロバータの司会の元、立命館アジア太平洋大学学長の是永駿氏よりご挨拶がありました。このたび吉本興業と協力協定を結ぶにあたり、「日本人はあまりユーモアに富んでいないという定説もありますし、日本を代表するエンターテインメント企業である吉本興業さんと提携することで、いろんな形で交流を進めていきたいと思っています」と語りました。

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 吉本興業株式会社代表取締役社長の大﨑洋からも挨拶が。吉本興業では、クールジャパン機構と民間7社とで、日本のエンターテインメントコンテンツをアジア全域に推進するMCIPホールディングスを設立。その流れの中で、「たいそうな言い方をするつもりはないんですが、私たちのようなお笑いの世界で、芸人、タレントはもちろん、社員もいかに多様性の中で次の事業にチャレンジしていくかというのはすごく大事な局面だと思っています。今回は夢のような出会いを作っていただいたと感謝しています」と語りました。すでにピース・又吉が芥川賞を受賞した小説『火花』がNetflixから10話ドラマとしてスタートし、アジア、アセアン百数十カ国地域で展開することが決まっており、「それと同時に漫才のドキュメンタリーというか、漫才師のドラマをもう1本作ろうと思っています。亡くなられた香川登志緒先生が昔、『漫才というのは2人の会話だけで成立する芸だから、いつの時代でも生き残ると思う。頼む』とおっしゃったんです。その言葉を思い出しまして、漫才のハウツー本のようなドラマを作ろうと思っています。それを観ることによって、アジア・アセアン各国の人たちが『会話だけで成立する芸があるんだ』と。イケメンでもなく、お金持ちでもなく、道ばたでもできる漫才が、アジアンドリームになるんじゃないかなと考えています。そんなことも含めて事業化できないかと進めているんですが、この出会いがあり、より一層力強く前に進もうと思います」とも。

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 続いて、立命館アジア太平洋大学副学長の今村正治氏から、同大学の紹介が行われました。立命館アジア太平洋大学は2000年に開学。6,000人の学生のうち、約半数が83カ国の海外からの留学生、さらに教員も半数が外国籍という、日本でも他に類を見ない多様性のある大学です。昨年12月には同大学の留学生が英語で新喜劇に挑戦するなど、すでに交流は始まっています。今村副学長は同大学を「ひと言で説明すると、"混ぜる"ということ。多様性、改革力、創造性を使って混ぜるのが立命館アジア太平洋大学のスタイルです」とし、「企業とも繋がり、大学の多様な環境を活かしてもらおうと様々なビジネスの創出にも取り組んでいます」とのこと。卒業生の活躍も実にさまざま。スリランカ出身の卒業生のなかには母国に野球場を作り、日本で働き選抜高校野球大会で、甲子園で外国人初の審判を務めたという経歴の持ち主も。「このような学生たちが今、世界中で活躍しています。ぜひ吉本興業さんと一緒になって盛り上げていきたいと思います」と語りました。

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 よしもとクリエイティブ・エージェンシー 海外戦略担当執行役員の木本公敏から、吉本興業の今後のグローバル展開の紹介も。中国や韓国、台湾、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシア、米国でのタレント開発や番組フォーマットの販売を行うアジア・海外事業では、アジアを中心にコンテンツ及びビジネスモデルの海外展開を推進してきました。「2014年にMCIPホールディングスを設立したことで、より大きなスケールでアジア展開をしています。とくにアジアにおける日本のファンを増やしていけたらと、各社さんと連携して積極的に展開を進めています」と事業内容を説明。

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 よしもとクリエイティブ・エージェンシー スクール事業部専任センター長の上田泰三からは、連携協力締結までの経緯が説明されました。「エンターテインメントにおける国際的な人材育成を目指す我々は、かねてより立命館アジア太平洋大学さんの理念に深い関心を持っておりました」とのことで、2015年7月に吉本興業グループの役員および国内外の部門担当者約20名で立命館アジア太平洋大学のキャンパスを訪問。12月には学生のプレゼンテーションから生まれた企画『大阪ウィーク』を開催。全編英語で留学生の皆さんも出演し、新喜劇を上演する企画や、外国語での漫才コンテストを実施し、「学生の皆さんにはお笑いに向けてレッスンに励んでいただき、実際の公演では非常に高い評価をいただき、いわゆる『ウケる』、笑っていただけるという結果をいただいております」とのこと。連携協定締結後は、吉本興業関係者による学生向けの公演実施、吉本興業社員の国際リテラシー向上に資する研修の提案、吉本興業の研修プログラムの活用、教員によるアジアでのコンテンツビジネスモデルを使った研究、吉本興業を現場としたインターンシップの実施、次世代エンタメ従事者育成オンキャンパスリクルーティング、アジア各国校友会の協力を得てよしもとの海外展開との連携といったプロジェクトが実施される予定です。また、学術交流プロジェクトとして、沖縄国際映画祭・京都国際映画祭への参加、企業として見た吉本興業のビジネス研究、ジャパンコンテンツの翻訳や海外向け再編集などを進めていくとのこと。

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調印式では、両者が「連携協力に関する協定書」にサインを行いました。

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質疑応答では、Netflixでスタートするドラマについての質問が。大﨑社長は「漫才師のハウツーになるようなドラマは、学生さんにも観ていただきたいし、また学生さんの意見も聞きながら一緒に作って、Netflixで流せたらなと考えています。日本が誇る漫才というエンターテインメントをこの機会に世界中へ、と思っています」とのこと。また、今後の可能性を尋ねられた際は「今はやっとスタートできたという思い。卒業生の皆さんは僕らが想像のつかないパワーがあります。皆さん母国に戻られていろんな職業に就き、会社に勤められているので、その中で提案し、一緒に何ができるかと考えるとすごくワクワクしています」と語りました。

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また、「大学と連携して海外展開を進めることで、どういった発展が期待できますか」という質問も。大﨑社長は「もともと、『お前はアホやから吉本へ行け』というような会社なので」と語り、記者陣からは思わず笑いが。「大学とは対極にあるような会社なので恐れ多くて提案するのもお邪魔になるのではと思っていたんですが、素晴らしい出会いとなりました。吉本は今年で104年目になります。これまでの100年は、漫才を劇場やテレビ、メディアと共に広め、東京進出をして...という100年だったんですが、これからの100年は違う軸を持たないと生き残れないんじゃないかな、と。現代の様々な多様化と吉本がどう向き合い、何かできるかを肌で感じ、考えることが必要だと思います。今回、このチャンスをいただいたので、若い人たちの中で交流が始まることが次の100年に大切なことじゃないかなと思っています」と話しました。

漫才や新喜劇といったさまざまなコンテンツを海外に発信し、日本のみならず、海外をも笑いでつつむ吉本興業の今後の躍進にご期待ください!

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