よしもとニュースセンター

2月26日、吉本新喜劇の清水けんじが座長就任を目指して続けている冠公演『しみけんの座長になりたいんや』が10回目を迎えました。

その名も『しみけんの座長になりたいんや！！～10回目になったけどさすがにもうならしてくれても いいでしょ？～　～8回目でなられへんかったからもう無理らしいよ～』。この日は、島田一の介、すっちー、高橋靖子らとペンションを舞台にした"タイムトラベル"ものの新喜劇を繰り広げました。

なんばグランド花月は立ち見が出るほどの大盛況。太田芳伸、信濃岳夫が登壇した前説では、「誰を観に来たんですか？」と尋ねると、清水以外の名前が挙がり、「しみけんさんのファン、おるの！？」との疑問が。ですが、幕が開き、舞台にしみけんが登場すると大歓声が沸き起こり、その人気の高さをうかがい知れました。その声を受け、舞台上を3回往復するしみけん。お客さんから熱い思いを一身で受け止めていました。



しみけんはペンションのオーナーという役どころ。妻の靖子（高橋靖子）とは離婚寸前。かつ経営不振に陥り、明日には廃業という窮地に追いやられていました。最後のお客さんは、岳夫（信濃岳夫）と啓之（清水啓之）、真希（前田真希）、安世（井上安世）の4人。この4人の中で啓之だけ毛色が違います。しかも、廃業と聞いて上から目線で「ほんまにやめんの！？」とけんじにアドバイス。それが気に入らないけんじは、啓之を痛めつけるのですが、そのたびに悲鳴ギャグが響き渡っていました。従業員の藍（酒井藍）もそこへ加わり、凶暴性にどよめきと笑いが起こりました。





廃業を気にかけるのは先代からの馴染みの酒屋・中じぃ（中川貴志）。どうにかならないものかと思案するも、すべてが終わりへと向かっていました。



そこに現れたのが発明家のすち子。舞台に出てきたと同時に、これまた割れんばかりの拍手が。1年前にペンションの向かいに越してきたすち子は、まるでとんちのような発明品ばかりを生み出すどころか、それをペンションに保管してもらっているためガラクタの山。「どうすんねん！」とけんじも困惑気味ですが、ついにすごいものを発明したと、見せてきたのはタイムマシーンでした。



宿泊客の啓之、真希、安世がロビーにやってきて近くで観光できる場所はないか？と尋ねてきました。丘からの眺めが最高だとけんじが伝えると、「自然を見るとテンションが上がるんです！」と不思議な踊りを踊り始めた真希。その原始的な踊りに会場のお客さんも当初はあっけにとられていましたが...。



と、ここで事件発生！　さきに中じぃが話していた銀行強盗（太田芳伸）がペンションに飛び込み、真希を人質に立てこもったのです。まずは啓之が立ち向かうも殴られ、「ひょー！」という悲鳴を上げて退散。そうとはしらず、後から合流してきた岳夫も「真希さんは大事な人なんや！」と強盗に向かっていきますが、発砲されて肩を負傷。そしてけんじも果敢にも立ち向かっていったのですが、同じく発砲されて腰を撃たれてしまいました。あわやここまで...！となったその時、すち子のタイムマシーンが動き始めて...。



気が付けば、強盗立てこもり事件前のペンションに戻っていました。当然、同じ場面が繰り返されます。真希の"自然を見るとテンションが上がる踊り"も健在。今度はお客さんも拍手で盛り上げ、けんじとすち子の声がかき消されてしまう場面もありました。

そうしてけんじとすち子はタイムマシーンで何度も時間を巻き戻し、何とかして銀行強盗立てこもり事件を回避させようとするのですが、うまくいきません。それどころか、時空に歪みが生じたことで岳夫が変な岳夫（祐代朗功）になるなど、おかしなキャラも出てきました。

何度かチャレンジを続けるうち、2年前の2月25日にワープ。実はこの日、吉本建設を名乗る二人がけんじのペンションを訪れ、ペンションからホテルに建て替えないかと話を勧めてきたのでした。そして翌日、契約書にサインをしたけんじ。ですが、靖子が二人の悪巧みを聞いており、「詐欺だからサインをしてはだめだ」と忠告してきたのでした。にもかかわらずサインに応じたけんじは、そのことがきっかけで靖子との間に亀裂が入り、3000万円の借金を背負い、ペンション経営も傾いてしまったのでした。

それだけに、これはチャンス！と詐欺を未然に食い止めることにしました。しかも、最初から建て替えの話を断るのではなく、二人が悪巧みを語っているところを録音し、それを証拠に警察に突きつけようという作戦です。けんじとすち子が作戦を立てているところへ、中じぃがやってきました。以前、「この2年ですっかり年をとった」と話していた中じぃ。2年前の中じぃは黒髪姿。これにはお客さんもびっくり！　「え？　同じ人!?」という声があちこちで沸きあがっていました。

吉本建設の二人とは島田ともりすけ。ふたりがペンションのソファにふんぞり返り、「うまくいった」と語り合うシーンは、この新喜劇の中でも重要な場面。会場の全員が聞き耳を立てている中、もりすけが大事な台詞を噛んでしまって、「あ～！」という感嘆の声が上がりました。



ですが、作戦は大成功。警察がやってきて二人を連行します。警察（玉置洋行）も島田、もりすけと同じような頭。3人の頭が並ぶと団子のようで「団子！団子！」とすち子やけんじが笑いを誘いました。



靖子との関係も壊れず、この2年は再起のつもりで頑張ると張り切るけんじですが、すち子がけんじとのいざこざで腹を立て、投げつけたタイムマシーンが作動し始め、「せっかくうまくいきかけたのにー！」というけんじの悲痛の叫びもむなしく、再び、2016年2月26日に戻ってしまいました。

しかも場面は、あの銀行強盗が入ってくる直前。撃たれることを知っているけんじは、「もう失うものはない」と腹をくくります。そしてまた、宿泊客がロビーにやってきて観光名所を尋ねる場面が。強盗もやってきました。「もう撃て！」と立ち向かうも、実は強盗はペンションのオプションサービス。強盗に襲われた臨場感を楽しもうというアトラクションだったのです。そして、髪の毛がふっさふさに伸びた藍もロビーへ。食べ物、飲み物が置いてあるとすぐ口にする藍は、2年前のあの日、すち子が発明した毛が伸びるドリンクを勝手に飲んでいたのでした。



藍によれば、ペンションは5年先まで予約が取れない、今や大人気の宿。それもこれも、2年前にけんじが詐欺師を捕まえたことがきっかけで有名になったから。しかし靖子は、変わらず荷物もって出て行こうとしています。「こればっかりは変わらなかったのか...」と肩を落とすけんじに、「早く支度をしてちょうだい！」と靖子、これから二人で旅行に出かけるというのです。靖子との絆もさらに結ばれ、二人の間にはちょっと変わった2歳になる子供（祐代朗功）も生まれ、ハッピーエンドで幕を閉じました。

エンディング、拍手が鳴り止みません。10回目という記念の公演、トークでの開口一番は「一番噛んだらあかんシーンで噛んでるやん！」ともりすけに集中砲火。もりすけも大事な場面と知っていたので、ずっと練習していたのですが、「本番でやってしまった」と反省しきりでした。この日は、10回すべて観にこられたお客さんにポスターのプレゼントがあり、ビジュアルも公開。「ふだんせんような、イキった写真を撮ってもらいました」としみけん。すっちーと二人、決め顔のポスターを紹介すると、会場からはまたまた歓声が沸きました。



「座長になりたいんやと言ってきて、自分の予定ではもう少し早くなれるはずやったんですけど、まだなれそうにないので、次からは『絶対』と、『絶対座長になりたいんや』でやっていきます」と意気込みを語るしみけん。4月からは『しみけんの絶対座長になりたいんや！！』がスタートします！　応援のほどよろしくお願いします！

そんなしみけんの熱意を後押しする（!?）、新商品も登場！　その名も「しみけんの座長になりたいんやチップス」です！　薄味ですが、飽きの来ない美味しさ。料金は378円。「すち子のねぶり飴」が400円で、この料金に対向しての値段設定というのもポイントです。なんばグランド花月のよしもとテレビ通りで発売中。近くにお越しの際はぜひお買い求めくださいね！


※写真の価格は、2/26限定価格です。

しみけんからのメッセージも到着しました！

「どうも！座長にならなきゃいけない男、清水けんじです！
さて、座長を目指してやってきた『しみけんの座長になりたいんや！』ですが、前回で１０回目を迎えました。予定ではとっくに座長になってるはずだったのですが現状まだなれてないので、もっと座長へのアピールをするべくタイトルを一新しまして、『しみけんの絶対座長になりたいんや！』というタイトルにしました！
皆さんそれぞれ言いたいことはあるでしょうがそれは胸のうちにしまっておいていただいて...確かにタイトルは大して変わってませんが中身がより濃くなります！　ボケをひろってひろってひろいまくり！しゃべった本人がボケと気づいてないことも角度を変えたところから見てボケにしてそれをひろいます！　きっとしゃべった本人はボケたことに気づいてないことでしょう。とにかく僕がしゃべった後はボケひとつ残ってない状況までひろいます！
そんな『しみけんの絶対座長になりたいんや！』。ぜひお友達お誘いのうえなんばグランド花月にお越しください！」

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