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2016年3月14日 (月)

NSC/YCC大阪初の"涙の授業"で「涙活」スペシャリストの橋本昌人さんが登壇!

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3月12日、NSC/YCC大阪の特別授業が実施され、「涙活(るいかつ)」で知られる構成作家・ラブレター研究家の橋本昌人さんが登壇しました。涙活とは、「自主的に涙を流せる物事に触れ、心のシコリをほぐすために積極的に泣く活動」のこと。「笑いと涙は表裏一体、涙があるからこそ、笑いにもっと奥深さが生まれる」など、涙をめぐる橋本さんの講義にNCS、YCC大阪の生徒約150人が耳を傾けました。

まずは橋本さんが「涙活」を始めるきっかけから。放送作家としてある番組に携わっているときに、「じーんと来る手紙に出会いました」。お笑いの仕事も長年手がけているだけに、「涙を理解する芸人さんは成功する」と、芸人として、またクリエイターとしてこれから羽ばたく受講生達にアドバイス。そして涙を誘う手紙を集め、一冊の本にまとめた自著『涙のラブレター』より、小学4年生の男の子がおばあちゃんにあてた手紙の朗読もありました。涙と笑いの関係を説きながら、朗読のコツも伝授されました。

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涙、涙活がテーマですが、話題は多岐にわたります。『R-1ぐらんぷり2016』でチャンピオンに輝いたハリウッドザコシショウさんとは旧知の仲。橋本さんは突然、受講生たちに「売れる芸人の条件は?」との質問を。「分かりません」と答える生徒もいれば、トップランナーの芸人の名前を出す人も。そして「人の気持ちが分かる人」という回答もありました。橋本さん曰く「まずは売れるまで続けた人」。信念を持ってやり続けることの難しさと偉大さも言及されました。お笑いの仕事に携わる中で、悲しい別れもたくさんありました。橋本さんが経験された芸人さんにまつわるエピソードを披露された後、20年前に友達を病気で亡くした男性の手紙の朗読がありました。その友達は俳優を目指しており、志半ばで夭折。「夢を追っている人の話なので、みんなも共感できると思う」と紹介もありました。そして「好きなこと、やりたいことができているということに対して感謝の気持ちを持つことが大事」と橋本さん。「周りへの感謝を忘れ、自信過剰になり、天狗になった人をたくさん見てきてきました。天狗の鼻をへし折られ、そこで改心してまたやり直す人もいれば、そのまま落ちた人もいて...」と、長年現場を見てこられただけに、説得力もありました。

続いて実技の時間へ。今、感謝の気持ちを手紙に書いてみましょうと、受講生一人ひとりが約15分でそれぞれに思う人に宛てて感謝の手紙を書きました。手紙を書くことには「3月は卒業の季節です。新しい世界に一歩踏み出す前に感謝の気持ちを再確認してほしい」という橋本さんの思いも含まれています。「感謝の気持ちを持つことで、芸の幅が広がる」と何度もお話されていました。

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時間になり、代表して3人の感謝の手紙を読むことに。まずは橋本さんが1通読みました。そして書き手本人が読み、最後は人の手紙を読むというもの。NSC大阪38期生の伊勢谷パピヨンは自らが書いたバイト先の店長に宛てた手紙を読みました。そして同じくNSC大阪38期生の大樹が、人の手紙を朗読。「他人の手紙を読むと共感力が上がります。それは今後、ネタを作るとき、台本を書くときに生かされてきます。観る人の気持ちになって考えられるようになるから」という橋本さんからのアドバイスもありました。

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最後は「笑いとは何か、という本質を教えてくれる手紙」と、8歳の息子さんを小児ガンで亡くされたお父さんの手紙の朗読がありました。手紙の一節には、ガンの痛みに襲われ意識が朦朧とした中で、息子さんがはっきりとした口調でお父さん、お母さんに向けて発した言葉がありました。それは「悲しいとき、辛いときこそ、笑うんや」。「笑いとは何か、人を楽しませるとは何か、この涙の授業をきっかけに考えてほしいと思います」と橋本さん。最後に「みんな売れてや!!」とエールを贈り、約1時間の特別授業を締めくくりました。

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授業後に橋本さんに感想を聞いてみると、「最初は"涙の授業"と聞いてぽかんとしていた子もいましたけど、次第にみんなの目が輝き始めて、素直に聞いてくれました。笑いと涙が表裏一体であることを、わかってもらえたら嬉しいですね」と語っていました。