よしもとニュースセンター

4月27日（水）、なんばグランド花月にて、「しみけんの絶対座長になりたいんや!!」が開催されました。吉本新喜劇・清水けんじが座長就任を目指して続けてきた冠公演が、11回目となる今回から、タイトルに「絶対」というフレーズを加えてさらにパワーアップ。この日の公演は、前説の信濃岳夫・安井まさじと客席を埋めたしみけんファン、新喜劇ファンの皆さんによる「しみけんの絶対座長になりたいんや！」「なれるぞ〜！」というコール＆レスポンスで、熱気いっぱいに幕を開けました。

物語の舞台は、とある古びた別荘。前田真希、そして清水が登場すると、歓声と割れんばかりの拍手が沸き起こります。駆け落ちしてきたらしいふたりは、真希の家族が所有するこの別荘に身を隠そうとやってきた様子。結婚に反対する真希の父から逃れてきたものの、今後の生活に不安を隠せない清水に、真希は「父の金庫にあった」というペンダントを見せ、いざとなればこれを売ればいいと清水に託します。



それにしても、屋敷の中は薄暗く、ちょっぴり気味悪い雰囲気。すると突然、真希が腰掛けたソファからニョキッと手が出て、肩を揉み始めました！　悲鳴を上げるふたりの前に現れたのは、「ソファ人間」の吉田裕。退治しようと叩く清水と「叩かへんのかい！」とご存じ「ドリル」アナザーバージョンを披露して盛り上げます。



「ここは危険や」と出て行こうとするふたりの前に、今度は冷蔵庫の扉がひとりでにバーン！　中にいたのは「冷蔵庫人間」今別府直之です。



逃げる際に寒いからと壁にかけてある布を外して持っていこうとすると、目を開けていられないほどの強烈な光！　そこには頭部の輝きを生かしたキャラ「電球人間」島田一の介が...。



何が起っているのかわからずうろたえるふたりの前に、「私から説明するわ！」とドレス姿の福本愛菜が現れました。曰く、「雨宿りするためにこの屋敷に入り、魔女に魔法をかけられフランス人形にされてしまったの」。



吉田も今別府も一の介も、同じく魔女の手にかかって姿を変えられてしまったとのこと。そんな説明の合間にも、今別府は「よかったら、よく冷えたジュースでも」と下のドアを開け「ピュッピュッ」のギャグ、一の介は「ダメよダメよダメなのよ」でしっかり笑わせます。



ほかにも姿を変えられた仲間がいる、と愛菜。消火器に変えられた烏川耕一、



ロボット掃除機に変えられた酒井藍、



ゴミに変えられたMr.オクレなど個性的過ぎる面々に、客席はまたまた爆笑。



「ラジカセに変えられた」中川貴志にいたっては、手にラジカセを持っているだけのただの老人です。



ここで「わしを忘れたら困るで！」の声とともに現れたのは、大ベテラン、チャーリー浜！　大歓声に迎えられ「オー！セッシボン！」「君たちがいて、僕がいる」などのギャグを連発すると、観客は大喜び。自由すぎる言動で清水を翻弄し、「もっかい最初からやろう」と言い出すなど、"チャーリーワールド"全開で沸かせました。ちなみに、この人物は、「ここが気に入って住みついている」（愛菜）だけだそう。



はたして「魔女」とはいったい何者なのか!?　愛菜は「説明するわね」と言うや否や突然歌い始め、ミュージカル仕立てで事情を解説。まるでディズニーアニメのような展開...でしたが、歌唱力は今ひとつで、結局は普通にしゃべることに。魔女は結婚の約束をして出ていった男性を、50年前から待ち続けている幽霊で、侵入してくる邪魔者をすべてモノに変えているのだとか。清水も、真希の父に結婚を反対され、別の男性と結婚させられそうになったため、逃げてきたことを告白。そんなとき、「騒がしいわね！」と女の声が...！



黒いドレスに身を包んだ魔女役は、浅香あき恵。



「魔女と聞いてたけどオッサンやったんやな」という清水の言葉に「怒るでしかし」とオッサンではなくやっさんになりきるなど、どこかおかしな魔女ながら、凶暴性は満点。怒りに任せて真希をポットに変えてしまいましたが、清水が持っていたペンダントを見ると態度を一変させます。なんとこのペンダント、かつてあき恵が一郎という名の恋人にプレゼントしたもので、あき恵は「帰ってきてくれたのね！」と大感激。周囲から「一郎のふりをして魔女を成仏させて」と懇願された清水は、果敢にもあき恵とのキスに挑戦。顔を近づけるたび「無理や！」と何度もくじけながら、なんとか「フリ」で乗り切った清水。なのに、魔女は成仏してくれなくて...!?



成仏どころかパワーアップしているかに見えるあき恵は、かいがいしく清水の世話を焼いています。困った一同は打開策を相談しますが、ひょんなことから一の介とオクレが大ゲンカ！　動けない一の介を棒で叩きまくるオクレ...普段から仲のいいふたりならではの爆笑シーンを繰り広げます。



そんな混乱のさなか、またしても現れたチャーリー。ギャグを一の介＆オクレに無視されてもまったく動じず、謎のトークで周囲を煙に巻いていました。

ここで、秘書の信濃を連れた社長、つまり真希の父・めだかが屋敷にやって来ました。「♪見下げてごらん〜」に始まるめだかの身長イジりで笑わせた後は、婚約者である安井も加わり、真希の居所を教えろと迫ります。清水、危機一髪！　



ところが烏川らが機転を利かせ、それぞれのモノの持ち味を生かした奇想天外な攻撃で3人を見事撃退しました。



その後、3日たってもあき恵に成仏のきざしは見えず、困り果てた一同。しかし、真面目な顔をしながら気づけばダジャレ合戦を展開し、緊張感はゼロです。すると安井＆信濃がポットと化した真希を奪おうと、再び現れました。ドタバタのさなか、あき恵は清水が待ち人・一郎ではないことを知ってしまい、烏川らの攻撃もすべて見破られ逆にやりこめられてしまい...。しかも、安井は拳銃を取り出し、清水を亡き者にしようとします！



この窮地を救ったのは、あき恵でした。二度と会えないと思っていた恋人の「フリ」をしてくれた清水に感謝し、救いの手を差し伸べたのです。魔法で安井をモノに変えようとしたその時、屋敷に入ってきためだかがあき恵を見て驚きの声を。そう、めだかこそがかつてあき恵と結婚の約束をしていた一郎だったのです。



両親の反対により約束を果たせずあき恵を捨ててしまったことを詫びためだか。そんなめだかにあき恵は、清水と真希の結婚を許してほしいと懇願し、めだかもその思いに応えます。



安井の悪事も、「ラジカセ人間」の中川が録音していた会話で明るみに。しかし、ラジカセから流れてきたのは『釜山港へ帰れ』!?　待ってましたとばかりマイク片手に登場したチャーリーは、自慢の美声で歌い上げ、1コーラスで曲が終わると「3番まで歌う」と言い張り清水を困らせます。

その後改めて、録音された会話が流れ、本性のバレた安井は退散。めだかとあき恵は抱擁を交わし、一同は無事に人間に戻ることができました。天へと戻っていくあき恵...なぜかチャーリーも一緒です。そう、チャーリーはかつてめだかの家に仕えていた召使いの幽霊だったのでした。



すべてが一件落着し、安井とともに清水を責めていた信濃を、ここぞとばかりに棒で叩く清水。登場シーンでまったく拍手が起こらなかったことを持ち出し、「トータルで拍手ないのお前だけやったやないか！」とイジり倒します。そしてポットから人間に戻った真希はといえば、なぜかあき恵の姿!?　実は整形していた真希、魔法がとけて一番最初の姿に戻ったようで、清水だけは「めでたし、めでたし」ではない結末に。大きな笑いが起るなか、舞台は幕となりました。



エンディングでは、出演者が再び舞台に勢揃いしてご挨拶。めだかは「あき恵さんと恋人役というのが何よりうれしかった」とニッコリ。しかし、清水から「本当にそう思ってますか？」ときかれると、すぐさま「思ってないです」と返して笑わせます。一の介はオクレに対し、「マジで叩くな！」と改めてクレームを。あき恵は魔女のコスチュームが非常にうれしかったそうで、「写メを撮りまくっていた」（清水）と暴露されていました。一方、顔面を銀色に塗っての熱演を見せた烏川は、「後輩のイベントに呼ばれると、最近こんなんばっかり...」と複雑な表情!?　最後はサイン入りポスターが当たる抽選会も行われ、大いに盛り上がりました。



次回の「しみけんの絶対座長になりたいんや!!」は、9月14日（水）、なんばグランド花月にて行われます。新喜劇メンバーのボケを、清水が拾って拾って拾いまくる爆笑イベント、ぜひ劇場でお楽しみください！



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