NSC・YCC東京presents GWオープンスクール『漫才ワークショップ』『体験the企画会議』
4月30日(土)、東京・神保町花月にて「NSC・YCC東京presents GWオープンスクール」が開催され、ゲストにアキナが登場しました。
本イベントは、芸人養成所であるNSCと、マネージャー・ディレクター・イベントプロデューサー・カメラマン・構成作家などのスタッフ養成所であるYCCが合同で行ったオープンスクール。NSC、YCC作家コース向けである『漫才ワークショップ』と、YCC総合コース向けの『体験the企画会議』の2本が続けて開催され、希望者は両方受講することもできます。この日は在学中のNSC生・YCC生も参加していました。
まずは『漫才ワークショップ』から。講師は構成作家の長澤のぶとし氏。本日のプログラムが簡単に説明された後は、いよいよゲストのアキナが登場です。登場するなり、少々緊張気味の生徒たちに「そんなにお笑いって難しいもんじゃないねん。2人で楽しくしゃべったら、それがもう漫才になるから! それだけの気持ちで今日楽しもうや。それだけやねん!」と強めのトーンで言う山名に、秋山が「そのトーン緊張すんねん! イキらんでええねん。オレらのことなんか誰も知らんねん」とツッコみます。
それを受けて山名が「アキナを初めて見たよ、知らなかったよという人は?」と聞くと、数名から手が挙がります。それを見て「出ていけ」と一言言う山名に生徒からは笑いが。「僕ら『THE MANZAI』とか『キングオブコント』とか出てるんです。結成3年目で、結構スゴいんですよ?」とアピールする山名に「言わんでええねん」と秋山がいさめます。
ここで、2人1組となって即席の漫才コンビを結成し、漫才の穴埋め台本をもらってそれぞれが空欄部分のボケとツッコミを考え、ネタ合わせをすることに。20分という短い時間の中で、漫才制作と稽古の両方が行われました。
かなり早い段階で、「え、もうできたん!?」と生徒に話しかける秋山。それには山名も「まだやろ、ジャマすんなよ」と苦笑します。長澤氏からネタの作り方について聞かれると、「僕らの場合はコントと漫才で全然違ってきます」と秋山。続けて「漫才の時は山名がテーマを決めてくれて、ネタ帳とかも一切書かないです。稽古とかも意外と大事なんですよね......って、聞いてないよね、誰も(笑)」と自虐的な発言を。しかし、確かにみんな短い時間で漫才を披露しなければいけないため、ネタ作りに必死でアキナの話を聞いている余裕はあまりないようでした(笑)。
生徒たちが笑顔でネタ作りをしているのを見て「めっちゃええやん。今の社会に足りないものがここで見つかった気がします」とかなり大げさな感想を述べる山名。秋山は唐突に「めっちゃさわやかなトレーナーやなぁ」と山名のブルーのトレーナーをイジります。「芸人は色目も大事やから、いいと思うよ」と言われ、思わず照れ笑い(?)する山名。
ネタ作りと稽古中の生徒たちに個別にアドバイスをしたり、全体的なアドバイスを続けるアキナの2人。秋山が「立って練習するのっていいですよ。ネタの内容が頭に入ってくるし、座ってても出てこなかった言葉が出てきたりもする」と言うと、山名も「頭で考えたネタを口に出してみたら、思ってたのと違う感じになることもあります」と話すなど、2人とも芸人だからこそできる、参考になるアドバイスをしていました。
続いて、いよいよネタの披露に。食べ物しばりでネタを完成させたコンビ、ネタ自体はグダグダなのに雰囲気が面白くてウケていたコンビ、穴埋め台本の例文通りの自己紹介をあえてして「いや、それテキストのやつ!」とツッコむコンビなど、ほとんどの人が初対面で、短時間で作ったとは思えないほどちゃんと漫才の形になっています。
秋山は「女の人の方が堂々としてますね。確かNSC入りたての頃もそうやったわ。男の方が緊張してたなぁ」と、自身のNSC時代を振り返りながらコメントを。それぞれのコンビに「表情がよかった」「ほんまにいそうなコンビ」「化けるタイプ」など、さまざまな講評がなされていました。
10分の休憩を挟み、続いてはYCC総合コース向けの『体験the企画会議』のワークショップ。ここでの講師はよしもとクリエイティブ・エージェンシーの中村礼氏です。本日の企画テーマは"新商品開発"。「おもしろグッズを考えよう! 体験the企画会議!」と題されています。
この日はブラックマヨネーズ、デニス、マテンロウの3組の中から1組を選び、その芸人ならではの、その芸人にしか作れないおもしろグッズを考える、という企画会議体験をするということで、まずは参考までに、既存の芸人グッズを紹介する中村氏。「ブラックマヨネーズの靴下」「バッファロー吾郎の"オモシロクナール"」等の芸人グッズが紹介されます。
アイデアを、①自分で考える、②自分で書きとめる、③それを誰かに話す、④誰かの話を聞く、という4種類のコミュニケーションを意識しながら企画会議をしてほしいと言う中村氏。さらに「よしもと式ブレスト6カ条」が紹介され、その6カ条も意識しながら会議を進めてほしいとも話します。
その6カ条とは、
①アイデアの量(スピード)にこだわる(面白いか面白くないかは関係ない)
②批判をしない
③突拍子もないアイデアを歓迎する
④アイデアを融合させて改良する(便乗OK)
⑤とにかく口に出す
⑥時間を意識する
の6つ。
また、プレゼン要素には①商品名、②ジャンル、③開発理由、④セールスポイント、⑤イメージ図の5つの要素を入れることが義務づけられ、生徒がランダムに4つのグループに分けられた後は、いよいよ企画会議がスタートです!
会議は12分と短いながらも、4つのコミュニケーションとブレスト6カ条を意識しながら白熱した会議が行われる会場。結局、4つのグループ全部がブラックマヨネーズを選び、企画会議を行っていました。
発表された商品は、「ど~かしてるぜ!マトリョーシカ」という、小杉の髪と体型の変遷をマトリョーシカになぞらえて現代→過去へと小さくなっていき、(過去に遡るごとに)どんどん男前になっていく小杉をあらわしたグッズや、「ブラックマヨネーズ ツルツル消しゴム!」という、小杉の髪を削って頭をどんどんツルツルにしていく消しゴムと、吉田の顔面のブツブツを消しゴムを使って顔をツルツルにしていくという2つの消しゴムをセットにしたグッズなど、どれも実際に商品開発したら売れそうな面白グッズがプレゼンされます。
中村氏も、「マトリョーシカは小物入れにも使えるし、もらうと嬉しいからプレゼントにもいい」「消しゴムは値段も抑えられそうでいい」と絶賛。それ以外にもあえてストレートにマヨネーズを商品化するアイデアや、ストレス解消用のブツブツのついた握るボールなど、芸人の特徴を活かしたアイデアグッズが企画されていました。
ラストは、「こんなに短時間でひとつのグッズのアイデアが発表できたのも、同じグループの人とがんばりあえたから」と言うことで、お互いが「お疲れさま」と言い合ってワークショップは終了。短い時間で集中し、ひとつの物を作り出して発表したことは、生徒のみなさんにとって、今後に活かされる貴重な経験となったのではないでしょうか。
NSC・YCC東京presents GWオープンスクールは5月1、4、5日にも開催されます。『漫才ワークショップ』には、ゲスト講師として5月1日(日)には銀シャリ、5月4日(水・祝)はプラスマイナス、5月5日(木・祝)にはバンビーノが登場。料金は無料です。お申し込みはNSC・YCCのHP(http://www.yoshimoto.co.jp/nsc/guide_gw.html)よりお申し込みください。
【アキナ】